江崎貴裕のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
情報通信業界にいる人は、一読の価値がある。
AIが世界を変えるといわれてもぴんとこないけれど
道路ができて物流や権力の支配が変わったり
エレベーターによって、アパートメントの上下階の価値が変わったり、といった様々な例が提示される導入で、硬い頭がほぐされる。
そして、AIによってビジネスや文化が均質化されていく(アメリカ寄りになる)ことや、特権などの民主化など、興味深いテーマが取り上げられる。
そして後半では、人間がやるべき仕事、残るであろう分野についてわかりやすく例示されている。
すべての人に管理職的な視点が求められていくような感じで、そのような教育が必要になっていくのではというのは私の感想です。
じっくり読みなおしたい本であるが、1年後はまた見える景色が変わっていく変化の速いテーマなので
現在地として、今読むべきと思います。 -
Posted by ブクログ
ゆるコンピュータラジオ繋がりで江崎先生を知り、その秀才ぶりに興味を惹かれる。そんな数理モデル分野最前線の方が著した本書は、一般向けのルールデザイン本である。
ルールが破綻するそれぞれの原因を4章に分け、豊富な実例にて平易な説明に落とし込んでくれてる。
ルールを破綻させないための著者の提言として、チェック機能の重要性を説く。具体的には「適応的制度設計」という手法。認知バイアスによって人は一度策定したルールは絶対のものであると勘違いしやすい。内的外的要因でルールは機能しなくなったり陳腐化するという事実を知っておくべきだ。
正しいデータの収集とルール策定までに至る論拠の蓋然性も見逃せない。一見関連ありそうなデータで感覚的な論拠によるルールはむしろ自己満足のみの、弊害になりかねない。
理論的な話はほぼなく、専門知識ゼロでも大変楽しく読むことができた。随所に現れる事例は、ちょっとした豆知識としてどこかで披露できるかも。 -
Posted by ブクログ
デジタルデータの可視化手法の手数を増やすことで、データ分析の実力をさらに上げるべく購入しました。
本書は様々なデータを可視化する手法が記載されていますが、常に目的意識が明確に与えられたうえで説明されています。多様な可視化手段を分類・説明するにあたり「目的」ベースで分類されていることで、本書は教科書として理解しやすく、なおかつリファレンスとして利用しやすくなっていると思います。単にmatplotlibの使い方をまとめたようなものではありません。可視化されたデータを解釈する際に注意すべきことも随所で言及されており、データ分析の一工程としての可視化を広く勉強できることができると思います。
特に悪いコメントは思いつきませんが、支援機構の個人の好みとしては各グラフを作成するためのソースコードが紙にも記載されていると嬉しかったです。ただしその場合ソースコード本体とソースコードの説明も必要であり、本書の異常なスリムさは実現しえなかった(値段も4000~5000円くらい行くかも?)でしょうから、ない方がバランスの面でよいのかもしれません。 -
Posted by ブクログ
プライベートでも仕事でも、何らかのデータを解析する必要がある場面は結構あります。データを解析する際には、必ず何らかの数理モデルを仮定して分析を行うことになると思います。本書は、現代で用いられている非常に広範で多様な数理モデルに関して(かなり)網羅的にその特徴や概要を示して読者に明解な見通しを与える本です。
例えば誰かが何らかの(典型的には理工系の)大学の学科で何らかの学問を学ぶとして、数理的なモデルをデータにあてはめて現象を理解するというのはかなり普遍的な試みであると思います。簡単な例では、データの平均や分散を求めるというのもその一例にあたると思います。各分野しか知らなければその知識はその体系の中で閉じてしまうことになると思いますが、本来数理的なモデルというものは適応範囲内においては非常に効果的な威力を発揮するものです。本書が名著である点は、種々の数理モデルを分野横断的かつ網羅的に列挙し、それぞれその前提や特徴や有効範囲や注意すべき点などを明快なイラストとともに説明している点にあります。いい本すぎる。
唯一読者が注意すべき点があるとすれば、各手法の"強み"の輪郭をはっきり浮き彫りにすることにフォーカスした本ではありますが、手法そのものを説明した本ではないということです。本書で紹介してる数理モデルはそれぞれ1モデルで1冊(あるいはそれ以上)の専門書による説明が必要なものが多く、実際のデータへの適応を検討する場合この本だけでは絶対に足りないでしょう。本書はあくまで極めて明確な見通しを得るための本であり、具体的な技術に関しての解説書ではないです。それはそれとしてめちゃくちゃいい本なので安心して買ってよいです。 -
Posted by ブクログ
特に例がわかりやすく、とても勉強になりました。
データ分析において、気を付けなければならない点が上手くまとまっていると感じました。
間違った解釈をしないための本です。
・選択バイアスの例
第二次世界大戦中、帰還した多数の爆撃機の損傷跡の分布について分析した。
米軍は、攻撃を多く受けた個所を補強すべきと結論付けた。
しかし、統計学者は損傷が少ない箇所を補強すべしと主張。
何故かというと、得られたデータは攻撃を受けても帰還できた機体に限定される。
撃墜された機体のデータは含まれない。
損傷がない箇所は、そこに攻撃を受けると致命的だということを示していると。
・マシュマロテストの真実
有名な実験で、4歳児に「机の上のマシュマロはあげる。私が15分後に戻ってくるまでに食べるのを我慢できたら、もう一つマシュマロをあげよう」と言い、15分我慢できるかを調査しました。
分析の結果、我慢できた子は、その後社会的に成功していることもわかりました。
この話には続きがあり、再度人数を増やして行った実験で、実はこどもの家庭の経済力と相関があることが判明。
裕福な家庭の子供にとってはマシュマロに大きな魅力を感じないというだけだったと。 -
Posted by ブクログ
本書では、数理モデルの全体像、数理モデルの具体例、数理モデル使用前後のプロセスについて解説されている。以下、本書の内容を簡単に要約する。
○ 数理モデルの分類方法
§ 目的による分類
□ 生成過程を知りたいときは理解指向型モデル、未知データの予測をしたいときは応用志向型モデル
§ 現象の確率的なばらつきに基づく分類
□ 決定論的なダイナミクスには微分方程式、ばらつきが大きい時は確率モデル
○ 数理モデルの具体例(マルサスモデル、自己回帰モデル、状態空間モデル、PCA、ニューラルネットワークなど基本的なモデルも網羅的に書かれているが、ここではなるほどとなったもののみ抜粋)
§ 待ち行列理論
□ 窓口の行列を確率的に表現したモデルをポアソン過程を仮定して作って、定常状態での待ち人数の確率分布を求めている
§ 多体系モデル
□ 社会的ジレンマ(個々が合理的な行動を取ると全員が損をする)が発生しても全体の協力が維持されるはなぜかを多体系モデルの枠組みで解明できるらしい
○ 数理モデル使用前後のプロセス
§ 問題目的を定義する
○ 数理モデルに何を期待するかを明確にする
§ モデルを決定する
§ パラメータ推定
○ 頻度論的な最尤推定とベイズ推定がある
○ 頻度主義とベイズの違いについて区間推定を例にして説明する。頻度主義では、真の値は定数であるとして、信頼区間の両端を確率変数と考える。ベイズ統計では、真の値が確率変数であるとして、信用区間の両端をパラメータであると考える。
§ 性能評価
情報量基準、交差検証、ヌルモデルを使った尤度比検定