木村紺のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
迷ったけれど、★5つにはした。本当に評価が難しい作品で、最初の2話のあまりにも見事な「木村紺らしい」人情短編は紛れもなくキャリアハイと言える出来だし、最終回が決まってからちゃんと1キャラづつ回収を始めていく丁寧さも本当に見事で、『巨娘』のクソ馬力ギャグとはまたぜんぜん違う何かがある。それでいて最後の1話はまったく終わり感がない絶妙さだし……。だからこれを、木村紺の軸なのだと思えばいいのか、それともやっぱりこの年月重ねた円熟味を生かしてもう一回『神戸在住』みたいなことをやって欲しいなって気持ちに正直になればいいのか……ほんとに……。/でも、お疲れさまでした。
-
Posted by ブクログ
うわぁ。登録していなかったなんて…!
(登録していなかった自分に衝撃を受ける)
全10巻。
東京から、大学進学と共に神戸へ引っ越したごく普通の女の子が大学を卒業するまでの4年間の暮らしを日記のように綴るお話。
序盤は、主人公が神戸の暮らしになじむのを一緒に辿るような神戸ガイドっぽい雰囲気。観光名所もちらほら出る。
それから、学生生活で仲良くなった友達との交流。
しかしそのうち、主人公は、神戸の「住人」になっていく。
普段は何気ない日常に隠されている阪神淡路大震災の傷跡が目に見えるようになったり、マイノリティの人たちとの交流もはじまって。
枠線も影も、すべてフリーハンド(スクリーントーン不使用 -
Posted by ブクログ
一般的な「物語」、って、日常的な鑑賞者の体温を一時的に上昇させるもの・・・というか、ほんの短い間でも、その人を熱にうかすような、そういうものだと思っている。で、この「神戸在住」という漫画は、たとえるなら「ずっと平熱」とも言うべき作品で、僕らが普段日常生活を過ごしている間の「平熱」が、ずっとそのまま作中でも流れているという意味で、すごくて、だからこそ僕らが普段の生活の中で、突然起こりうる「平熱」の変化が、より生生しく作中でも見事に再現されている。「震災篇」も傑作だったけれど、7巻で描かれる、かつらちゃん(かわいい!!)の「平熱の変化」は、それこそ彼女の世界のすべてを激変させてしまう、猛烈なもので
-
Posted by ブクログ
ネタバレ最終巻がまた面白かったんだな、これが。書き下ろしの追加分が穂積さんのエピソードだというのは意外だった。確かに柔道部メンバーでキャラの掘り下げが全くなかったのは彼女だけだった。中松姉妹でさえ一巻分割いてたもんな。兼ねてから用意されていた穂積話だったんだろうな。
穂積さんの話が最後というのは話の収まりとしては良くないとは思うけど、読み終わって嫌な感じはしなかった。正直、いつも何考えているか分からない穂積さんの内面が見れて結構嬉しかったな。エピソード冒頭の、彼女が他の部員の服装をあれこれ考えるモノローグ・シーンとか大好きだ。
何だかにキャラの掘り下げが一巡して、これで完結してもいいような気もする -
Posted by ブクログ
既刊一気買い。柔道×京都×女子高。
柔道なんて高校のとき授業でやっただけですが。超面白れー。
単行本オマケの充実っぷりもイイね!
「わしの勝ちもわしの負けも
みなわし一人のもんや
1mm 1gたりとも結果を誰かに託したり
押しつけたりせえへんのじゃ」という圧倒的格好良さの萌先輩をはじめ、それぞれキャラも皆素敵だけど、主人公・雅の人間としての完成ぶりは抜群に素敵。
ここまで底が見えないキャラはなかなかいない。先輩から理不尽な掌底を喰らっても、あの顔。ちゃらけた態度で隠しつつ、常に柔道部のメンバーやクラスメイトのこと(もしくはそれ以上に何か大きいこと?)を考え、分析。しかし完全な滅私ではなく、た -
Posted by ブクログ
全10巻だけど2巻から読んでくれるといい(1巻のはじめの方は絵がひどくてなんだか嫌だ.本のカバーを外すと訳のわからない4コマ漫画が表と裏にあって、それは好き)
震災の話とかあってそれが全体のテーマかと思ったら、初めの方だけで、大体は大学の他愛も無いお話(こんな大学生活送りたいなーって浪人生の頃に読んだ)、最後の方は身体的な障害を抱える人間について、みたいなテーマ。そんなに軽くは無い。
伏線を張り巡らされたような注意深く読むような話とかでもなくて、ホントにのんびり読めるようなマンガ。セリフの文字も多いしね。絵も全部手書きで和やかな雰囲気。かつらっちが、かわいい。