遠坂八重のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレどこまでも救われない主人公。なのに、感情移入できず、可哀想って思えないのはなぜだろう。
物語が進むごとに状況が悪くなっていくという、どこまでも救われない展開。仕事に忙殺され、上司のパワハラを浴びることで人格がボロボロに壊れていき、悪循環に陥っていく様がとてもリアルで恐ろしい。
環境の悪さが主人公を苦しめ、ミスを引き起こし、心身ともに追い詰められていると思いきや、実は主人公によって環境を乱していることが分かったときには、本当に救われない話だなと感じた。
一読者である私ですら主人公に哀れみを感じなかったのは、そういう根底が作品全体からじわじわと滲み出ていたからだと思う。どんでん返しとい -
Posted by ブクログ
最終章に辿り着き、当たり前ではあるが、社会に馴染める側の人たち、馴染めない側の人たちがいるのだと俯瞰させられ、気付かされる。そんな馴染めない側の人たちの逆襲の話にも感じた。
自身も社会に出ると、気付かないうちに社会の常識に囚われているなと考えさせられた。そういう意味では自分も、総務経理部の社員たちと同じような考え方や発言をしてしまう素質があるのかもしれない。
テンポの良い会話と展開でサクサク読むことができた。一方で、登場する会社や人物たちが現実離れしすぎている感は否めずだった。長時間労働、過度なパワハラ(体罰、罵詈雑言)、そして殺意…そんなのが当たり前に表で行われているtheブラック企業であ -
Posted by ブクログ
限界会社員ミステリー“
「パワハラ上司が死んだよ?」
「(上司が)死んだら永遠に休めますよ?」
上司が死ぬ“願望“しかない部署の面々
それでも働く意味とは?
“同じ船”で結託できる意味とは?
殺人容疑より上司のパワハラ三昧の方がマシ?
でも
上司が死のうが、犯人が捕まって容疑が晴れようが、“仕事“の地獄は終わらないという事実。
その席にいる限り…
心は1度壊れたらなかなか戻らない。
『めんどくさい』
『めんどくさい』を並べて
どうしたらいいかわからないんだよね。
やりたくないこと、嫌なことは数えきれないほどあるのに、やりたいことはまったく思い浮かばない。わかる。
青瀬は、これからー
『部屋 -
Posted by ブクログ
ネタバレ忙しくて忙しくて細かいことは手につかない状態が昔のしんどかった頃を思い出させて個人的には辛いものがあった。郵便物見てないとかあるある。段々と自分の記憶が信用できなくなっていくとこまでは経験ないけど、どんどんおかしくなっていくのを感じた。
最後のところは、大どんでん返し!とは言わないけど「え、そうなん?」ってなった。主人公の視点だと曖昧だった主人公の無能さ(そうかな、と思う描写はある)も指摘されて、「うわ自分もそう思われてるかもしれんよな」と少し胸が苦しくなる思いがあった。
なにがどうなってるのか気になって一気に読めました、面白かったです。