あらすじ
JAPAN PODCAST AWARDSベストナレッジ賞受賞の人気番組が待望の書籍化!
7つの学問の研究者と深井龍之介氏・野村高文氏が対談したpodcastを書籍化。様々な選択肢があるがゆえに、迷いや嫉妬が生まれる現代に、世の中をあらゆる視点から捉え、自ら選択できる能力を身につけるための、リベラルアーツの思考法を紹介する。
【目次】
はじめに
chapter.01 リベラルアーツの力を考える
chapter.02 物理学:「直感」を身につけて、判断力を手に入れろ ×北川拓也
chapter.03 文化人類学:感染症も経済も、世の中はすべて文化人類学の研究対象になる ×飯嶋秀治
chapter.04 仏教学:実はきわめて論理的な、仏教の世界へようこそ ×松波龍源
chapter.05 歴史学:歴史を学ぶことで「つっこみ力」を磨け ×本郷和人
chapter.06 宗教学:キリスト教が、世界を変えた理由 ×橋爪大三郎
chapter.07 教育学:現代に再び現れた「松下村塾」の実践 ×鈴木 寛
chapter.08 脳科学:感情の仕組みを脳から読み解く ×乾 敏郎
おわりに─7つの対話を終えて
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
何に価値があるがを一人一人考える必要がある時代
HOWでなく、whatとwhy
物事をどこから見るかが教養、リベラルアーツ
BC6〜4
哲学者大量発生
農業の生産性があがって、考える時間ができた
4c
キリスト教→教会権力
フランス革命→人権
二度の大戦→国家のために
ミクロを組み合わせればマクロが理解できるかというとそうではない
理解するの定義の違い
数学→オペレーションの分類ができたら
物理学→予測ができたら
工学→現実におとせたら
社会学→共感できたら?
日本はキリスト教国じゃないのに近代化できた世界でも珍しい国
立法権が神にあって、政治的に法律を決められないから近代化できない。イスラムはまさしくそれ。
日本に足りないのは市場経済や科学技術ではなく、憲法、民主主義への理解。哲学、理性。
理性と自我を切り離すことがキリスト教のキモ。
自分の体がよくわかっている人は前向きに生きる傾向がある→瞑想はこれの訓練になる
Posted by ブクログ
知的満足度の高い贅沢な本。
私は、宗教学の対話相手である〝橋爪大三郎“、歴史学の〝本郷和人”、脳科学の〝乾敏郎“を楽しみにして読み始めた。尚、乾敏郎は『脳の大統一理論』の著者。橋爪氏や本郷氏は言わずもがなだと思うが、このラインナップだと絶対ハズレはないだろうと。期待通りである。いや期待以上である。これらの対話相手以上に、仏教学の〝松波龍源”。この方の話は非常に面白く、まさにこうしたオムニバス的な編集の醍醐味であり、出会いであった。他に物理学の‟北川拓也“の話も勉強になった。
だが、松波龍源について触れておきたい。発言を要約しながら考えてみる。
「宗教改革やルネサンスにより、神中心の哲学が見直されるようになる。その頃から一気に科学が進歩し、産業革命につながっていく。同時に哲学も、理性が重視されるようになる。
17世紀、まず「私」に注目したのが「我思う、ゆえに我あり」で有名なデカルト。世界のあらゆるものごとを疑って排除したとしても、すべてを疑う「私」が存在する事実だけは、排除できないという意味。次にカントが「世界のどんなことがらも、自分の認識や経験から独立して存在することはできない」と言い、だんだん仏教色が出てくる。そしてヘーゲルは、「知性だけでは真理はわからない」という意味のことを言う。極めつけが、ニーチェの「神は死んだ」。また、彼は「ヨーロッパはまだ、仏教を理解できるほど成熟していない」とも言っている。続いてフッサールが、「言語によって認識される世界は仮の姿で、その奥に純粋でダイレクトな認知があるのではないか」という純粋意識を提唱した。これは仏教の言う悟りのための特別な智慧、「般若波羅蜜」を言っているように聞こえる。極めつきに20世紀になると、メルロポンティが身体性に着目した哲学を掘り下げ、これは身体をともなう「修行」が必要だと言っているようにも思える。こうして西洋哲学は現代にかけて少しずつ、東洋哲学的な視点を得てきたのだという。ところが、理性で考えて「世界はこうなっている」と認識することができても、それをどう自分に実装するかという方法論が、西洋哲学にはない。」
この文章自体は、仏教が先行していて西洋哲学がそこに追いついてきているようニュアンスにも見える。だが、本当にそうかという点でも、これらを比較してみるのは面白い。
そもそも、両者の思想構造には明確な違いがあるように思える。西洋哲学は、神を創造主とするキリスト教的世界観を基盤に発展してきたため、宇宙は神の被造物であり、人間の理性はその秩序を理解するために与えられたとされる。したがって哲学は、神の創作意図を解き明かす試みとして、自然哲学・倫理学・政治哲学など、個別の領域へと分化しながら深められていった。結果、西洋哲学は極めて分析的で、真理に至るには前述の哲学者たちにおける散在した理論を丹念に拾い上げねばならないという構造をもっているのではないか。
一方、仏教は“神を想定しない”。西洋宗教が「神からの救済」であるのに対し、仏教は「自らの覚醒による救済」という整理が可能だ。つまり、世界を創造主の意図ではなく「縁起」による相互依存の関係として捉え、ここでは、宇宙の根本は創造ではなく関係であり、すべてが因と縁によって成り立つ。したがって、真理は外に探し求めるものではなく、内に覚るものとして位置づけられ、理論・倫理・実践が分化せず、悟りという一点で統合されている点において、仏教は一つの完結した体系をなしていると言えるだろう。
つまり、西洋哲学は「神の創作性」から生まれた分解的思考であるのに対し、仏教は「神の不要性」から生まれた自己完結的思考である。
前者は真理を無限に探究し続け発散していくのだが、後者は真理のうちに安住する。この両者の対比が面白い。例によって、龍源氏はここまで言っていないので、私がそれを引き取って妄想炸裂しているいつものレビューだが文責は負えないので悪しからず。
Posted by ブクログ
コテンラジオファンには馴染み深い深井さんの共著ということで楽しく読ませてもらった。ターゲットが異なるのだろうが、正直、単独著書の『歴史思考』よりも断然面白い。コテンラジオ本編でも随所に感じられるように、深井さんの宗教(特に仏教)に対しての熱量が顕著で、該当章の内容が特に興味深かった。
話は少し逸れるが、対談というものは他人の頭を使いながら自分の頭を整理できる有益なツールだとあらためて感じる。近年ではソフトバンクの孫さんがAI同士に議論させたり、NotebookLMでの対話音声化が注目されていたりと、インプットや思考整理の方法に変化が生じてきたように感じる。今後は、(人間同士の)こうした対談形式の著作はより関心を持たれやすくなるのではないだろうか。
Posted by ブクログ
本書は対談集、めちゃくちゃ面白かった。
2名の著者が、7つの分野の最先端をはしる学者と対談するという内容。
① 物理学
物事の根本まで立ち返る「第一原理主義」の学問。数式などを重んじる物理学が「直感が重要」と言っているのが印象に残った。直感とは日々たくさんの数式を解き続けて残ったもの、だそうだ。量子コンピュータなど最新の話題も。
② 文化人類学
特に印象に残った話。2年間現地の民族と共同生活をしながら、ある意味「それに染まって」研究をする学問らしい。お話をされている先生が研究した民族では「じゃあ君は私の弟な」と血のつながりのない親族関係を構築する民族であったらしい。
転職の多い現代、この視点は「企業文化」を理解するのに役立つと考えた。会社によって大きさも人間関係も、また文化も違う。新しい会社に転職したら、2年くらい「文化人類学だ」と思ってその企業の文化や力関係がどうなっているかじっと調査したほうが動きやすくなるのかもしれない。
③ 仏教学
自分が認識するから他者が存在するという話だったが、おそらく私はきれいに理解できていない。「こうであってほしい」と願うのにそうならない、そこから「苦」が生まれるのだという仏教の思想は大変示唆に富む。最近の精神医学でも「期待をしすぎない」ということが盛んに言われているのと共通している。念仏を唱えるとなぜ救われるのか?「唱え続ける」という体を使った行為に集中することで疑いやエゴがなくなるからだと。そのような意味があったのか(てっきり、文字も読み書きできない農民でも救われるように簡略化した結果が念仏なのだと私は思っていた)。
④ 歴史学
歴史学で大事なのは「ツッコミ」の力だそう(例;くじ引きで将軍を決めることってある?)。案外、歴史学に必要なのは社会科の知識ではなく国語的な読解力、裏を読む力だと知った。ある歴史的事象に、限られた資料から、人物(例えば信長)の性格に至るまで脳内で「復元」する作業をする、という点が参考になった。
⑤ 宗教学
こちらは主にキリスト教の話。著者も西洋は一時期よりキリスト教OSによって動いていたという言い方をしている。キリスト教は自殺を禁じているのはなぜか?
倫理的に悪いからではなく「命より大切なものがあるから」というのは初めて知った。「神様から与えられたものであるので私たちに処分権はない」ということだそうだ。仏教徒の違いが整理されていた。キリスト教で、この世界の向こうがわに「人格を持った神様」がいて、人間と対話する。人が行動を起こすときは他律的。これに対して仏教では人格を持たない「法則(因果)」そのものがあるので、対話せずこちらが理解するしかない(これを理解したら悟り?)。仏教は信仰する側が自律的に行動するしかない。
⑥教育学
あらゆる学問の中で特に具体性を持った学問。中で参考になったのは「卒近代」という考え。脱近代とかいうと近代にマイナスなイメージがあるが、卒業すると考えるとお世話になったとかありがとうという気持ちが湧いてくる。センター試験や共通一次テストは「ミスを見つける」能力ばかり試しているが、変わらなかった。その点論者によれば、高校の科目に「公共」という、板挟みを受けながら自分の頭で考える学問が出てきたことは評価に値する。日本国の破綻に備えて租庸調で生活を担保すべきであるという主張。
⑦ 脳科学
脳波を測定できるようになってから脳科学が急速に進歩、現在もAI研究と同じように、発展し続けている。
脳が2Dの情報を一旦受けとり「推認」という過程を経て脳内で3Dに変換しているというのは面白い。この「推論」が、スポーツ選手の動き、コミュニケーション・・とありとあらゆることを説明するのに役立つ。
脳から発せられるトップダウン信号と外の世界の刺激を伝えるボトムアップ信号とがあるが、このギャップが鬱や精神疾患の原因ではないかという説に興味がわいた。しかもうつ病などの場合神経細胞が炎症を起こしているので、その薬が開発されると治療が可能ではないかと。最終的に脳科学と哲学の接近も垣間見えて面白かった。
Posted by ブクログ
いろんな視点で世界を観ると面白いですね。
特に、宗教学の見方が感心しました。
ユダヤ人って、そんなに昔からいるんですね。
見方が変わると思います。
Posted by ブクログ
学問領域を素人でも分かるレベルで説明されていて、理解したとは言えませんが、納得できたという感覚を持ちました。自分自身にも専門領域があるように、本書の先生方のお持ちの感覚(環世界というのでしょうか)は理解が及びませんが、興味がそそられ、広く浅く教養の蓄積、視野の多様化に努めたくなりました。積読したいですね。
Posted by ブクログ
どの学問の話も面白く、むさぼるように読んだ。
学べば学ぶほど、無知の知に気付くが、知りたいという欲求に素直であること、新たな視点を獲得したら、それで世の中を眺めてみて、次の気づきを得る。学びとはその繰り返しなんだなあ。
Posted by ブクログ
AとB、両方を知って体験してAを本当に知ることができる。
文化人類学という学問があることを知る。かなり興味が惹かれた。
三蔵法師は敬称で、現在も居る事に驚いた。人間性とは?と考える。
宗教学ではずっと謎だった「神と和解せよ」について、解釈を書かれていて新しい視点を得た。空気を読んでも後に無駄になるなら、読まないほうがエネルギー・時間のエコになる、は目から鱗。その場しのぎは無駄(状況にもよるだろうが)、長期的に保たせたいものほど忖度なく「理性」で動くほうが無駄にならない。
歴史を学ぶことは後々に自分の人生でも起こるかもしれないことを客観的に学ぶこと。「このとき」、誰がどういう気持ちで動いたのか。その結果がどうなったのか。「このとき」の基盤はどのように出来たのか。
学ぶこと、自分を全てを客観的に見るよう努力すること、思想、を改めて大事だと思ったし、これからも訓練&勉強していこうと思った。
Posted by ブクログ
コテンラジオの深井さんだから気になって読んだ本。ポッドキャストでも聴けるのは知らなかった。
物理学、仏教学、歴史学、宗教学が特に興味深かった。
知らないことを知りたくて本を読んで更に知らなかったことを知っての繰り返しでこの本を読むとどんどん知らなかったことが増えるなと思った。もっと知りたいってワクワクさせてくれて楽しかった。
文化人類学の話で出てきた小川さやかさんの本は読もうと思った。
物事に対して色んな見方が出来ればより自分にとって良い道を選択できるし理解も深まる。自分にはまだまだ未熟なところがあるので理性と知識と俯瞰する力を身につけたい。
物理的な痛みも分析すれば痛みが遠のく話は面白かったな。やってみよう。
Posted by ブクログ
歴史マニアにして、歴史を楽しく学ぶ coten radio のパーソナリティーである深井さんと野村さんが進める対談集。物理学、宗教、教育学など、さまざまな分野のエキスパートと語り合うもの。さまざまな分野の学問や知識を駆使し、新たな価値に気付いたり、創造したりするための手段として、「視点」というスキルは最大限活用したいもの。例えば、「理解する」ということは物理学では予測できたら、数学では分類できたら、工学では実装できたら「理解した」という。一方、経済や宗教や教育ではどうなの、など考えると楽しい。右目と左目の両方で見ることで奥行きというボーナスを得ることができる」。視点って、面白い。これを磨くにはどうしたらよいか、引き続き考えてみようと思う。
Posted by ブクログ
私はどれだけぼーっと生きてきたのだろうかと思い知らされた。
視点を変えて物事を考えて行くと、もっと生きやすくなるんじゃないかなぁと。
もっともっと勉強しなくちゃなー
小説もいいけど、たまには違う分野にも挑戦していこうと思いました!
Posted by ブクログ
知らないことがたくさんあるということを知る本。無知の知。
仏教学と歴史学が興味深かった。なぜ宗教がここまで普及しているのか、少し理解できた。歴史を解釈するために必要なのは想像力。
Posted by ブクログ
ある程度の年齢を重ねてきて、自身の思考が凝り固まってきている、自分の見たいようにしか物事を認知していないと感じることが増えてきた。自分は頭が良くないので、たくさんの知識を吸収することは出来ないが、多面的な視点、あらゆる引き出しを持つことは出来るのではないかと考えさせられた。これからも気負わず引出しを増やしていきたい。
Posted by ブクログ
【考え方の視点が詰まった本】
いろんな分野の学者さんとのトーク。ポッドキャストで数年前に聴いていたのだけれど、あらためて本で読んでも興味深かったです。
各回、
リベラルアーツ、教養がより広く学ばれることの重要性。
それは、今日、「誰もが世界に対して好奇心をもって生きていい」時代となっていること。
一方で、「個人が生き方を主体的に選ばなければならない」、つまり「自分と社会の関係性」が個々人に問われている時代であること。
たくさんの選択肢を前に、何をしたらいいか、なぜそうするのか、そんな問いを考え続けるための複眼的な視点を持つことが、豊かに生きることにつながる、というモチベーションで書かれた本。
印象に残った点。
・物理学
「理解する」の意味の違いが話されていた。数学だと、分類する。物理だと、予測する。工学だと実用で役に立つ…各学問は、追究する目的、があって、その世界観が醍醐味でもあるのかなーと思った。
・人類学
普段の生活に参与観察の視点を取り入れることはとても興味深いし、実際にそのようなことをしていたりもするのかもしれない。「デザイン・アンソロポロジー」。UXデザインを学んだ時に、ユーザーへの聞き取りや行動のマッピングを行うUXリサーチを興味深いと思ったけれど、研究手法としても名前が付けられているのだと知る。企業文化についてもこの視点でアプローチすることができる。
・仏教
ヘラクレイトスが「万物は流転する」とヨーロッパで言った紀元前6世紀ごろ、まったくつながりのないアジア地域でも同じような考えが生まれていた。その時代、本当に凄いと思う。本当にあったのかなと思ってしまうぐらい。仏教は身体を伴う修行を通して、自分や他者に対する固定概念を外す。自分も他人も常に変わっていくから、固定化しないこと、神格化もしないこと、今の私以外になれないことは、これからの自分について、何にでもなれるということでもあるのかもしれない。そして、他者、周りが変わると自分も変わる、その境界も揺らぎ続けているから、自分だけを変えることはできないし、周りだけを変えることもできない。
・歴史学
歴史を学ぶことは、異文化交流。多様性。一緒だけど違う、他者について、多文化について、どう解釈していくかのバランス感覚を養うこと。とくに価値観の変化のスピードが速い、長寿な今の時代、世代間の相互理解が欠かせない中、知りえないけれど知ろうとする想像力も大事なのだろうと思う。
・宗教学
キリスト教は神のみに頭を下げる。欧米の平等感観には、神の作った人間は平等という考え方が根付いているのか。一方、仏教は、情況、空気を読んで、頭を下げる。また、西洋での哲学は、自分ではなく理性が考え、変わらない客観的な知を生むという視点。理性は髪がインストールした神アプリ。そして、キリスト教は、人格化された神との和解を求める一方、仏教は、言葉での対話を越えた和解、だから身体を伴う修行を実践することを通して、無意識、感覚の世界の境地に入るのか…そんな瞑想などの傾向が今欧米でも流行っている。
・教育学
教育分野で実践をされている方とのお話。2030年ごろに日本政府は破綻。社会インフラが壊れることを見越したアクションとして、都会と地方の人を交ぜておくような場づくりを行われているとのこと。人的資本、とかいうけれど、企業の発展以上に、人の育成に意図的になることって本当に大事。
・脳科学
読みながら、刺激から反応までのプロセスをあらためて細分化する、解像度を上げて考える。そしてどこで間違いやすいのか、間違いを起こしてしまうのか、胴どれだけ正確に、うまく作動できるのか、みたいなことを考えてみた。自覚的になることで、感情にと身体の動きを改善できるはず。鈍っている部分をどう鍛えたらいいのかも考える。身体感覚ー人や自然とどれだけ関わり合っているのか…認知・指令ーどんなバイアス、習慣、癖がどれだけ推理や解釈に影響しているのか、また身体を動かす際のイメージをどれだけ正確に持てているのか…反応ー筋力。
そしてこれらの学問が別々にあるのではなく、一つの世界にどう切り込むかという態度や視点が、派生して発展してきたのだろうと思うとさらに面白い。
音で聞くとスラスラ入っていくもののスラスラ抜ける部分もあり、本で読むとよく考えないと分からなかったりするところに躓きながらも立ち止まって考えられ多様な気がする。
Posted by ブクログ
元はpodcastの番組で、書籍化したのがこちらの本とのこと。
リベラルアーツとは何か、なぜ今の時代に必要かを説くところから始まり、
新たな視点や思考法を手に入れるため、物理学から始まり、宗教などあまり馴染みのない学問も含め、様々な学問での考え方を専門家との対談の中で紹介していく形式になっている。
どの学問もわかりやすく語られていて面白かったが、個人的には特に文化親類学と教育学の章が興味深かった。
この本だけで教養が身につくわけではないが、こういう考え方、捉え方もあるのだと、視野を広げるきっかけになると思う。読み物として面白かった。
Posted by ブクログ
いやあ、おもしろかった。特に文化人類学と仏教学、宗教学がおもしろかった。なぜおもしろかったかというと、知らないことがたくさんあって新鮮だったから。普段なじみのない分野の考え方、みている景色を垣間見たことで、そういう視点で世の中をみている人たちがいることを知れた。それだけでも大きな変化だと思う。最後の方に、自分が感じていたことがそのまんま書いてあって、ああいいもの読んだという気持ちがさらに増した。これからも知らないことを堂々と知らないと言い、知ることからはじめられる人でありたい。
Posted by ブクログ
コテンラジオを聴ききって以来、Podcast迷子になったので、
安心と信頼の深井さん…と思って聴き始めたa scope。
物理学、文化人類学、仏教学、歴史学、宗教学、教育学、脳科学、
それぞれの分野の専門家と、番組MCの2人が対談しながらリスナーと一緒にリベラルアーツを学ぶ…という番組で、期待を裏切らない面白さに、すぐさまおかわりした。(なんならa scope資本主義の未来編も続けざまにおかわりした)
そんなめちゃくちゃ面白かったPodcastの対談内容を一冊にまとめて書籍化したもので、そんなに面白くて影響受けまくっていたのに、なんで今まで買ってなかったんだろうと我ながら驚いている。
と、いうことでこちらの本、2度以上は聴いたことのあるおさらい的な内容なんだが、やっぱり文字になると感じ方が違うんだな、というのが読み終えてすぐの感想。
ラジオの時は、受容的に流れゆくまま、いろんな視点、いろんな世界のいろんな知識を「浴びた」という感じだったが、文字で読むと「うん?それって…どういうこと??」と、疑問点を自分のペースで立ち止まりながら考える余白ができた分、ラジオで「おおっ、そうか、わかった!わかっちゃった!」と思っていたことが、「…え、ちょっと待てよ、どういうこと?わかんなくなってきたぞ…」、と、無事ダニングクルーガー曲線の谷に落とされるハメになった笑
いずれにせよ、わたしにとっては、50年近く生きてきたのに見てこなかった、知らなかった世界を、思いもよらない角度から、スッと細ーい窓を開けて覗かせてくれるような内容。
どの分野にも必ず鮮明な印象を残すワードやエピソードがあり、最初にラジオを聴いた時もそうだったんだが、日常生活のふとしたシーンにシンクロすることも多かったので、余程影響を受けるのだろうな。文字通り、自分の認識していた世界が変わって見える。
各分野についてそれぞれどこが面白くてどこがわからなくなったか書き留めてもいいのだけれど、とりあえず近いうちにもう一回読み返して、谷からちょっとでも抜け出したいと思う。
それにしてもこれ、資本主義の未来編も出ないかな。
a scopeの哲学編もスタートしないかな。
…あてはないけど今後の楽しみが増えます。
Posted by ブクログ
視点が広がることがリベラルアーツ
わからないことが一つわかると、その何倍ものわからないことが現れてくる。これが人生の本質であって、それを一つずつやっていくしかない。
そんな本に出会えた自分は幸せだ。
ただ、自分にはアウトプットが足りない。
ここまで積み上げたものをもっと自分から広げていかないとなと思った。
深井さんをこころから尊敬する。もっと知らなきゃという焦りと食欲が満たされたような満足感がある読後感。
Posted by ブクログ
主体的に生きるためのヒントを与えてくれるのが、教養であるとのこと。
主体的に人生を歩みたい私にとって、そのきっかけになれば良いと思い、読み進めた。
本書は7つの視点を、専門家からいただくという、なんとも贅沢な1冊だ。
歴史学は現存している資料が、どういう立場の人物が書いたのかによって、事実が変わってくる。なるほどなぁと。恥ずかしながら、その視点はなかった。事実と事実の行間を読む力は、歴史学より、国語力だという。確かにそうだ。ひとつのことを学ぶにも、いろんな力や柔軟な視点が必要だと改めて学んだ。
宗教学の神から与えるれた理性の話や、神の前では平等だという視点や、教育学の受験改革の話、脳科学の自分の考え方を変えることより、体調を整えることの大切さと瞑想の可能性にも興味を持った。
もっともっと知りたいことが増えた。
本書が書かれた目的は私の中で達成されたのだと思う。
Posted by ブクログ
様々な学問の分野の第一人者と、コテンラジオ深井さん、野村さんの三者での対談形式。これまで、苦手な分野を改めて知ろうなんて思わなかったが、この本を読んで初めて腑に落ちる感じを味わった。
理解するのが難しく読み返してやっと理解した部分もあったが、読み終えた時後、物事の見方がより柔軟に、多面的に見れるようになったと感じることができた。続編も読みたい。
Posted by ブクログ
リベラルアーツの有無で人生が変わる可能性すらある。そんなことを考えさせられた。
同じ話を聞いたとしても必ずしも同じことを知るわけではない。世の中は二次、三次以上の情報にあふれている。また、間違った解釈のものもかなりある。そんな中で正しい判断などできるはずもない。
一方でですべてのことのファクトチェックをしていては先に進めない。そんな時に役に立つのがリベラルアーツ。
幅広く世の中のエッセンスを集めた知識体系。これを知っているがどうかは人生をも変えてしまうであろう。
これまでは避けがち。今後は貪欲に学ぶ。
Posted by ブクログ
以前「世界史を俯瞰して、思い込みから自分を解放する 歴史思考」を読んでみて面白かったので、同じようなジャンルの本を他にも読んでみました。
各専門分野の研究者を呼び、司会の2人が固定で次々対談していった内容をまとめた本です。
印象に残ったのは物理学と文化人類学です。
私自身は文系人間で物理は中学までしか勉強しておらず、章の見出しを見たときに一番よくわからないだろうな、と感じていましたが思っていたより読みやすかったです。
具体的な物理の話というよりは、物理学者がどういう思考でいるのかという話が中心でした。
文化人類学の話はフィールドワークを2年やるとか、どうやってそのコミュニティに入っていくかとか、そういう具体的な調査研究活動の話が面白かったです。興味を持って読み進めることができました。
各分野の権威というかかなりのエリートばかりが次々登場するので、途中ちょっと胸焼けしてきてしまった部分もありましたが、この本でテーマとして掲げていたメタ認知を高めるというところは達成できたのではないかと思います。
普通に生きていると自分の仕事の分野や、長年やっている趣味の分野にばかり注目が行き、確実に視野が狭くなると常々感じています。
読書等を通した教養の育みは前述の視野の狭さ問題に対して有効だと、本書を読んで感じました。
Posted by ブクログ
ポッドキャストを全部聴いていたので、大体の内容はわかっていたけれど、やはり難しい内容に関しては耳ではなく目でインプットした方が分かりやすい。
特に仏教の話などは出てくるワードが難しかったりするので、文字を見ると(その漢字のなどから)理解がしやすい。
ポッドキャストではあまりに物言いが断定的で、ともすれば横柄というか、偉そううというか、、、ちょっと人を小馬鹿にしたような話し方で、聞きながらドキドキしていた橋爪先生のパートは、文字にされるとかなり穏やかになり、会話のイントネーションが与える影響がいかに大きいか実感した。
仏教、キリスト教徒来たら、本当はイスラム教のパートも欲しかったよね、と思う。
Posted by ブクログ
対談形式の本ということでかなり軽い感じで読めました。
自分があまり関わりのない分野に頭を突っ込めるような行動指針を持って、視野を広げたいとました。