和嶋慎治のレビュー一覧

  • 夜の夢こそまこと 人間椅子小説集
    本気が感じられるアンソロジーだ。全編、妥協がない。絶対に楽しい。

    「地獄のアロハ」には、池田貴族など、早逝した友人たちをモデルにした人物が出てくる。オーケンの昔のエッセイをよく読んでその時代の空気感に憧れていた90年代生まれのわたしは、ホロリときた。そして後半のカオスにオーケンやっぱり天才か…と。...続きを読む
  • 屈折くん
    イカ天での姿を見て、完成されたバンドだと思っていましたが、デビュー間もない頃だったとは。映画「いとみち」の挿入歌で久しぶりに曲に触れましたが、どきどきするようないい曲でした。その間にこんなに豊かな物語があったのですね。
    「試練」「感謝」など、自分との向き合い方がとても真摯で、でも屈折していて。自分と...続きを読む
  • 屈折くん
     本書「文庫版あとがき」より和嶋さんの「おいしいトマト理論」を引用させてもらいます。

    「おいしいトマトになりたいんだったら、そしてそれが生を受けたものの唯一の意義だと信じていますが、苦しみにへこたれず、喜んで苦労すべきだと思うのです。」



     和嶋さんのこれまでの人生を綴った本書は、芸術を表現す...続きを読む
  • 怪と幽 vol.013 2023年5月
    織守きょうやさんの「そこにはいない」が特に好きでした。
    両思いなので末永く暮らして欲しいなと思いました。
  • 夜の夢こそまこと 人間椅子小説集
    『うつし世はゆめ よるの夢こそまこと』と色紙に書いていた江戸川乱歩の言葉をタイトルにした、五人の短編を集めた小説集。どの作品も、それぞれ言葉使いに特徴があって面白かったが、中でも良かったのは長嶋有「遺言状放送」。青春小説のようで、安心して読めた。
  • 夜の夢こそまこと 人間椅子小説集
    元々、制作する楽曲の多くが、過去の文学作品を礎にしている人間椅子、彼らの作品が今度は小説のモチーフになったということで、いわば音楽界から文芸界への逆輸入、という発想がまず面白い。
    そして、そのような出自であるからして、彼らの楽曲がノヴェライズのベースとして馴染まない訳がない。
    まず選ばれた5曲を見て...続きを読む