奥真也のレビュー一覧
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AIは医療と相性が良く、今後急速に進歩し、医療従事者も患者も大きな恩恵を受けることになる。それは診断や治療領域だけでなく、看取りなどの人生の終焉にまで及ぶだろう、というテーマ。以下、トピック。
診療ガイドラインというものがあり、日本では国際ガイドラインを日本版ガイドラインとして調整して利用している。様々な診療情報を組み合わせて診断を判断するためのもの。年配の医師より若い医師、また地方より都市部の方が活用されており、AIが診断するための土台になると考えられる。
ガイドラインにない希少な疾患の診断も人間よりAIに分がある。多くの医師が診ているのはいわゆるよくある病気で、診たことのない病気の診断 -
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様々な立場で医療に携わってきた作者が、日本医療の問題点やこれからどうあるべきかという対策について考えを述べている本。
日本の誰もが低負担で医療にアクセスできる国民皆保険制度の仕組みは素晴らしいと褒めつつも、今の制度のままでは、医療費や介護費などの社会保障に必要なお金が増え続け、破綻してしまうと警鐘を鳴らしている。
一人ひとりが医療変革を起こすためにできることについて提案されていた。
・セルフメディケーション
自分の健康状態に関心を持ち、自覚的に向き合う力を身につけてセルフケアに努めること。
→現代人に多い生活習慣病は、自分自身できちんと管理できるかが問われているため
・予防に対する意識
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未来の医療年表 奥信也
東大で医学博士を取得し、MBAホルダーでもある著者の医療における未来展望。
医学の最新情報とともに、医療×ビジネスで展開される未来予測は非常に引き込まれる。
面白かったポイントは下記の通り。
・新型コロナで公衆衛生意識が伸長?
公衆衛生という考え方自体の重要性を改めて認識した。公衆衛生とは個人一人ひとりの医療と社会全体の医療のバランスを取ることであり、ワクチン接種やウイルスへの対応策の基本的な考え方。
・2030年にはほとんどのがんが治癒可能に?
分子標的薬と免疫チェックポイント阻害剤により、がん治療は極めて進展しており、2030年までにはほとんどのがんが治癒可能にな -
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ネタバレ「医療技術✕ロボティクス(Ai、サイボーグ工学、ニューロロボット工学など)」を広く横断的に、しかもそれらを利用する側(消費者・患者など)の視点でわかりやすく、一気に理解する方法を探してた。
これまではそれぞれのキーワードでアンテナ張っていた(ニュースを拾って未知の用語をその都度理解していく)が、この本がその目的を満たしてくれた。
著者はこの領域の池上彰さんのような存在だと思う。
先端分野に職を得ると、立場上、何かと公言しづらくなってしまうので、筆者にはぜひとも今の特異なポジションで情報発信を続けていただきたいと願う(Facebookグループで読者らと対話もしている!)。この本を池上さんの「 -
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近い将来実現するであろう「不死の時代」を見据え、それをもたらすべく進化し続ける様々な医療関連技術の内容と、その恩恵を受けるはずの我々が直面するであろう課題がまとめられた一冊。
著者は、iPS細胞の実用化やAI、ビッグデータ分析、ロボティクスといった技術の活用などにより、予防・診断・治療の全てにおいて劇的に進化している今日の医療は、その「完成」に向けて「山の9合目」まで来ており、難病や急死といった「病気のラスボス」を突破すれば、人類は実質的に不死、即ち病気によって志半ばで不慮の死を遂げることが無くなり、一部の学説で寿命の理論上の限界とされる120歳まで生きることも可能になる一方、我々自身の意識 -
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「あらゆる人はすべからくいつか必ず死ぬ」という絶対的な命題のもと、医療のできることは何か、医療の可能性は何か、そして医療の限界は何かを論じた一冊。
色々な医療者に話を聞くと、まだ人間の身体のメカニズムには解明されていないことだらけだという人が多い。
この本では「医療の完成は山の9合目」と言う。「9割」ではなくあくまでも「9合目」なのである。9合目から頂上までの道程はきつく厳しい。しかし頂上は見えかけている。
また「9割の病気は治らない」とも言う。つまり「病気との共存」こそが医療の本質だと言う。
ビッグデータやAIを用いた医療の未来、臓器代替、ナノ医療、遠隔医療など最新のトピックスにも触れ、独自 -
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AI活用による診断や、スマートウォッチ等から個々の病気予測など、未来の医療の話から、健康をお金に置き換えて、如何に臓器の消耗を抑えるか(節約するか)まで、わかりやすくかかれている。
自分が考えていたことと似ていたこともあり共感はする……が、その医学的根拠を知りたかった。
脳の消耗については医学的根拠がないが……などと書かれているので逆に他の項目では医学的根拠はあるのだろうし、いくつかの本でも似たようなことが書かれているので、正しいのだと思けれど……。
根拠やそのエビデンスレベルが示されていない医学知識は実践するか否かの判断がつかず、あまり活用できない。 -
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医療は完成期に入りつつある。
2025本格的認知症薬
2030感染症の脅威から解放
2035ほとんどのがんが治療可能に
2040人工臓器、糖尿病解決、神経難病克服
がん治療は分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤、の組み合わせ。ALSも分子標的薬で。SMAの治療薬ゾルゲンスマ。高価なので抽選になった。
指定難病は、増えている。なんとかなりそうだ、というものが難病に指定される。増えるのは悪いことではない。
ips細胞は、実用的ではない。ES細胞は再生医療に成功事例が多い。
認知症はアミロイドベータに注目しすぎて10年遅れた。タウタンパク質に注目されている。
2022スマホウェアラブル端末
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人生100年時代という言葉は、私が記憶するに数年前から言われ出したように思います。年金支給時期を遅くするための宣伝文句と理解していたのですが、この本を読んで考え方が少し変わりました。医療技術が進んで、今までに治らないとされていた病気である癌が治癒可能になり将来的には平均寿命が上がることが予想されているからの様です。
この本のタイトルでもあり、本の帯に書かれていますが、未来の医療年表によれば、認知症薬の誕生、AI治療の進展、癌・感染症・糖尿病を克服することが予想されているようです。また2032年を目処に日本においても安楽死法が制定される模様です。
長生きできることは確かに良いことだと思います -
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新聞書評で気になったもの。未来を論じている以上、当たり前のことなんだけど、自分の想定以上に机上の空論感が感じられてしまい、何だか白けた気分を脱することが、終始出来なかった。現場の意見は、あくまで現在の事象に基づくものだから、臨床を離れている立場で何言うものぞ、っていう批評は当たらないのかもしれない。現状、宇宙旅行は可能なのかもしれないけど、それが人口に膾炙するのはいったい何年先?的な、現実と最先端の乖離を感じさせられる描写がとても目立つ気がしました。あと、実際に証明されていることと、自分がそう考えていることが、そこかしこでごっちゃになっている印象も…。期待した内容には届かない一冊でした。