牧野美加のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ韓国の小説を初めて読みました。
いろいろな人生があるけど、過去に苦労をしている人ほど、人に優しくなれるのかもと思いました。
「carpe diem」 、「人生をもっといい人間にする空間」、「いい人が周りにたくさんいる人生」という表現が心に残りました。
人を疲弊させるのも、人を救うのも、人なんだなって。
結局は人は一人では生きていけない。自然体で付き合える人間関係が人生を豊かにするのだなと思いました。
たまたま書店で出くわしたそれぞれの境遇の人たちが、自然に対話を通じて心をつなげていく、なんだかふんわりと優しい気持ちになりました。
いい人が周りにたくさんいる人生って素敵だな。そのためには何らかの -
Posted by ブクログ
とても興味深く読んだ。本書では、障害者が身体とテクノロジーを結び付けることを「サイボーグ(ないし障害者サイボーグ)」と呼ぶ。
作者の一人キム・ウォニョンさんは弁護士にして俳優であり、骨形成不全症のため車椅子生活をしている。もう一人の作者キム・チョヨプさんはSF作家であり、後天的な聴覚障害者である。世代も障害も異なる二人の当事者が、客観的に、また時に主観的に、正常性の規範を押し付けられる障害者の在り方を綴る。それは韓国の障害者事情でありながら、普遍的なテーマである。
本書からはいくつかの刺激的な論考がすくいとれる。
どこまでが人間の身体なのか。一握りの富裕者しか使えないテクノロジーに意味はあ -
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『ようこそ、ヒュナム堂書店へ』の著者、ファン・ボルムさんの読書エッセイの改訂版があると知って、早く読みたいと思ってました。
題名がいいですよね。
読書は自由だから、どんなふうに読んでも、その人となりが現れます。
なぜ、本を読むのか、読み終わって感じる満たされた気持ち、新しい本を手に取った時のワクワク感。なかなか読み進められない本へのもどかしさ。いい感じの本屋さんを見つけた時の高揚感。
本への愛情がたっぷり語られていると感じました。
各章に著者が愛する作品が紹介されていて、作品は読んだことのないものばかりだったけれど、引用された一節に心が動かされます。
紹介された作品は外国のものばかりで、難易度 -
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韓国人の著者による昨年の本屋大賞翻訳部門の作品。ある街の住宅地の真ん中に、小さな書店ができた。そこが本作の舞台。訳ありそうな30代の女店主を中心に、アルバイト店員や街の住人や兼業作家など、この書店に集う面々の群像劇。自分のペースと価値基準で働いて生きて幸せを追求する、がテーマか。
懸命に勉強し良い大学に入り良い会社に入り働きづめだった生き方から離脱した人たちの営みの試行錯誤や気づきが描かれている。作中に是枝監督の映画の原作への言及があるが、著者のあとがきにも「めがね」や「リトル・フォレスト」など日本の作品を意識して本作を書いたとあり、日本の読者とも親和性が高いテーマと世界観の作品だ。お隣の国 -
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ネタバレ全体を通して友だちを見つけた感じ。夜寝る前の読書の時間に、この時間も誰かと繋がってるんじゃないかと思っていた感覚を、この本を読んでいるときも同様に感じた。
「頭も心も重い日には、負担の少ない薄い本に手が伸びる。」私も本を読めない時があって、それで挫折しちゃうのは勿体無いなと思うし、やっぱこういう人もいるんだと思った。
「ほかの誰かを本が読みたいという気持ちにさせながらも、自身は本を読むことにしか関心がない」読んでいる人を外から見た表現。その点に魅力を感じていたが言語化したことがなかったことに気づいた。
「本を読んで強くなりたい。より揺らがない、よりどっしりした人間になりたい。」この本のコ -
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ネタバレ読書に関するエッセイ。語り口が優しく(ようこそ、ヒュナム洞書店へと一緒!)、読書に対する愛が深くて面白かった。
読書をするときの不安?悩み?戸惑い?に対して私はこうしているという事が書かれていたり、たくさんの本から引用がされていたり、でも押し付けとか上から目線という感じがせず好感を持てた。
後半は若干流し読みになってしまったけれど、前半はメモをしながら読むほど良い言葉がたくさんあった。
◯読書後の忘却
読書が虚しく感じられる理由
「文学的健忘症」
パトリックジュースキント
読書においては「記憶」ではなく「変化」がもっとも重要だ
◯読んだり書いたりするときに感じる快楽は、時とともに大きくな -
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とても面白い読書エッセイでした。
本との付き合い方を、改めて考えさせられました。
早速、タイマー機能のアプリをダウンロードしたし、本スタグラムもチェックしました。
たくさんの本が紹介されていて良かったです。おかげで、新たに気になる作品が4つ見つかりました。
この本を読んで一番思ったのは、出版関係の仕事をしているわけではないのだから、速く読むより、深く多く感じるのを優先しようということ。
あと、批評家ではないのだから、感想はもっと自由に書こうということです。
それぞれの人に、本を楽しむ方法があっていいと思います。
とても素晴らしい作品でした。