鈴木大介のレビュー一覧

  • されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間

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    前半、お妻様の強烈な個性に慄きながら読み進めました。
    正直な所、鈴木大介さんはよくこのような方と結婚したのだと思ったものですが、読み進めるうちに、「お妻様」が愛おしくなってきました。
    脳梗塞で倒れ、高次脳機能障害を背負った著者が、自分の高次脳機能障害の症状と妻の発達障害を重ね合わせて考えるようになり、妻の状態や気持ちを理解できるようになり、また妻が的確にサポートすることによって、二人の関係が大きく変わっていく様に、感涙。

    とはいえ、実際のところ、発達障害の人の状態や心境をきちんと理解するのは難しいな、とも感じました。

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    2018年12月31日
  • 老人喰い ――高齢者を狙う詐欺の正体

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    世の中には詐欺を生業としている人がいる。そのような人たちがどんなモチベーションで詐欺を行っているのか(特にどのように罪悪感を克服しているのか)、そしてどうしてそのような人たちが世の中からいなくならないのか、ということに迫ったルポ。

    全体的に強烈。軽くカルチャーショックですらある。世代間格差とそのルサンチマンについては共感できる。それでもいろいろ引っ掛かりはある。若者が金持ちになるのは悪ではないのか(この詐欺師たちもそうだが)とか、そもそもこんな社会を作ったのは老人たちなのだから老人が悪いということになっているが、いやいや社会なんて意図して作れるわけないじゃんとか。じゃあ誰が責任を負うのかとな

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    2018年12月25日
  • 貧困とセックス

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    教育、性産業、福祉・介護、この3つのつながりとその悲惨な状況、平成日本、見も蓋もない話、出口のない、答えの見つからない絶望的な話、中村淳彦と鈴木大介の二人が語ります。2005年、裸の世界が普通の女性だらけになって、売春からもこぼれ落ちる女性たち。AV~風俗~売春。何百万円と言う奨学金の返済のため一流大学からどっと押し寄せる女子学生たち。ドミノ式にはじかれていく女性たち・・・。国は介護現場に中年童貞や外国人労働者の雇用を進めているが、コミュニケーション能力の高い風俗嬢を雇用すべきではとの提言も。

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    2018年12月10日
  • されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間

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    出来事も感情もリアルに迫ってきた。

    思い返せばあの人は…
    妊婦の時の私は…

    普通が普通でないことは日常に溢れている。
    不自由を障害にしないための環境作り。
    世のため人のためは難しくとも、せめて身の回りの人のためだけでも心を配りたい。

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    2018年11月26日
  • 脳が壊れた

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    脳梗塞を起こしたジャーナリストによる、高次脳による後遺症をはじめとする体験を文字にしたもの。後遺症がいかに苦しいか、どのように感じているか、当事者の感覚を上手く言語化している。後遺症の症状が、以前に取材をした相手の発達障害や鬱病をはじめとする精神疾患・障害と似ており、それら当事者の感覚を代弁しているといえる。参考になった。
    「原因が脳梗塞だろうと何(精神障害など)だろうと、結果として「脳が壊れた」状態になっているならば、出てくる障害や当事者感覚には多くの共通性や類似性があるようなのです」p9
    「鈴木君さあ、リハビリってのはさあ、あの、なんつうか、そうそう、駄菓子屋のくじ引きなんだよね。駄菓子

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    2018年10月23日
  • 脳は回復する―高次脳機能障害からの脱出―(新潮新書)

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    脳梗塞による高次脳機能障害の当事者による、回復(筆者曰く95%までの回復)までの貴重な体験記。置かれた状況は深刻なのだが、一つ一つの症状に対する奥様の絶妙なネーミングに、ちょっと笑ってしまう。
    具体的に事例が書かれているので、「そうか、当事者の心のうちはこんな状態なのか」と思うことしきり。
    『その人が苦しいって言ってたら、苦しいんです!』という最期の一言を忘れないようにしよう。

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    2018年09月09日
  • 脳が壊れた

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    【文章】
     とても読み易い
    【ハマり】
     ★★★★・
    【共感度】
     ★★・・・
    【気付き】
     ★★★★★

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    2018年07月28日
  • 脳は回復する―高次脳機能障害からの脱出―(新潮新書)

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    高次脳機能障害から回復した著者の貴重なルポ。これほど詳細かつ具体的なルポは他にないのでは?脳梗塞だけでなく、他の脳障害とも共通する症状も多く、非常に勉強になる。
    全国の高次脳機能障害者数は約50万人といわれているが、著者が指摘するように当事者研究が一向に進んでおらず、医者がトンチンカンな回答しかできない現状では、かなりの不満が渦巻いているのではないかと危惧する。

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    2018年07月19日
  • 脳は回復する―高次脳機能障害からの脱出―(新潮新書)

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    『脳が壊れた』の続編。頭が働いていないように側から見えても、当事者はいっぱいいっぱいでフリーズしてる、というのは、わかっていてもなかなか上手く対応してあげられなさそう…、ってか、相手が自分が思っても見ない困り方をしてる場合がある、ということにまず気づくことからなのかも。

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    2018年06月13日
  • 脳は回復する―高次脳機能障害からの脱出―(新潮新書)

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    ギャングース鈴木さんの続編。脳梗塞の後遺症からの回復記。実体験に対してこういう感想もあれだけど、本当にこの人しかないという人を選んで発症したようなお話。

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    2018年04月02日
  • 貧困とセックス

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    お二人とも貧困と性について多くの取材と著作を重ねており対談も面白い。
    性を金銭化できるうちは貧困層に至らぬがそこからも滑り落ちると…。
    中村氏については中年童貞で鈴木氏については家出少女から其々の考えが伺えるが読んでいくうちに日本の未来は深い穴倉の底にある様に感じた。

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    2018年03月23日
  • 貧困とセックス

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    なかなか気合いの入った本でした。
    裏社会ライターの中村淳彦と鈴木大介の対談本です。

    介護を筆頭とした壊れてる産業、ブラック労働で時間と賃金を取られるより、裸になった方がマシという選択になる時代。
    ただそこに単に短時間で稼げるという意識でスペックが高い女性が加わり、裸になっても稼げない女性が出てくる時代になってるようです。
    性を売るというのはかなり特殊な女性ととらえてましたがそうじゃないみたいです。
    2003年の労働者派遣法の改正を機に普通の女性だらけ。
    誤解しちゃダメなのが風俗してるからって貧困層ではないということです。
    風俗以外に行く場所がなく、そこから弾かれた女性。それが最貧困層。
    社会

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    2018年01月26日
  • 貧困とセックス

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    中村さんと鈴木さんの記事を目にすることが多かったので興味を持って読みましたが、タイトルから想像する内容とは異なる大きな問題点が語られていて、色々考えさせられました。

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    2017年12月17日
  • 貧困とセックス

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    貧困問題は既に底抜けしてしまい相当に深刻な状況になっていることが、現場で寄り添って取材をしている人たちだから言える内容が多かった。単純にこうすれば良いということは何も言えないが、現状から考えていくしかないのだろう。

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    2017年05月05日
  • 貧困とセックス

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    【中年童貞】を書いた中村さんの著書。
    アンダーグラウンドの実状を描いた貴重な一冊だと思う。
    大手のマスコミに就職している人は、自分自身がハイグレードな為、ボトムの生活が想像できないという辺りが凄く印象的だった。

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    2017年02月21日
  • 貧困とセックス

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     自称B級ライターの鈴木氏と中村氏が、セックスワーカーへの取材で気づいた貧困についての対談。
     熱く語る鈴木氏と、合理的に客観的に(時にはものすごく堅気に)突っ込みを入れる中村氏。このコンビの対談だからこその面白さ。同じ貧困に出会っている2人だが、それぞれの向かう方向や思想も異なる。

     なんとなく、今までも社会保障は「本当に手を差し伸べるべき人に届いていない」感じがしたのだけれども、ほんとに届いていないようだ。
     そうして取締りに関しても、弱者の逃げ道をふさぐ方向になっている。
     かといって、取り締まりを行わない場合、それはそれで困る人が居たのだろうと思おう。平等に幸せになるな
    んてことは起

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    2016年11月13日
  • 貧困とセックス

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    貧困という状況からどんなことが起こってくるのかを性産業を足がかりに見ていこうとする一冊。

    どのような経緯を経て、女性が風俗や売春の道を歩んでいくのか、そこでどんなことが起こっているのかが詳しく紹介されています。

    率直なやり取りで読みやすかったです。

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    2016年09月16日
  • 老人喰い ――高齢者を狙う詐欺の正体

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    振り込め詐欺の被害額は年間約500億円。被害者の8割が60歳以上の高齢者。
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    取材の中でとにかく痛感したのは「詐欺に遭う側が愚かだ」とあう言説がいかに愚かかだ。そうではない。騙す側が、圧倒的に洗練されているのである。
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    詐欺は、最悪の犯罪ではないって言葉が印象的。
    貯金ゼロの人間を騙して無価値なものを200万円全額ローンで売るのと、貯金2千万円の人間を騙して200万円を奪う。犯罪は後者だけど、なんとなく前者の方が悪い気がする。

    詐欺組織はすごく組織化されてて、株式会社のよう。捕まるのはほんとにとかげの尻尾だけ。その人は上の人をそもそも知らないから、上の人は捕まりようがない。

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    2016年06月27日
  • 老人喰い ――高齢者を狙う詐欺の正体

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    老人喰いというのは、振り込め詐欺に代表される高齢者をターゲットとした詐欺のこと。
    本書は、騙される側ではく騙す側の事情を取材したルポ。
    驚いたのは、詐欺をしている若者たちの素性である。
    彼らは不良とばかり思っていたが、実は大卒の普通の若者もいる。
    そんな彼らが何故詐欺に手を染めるのだろうか。
    一つには現場の洗脳がある。
    いかにも詐欺は大した犯罪ではないかのように言いくるめられる。
    お金を持っている人から搾取することと、貧乏人から搾取することどちらが悪いかとか、富の再分配とか、「貯金ゼロの人間を騙して200万円のローンを組ませるやつがいる。テレビを見てみろ、効くかどうかも分からねえ怪しげな健康食

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    2016年05月14日
  • ギャングース(1)

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    主張は凄く伝わってくるし、物語も興味深い題材だと思うけど、絵がイマイチ受け付けられない…この内容には打ってつけかもしれないし、敢えて雑多な印象を醸し出しているのかもしれないけど、やっぱり整然としているものが好みなもので。続きが読みたいかについては、ちょっと微妙です。

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    2016年03月22日