遠坂八重のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
とても構成のしっかりしたストーリー。ホラー場面の創出もうまいし、ホラーを前提としたミステリー作品としてもうまいと思う。怪異現象と現実が行き来する世界観のバランスが良く、ただ怖がらせることだけが過剰になった荒唐無稽の代物にならず、かといって怪異現象はしっかり現実に置いて存在するものとしているところに、ジャンルとしてのホラー作品であるという著者の誠意というか良心を感じる。おそらく著者は理知的な思考を好む方なのだろう。となれば「世の中で一番のホラーは人間(の心)である」という着地点に行き着くのも然るべくなのだが、そこが通り一遍のヒューマニティでお茶を濁すようなこともないワンランク上の物語になっている。詳しくは言えないが、ラストのキャラクター造形で見事に先入観をくつがえされた。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ前作も面白かったので、こちらも読みました。
前作の続きの時系列だったので、読む人は前作『ドールハウスの惨劇』から読むと、登場人物がよりわかって良いかと思います。
今回のテーマはいじめ。
そして今回は誰が犯人なのか怪しい人が多すぎて…誰が誰だかわからなくなりながらも(途中で前のページを戻ったりしながら)読み終えました。
以下犯人のネタバレ。
まさか、蒼くんのお父さんが快楽殺人鬼だったとは。途中に自称彼女の菜月、蒼くんのお母さん貴子も怪しいと思ったし、最早出てくる人みんな怪しく見えてしまった。300ページ超えですが、ページを捲る手が止まらず最後まで読みました。
最後は蒼くんと菜月ちゃんが楽しそうに会話していて、ほんとよかったなぁと思った。菜月ちゃんは最初怪しいと思っていたけど、サバサバしていて格好いい女の子で好き。完全なるハッピーエンドではないけど、二人が前を向いて過ごしていけていたらいいな。
-
Posted by ブクログ
いじめ、ダメ絶対
やはりいじめは更なるいじめ・犯罪しか生まない、と心底思わされた話。
いじめもダメだし、報復もしちゃいけないけど、物語の中では、主人公の麗一は元々ネジの飛んでる人柄だし、「あいつらは死んで当然」と言う意見にもあっさり同意したりして、きれいごとじゃなく率直な気持ちを話すから、読み手がとても考えさせられる。
緻密なトリックの推理というより、少しずつ真実が麗一と蓮司によって明かされていき、そのときのやり取りが軽妙で前作から、このノリは好きだなぁ。正反対の境遇の二人が信頼しあってるバディ感が良かった。
普通の顔をした壊れた人たちがたくさん出てくる話なので、現実に自分の周りにも実は潜んでいるのかも、いや、そもそも私も壊れてる人じゃないって断言できないと怖くなった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ受験生となった麗一と蓮司の何でも屋コンビの元に依頼に訪れた一年生の女子生徒。妹を亡くし引きこもりになった同級生が別人になっているという。6年前に起きた、小学一年生の女の子が亡くなった交通事故。それは麗一と蓮司にも関わりがあった…。過去と現在の登場人物視点が交互に描かれていくなかで、6年前の交通事故の真実が明らかになっていく。
シリーズ完結、かな?麗一と蓮司のコンビよかったのでまた読みたい気がするけど、結末的に続きは難しそう。前作のようなハラハラ感はなく、どちらかというと一作目に近い雰囲気。
高校生の麗一がボロアパートで一人暮らしをしている理由。麗一の過去、蓮司と麗一の出会いなどが描かれている。
麗一はどこまでも家族に縁がないんだと思う。蓮司や大家さんとの出会いを考えると人との出会いに恵まれていないことはないんだろうけれど。
麗一にとって蓮司との出会いは本当に大きなもので、蓮司の存在に救われていたんだろう。麗一と対比するようにして、蓮司の家族は仲が良くて、普通の良い家族として描かれているのかな。初めての友達に一喜一憂する小さな麗一の姿を思うと微笑ましくも少し悲しい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレある男子高校生がいじめの加害者を告発して自殺を図る様子が動画サイトに投稿された。動画に写っていた高校生・円城寺蒼の恋人だという少女・田崎菜月から依頼を受け、滝蓮司と卯月麗一は彼が何故こんなことをしたのかを調べ始める。菜月、蒼、蒼の母親・貴子にも隠している姿があるようで…。
前作よりインパクトがあった。いじめをテーマにした話と思いきや…。ショッキングな自傷動画から、蒼が告発した相手・何があったのかを調べていくうちに8年前の殺人事件に繋がる。蒼に関わりがあったとは考えずらく、蒼の母親との繋がりを調べていくと色々なものが見えてくる。蒼が隠していたもの、母親が忘れようとした過去など、少しずつ明らかになっていき、最後に明らかになる事実が怖すぎる。急なモンスター。
貴子さんに男を見る目がなかったところから始まってるのかもしれないけど、それにしても哀れ。息子と2人、肩書きとか見た目に惑わされずやり直せるといい。