高橋洋のレビュー一覧

  • リング0~バースデイ~

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    ネタバレ

    貞子の生前の話
    普通の女学生
    最期に井戸に落ちた時の絶望
    まぶたを閉じている時のつかの間の夢
    こちらが現実だったらよかったのにという
    目が覚めた時の絶望

    貞子が【化物】ではなく【女性】という話

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    2025年09月13日
  • 反共感論 社会はいか判断を誤るか

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    共感はネガティブな効果も持つということが丁寧に説明されている。私自身の意見と合致することもあり、思考がクリアになった。多くの人に読まれてほしい。個人的に著者の語り口が好み。
    (学問の場では、)「道徳的情動の擁護者でも、暗黙のうちに理性に優先権を付与している」ので、理性が情動に優先するのは自明とのこと、学問の場はなるほど生きやすそうだ。一般人の会話では理性を用いその優先を説くと相手方から理性が返ってくるのは稀だと思う。情動で押し返され拒絶されるのが常だ。日常生活における理性の地位をより高めるにはどうしたらよいだろうか。

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    2023年05月13日
  • 眠りがもたらす奇怪な出来事 脳と心の深淵に迫る

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    本書の原題は「The Nocturnal Brain」、"夜行性の脳"とでも訳せようが、眠りといえば、日の出・日の入りと同じように万人に規則正しく訪れ、脳にとっての休息…では全くないことが睡眠医学の専門家によって描かれる。
    それは多少の不眠や起床リズムのズレなどとはほど遠く、完全に昼夜逆転することもあれば、寝ている間にオートバイで出掛けて帰って来る人までいるそうだ。
    取り上げられているのは、著者が実際に取り組んだ症例だが、計測装置や様々の薬剤の進歩により、症状を把握し、対応できるようになってきたとのこと。
    日頃特に意識もしない「眠り」の思いもよらない深層に触れること

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    2020年11月09日
  • 眠りがもたらす奇怪な出来事 脳と心の深淵に迫る

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    ネタバレ

    タイトル通りの本。

    睡眠異常と遺伝、エピジェネティクな要因、現在の環境要因、脳。。。
    いろんなパラメータで、睡眠の側面を明らかにしていく。
    また、治療法だけでなく治療経過、結果も詳らかにされていく。

    意外と完治しない。

    今夜眠れる人は、幸せを噛み締めたほうがいい

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    2020年10月30日
  • 反共感論 社会はいか判断を誤るか

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    相手の感情をミラーリングした情動的共感。
    一般に「共感」というものは絶対的に善であるとされているが、
    本書では冒頭にあげた「情動的共感」が、ある局面、具体的には道徳的判断などにおいては悪しき作用をもたらすというショッキングな主張が展開される。

    目の前で困っている子供と、遠くアフリカで生死さえ確かではない何万人もの子供。
    論理的・倫理的にはどちらに手を差し伸べるべきか。
    感情・共感をもってするとどのように判断するだほうか。
    さらに突き詰め、共感が破滅的な悲劇をもたらすこともある。

    また、不幸は共感を欠くところからのみ生まれるのか。
    サイコパスは共感を欠く点が有害なのか。
    共感以外の方法で、道

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    2018年11月08日
  • 反共感論 社会はいか判断を誤るか

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    非常に重要。特にSNSで暴れたい人々は読んでおくべきだと思う。



    訳者の高橋先生はいつも偉い。他にも、この本で論じられてるような最近の主要な論者の翻訳もいろんな先生によってけっこうなされていて、ほんとうによい時代になったねえ。

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    2020年06月15日
  • 眠りがもたらす奇怪な出来事 脳と心の深淵に迫る

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    睡眠障害を専門とする神経科医による、さまざまな症例を紹介する内容。もともとBBCの番組が元で作られたということで、夢遊病や睡眠時無呼吸症候群、不眠症などなじみのあるものから、初めて聞くような奇妙な症例まで紹介されている。
    睡眠障害の原因については、まだわからないことが多いようでそれほど詳細な記述は見当たらない。
    それでも、睡眠やレム睡眠、ノンレム睡眠に関する脳の部位やホルモンについての簡潔な記述があり、この分野について興味を持つ読者はそれらの情報から知識を深めていくことができると思う。
    オリバー・サックスの著作などもそうだが、具体的な症例や患者のありさまは人間の脳についての不思議さを感じさせて

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    2024年10月03日
  • 進化の意外な順序 感情、意識、創造性と文化の起源

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    『脳の大統一理論』、スティーブン・ジェイ・グールドの本と三冊並行して読んだために時間がかかった。本書も含めていずれも似たような主張に帰結するのが面白い。

    本書の表現では、「高度な知能や思考を通じて、秩序を保とうとする人間と、そんな手段は用いずとも、細菌は化学反応によって秩序を保つ」。片やグールドは、ダーウィンの進化論における後発者が常に優れているという主張を批判したが、つまり、高次元の脳機能が生命の頂上に君臨するかのような人類の傲慢さを戒める。そんな風に機能しなくても秩序は保たれるし、寧ろ人類は秩序を乱す。

    そして。感情は、脳だけを心の源泉とみなすのではなく、神経系と他の組織の相互作用によ

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    2024年09月15日
  • 進化の意外な順序 感情、意識、創造性と文化の起源

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    神経科学が専門

    本書では細胞生物学から脳科学、文化、社会に至るまでを扱う

    ■第二 文化的な心の構築

    5章 心の起源

    人間の心の誕生には神経系と身体の連携が必要であること、また、心は独立した生物ではなく、社会的環境の一部をなす生物に生じたことを念頭に置く必要がある。
    p91

    感情と主観性は太古の時代から存在する能力であり、その出現は、脊椎動物や、まして人間が備える高度な大脳皮質には依存していなかった。


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    2022年10月31日
  • 進化の意外な順序 感情、意識、創造性と文化の起源

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    本書はアントニオ・ダマシオの新作である。
    ダマシオは、「なぜ、そしていかに情動が生じるのか?私たちはどのようにそれを感じ、感情をもとに自己を築き上げるのか?感情はいかに最善の意図を支援したり阻害したりするのか?なぜ、そしていかに脳は身体と相互作用し、その機能を支援するのか?」という問いの答えを求めて、「多大な時間を費やしてきた」という。そして、「今や、以上の問いをめぐる新たな事実や解釈を手にした」と言う。本書は、その内容を解説するものである。すでに御年75歳となる。これまでの研究や思索の集大成を意識して書かれたものだと言える。

    正直に言うと、その内容をきちんと理解できたかという、できていませ

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    2019年12月08日
  • 反共感論 社会はいか判断を誤るか

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    最初の部分はたしかに反共感論ではあったが、日本語の訳であり、情感に流されないという反感情論であったという気がする。

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    2018年12月10日
  • 反共感論 社会はいか判断を誤るか

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    刺激的な論考。久しぶりに夜更かしして読み続けた。それぐらい脳を活性化させる内容。
    共感は道徳性の中心的要素ではない。それどころか複雑な現実社会においては、共感がネガテイブに作用することが多い。ブルームの議論はなかなか周到で、いくつもの反論を想定しつつ、それに応えて自己の主張を裏付けていく。
    共感のネガティブな側面として、スポットライト効果、数的感覚の欠如はお馴染みだが、
    「他者の感情を自分も感じること」で他者の苦痛にとらわれてしまい、長期的な援助が困難になることや、収容所の隣に住む人が処刑される囚人を助けるのではなく、どこか遠くで行われることを望む例などは興味深い。
    また、共感は怒りなどの情動

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    2018年05月04日
  • リング0~バースデイ~

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    映画のコミカライズだったかな。
    生前の貞子が主人公。
    表貞子は俗に言うふたなりだけど可愛いし良い子なんだよね。
    裏貞子がやっかいなんだよなあ。

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    2009年10月04日
  • リング上巻

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    あの貞子で有名なリングの漫画版。
    こちらは小説と映画が合わさったような内容。
    読んですぐに友人に貸したなあ。

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    2009年10月04日
  • 社会はどう進化するのか――進化生物学が拓く新しい世界観

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    意外性のある内容はついぞ登場しなかったが、進化論という強力すぎる武器を手にした人類が、それを様々な社会的事象に適用させていく歴史をかいま見ることができた。
    いわゆる「弱肉強食」という文脈でダーウィンの自然選択説が悪用(濫用か?)されているのは素直につらい。なんでもかんでも学際的であれば良いということではないですからね……。

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    2024年05月21日
  • 反共感論 社会はいか判断を誤るか

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    共感に多くを委ねすぎるなという論考。突き詰めるとシンパシーとエンパシーの違いのような点に行き着くのだろうか。
    共感の捉え方、理性や道徳、システム2と呼んでいるものとの関係性、個人の中での重きの置き方など興味深い点が多かった。

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    2022年01月08日
  • 反共感論 社会はいか判断を誤るか

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    情緒的な共感に基づいて意思決定や行動を起こすことは、しばしば合理的、理性的判断に劣る、ということを、個人の身の回りの意思決定から、公共政策まで幅広くカバーしている。共感によって戦争や暴力が道徳的に正当化される側面など、逆説的な論点も提示。学問的あるいは実証的なエビデンスにもとづく意思決定論の立場に重きを置く最近の潮流を支持するものになりそう。

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    2021年02月10日
  • 眠りがもたらす奇怪な出来事 脳と心の深淵に迫る

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    睡眠の病に関する色々な話が読める本。問題なく眠れるというというのはありがたいことなんだなと思えます。
    個人的にはボリュームがかなりある本だと思います。なかなか読み終わらなかった…

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    2020年11月08日
  • 眠りがもたらす奇怪な出来事 脳と心の深淵に迫る

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    ネタバレ

    睡眠関連の疾患に苦しむ患者たちの症状を描いた本です。初めて睡眠関連の症状の話の本でしたので、興味深く読みました。かなり詳細な脳のメカニズムも書かれており、その部分が長いため、ちょっと置いて行かれる部分もありました。その分患者さんの不思議な症状の部分はオリバーサックスの本程ではありませんでした。1章で非24時間睡眠覚醒症候群という初耳の言葉が出てきて、その後も興味深い疾患が出てくるのかと思いましたが、その後は知っているものばかりでした。ナルコレプシーの記載が非常に多く、バラエティに富むわけではないのだなと思いました。

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    2020年09月16日
  • 反共感論 社会はいか判断を誤るか

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    共感は以下の2つに分けられる。

    1.「情動的共感」(相手が感じていることを自分も感じる)
    2.「認知的共感」(相手が感じていることを理解する)

    1は、少数を救うために多くが死ぬような、結果をもたらすことが多い。

    グローバリゼーション、ボーダレス、ジェンダレスな社会においては、2での行動や判断を増やすべき、だと。確かに、村社会では全員見えるので1で良かったけど、より多くを考えると2が重要だよなぁと思う。

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    2019年04月03日