遠坂八重のレビュー一覧
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オカルト好きの女子大学生と、陰陽師の大学教授のバディもの。二人ともいい性格をしているので、会話のテンポも良く、おしゃべりパートは面白い。だからこそホラーへと滑り込んでいくと怖さも倍増する。
様子のおかしくなった同級生、その家族、それに関係すると言われて調べ始めた廃集落のある家、深みにはまっていくと苦痛を伴う恐怖に襲われと、気づいたら後戻りのできない蟻地獄へと、とてもテンポ良く進んでいて一気に読んだけれど、まさかテンポが良すぎることが構造だとは驚き。
人柱とか、人格交代とか、一家惨殺とか、あまりにもしっかりとした説明があると中でも外でも信じてしまう。
生仏の型取りって、それを考えたのも実行したの -
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死んだらエエのに、って思えるほど酷いパワハラ上司が謎の失踪を遂げ、その謎を解き明かす主人公のアラサー女子社員の青瀬と派遣社員の三谷
失踪したパワハラ上司の前川は失踪宣言なるメール、や部下全員の名前を挙げて、コイツらに殺される、みたいなメールを社内にばら撒くなど、ミステリアスな出来事が巻き起こって、興味をそそる内容が展開されます
文体は主人公である青瀬目線で綴られていますが、私はどこか、その青瀬目線の内容を第三者目線で読み進めました
青瀬の部署は社内の雑用を一手に引き受けるいわゆる左遷部署で、慢性的なブラック部署。残業は過労死ラインが当たり前な状況で、青瀬の語りも疲弊しきった内容、メンタル -
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ネタバレ最初の2章までは事件と調査みたいな感じで気になる気になる感じで楽しかった。
どんどん青瀬のやばいところが出てきて、これは元々やばい人間なんだなと実感。読んでいて辛いところも多く、嫌な気持ちにもなりそう。
青瀬がどんどん追い込まれていき、何度も嘔吐。周りはもうずっと憐れむ目だし、もうこれは誰が悪いんだ?という感じ。
いくつかのシーンがしっかり伏線になっているし、読んでみるの納得の回収とラスト。
帯に書いてある内容がかなりしっくりきて、悪意の連打、地獄のような読書体験とか、これはたしかにそう!
かなり最初に出てくる、『疲れている人間は、母音がうまく発音できない傾向にある。』これはほんとに衝撃な文章 -
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ネタバレブラックな職場で疲弊する28歳の限界会社員・青瀬が主人公。突然、パワハラ上司が失踪し、青瀬を含む部下全員を容疑者として「私は殺されました」というメールが職場に一斉送信され、その真相を天然っぽいが妙に頭の冴える派遣社員・仁菜とともに探っていくという限界会社員ミステリ。
この真相は予想できず、あっと言わされた。確かに救いのない結末だが、ミステリ小説としては面白かった。ブラックな職場で働く限界会社員の描写もかなりリアリティがあった。
ただ、主人公が所属する部署が、職場全体の雑用を引き受ける6人だけの「総務経理統括本部」であることなど、設定にちょっと無理がある気はした。 -
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上場企業の総務経理担当の女性、青瀬が主役。
押し付けられた雑用の処理に追われ、長時間労働により疲弊する毎日。
パワハラ上司や出来の悪い派遣社員の影響もあり、精神も病んでいる。
そんなある日、上司の前川が“殺された”とのメッセージを残し失踪し、青瀬を含む部下が犯人と疑われる。
自分ちの名誉を回復するため、その事件を派遣社員とともに解決しようとするが…
メンタルの障害、生まれ持った特性、ハラスメントなど、現代の社会問題がふんだんに盛り込まれ複雑に絡み合う。
意外な結末でミステリとして面白いが、感情を揺さぶられまくる。
精神的に不安定な時には読まない方が良いと思う。 -
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大学1年の小佐野菜乃(おさの なの)は、同学年の蓬莱倫也、泉秋久とともに「怪異研究会」を結成。オカルト現象の真偽を調査する活動をしていたが、ある日突然、蓬莱が音信不通になる。泉がXで見つけた動画には蓬莱らしき人物が映っていたが、なにやら様子がおかしい。18年前に起きた女子大生殺人事件、蓬莱家を取り巻くあやしげな会、そして廃集落のY家…様々な謎が交錯する中、小佐野と泉は手がかりを辿って蓬莱の行方を追うが…
ホラー小説は好んでは読まないが嫌いではなく、本書はタイトルと装丁に惹かれて、怖いもの見たさで手に取った。いや〜怖かった〜!
まずもってリーダビリティがすごい。ずっと怖いんだけど、矢継ぎ早に畳