野村高文のレビュー一覧
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Unlimitedで利用。各分野の専門家との対談集。
仏教と脳科学の分野が良かった。何よりもその専門家を知れたことが良かった。
ということでここからは余談。不確実な時代だからこそ、メタ認知やリベラルアーツが注目されることは非常に良いと思う。私もそこに共感はしていたし、多角的に常に考えようとしているものの、本当にメタ認知なんて必要なのか?というメタ的な視点も生まれている。
色んな視点から物事を見ることは確かに視野が広がって楽しいし、好奇心を満たせる。ただし、際限のない好奇心や情報は、意思決定を鈍らせるし、知識を得るとともに、どのように取捨選択していくか?という話も必要なんだろうなと。取捨選択というよりも、統合という概念に近いかなと。 -
Posted by ブクログ
著者の経営中毒や東京ビジネスハブなどのポッドキャストを聞いており、制作のノウハウを知りたくて手を取った。
昨今、動画やテキストSNSで意味無く感情を焚き付けるコンテンツが多く、ポッドキャストはアンチテーゼとして最も期待している媒体である。
筆者はMCとしての立位置が絶妙で、雰囲気作りやメインパーソナリティの話の引き出しが上手である。
ダブルMCのようなポッドキャストもあり、それも面白いが、一歩俯瞰で見ながら、メインパーソナリティの良いところを上手に引き出す域になるまではかなりの精進が必要だろう。
パーソナリティの脱線ですがと言って始まる話はすべらない話である事が多い。授業を受けている時の雑談話の方が覚えている時と同じ理屈である。
脱線話を引用する事が多いと感じていたが、意図して行っていることを知って納得がいった。 -
Posted by ブクログ
歴史や絵画の勉強はもちろん舞台観劇や映画鑑賞も宗教についての知見があればもっと楽しめるのに、という場面が沢山ありつつこれまで全く触れずに生きてきたが、最近色んなきっかけがあって勉強したくなり、友人が紹介してくれていた本書を手に取った。
仏教初心者なので全てが新しかったけれど、唯心論、因縁生起、一切皆苦、三慧、「今を生きよ」の意味、などを知ることができたのが特によかった。仏教が合理的で科学的な哲学であるというのも意外だった。
後半の西洋哲学との比較の部分はもう一回読んでちゃんと理解したい。
とても分かりやすかったので本著の元になるラジオも聴きたいし、松波さんと野村さんがタッグを組むきっかけになった、COTENの深井さんと野村高文さんのラジオの書き起こし本(こちらも松波さんパートがある)も面白かったので、こちらのラジオも聴いてみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ元はpodcastの番組で、書籍化したのがこちらの本とのこと。
リベラルアーツとは何か、なぜ今の時代に必要かを説くところから始まり、
新たな視点や思考法を手に入れるため、物理学から始まり、宗教などあまり馴染みのない学問も含め、様々な学問での考え方を専門家との対談の中で紹介していく形式になっている。
どの学問もわかりやすく語られていて面白かったが、個人的には特に文化人類学と教育学の章が興味深かった。
この本だけで教養が身につくわけではないが、こういう考え方、捉え方もあるのだと、視野を広げるきっかけになると思う。読み物として面白かった。 -
Posted by ブクログ
物理学、文化人類学、仏教学、歴史学、宗教学、教育学、脳科学。それぞれの専門家との対話を通じて、同じ世界であっても、立つ場所によってまったく違って見えることが平易な言葉で語られていく。対話形式であるため、専門的なテーマでありながら読み進めやすい点もこの本の良さだと思う。
正しい視点を一つ身につけることではなく、自分の視点も数あるうちの一つにすぎないと気づかされる。
物理学は物事を原理から捉え、文化人類学は自分たちの常識を異文化との比較から相対化する。歴史学は過去を異文化として想像し、仏教は自分の認識や執着そのものを疑う。さらに脳科学の視点に立てば、私たちが見ている世界さえ、脳による推論の結果にすぎない。
各章の内容は異なるが、通底しているのは「自分が見ている世界を、そのまま世界そのものだと思わない」という態度なのだと思う。
仕事に置き換えても示唆は多い。組織の常識、業界の慣習、評価制度、成功の定義。普段は前提として疑わないものも、別の視点から見れば、特定の時代や文化の中で成立している一つの仕組みにすぎない。視点が増えることで、相手の言動を個人の性格だけに帰属させず、背景にある構造や文化から捉える余地も生まれる。
自分の答えをいつでも疑い、必要に応じて更新できること。変化が激しく、多様な価値観を持つ人と共に生きる時代において、その柔らかさこそが教養なのだと感じた。
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▼個人的に印象深かった点(感想)の候補
・教養とは、知識の量ではなく「物事をどこから見るか」という視点。
└正しい答えを一つ覚えるのではなく、歴史ならどう見えるか、人類学なら、科学なら、と視点を切り替えられること。それ自体が変化への強さになる。
・視点が増えると人生のオプションが増える。
└一つの価値観しか持っていなければ、その世界でうまくいかなくなった瞬間に行き詰まる。別の見方ができれば、「合わない自分」ではなく「合う場所が別にある」と考えることもできる。
・定期的に「思考OS」をアップデートする。
└社会の価値観も常識も変わる。今の自分が先進的だからといって、5年後、10年後もそうとは限らない。これは結構怖い。
・学者にとって、分からないことこそ面白い。
└分かることではなく、分からないことに興奮する。仕事でも「正解を知っていること」より、「まだ解けていない問いを見つけられること」の価値は大きいのかもしれない。
・圧倒的な知識と経験を積み重ねた先に「直感」が残る。
└直感はロジックの反対ではない。大量のデータや経験が身体化された結果として出てくるもの。経験を積むことの意味を少し違って捉えられた。
・「理解する」の意味は、学問によって違う。数学は分類、物理学は予測、工学は実装。
└仕事でも「理解しました」と簡単に言うけれど、分類できただけなのか、先を予測できるのか、実際に再現できるのか。この違いは結構大きい。
・自分たちがAであるなら、not Aを知らなければAそのものも理解できない。
└自分や自社の「普通」を理解するには、その外側を見る必要がある。比較対象を持たずに自己理解することは、案外難しい。
・文化人類学は、当事者でありながら観察者でもある。
└組織の中にどっぷり入りながら、「この集団では何が評価されるのか」「なぜこの行動が当たり前なのか」と一歩引いて眺める。この姿勢は仕事でもかなり使えると思う。
・人の言っていることだけをデータとして信じない。
└インタビューだけではなく、実際に何をしているかまで観察する。
・地位も評価も会社もお金も、永遠に自分のものではない。
・短期の一回勝負では裏切ることが合理的でも、無限ゲームでは協力する方が合理的になる。
・世界を客観的に見ているつもりでも、脳は外界をそのまま見ているわけではない。世界を推論している。
└同じものを見ているから同じ世界を共有している、という前提自体が少し怪しい。視点の違いは思想以前に、認知のレベルからある。