奥真也のレビュー一覧
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ネタバレ福祉の中でも現場で働く介護職に
興味を持って一部ではあるが読んでみた。
医療と福祉。
自然と分かれているイメージがあったが、
確かに最大の効力は得るには
その架け橋がカギになることがわかった。
「感情的な看取り」も「治療方針の決定」も
個人的にはAIにされてしまったら
正直気持ち悪いと感じてしまう。
それはなぜか。
今現在のAIの話し方が苦手であったり、
AIはまだ発展過程にあって不安であったり、
そう言ったこと以外に
自分のことは自分で決めたい
と思う気持ちが強かった。
この気持ちはきっと
AIには思うことできない気持ち
ではないだろうか。
だからこそ、
“必要な支援を過不足なく届ける”AIの「寄り添い」
は〈人が人として向き合える時間を取り戻す〉
ためにあるという考え方には賛成派だ。
AIが人間化してきている今、
それらが「道具」であることを忘れてはならない。
「感情表現が難しいAIにとって
人と関わる職は人間が必要とされる」
とよく聞くことがある。
しかし、きっとこれから先
さらに進化したAIは感情も豊かになり
人よりもいい人間関係を
つくりあげられるかもしれない。
そんな時代が来たとき、
私たちは堂々とAIに看取られることの
「どこが嫌で、なぜ嫌なのか」といった問いに
堂々と答えられなくなってしまう。
2035年、すでに10年を切っている。
AIがすぐ隣にいる時代に私たちは生きていく。
受動的に生きるのでなく、能動的に生きていく。
選ばない選択肢はなくなった。
ならば、AIを使いこなしてやろう。
あくまでそれらは「道具」で、
人間が「主役」であるのだと
私は思い続けていたい。 -
Posted by ブクログ
AIは医療と相性が良く、今後急速に進歩し、医療従事者も患者も大きな恩恵を受けることになる。それは診断や治療領域だけでなく、看取りなどの人生の終焉にまで及ぶだろう、というテーマ。以下、トピック。
診療ガイドラインというものがあり、日本では国際ガイドラインを日本版ガイドラインとして調整して利用している。様々な診療情報を組み合わせて診断を判断するためのもの。年配の医師より若い医師、また地方より都市部の方が活用されており、AIが診断するための土台になると考えられる。
ガイドラインにない希少な疾患の診断も人間よりAIに分がある。多くの医師が診ているのはいわゆるよくある病気で、診たことのない病気の診断は難しいが、AIは過去のビッグデータに基づいて見落としなく病名のリストを提示できる。
マルチモーダルAI診断システム。画像、文字情報、音声、数値といった複数の情報源を統合的に分析すること。
日本の医療ビッグデータは、プライバシーへの配慮から患者の収入などの経済的な情報との結びつきがない。このようなデータの収集や解析には大きな可能性がある。
増大し続ける日本の医療費削減のポイントをいくつか
・風邪症状の治療に費やされている医療費、年間550億円。保険適用のため社会保障費から支払われる。
・ドラッグストアで購入し後から確定申告して戻ってくるOTC薬、普及していない。
・GLP-1受容体作動薬は、食欲抑制により血糖コントロールできる糖尿病治療薬だが、美容目的の痩せ薬として使用されるようになり、本来必要とされる患者への供給が問題になっている。保険適用の線引きも課題。
・オンライン診療は現在の制度では医療費削減に直結する。医療の質を担保しつつ患者の安全を最優先にする運用検討が求められる。LINEプラットフォームを活用する事例あり。
・デジタル治療アプリの活用。
・風邪や打撲など緊急性がない症状で救急車を使うケース。2023年に救急車で搬送された傷病者は
664万人、うち約半数の322万人は軽傷者だった。松坂市は市内3基幹病院に救急搬送された患者のうち、入院に至らなかった軽症患者から一人あたり7700円を徴収することにし、救急利用が20%削減された。
介護現場でのロボット活用が試みられている。介護ロボットは誰かの負担を軽くする存在であるべきだし、医療DXは業務を機械化することが目的ではなく、人が人として向き合える時間を取り戻す事にあるべき。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者についての現状や、眼球以外動かせない状況になった方が執筆された本などの紹介。いつか読む。
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Posted by ブクログ
様々な立場で医療に携わってきた作者が、日本医療の問題点やこれからどうあるべきかという対策について考えを述べている本。
日本の誰もが低負担で医療にアクセスできる国民皆保険制度の仕組みは素晴らしいと褒めつつも、今の制度のままでは、医療費や介護費などの社会保障に必要なお金が増え続け、破綻してしまうと警鐘を鳴らしている。
一人ひとりが医療変革を起こすためにできることについて提案されていた。
・セルフメディケーション
自分の健康状態に関心を持ち、自覚的に向き合う力を身につけてセルフケアに努めること。
→現代人に多い生活習慣病は、自分自身できちんと管理できるかが問われているため
・予防に対する意識
セルフケアの力を高める努力をする
→予防は健康の長期戦略になる
勉強になったこと
これからの医療DXで予測されること
・オンライン診療やオンライン調剤が適用され、医療が自宅で完結し、患者の負担の少ない医療サービスの受け方が増える
・5Gや4K、8Kの技術力で医療過疎地でも専門医の診療が受けられたり、高画質のカメラやモニター導入でより正確で安全な手術もできる
手術支援ロボットを遠隔操作するオンライン手術なども活用される
医療知識が全くない私でも読みやすく、医療制度のあり方について考えさせられる本だった。
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未来の医療年表 奥信也
東大で医学博士を取得し、MBAホルダーでもある著者の医療における未来展望。
医学の最新情報とともに、医療×ビジネスで展開される未来予測は非常に引き込まれる。
面白かったポイントは下記の通り。
・新型コロナで公衆衛生意識が伸長?
公衆衛生という考え方自体の重要性を改めて認識した。公衆衛生とは個人一人ひとりの医療と社会全体の医療のバランスを取ることであり、ワクチン接種やウイルスへの対応策の基本的な考え方。
・2030年にはほとんどのがんが治癒可能に?
分子標的薬と免疫チェックポイント阻害剤により、がん治療は極めて進展しており、2030年までにはほとんどのがんが治癒可能になると予測。
・AI時代の医師の役割は医療をデザインする人/患者に寄り添う人
AI時代において、医師は二分化され、新しい技術が登場するごとに医療にあり方をデザインする人、そして、カウンセラー的な役割に特化し、患者に寄り添うことを中心的な仕事にする人となる。中間的な診断や治療薬の処方などはAIの精度が高まっており、これらを担うのは将来的にはAIとなる。
・ディジーズマネジメントの台頭
保険会社主導で患者や患者予備群の集団に働きかけ、様々なアプローチでリスク集団の疾病リスクを低減させる疾病予防支援サービスをディジーズマネジメント、DMと呼ぶ。
アメリカでは国民皆保険制度がないため、健康保険では企業が福利厚生として完備している。それぞれの企業は魅力的な福利厚生制度を整備することで優秀な人材の確保に努めているが、その保険は保険会社がもちろん引き受けている。
保険会社としては保険金請求が少ないほど、保険収益は良化するため、保険会社主導で患者群に対してリスク低減として予防医療を斡旋するインセンティブが働く。そうした背景によりDMがアメリカでは一般的である。さらに、乳がん検診を受けなかった人は保険の自己負担額を引き上げるなど、保険給付のコントロールによる健康マネジメントをある種強制する仕組みもある。
日本では保険会社の兼業は保険業法で厳しく制限されているが、アメリカの場合、カイザー・パーマネントのように医療機関と保険業を兼営している企業もある。日本の場合、公的な健康保険制度に頼っている部分もあり、予防医療の浸透が遅い傾向にある。
しかしながら、日本も公的な健康保険制度は収支マイナスが続き、健康保険組合に関しても年々収支悪化は顕著である。日本においても、DMの定着や、健保組合においても健康維持に対して給付金コントロールの面で一定のインセンティブを持たせる施策は有用であると考える。
しかしながら、現在、経済格差が健康格差につながるという社会問題もある。経済的にハードな人々ほど、栄養の偏った不規則な食事により、健康を害しやすいというデータもある。給付金コントロールにいるDMも一定の効果はあると考えるが、経済的にハードな環境下で、健康診断も受けられず、健康意識も低い人に対して、給付金を減らすのは本末転倒であり、自助制度内での解決も限界である。
ただ、DMに関する議論は日本でも活発化されるべきであり、企業としても健康経営やESGの文脈でより社員への健康マネジメントは進む傾向にあり、ここに保険会社として医療機関と連携した健康管理のインセンティブを促進することは、社会的にも有用な視点であろう。
・60歳くらいからは小太りぐらいがちょうどいい。
サルコペニア(老齢による筋肉低下)が現在問題になっており、60歳以上の過度なダイエットなどは逆に健康を害する可能性もある。その点、60歳まではメタボ対策を重点的に行い、60歳以降はサルコペニア対策として小太りくらいがちょうどいいということである。
・高額医療費制度は弾力性を持たせるべき
日本では、一定額以上の医療費が発生した場合、自己負担額に上限を設ける高額医療制度がある。非常に良い仕組みだが、濫用されすぎると社会保障費の財政がひっ迫される。
線引きは難しいが致死性が高い分野に高額医療費の自己負担制限を設け、致死性が低い病気に対しては自己負担を引き上げる。保障が必要な場合は、個人で民間の医療保険に入るなどの弾力的な制度運用が今後必要になる。
・医療ツーリズムの導入について
日本では一流の医師と二流の医師でも基本的には同額で診療や手術を行っている。しかしながら、一流の医療、巨額の診療費を対価にグローバルに提供するということも議論されるべきである。
人口減少と高齢化の課題先進国である日本の医療・介護のノウハウ蓄積は、今後、輸出可能な主力産業になりうる可能性がある。日本の財政健全化のために、外貨を調達するために、高度な医療を一定レベルで医療ツーリズムに開放するなどの施策もあってもおかしくない考え方でもある。 -
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ネタバレ「医療技術✕ロボティクス(Ai、サイボーグ工学、ニューロロボット工学など)」を広く横断的に、しかもそれらを利用する側(消費者・患者など)の視点でわかりやすく、一気に理解する方法を探してた。
これまではそれぞれのキーワードでアンテナ張っていた(ニュースを拾って未知の用語をその都度理解していく)が、この本がその目的を満たしてくれた。
著者はこの領域の池上彰さんのような存在だと思う。
先端分野に職を得ると、立場上、何かと公言しづらくなってしまうので、筆者にはぜひとも今の特異なポジションで情報発信を続けていただきたいと願う(Facebookグループで読者らと対話もしている!)。この本を池上さんの「知らないと恥をかく~~」シリーズのように数年ペースで出したら毎回読みたい。
「(病気による突然)死」がほとんどない長すぎる人生を孤立せず充実した時間にするためには、周囲の人たちから必要とされるよう「利他」を意識し続けること。それが「アクティライフ」という利己的な充実感になっていく、と結んでいるのにも共感する。 -
Posted by ブクログ
近い将来実現するであろう「不死の時代」を見据え、それをもたらすべく進化し続ける様々な医療関連技術の内容と、その恩恵を受けるはずの我々が直面するであろう課題がまとめられた一冊。
著者は、iPS細胞の実用化やAI、ビッグデータ分析、ロボティクスといった技術の活用などにより、予防・診断・治療の全てにおいて劇的に進化している今日の医療は、その「完成」に向けて「山の9合目」まで来ており、難病や急死といった「病気のラスボス」を突破すれば、人類は実質的に不死、即ち病気によって志半ばで不慮の死を遂げることが無くなり、一部の学説で寿命の理論上の限界とされる120歳まで生きることも可能になる一方、我々自身の意識改革がなければ、単に長期化した人生を「リビング・デッド」として送ることになると警告する。
所謂「人生100年時代」を幸せに生きるためには、無病息災ではなく「多病息災」を前提に病気と上手く付き合うことや、表面的な健康ブームに踊らされることなく定期的な受診や生活習慣の改善といった予防の取り組みを継続することに加え、“いつ死ぬかわからない”という強迫観念からある程度は利己的に生きるしかなかったこれまでの我々の人生を根本から見直し、利他の精神によって生きがいや充足感を形成し、アイデンティティを再構築することが必要と説く。著者ご自身のこれまでのプロフェッショナルとしてのキャリアとプライベートでの様々な経験に裏打ちされた、実用的でありながらも自己啓発的側面も備えた良書。 -
Posted by ブクログ
「あらゆる人はすべからくいつか必ず死ぬ」という絶対的な命題のもと、医療のできることは何か、医療の可能性は何か、そして医療の限界は何かを論じた一冊。
色々な医療者に話を聞くと、まだ人間の身体のメカニズムには解明されていないことだらけだという人が多い。
この本では「医療の完成は山の9合目」と言う。「9割」ではなくあくまでも「9合目」なのである。9合目から頂上までの道程はきつく厳しい。しかし頂上は見えかけている。
また「9割の病気は治らない」とも言う。つまり「病気との共存」こそが医療の本質だと言う。
ビッグデータやAIを用いた医療の未来、臓器代替、ナノ医療、遠隔医療など最新のトピックスにも触れ、独自の論を展開させていく。
そもそも臓器の寿命は50年程度で、あとはそれを騙し騙し長持ちさせていくようなもの。そう考えると病気との向き合いも変わってくるという展開は非常に納得できる。
ちょっと独自の考え方が新鮮で刺激的な一冊だった。