宮田ナノのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著者のユーモラスなのに丁寧で文学的な文章と、まさにそれを表したシンプルで可愛らしく趣のある絵とが、「本」をテーマにした著書にこの上無いくらいぴったり合っていて、
エッセイ漫画なのに小説を読んでいるときの気分にもなれるような独特の雰囲気がとても良かったです。
特に「第4話・黒髪の乙女といただく"お酒"」の話が好きで、著者の題材にする本に対する敬慕の気持ちがすごく伝わってきて、私もこんな風に本と向き合いたいと心から思えました。
エッセイ内に登場人物として出てくる黒髪の乙女さんと朝子さんが可愛らしくてそこも好き。
この漫画を読んだ後、著者の感性を受けてから読む本はいつも以上に -
Posted by ブクログ
のっけあたりにある、夜の空気は毎度変わらず新鮮に感じますって表現、とても素敵だった。静寂さとか荘厳さみたいなのもさることながら、何となく自分の存在も色濃く感じ取れるのが夜って感じがする。
だから夜には夜の魅力がある。
読書って、何かこう個人的な体験というか、独りの時間を噛み締めるみたいな側面があると思うんです。それを本書を読みながらすごく感じたし、あるあるだなって思わずにやけてしまったりするのは、やっぱり宮田さんの人間力っていうか魅力なんだなぁって思わされました。何よりこれを読むと、宮田さんの可愛らしさが散りばめられていて、読めばとてもほっこりするのです。それはまるで、寒い夜に飲むホットココ -
Posted by ブクログ
これめっちゃおもしろい!
読書と食育の両方を推進する完璧なコミックエッセイ。森鴎外の娘・森茉莉の「シュウクリイム」の話(「アイスクリイム」「フランボワアズ」のような独特の言い回しを「森茉莉語」と呼ぶ)からもう心掴まれた。なるほど〜と唸らされたり、大共感させられたり、げらげら爆笑させられたり、ノスタルジーな気持ちにさせられたり、いろいろな「感動」がある楽しい一冊でした。
作家や作品の取り上げ方もピカイチで、読んでみたいと思わされるし、食への向き合い方もちょっと新しい発見があったりする。ゆるーい絵柄も素敵!
特に角田光代さんを取り上げた「苦手だった食べもの」の段に共感の嵐だった。首もげるかと思うほ -
Posted by ブクログ
2023年に読んだときの感想を引用します。
退屈こそ至高
主人公の夏子をはじめ、登場人物すべての距離感がピタッとハマる人、必ずいると思う。
個人主義っぽいけど愛があって、
こだわりがあるけど大ざっぱ、
私もこんな生活送りたいなと思うけど身近な感じ。
優しい描線と書き文字、
そしてモノクロなのに美味しそうな料理たち。
見てると真似して作りたくなって、
生活が循環する。
仕方なく行った成城石井のような高級スーパーでも
大葉は安くてびっくりする、
この世界の大葉の使われ方や
セレブの生活を想像する。
夏子みたいな人と友達になって
月一くらいで遊びた〜い。
東京は今年最高気温37℃、
外に