遠坂八重のレビュー一覧
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ネタバレ予想外に非常に面白かった。表紙の絵柄からは想像もつかない展開で非常に驚いた。
第5章、最後に三井仁菜が真相を説明するシーンは圧巻。そこで仁菜の想像を超える真実が明かされる。
「総経本部メンバー4人が青瀬を殺そうとしていた。」
飯野は、青瀬が仕事ができないからという理由で消えてほしいとは語っているが、殺すというのは飛躍しすぎ。パワハラの前川を殺したいのはわかるが、青瀬は殺さなくてもなんとかなると思う。
5章のあとに、過去のエピソードがあり、エピローグがあるのはよかった。
こんな会社あるのかなとも思うが、冷静に考えると確かにありそう。
ここへ行って仕事の改善をしたくてたまらなくなった。
メンタルがやられるとどんどん悪循環に陥ってしまい、脱出できなくなる怖さがよく描かれている。
作者の別作品も読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ暑い夏のうちに何かホラーを!と、なんとなく選んだ本だったけど、これはおもしろい!
読みやすいし、先が気になるし、ページをめくる手が止まらない。
「あれ?なにかおかしい??」と思ったら、即撤退がなにより大事だと思った。
幽霊であれ、人間であれ、自分の「あれ?」は絶対正しいと自信をもって生きていきたい…と思うくらいに怖い。
私、のぞみちゃんみたいな子苦手だー!!
もう「ヒィィィ!!」って思いながら読んだ 笑
だいたい、菜乃ちゃんが悪を知らなさすぎるんだよ。
のぞみちゃんみたいな子には社交辞令なんて通じないんだから、食事に誘っちゃダメだって!
それよりなにより、親しくもない人の手作りお菓子なんて食べないでよ。
それに結果大丈夫だったけど、なぜ教授をあんなに信用できているのかずっと不思議だった。
山の中に捨てられたらどうするの!とずっとビクビクしてた 笑 -
Posted by ブクログ
ネタバレ死んで欲しいと思っていた上司が失踪した。
自分が殺されたとしたら、これらの部下に殺されたとしてもおかしくありません、とのメールをばら撒いて。上司、前川は死んだのか?
パワハラ上司から解放された、と思ったら、一転容疑者扱い。周囲から鼻つまみ者にされ、疑いを晴らすには犯人もしくは上司を見つけ出すしかない。
大手企業の「総務経理統括本部」という部署は、前川部長のパワハラが蔓延する絶対王政。
主人公の青瀬は、日々彼から耐え難いパワハラを受け、明らかに身体症状が現れるレベル。
のちに出てくるが、残業は月80時間どころではなく、200時間とか。泊まり込むか、始発で帰ってまた出社するか、みたいな状態である。
人間は多分、防衛本能が働いて、頭がぼうっとしたり、何も感じなくなったり、気力がなくなったりするのだろう。
青瀬も、第1章の冒頭からミスをやらかし、前川から盛大にパワハラを受ける。
その描写がまたねちっこく、的を射て、不愉快で、読むのがつらい。
「こんな会社、辞めればいい」と思うけど、消耗し尽くした限界社畜は変化をもたらせるほどの余裕もないのだ。
青瀬が仕事ができないのは、最初っから描写されていた。「○○はまだ?何回も催促しているのに」という苦情がしょっちゅう入ってくる。毎朝、始業前からメールが何十件も溜まっている。絶対処理しきれてない分が積み重なってるだろ。。
そして、途中から語り手である主人公が狂い始める。何を言われても「覚えてない」
「何をしようとしてたんだっけ」
「知らないうちに前川を殺してしまったのだろうか」
この小説は、幾重にも怖さを重ねてくる。
まずはパワハラの恐怖。次いで、上司がいなくなったら周囲から殺人犯のように扱われる恐怖。見張られているかのように感じる恐怖。さらに、周囲に不審なことが起こり、上司がどこかに潜んでいるのでは?害をなすのでは?という恐怖。最後に、謎解きのシーンで明かされる…
読み切れば、人間が信じられなくなる本です。
でも、探偵役の子が重苦しい雰囲気を吹き飛ばしてくれるので、わりとさくさく読めます。
さくさく読めて、読み切ったら、人間が信じられなくなる、最悪な本です笑
さらに、パワハラや長時間労働、恐怖だけでなく、認知のズレを描いた本でもあります。
青瀬は、自分は不当に働かされ、叱責されていると思っている。仕事ができないけど、みんなと同じくらいだと思っている。
周りは、青瀬が仕事ができなさすぎるせいでそのフォローに疲れ果てている。殺したいくらいに。
青瀬は、どうやら家で大声で叫んでいるらしい。
でも気づいてない。
周囲の人は何度も大家さんにクレームを入れている。
大家さんは何度も青瀬に接触しようと試みる。
でも、青瀬は電話も出ない、手紙も見ない、約束した日時もすっぽかす。
となると、青瀬は自分をまあまともだと信じているけどそんなことはなく、
じゃ翻って自分ってまともだと思っているけどそうなんだろうか。
そんな風に、自分の足元を崩される本だった。
「読まなきゃよかった」と言いたい。
でも面白かった。 -
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呑気な学園ものではない。
誰が誰の平穏を奪ったのか。
奪われた者はどのように生きていかなければならないのか。
奪った者は何故そのような行為をしたのか。
奪った者はその行為が奪う行為だと思っていたのか。
奪った者の嘘に気付きながらも、いつか真実を明かしてくれる日を待つ、奪われた者。
「こんなに想像力が欠如していることに俺は本当に驚いてるんだ」
奪う者は奪われる者の気持ちを想像する事は難しい。想像できるのであれば、そもそも奪わないのだろう。
奪われた者は不幸である。
ただし、心から伴走してくれる人が傍らにいるのであれば、それは幸せなのかもしれない。
登場人物の心理描写を深く表現されたとても良い本でした。 -
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冬汪高校たこ糸研究会シリーズ三作目にしてこれで完結かな? 麗一と蓮司が友達になったいきさつや、麗一がなぜあのような生活を送っているのかがわかります。
引きこもりの友人が別人に入れ替わったのではないかという相談を受けた二人。しかしその友人の引きこもりの原因がある事故にあることを知り、麗一の態度が豹変する。麗一の過去に何があったのか、そして事故の裏にあった真実とは。
今回もとんでもなくしんどい物語でした。前二作と違って陰惨な殺人事件は起こらないのだけれど、悲痛さはトップクラスかもしれません。幼い頃の過ちは許されてもよいとは思いますが、それをなかったことにして反省も謝罪もしなくてよい、というのはもちろん違うはず。忘れられるはずなどないのだから、だったらきちんと向き合わないと本人もずっと苦しいままではないかと思います。だからラストのあの人に対して罪を突き付けた行為は、糾弾というだけでなく救済でもあったのではないかな。
そんな中でも麗一と蓮司の友情にはほっとさせられるし、麗一の幸せな時代のエピソードにもほっこり。麗一の人生は過酷な部分が多かったけれど、それでも彼は不幸ではないしこれからも大丈夫だという気がします。 -
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隠されていた麗一の過去に触れられるのでは、と思って本屋で迷わずに手に取った1冊。
想像の何倍も重たい過去だった。
前作で麗一は「自分は気楽な身分なのさ」と言っていた。蓮司はもちろん「麗一に何かあれば滝家全員が悲しむ」と否定した。私も全力で否定したい。
文乃一家は少しずつ前に進みつつ、朝美に自分の罪と向き合う機会を与え続けた。朝美は幼少期からのコンプレックスがあったとはいえ、真実から逃げ続け文乃一家の思いを踏みにじり罪を重ねた。成長してからも他の被害者に対する罪悪感は全く湧いてきていなかった。救いようがない、と思うがそれでも更生の機会を与えられた。
朝美のコンプレックスの原因となった姉は最終的に朝美の罪により打ちのめされているが、そこに自身を当事者として受け止め、反省する機会は訪れるのか?