牧野美加のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「こう生きなければならない」
それを当たり前とする重苦しい空気。
それに押しつぶされそうな人、
あるいは押しつぶされた人たちが集う、
それがヒュナム洞書店。
これは回復の物語。
読書と同じように、
そこに正解が書かれているのではなく、
各々が何かを感じ取り、選択していく。
そしてたとえ選んだ道が間違っていても、
探し直せばいいだけと気づかせてくれる。
ただ、なくてはならないのは、
そばにいてくれる人たち。
何をするわけでも、してもらうわけでもなく。
この本ですごく共感するところは、
多くの人を支える主人公ヨンジュ自身が、
一番「正しさ」に囚われているところ。
他人には思いやりを持ってそばにいられるのに、
自分だけはそれを許そうとしない。
もうひとつはミンチョルの話。
学校の先生が素敵な生き方を教えてくれる。
それは一見「良い生き方」に見えるが、
良い生き方で生きなきゃダメなの?
というそこでの問いは大切だと思う。 -
Posted by ブクログ
舞台はソウル市内の住宅街にある
『ヒュナム洞書店』
主人公は、店主のヨンジュ
バリスタとして雇われる青年ミンジュンや
書店に集う人々の交流が描かれる。
ヨンジュをはじめ
皆それぞれに、悩みや、問題を抱える普通の人々。
その交流は、優しくて心地良かった。
読みながら、
ヒュナム洞書店でみんなの話しを聞き
登場人物と一緒に気づいたり、慰められたり
背中を押してもらったようなスッキリ感もあった。
読書φ(..)メモメモ
どんなことでもいったんやり始めたら、
何よりも心を尽くす事が大事だ。
小さな経験を丁寧に積み重ねていくことが
大事なんだ。
目の前の事に心を尽くそう
と思った。
ボリュームのある本で読むのが
大変かな…と思っていたけれど
優しい時間の流れる読書時間
心に小さなあかりがポッと灯ったような
そんな読後感
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Posted by ブクログ
ネタバレ著者は韓国の方だが、日本と共通する社会問題があるので、読むほどに色々と考えさせられる。中でも本を何のために読むのか、本が自分に影響を与えてくれることについて、今まで言語化できなかったことが作品の中に次々と出てくるので、なるほどなぁと思いながら読み進めた。出てくる登場人物も多彩で、けれど、みんな暖かく、付かず離れずの距離をとりつつ、かといって、お互い傷つけ合わないように優しく支え合う姿に繊細さを感じた。働くということや仕事をするということ、働く中で自分がしたことで周りの人に良い効果をもたらせたいと願う気持ちなど、静かなやりとりの中に感動するシーンがいくつもちりばめられている。読み返したい箇所がいくつもあり、また読みたい作品。
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Posted by ブクログ
2026.6
毎日少しずつ読んだ。
面白いブックガイドだった。
毎日読書したい。
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P7 より勇気ある、より揺らがない人間
P17 相手がこれまでどういう本を読んできた人かわからないのに、その人にぴったりの良書を薦めるなんて、どんなに難しいか!
P19 哲人 そして、刹那としての「いま、ここ」を真剣に踊り、真剣に生きましょう。過去も見ないし、未来も見ない。完結した刹那を、ダンスするように生きるのです。誰かと競争する必要もなく、目的地もいりません。踊っていれば、どこかにたどり着くでしょう。青年 誰も知らない「どこか」に!(嫌われる勇気)
P57 小説を読む人は、誰よりも「自分の人生」に関心の高い人間なのだと。小説の愛好家は、架空の人物を通して自身の人生を読む人間だ。
P63 詩は生を慰めもしないし、癒やしもしない。本で引用されている詩人ファン・ドンギュの言葉のとおり、「詩は、幸せなしに生きる訓練」なので、毎日毎日が不幸でも詩を読むことで「不幸なまま幸せに生きられる」というだけだ。
P67 「一生懸命生きている人たちが自分の人生に誇りを持てないのなら、それは社会の責任だと考える」
P70 本はロマンチックだ。本を読む人もそうだ。本の中に深く潜り込んでいる人だけが放つ空気。その雰囲気。その視線。この世でもっともひそやかで静かな変化は本を読んでいる人の内面で起こっていて、その人の姿そのものが、わたしにとってはもっともロマンチックなイメージとなる。
P76 一番好きな作品は今でも『ブルックリン・フォリーズ』だ。〜「今は哀しい一人の人間として生きているけれど、偶然この手をつかんでくれたあなたのおかげで、わたしは再び希望を抱くことができるようになった」。〜もしも、期待していた未来がしがない現実となって目の前に現れたとしても、失望に打ちひしがれる必要はないのだと安心することができた。たとえ奈落の底にいても、冗談を言い合える友人がそばにいれば、また元気を出せるはずだから。「私は静かに死ねる場所を探していた」で始まるこの小説が一筋の希望を与えてくれた。
P118 歩かねばならない。一人で行かねばならない。〜
P193 「一日に三冊もの本を読む人間を、世間では読書家というらしいが、本当のところをいえは、三度、四度と読みかえすことができる本を、一冊でも多くもっているひとこそ、言葉の正しい意味での読書家である」(岡崎武志『蔵書の苦しみ』)
P218 自分を守る、自分を保護する読書が必要な理由がここにある。商品を積み上げるのではなく、世の中を理解する知識を積み上げるために。メディアの提案してくる幸せではなく、自分の望む幸せを追求するために。孤独なとき、マートではなく友人の家へと向かうために。安定感に飢えているとき、豪華な家を夢見るのではなく、今ここでシンプルな生活を営むために。自分の不安の根源をみずからたどっていくために。自分の選択をする際に自分の気持ちを蔑ろにしないために。自分の中の欲望を理解し、それを解消する方法を自分で見つけるために。そのために、わたしたちは本を読まねばならないのだ。
P222 「この本を読んで、ちゃんと反省できる大人の苦言が身にしみました。この世界の物質万能主義を人のせいにする前に、自分の心を振り返ってみなければと思いました。人間が身につけるべき最低限の徳目が『恥』であることも、あらためて学びました」
P226 わたしの心の扉をあなたの前で開いてみたい。 -
Posted by ブクログ
本読み仲間の友人から春樹の事も書いてあるよと紹介されて。いや本好きならたまらない内容よ。
好きで好きで本読み中毒から、書くこと、小説家と自分を昇華させていってるのが凄いな。
そして一点集中型からジャンル問わす読み、学んで行く感じで、これは彼女の本読みとしての自叙伝だ。古典から経済学者の本まで(意図的に色々読んだ時期があると告白されている)。
紹介されてる本は大衆小説的なのは少なくて、古典とかも多い。私なんかは生涯一度は読んでおきたいと思うものの、手をつけられていない本も沢山あって改めて少しづつ挑戦しようと思えた。
ファンさんは、本にアンダーラインを引いて書き込む派だ。確かにその方がより深く読める気はする。私なんかは読みたい本が消化しきれずでなかなかそのような読み方は出来てない。でもそんなファンさんでも読んだ本の内容が忘却の彼方へ行くこともあるらしい(良かった私だけじゃない)。
忘れても読んだことに意味がある。
いまの本離れ、ネット世の中に憂いつつもスマホを手放せてはいない現実と向き合いながら今日も私たちは本を読む。
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Posted by ブクログ
とても興味深く読んだ。本書では、障害者が身体とテクノロジーを結び付けることを「サイボーグ(ないし障害者サイボーグ)」と呼ぶ。
作者の一人キム・ウォニョンさんは弁護士にして俳優であり、骨形成不全症のため車椅子生活をしている。もう一人の作者キム・チョヨプさんはSF作家であり、後天的な聴覚障害者である。世代も障害も異なる二人の当事者が、客観的に、また時に主観的に、正常性の規範を押し付けられる障害者の在り方を綴る。それは韓国の障害者事情でありながら、普遍的なテーマである。
本書からはいくつかの刺激的な論考がすくいとれる。
どこまでが人間の身体なのか。一握りの富裕者しか使えないテクノロジーに意味はあるのか。障害者のためのテクノロジーには「恩情」がつきまとうのではないか。障害は「克服」しなければならないのか。その状態で「在る」私は否定されるものなのか。手話は補聴器に劣るのか。杖や義足で歩くことが車椅子よりも社会的に好まれるのはなぜか。それは非障害者中心主義的な考え方ではないのか。
これらの論考は簡単に答えが出るものではない。しかし、著者の二人は、「不完全さ」に向き合い自分だけの物語を紡ぐことに意味を見いだす。これは、今の日本にも必要な視点だと思う。 -
Posted by ブクログ
『ようこそ、ヒュナム堂書店へ』の著者、ファン・ボルムさんの読書エッセイの改訂版があると知って、早く読みたいと思ってました。
題名がいいですよね。
読書は自由だから、どんなふうに読んでも、その人となりが現れます。
なぜ、本を読むのか、読み終わって感じる満たされた気持ち、新しい本を手に取った時のワクワク感。なかなか読み進められない本へのもどかしさ。いい感じの本屋さんを見つけた時の高揚感。
本への愛情がたっぷり語られていると感じました。
各章に著者が愛する作品が紹介されていて、作品は読んだことのないものばかりだったけれど、引用された一節に心が動かされます。
紹介された作品は外国のものばかりで、難易度が高そうと思ってしまうものばかりだったけれど、何冊かは一度読んでみようかと思わせてくれます。