遠坂八重のレビュー一覧

  • 白色光の影を浚う

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    複数の登場人物の視点から描かれる人間ドラマで、交錯する彼らの感情や行動、関係性に引き込まれた。罪と向き合うことの難しさを突きつけられる切ない物語だったが、すべてのページをめくり終えた時には、心地よい充実した読後感につつまれた。
    ​本作はシリーズ作品のひとつのようだが、ここから読み始めても何の問題もなく作品の世界観に入り込むことができた。時間があるときに、他のシリーズ作品もぜひ読んでみたい。

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    2026年10月07日
  • 死んだら永遠に休めます

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    タイトルに魅かれて手に取った。なんとなくミステリなのかな程度の気持ちで読み始めたら、冒頭からぶっとんだパワハラ上司や令和にはありえないようなブラックな職場環境の描写にあてられて導入から引き込まれた。次はどんな最悪な状況に?という気持ちで読み進める。ひたすらにダークな環境をユーモラスな文章で展開していくため主人公の暗い性格や考え方もあまり苦にならず読み進めやすかった。
    どんでん返しとまではいかないが、それなりのオチもついて完結。最後まで救いのないストーリーは初めてな気がするが読み終わってもそんなにネガティブな気持ちにならないのは文章やキャラクターのなせる業か。
    面白かったです。

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    2026年10月04日
  • 呪祖の島

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    主人公の秀の姉の勤める会社の関連する謎の島の高校へ転校を促すことから始まる恐怖の扉が開かれワクワク感が止まりませんでした。その高校で過去にあった10人の殺害事件もうホラーミステリーの始まりです。島での死の恐怖や奇妙な呪文これぞ呪いホラーミステリーの始まりです。あなたもぜひ読んで恐怖、恐怖を感じて下さい。

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    2026年10月01日
  • 死んだら永遠に休めます

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    ネタバレ

    パワハラ上司が失踪し、その部下全員が容疑者となる。
    部下の一人である青瀬と派遣社員の仁菜が、上司失踪の真相を追う物語です。

    1章はほぼ導入なのですが、ここで描かれるパワハラ上司のくだりがとにかくつらい。
    不要な仕事を際限なく生み出すモンスター上司の解像度が異様に高く、本編の事件が始まる前にこちらの心が折れそうになる、新鮮な読書体験でした。

    目障りな上司が姿を消し、せいせいしたのも束の間、「部下に殺されました」という告発メールによって身に覚えのない窮地に立たされる総務経理統括本部。
    火のないところにも煙が立つこの時代。SNSや動画配信で面白半分に「人殺しの部署」と拡散される可能性すらある。
    生きていても鬱陶しいのに、いなくなったらさらに面倒。仕方なく、誰も会いたくない上司を探しに行く。
    あまりにも独特な動機がユニークでした。

    主人公にとって全く気乗りしない展開であるため、そもそも事件を解き明かすのかという前提すら担保されていません。
    さらに青瀬はオーバーワークによって常に思考が散漫で、記憶や判断にも怪しい部分がある。
    あらゆる意味で「信頼できない語り手」になっているため、物語がどこへ転がるのか予想しづらく、サスペンスとして楽しめました。

    そして明らかになる真相が、あまりにも酷い。
    地獄のような激務の中で唯一同じ痛みを分かち合えるはずだった総経本部。しかしその同僚たちこそが青瀬を殺害し、罪を上司に被せようとしていた——信じていたのは自分だけだったという悲劇と、激務を減らすためならそこまでやれるのかという非情さが胸に刺さります。
    青瀬を気の毒に思う一方で、関わった大半の人の名前を覚えられず、約束もすぐに忘れてしまう青瀬の危うさがきちんと描かれており、本人に悪意はないとはいえ、一緒に働く側からすれば、確かに相当なストレスが溜まるだろうな……という犯人側への妙な同情も生まれます。

    パワハラを繰り返す上司よりも、無能な部下であることの方が強い怒りを買うという衝撃的な動機。
    殺された前川よりも、青瀬こそが総経本部の中で最も恨まれていた人間だったという、あまりにも酷な事件の顛末でした。

    会社ではろくに仕事ができず、飯野からは「人間未満」とまで烙印を押されていた青瀬。
    しかしその後に続くモノローグでは、高校生だった青瀬が、仁菜に学校を休ませるという選択肢を与え、当時中学生だった仁菜を救っていた過去が描かれます。
    ここから考えると、青瀬はあらゆる面で駄目な人間なのではなく、「決められたルールを正確に守ること」が美徳とされる社会に、極端に向いていない人間なのではないかと思いました。

    ロックバンドでタンバリンを鳴らしていたというエピソードからも、彼女はもともと型にはまるような人間ではありません。
    主人公の一人称視点で進む物語のため想像の域を出ませんが、本人が自覚していないだけで、自由な発想が評価されるクリエイティブな職業の方が向いていたのではないでしょうか。
    佐伯も仁菜と同様に、青瀬が無意識に抑え込んでいた開放的な性格に惹かれていたのかもしれません。

    しかし彼女が勤めていた会社では、何よりもルールが優先される。
    決められた仕事を決められた通りにこなせない青瀬は、その世界の中では「人間として達していない」と判断されてしまう。

    事件だけを見れば、「駄目な人間であることが死に値する」というあまりにも酷い話です。
    だからこそ、その後のエピローグで示される「所属する世界が変われば、その人間に対する評価もまた変わる」という視点が印象に残りました。

    そして、エピローグを読み終えてから振り返ると、仁菜への印象も変わってきます。仁菜の開放的な性格は、高校生だった頃の青瀬の模倣であり、彼女は今の青瀬よりも、学生時代の青瀬をこそ好ましく感じているはずです。

    事件の真相を追うのであれば、青瀬を連れ回さない方が間違いなく効率は良い。
    それでも彼女を連れ回すのは、かつて憧れた先輩と一緒にいられるからという理由もあるでしょうが、高校時代に自分を救ってくれた青瀬を、今度は自分の手で「あの頃の青瀬」に戻そうとしていたのではないかとも感じました。
    ただ、そこに悪意はないのでしょうが、これは前川をはじめとした総経本部の面々と同じく、青瀬を自分の望む形に矯正しようとする発想に根差しています。

    この作品は、青瀬が肉体的に休むことのできない辛さを軸にした物語ですが、精神面においても同様の構造を抱えていたのではないかと感じます。
    総経本部からは「ルールを守る人間であれ」という圧力、仁菜からは「ルールに縛られない人間であってほしい」という矯正——常にその板挟みにあり、彼女を最も尊重していたはずの佐伯ですら、悪意の有無にかかわらず存在そのものがプレッシャーになっていたことが描かれています。

    誰かと関わる限り、人は何かを期待される。
    作中ラストの描写も含めて考えると、本作が描いているのは「仕事を辞めれば休める」という単純な話ではなく、社会の中で生きている限り、他人から向けられる期待や役割から完全に解放されることはない、という息苦しさなのではないかと思いました。
    事件が終わり会社から解放されても、死ぬまで心が休まることはないのでしょう。

    【総評】
    ミステリー単体として見ると、謎解きそのものはやや弱めです。
    しかし、「休むことのできない社会人」という設定に焦点を当て、事件とドラマを連動させて描く構成が面白い作品でした。
    チームとしての連帯と差別。社会に向いていない者の生きづらさ。異なる価値観で動く者たちの断絶——ユニークな設定を通じて、現代の社会人に響く普遍的な人間ドラマが描かれており、読み応えがありました。

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    2026年10月01日
  • 死んだら永遠に休めます

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    ネタバレ

    パワハラ上司に詰められながら毎日深夜まで残業を行う主人公の、毎日の仕事連絡に追われる様子、どんどん自分の心身が削られていく様子がリンクしたように感じられる追い込まれている心理描写に影響を受けてしまう。
    私も読んでいる間は目の前の仕事を億劫に感じてしまうほどでした。(おそらくシルバーウイークの影響)

    原因となるパワハラ上司の失踪から会社と業務が落ち着くのかと思いきや、周りからの目線や対応に別の意味でより心身を疲労させていく主人公がさらに追い込まれていく様子が仕事だけではなく住居にも影響していくのが苦しい。

    ミステリのため謎がどうなるのか登場人物の誰がなのか、と勘繰りながら読んではいたけれど、最終ではそうだったのかよーってちょっとくらった部分はありました。
    人はやっぱり置かれる環境で順応していくわけだから、合わない・違うと思ったのなら速やかに環境を変える方が自分のためになるよね、と改めて感じました。

    今少し仕事について後ろ向きな気持ちで読んでしまっていたゆえに、周りから見た主人公の評価がまるで自分のことのように感じてしまったけれど、おそらく適材適所のため、場所も変われば評価も変わるだろう…と前向きなメッセージにも感じる。

    その為最後、主人公が行った行動には十分な休息も含めて思考が正常に戻ったからこそ、前いた環境の違和感から逃げる選択が取れるようになってたのが成長を感じた。

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    2026年09月26日
  • 死んだら永遠に休めます

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    一気に読めた。
    パワハラの話かと思ったら読みやすいミステリーという感じ。
    登場人物が割と多いので少し混乱したけれど、話のテンポは早く面白い。
    最後に謎解きがあるけれど、あまりにもあっという内容で驚いた。

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    2026年09月23日
  • 死んだら永遠に休めます

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    過酷な労働環境で身を削る主人公。
    パワハラ上司に強い殺意すら抱く日常のなか、その上司が突如失踪したことで、物語は怒涛の展開へと動き出します。

    会話文やチャットのやり取りを多用しているため、テンポが良く非常に読みやすい反面、描かれる内容は息が詰まるほどの心理的圧迫感に満ちています。
    途中でふと覚える微かな「違和感」が次第に膨らみ、終盤で一気に全貌が明かされる構成は見事です。
    ただ、結末は普通のミステリっぽい意外性ではなく、妙な納得感とどこか嫌な予感が当たってしまった感覚が同居し、読み終えた後は何ともやるせない気持ちになりました。

    同時に、『推し、燃ゆ』や『コンビニ人間』といった作品を連想しました。
    本作も、「普通」の枠組みに上手く適応できず、一般社会のなかで浮き上がってしまう人々の生きづらさが克明に描かれています。
    仕事も人間関係も日常生活も、悪気やふざけ半分ではなく、もちろんサボっている意識もなく、本人は至って一生懸命に生きているのです。
    だからこそ、周囲に一人でもその不器用さに寄り添い、寛容でいてくれる存在がいることの尊さを痛感します。
    その意味で、作中における「ニナちゃん」の存在には、読者である私自身も深く救われる思いがしました。

    これで、ミステリの部分がもう少し本格派なら、個人的には最高だったと思います。

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    2026年09月21日
  • 死んだら永遠に休めます

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    仕事が生活の中心の私は読むのしんどかったぁ。それに、愚鈍だから仕事できる人、できない人も分からんかったからラストは「はい!?」っとびっくり。
    死んだら永遠に休める、魔法の言葉で救済にも思えるよ、私も。読む人は選んだ方が良い作品。
    引き続き納税頑張りましょうね、みなさま

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    2026年09月21日
  • 死んだら永遠に休めます

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    ネタバレ

    ちょっと想像と違った。怖くはない。

    最初は仁菜ちゃん苦手だなーって思ってたけど、途中からはむしろ青瀬さんにイライラしてきて、こういう人と働くのって本当に心身ともに疲れるんだよなって思ってたら、この結末。
    ある意味仕方ない気もする。
    パワハラは絶対ダメだけど、あまりにも仕事ができない(しかも自覚ない)というのも何かのハラスメントじゃないかってくらい、人にダメージを与えるよね。

    しかもそんな自分(青瀬)に親切な佐伯さんを大切にしないとは!
    別に付き合う必要はないけれど、お礼と最後の挨拶くらいするのが常識だよね。
    ってそういうこともできないことが、仕事の諸々に…笑

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    2026年09月21日
  • 怪物のゆりかご

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    麗一みたいな友達が居たら楽しいだろうけど付き合い方大変そう
    「普通なんて主観と偏見にまみれたクソみたいな幻影」本当にそう思う

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    2026年09月18日
  • 白色光の影を浚う

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    星4.2

    続編ということで、いつもなら最初から読むのですが、こちらが一番評価が高く、こちらから読んでも大丈夫そうなので読みました。
    初読みの作家さんです。

    高校生二人の周りで起きる事件を二人が解決して行くミステリー。
    最後に繋がって行くお話も面白く、最後の終わり方も良かったです。

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    2026年09月18日
  • 白色光の影を浚う

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    今年一番の一気読み
    遠坂さん3冊目ですが、どれもテイストが違った
    共通は人の恐ろしさと、読み出すと止まらない

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    2026年09月18日
  • 死んだら永遠に休めます

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    会話が多く読みやすい。とても面白かったが、主人公の状況や最悪を更新していく展開、かなりしんどい気持ちになりながら読んだ。
    同じような体験をした人には絶対勧められない。あ

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    2026年09月17日
  • 死んだら永遠に休めます

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    想像をしてなかった結末。激務になると周りが見えなく冷静な観察や判断、自己評価ができなくなる、ということを小説を通して自己体験することになる。自戒しよう。

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    2026年09月12日
  • 死んだら永遠に休めます

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    積読チャンネルから。

    ・あまりにも真相が悲惨すぎるやろ
    この人が怪しいかも…とか色々考えてたけど全然違った

    ・ほんまに皆かわいそう。
    余裕がない、ということが本当に社会性を奪い人間性を堕落させてくものなんだなあ

    ・主人公の社畜極まった鬱っぽい描写が胸に迫る。
    経験者じゃないからリアルなのかどうかは分からんけど、人間ってダメになるときはそういうもんなんだなぁって感じがしてツラい

    ・でも温かく見てくれている人だっているんね、捨てたもんじゃないな…と思いつつ、ラスト一行でまた主人公の傷の深さを見せつけられ撃沈。
    時間が解決してくれればいいねと願う

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    2026年09月10日
  • 死んだら永遠に休めます

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    ネタバレ

    30代になってから読んで良かったと思った。
    仕事が出来ないが故にパワハラを受けて〜
    って話だったのでこの本を社会人3年目までの
    状態で読んでいたら中々メンタルに来ると思う。
    やっぱり仕事第一の人生はダメだよ。
    あとこの本は人には勧められない。
    特に社会人には。お前仕事出来ないんだから
    こんな風に思われてても仕方ないよ?
    って捉われかねない気がする。
    でも面白かった。友達とか同僚はやっぱり大事。

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    2026年09月09日
  • 死んだら永遠に休めます

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    いやー、グサグサきたな。
    帯の言葉にどんな後味の悪さなんだろうと思っていたけど想像よりは良かったラストだった笑
    仁菜ちゃんがいて良かったなと思う。

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    2026年09月08日
  • 死んだら永遠に休めます

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    鬱病の人は読まないことをお勧めする。
    中盤中弛みしていたものの、最終章の謎が解決していく疾走感は素晴らしい。

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    2026年09月06日
  • 白色光の影を浚う

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    ネタバレ

    6年前に事故で亡くなった7歳の女の子。
    その姉の文乃が事故をきっかけに引きこもりになり、友人の曽我朝美が毎月訪ね、ドア越しに話しかけていた。返事のないまま、その習慣が続いていた。
    が、ある時相変わらず扉の向こうで返事もないが、ベットのスプリング音や気配がいつもと違う。
    扉の向こうからメモが渡された。「もう来ないで」
    あれは絶対、文乃じゃない。入れ替わってる!!

    と言う相談を、鎌倉の進学高校内の便利屋「たこ糸研究会」で受けた。
    部員の滝蓮司(たきれんじ)と、卯月麗一(うづきれいいち)は学校内の旧校舎の空き教室を使っている。たまに旧校舎をつかう部活があるが、ほぼ入ってくる人のいないこの校舎に幽霊が出るともっぱらの噂だった。
    2人は朝美の話を聞いていたが、文乃の引きこもりの原因をきいた麗一は顔色を変える。
    それに蓮司は気がついていたが,話をしてくれないのでモヤモヤもしている。


    物語は、この軸に,
    旧校舎の幽霊騒ぎ?と、朝美が見える人っぽいとかそう言うのが加わるけど
    それらは全然メインではなくむしろ、話をないまぜにするエッセンス?

    結局は、6年前の事故が発端。
    それと、麗一の生い立ち。なかなかやばい。

    16歳で麗一を産んだ母と,父?に虐待されてかろうじて5歳まで生き延びた麗一は、祖母に救い出され、一時的に施設に入るものの、知らないおじさん(遠縁の親戚)に預けられる。裕福ではないが、その人はその日から「お父さん」になった。
    狭いボロアパートでの二人暮らしは幸せだった。ゴミに落ちてる本を拾って、フリガナがついてる漢字を、父が買ってくれた広辞苑で調べた。
    色んなことを調べて、父に話すのが楽しかった。難しくてわからないことも、しょうもない事も毎日父は「うんうん」と聞いてくれた。父に話すのが大好きだった。
    なのに。
    中学の時父は事故で亡くなった。
    小さい子どもを避けて、ガードレールにぶつかり横転し、車に頭部を挟まれてしまった。管理人の宍戸さんが一緒に警察に行き遺体確認してくれた。麗一は見ない方がいいと言われた。なのに、SNSでは潰れた父の痛いの写真が上がって、酷い言葉が投げつけられていたことを、突撃してきた記者から知る。麗一は引きこもってしまった。
    父亡き後、後見人は管理人の宍戸さんがなってくれた。父がもしもの時にと、手続きをしてくれていた。お金もすごい金額を残していた。
    小学校の時に友だちになった蓮司は引きこもってる間も来てくれた。ある時、蓮司に頼む事にした。
    「お父さんが死んだことを受け入れられない。だから、自分の中で死んでない事にする。遠くに出張に行ってしまってるだけ。いつかお父さんは帰ってくる。だがら、蓮司だけは俺と同じようにお父さんが生きてると信じてほしい。蓮司が信じてくれたら、俺も信じれる」
    それからたまーに麗一が「今日もお父さんは帰ってこないんだ」などと言うが、それを「うんうん」と聞いていた。

    曽我朝美は、小さい頃意地悪な姉に友だちの前で恥をかかされてから、他人が自分をどう見てるかが異様に気になるようになった。
    友だちの文乃ちゃんの妹が、癇癪を起こして大騒ぎして泣き止まないのも見ていて、あれは耐えられないと思ってした。ひどいことも言った「あんな妹がいたら生きてられないわ」

    家にあると姉は揶揄ったり意地悪を言ったりする。お母さんはたしなめてくれない。絵画教室を早退してしまった。時間を潰して帰らねばと思ってるところに、文乃と妹が歩いてきた。妹は小学生なのにハーネスをつけている「これ、変」と言うが「変じゃないよ。これがないと飛び出しちゃうから危ないの」でも、周りの人がなんて見るか。
    妹が焼き芋食べたいと癇癪をおこすのが恥ずかしくて、妹を見ててあげるから焼き芋買っておいでと文乃を行かせる。陰で待つつもりが姉を追いかけて行こうとする。それを,麻美の姉と友だちがやってきて見られそうになった。やばい。ハーネスつけた子を持ってるとなったらまたからかわれる。
    咄嗟に妹を抱っこして駆け出した。
    文乃から離れた妹はさらに暴れる。
    離れたところで降ろすと、癇癪がひどくて手がつけられない。思わずハーネスを離して投げつけた。
    妹はそのまま駆け出してしまった。
    もういいや・・・としばし思ったが追いかけていくと車のブレーキと大破する音。
    誰かが駆け寄って「・・こりゃもうダメだ」と。
    パニックになって、家に走って帰った。部屋にこもって母からのノックにも応えなかった。
    でも実は





    まぁほぼ,ネタバレです。最後にもう一つある、ほぉーって事実が。


    エピローグで
    麗一と蓮司が進学する話がありまして。
    小学校から一緒だった2人はここで離れ離れになります。寂しすぎるだろー!!!
    でも、SNSがこわくて持てなかったスマホを麗一はもてるようになり、
    蓮司とはスマホでこれからも密に連絡し合おうと約束。お互い、新しい生活で新しい友人ができて、もしかしたらその約束はほんの短いものになるかもだけど、それはそれ。
    でもなーこの2人なら大人になっても一緒にいる気がする。


    ↑に書いてない事件がひとつあって
    それにより、朝美は少年院に入る事になるんだけど、
    母が面会に来た時に、姉にいじめられてたの知ってたよ。ごめんね。女の子同士だから難しいのかなって思ってた、ってのは、まじで許せん!!!
    親として逃げてただけやん!!母かもうちょっと妹のフォローしてたらさー!!!って思ったよ。
    あと、姉はザマァみろって感じだけどね。

    この麗一と蓮司の物語をもっと見ていたかったなー

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    2026年09月04日
  • 死んだら永遠に休めます

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    ネタバレ

    激務すぎると頭が正常に働かなくなる。仕事以外のことに気力が出せなくなり、休日は何もしたくないので家で寝ている。私も経験あるので読んでて辛かった。私は逃げたけど、逃げられなくなる人もいる。
    ブラック企業から卒業する話かなと思いきや、こんな展開になるんだ?!という驚きでページをめくる手が止まらない。人それぞれ事情はあるけど、パワハラ上司への擁護の言葉には少し違和感。描写されてる内容が酷すぎて、仮に優しい側面があったとて、彼は許容範囲を逸脱してる。
    派遣の彼女は、本当は賢いのよね…ミスはわざとでは…?マクロ解除はさすがにキツイよ…。

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    2026年08月30日