【感想・ネタバレ】視点という教養(リベラルアーツ) 世界の見方が変わる7つの対話のレビュー

あらすじ

JAPAN PODCAST AWARDSベストナレッジ賞受賞の人気番組が待望の書籍化!

7つの学問の研究者と深井龍之介氏・野村高文氏が対談したpodcastを書籍化。様々な選択肢があるがゆえに、迷いや嫉妬が生まれる現代に、世の中をあらゆる視点から捉え、自ら選択できる能力を身につけるための、リベラルアーツの思考法を紹介する。

【目次】
はじめに
chapter.01 リベラルアーツの力を考える
chapter.02 物理学:「直感」を身につけて、判断力を手に入れろ ×北川拓也
chapter.03 文化人類学:感染症も経済も、世の中はすべて文化人類学の研究対象になる ×飯嶋秀治
chapter.04 仏教学:実はきわめて論理的な、仏教の世界へようこそ ×松波龍源
chapter.05 歴史学:歴史を学ぶことで「つっこみ力」を磨け ×本郷和人
chapter.06 宗教学:キリスト教が、世界を変えた理由 ×橋爪大三郎
chapter.07 教育学:現代に再び現れた「松下村塾」の実践 ×鈴木 寛
chapter.08 脳科学:感情の仕組みを脳から読み解く ×乾 敏郎
おわりに─7つの対話を終えて

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Posted by ブクログ

ネタバレ

AとB、両方を知って体験してAを本当に知ることができる。

文化人類学という学問があることを知る。かなり興味が惹かれた。
三蔵法師は敬称で、現在も居る事に驚いた。人間性とは?と考える。
宗教学ではずっと謎だった「神と和解せよ」について、解釈を書かれていて新しい視点を得た。空気を読んでも後に無駄になるなら、読まないほうがエネルギー・時間のエコになる、は目から鱗。その場しのぎは無駄(状況にもよるだろうが)、長期的に保たせたいものほど忖度なく「理性」で動くほうが無駄にならない。
歴史を学ぶことは後々に自分の人生でも起こるかもしれないことを客観的に学ぶこと。「このとき」、誰がどういう気持ちで動いたのか。その結果がどうなったのか。「このとき」の基盤はどのように出来たのか。

学ぶこと、自分を全てを客観的に見るよう努力すること、思想、を改めて大事だと思ったし、これからも訓練&勉強していこうと思った。

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2023年03月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【考え方の視点が詰まった本】
いろんな分野の学者さんとのトーク。ポッドキャストで数年前に聴いていたのだけれど、あらためて本で読んでも興味深かったです。

各回、
リベラルアーツ、教養がより広く学ばれることの重要性。
それは、今日、「誰もが世界に対して好奇心をもって生きていい」時代となっていること。

一方で、「個人が生き方を主体的に選ばなければならない」、つまり「自分と社会の関係性」が個々人に問われている時代であること。



たくさんの選択肢を前に、何をしたらいいか、なぜそうするのか、そんな問いを考え続けるための複眼的な視点を持つことが、豊かに生きることにつながる、というモチベーションで書かれた本。

印象に残った点。
・物理学
「理解する」の意味の違いが話されていた。数学だと、分類する。物理だと、予測する。工学だと実用で役に立つ…各学問は、追究する目的、があって、その世界観が醍醐味でもあるのかなーと思った。

・人類学
普段の生活に参与観察の視点を取り入れることはとても興味深いし、実際にそのようなことをしていたりもするのかもしれない。「デザイン・アンソロポロジー」。UXデザインを学んだ時に、ユーザーへの聞き取りや行動のマッピングを行うUXリサーチを興味深いと思ったけれど、研究手法としても名前が付けられているのだと知る。企業文化についてもこの視点でアプローチすることができる。

・仏教
ヘラクレイトスが「万物は流転する」とヨーロッパで言った紀元前6世紀ごろ、まったくつながりのないアジア地域でも同じような考えが生まれていた。その時代、本当に凄いと思う。本当にあったのかなと思ってしまうぐらい。仏教は身体を伴う修行を通して、自分や他者に対する固定概念を外す。自分も他人も常に変わっていくから、固定化しないこと、神格化もしないこと、今の私以外になれないことは、これからの自分について、何にでもなれるということでもあるのかもしれない。そして、他者、周りが変わると自分も変わる、その境界も揺らぎ続けているから、自分だけを変えることはできないし、周りだけを変えることもできない。

・歴史学
歴史を学ぶことは、異文化交流。多様性。一緒だけど違う、他者について、多文化について、どう解釈していくかのバランス感覚を養うこと。とくに価値観の変化のスピードが速い、長寿な今の時代、世代間の相互理解が欠かせない中、知りえないけれど知ろうとする想像力も大事なのだろうと思う。

・宗教学
キリスト教は神のみに頭を下げる。欧米の平等感観には、神の作った人間は平等という考え方が根付いているのか。一方、仏教は、情況、空気を読んで、頭を下げる。また、西洋での哲学は、自分ではなく理性が考え、変わらない客観的な知を生むという視点。理性は髪がインストールした神アプリ。そして、キリスト教は、人格化された神との和解を求める一方、仏教は、言葉での対話を越えた和解、だから身体を伴う修行を実践することを通して、無意識、感覚の世界の境地に入るのか…そんな瞑想などの傾向が今欧米でも流行っている。

・教育学
教育分野で実践をされている方とのお話。2030年ごろに日本政府は破綻。社会インフラが壊れることを見越したアクションとして、都会と地方の人を交ぜておくような場づくりを行われているとのこと。人的資本、とかいうけれど、企業の発展以上に、人の育成に意図的になることって本当に大事。

・脳科学
読みながら、刺激から反応までのプロセスをあらためて細分化する、解像度を上げて考える。そしてどこで間違いやすいのか、間違いを起こしてしまうのか、胴どれだけ正確に、うまく作動できるのか、みたいなことを考えてみた。自覚的になることで、感情にと身体の動きを改善できるはず。鈍っている部分をどう鍛えたらいいのかも考える。身体感覚ー人や自然とどれだけ関わり合っているのか…認知・指令ーどんなバイアス、習慣、癖がどれだけ推理や解釈に影響しているのか、また身体を動かす際のイメージをどれだけ正確に持てているのか…反応ー筋力。

そしてこれらの学問が別々にあるのではなく、一つの世界にどう切り込むかという態度や視点が、派生して発展してきたのだろうと思うとさらに面白い。

音で聞くとスラスラ入っていくもののスラスラ抜ける部分もあり、本で読むとよく考えないと分からなかったりするところに躓きながらも立ち止まって考えられ多様な気がする。

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2024年05月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

元はpodcastの番組で、書籍化したのがこちらの本とのこと。
リベラルアーツとは何か、なぜ今の時代に必要かを説くところから始まり、
新たな視点や思考法を手に入れるため、物理学から始まり、宗教などあまり馴染みのない学問も含め、様々な学問での考え方を専門家との対談の中で紹介していく形式になっている。
どの学問もわかりやすく語られていて面白かったが、個人的には特に文化親類学と教育学の章が興味深かった。
この本だけで教養が身につくわけではないが、こういう考え方、捉え方もあるのだと、視野を広げるきっかけになると思う。読み物として面白かった。

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2024年01月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

視点が広がることがリベラルアーツ
わからないことが一つわかると、その何倍ものわからないことが現れてくる。これが人生の本質であって、それを一つずつやっていくしかない。
そんな本に出会えた自分は幸せだ。
ただ、自分にはアウトプットが足りない。
ここまで積み上げたものをもっと自分から広げていかないとなと思った。
深井さんをこころから尊敬する。もっと知らなきゃという焦りと食欲が満たされたような満足感がある読後感。

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2023年03月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

リベラルアーツの有無で人生が変わる可能性すらある。そんなことを考えさせられた。
同じ話を聞いたとしても必ずしも同じことを知るわけではない。世の中は二次、三次以上の情報にあふれている。また、間違った解釈のものもかなりある。そんな中で正しい判断などできるはずもない。
一方でですべてのことのファクトチェックをしていては先に進めない。そんな時に役に立つのがリベラルアーツ。
幅広く世の中のエッセンスを集めた知識体系。これを知っているがどうかは人生をも変えてしまうであろう。
これまでは避けがち。今後は貪欲に学ぶ。

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2022年11月28日

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