ポール・ブルームの作品一覧

「ポール・ブルーム」の「反共感論」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 反共感論 社会はいか判断を誤るか
    3.9
    1巻2,860円 (税込)
    次々と明かされる共感が持つ負の側面――私たちが抱える問題は過剰な共感に原因があった! 共感する力は人を善良にすると考えられることが多い。しかし実際はその反対。理由は、人類がまだ家族や氏族の単位で生活していた時代に共感の能力がつくられたことにある。巨大で複雑な現代社会では、共感のせいで愚かな判断や無関心、暴力、公正さを欠く政策がうまれ、人間関係がむしばまれる。道徳心理学の世界的権威ポール・ブルームが共感を礼賛する今の風潮に異を唱え、共感せずに合理的に判断したほうが、道徳的な選択ができることを徹底的に明らかにします。

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ユーザーレビュー

  • 反共感論 社会はいか判断を誤るか

    Posted by ブクログ

    共感はネガティブな効果も持つということが丁寧に説明されている。私自身の意見と合致することもあり、思考がクリアになった。多くの人に読まれてほしい。個人的に著者の語り口が好み。
    (学問の場では、)「道徳的情動の擁護者でも、暗黙のうちに理性に優先権を付与している」ので、理性が情動に優先するのは自明とのこと、学問の場はなるほど生きやすそうだ。一般人の会話では理性を用いその優先を説くと相手方から理性が返ってくるのは稀だと思う。情動で押し返され拒絶されるのが常だ。日常生活における理性の地位をより高めるにはどうしたらよいだろうか。

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    2023年05月13日
  • 反共感論 社会はいか判断を誤るか

    Posted by ブクログ

    相手の感情をミラーリングした情動的共感。
    一般に「共感」というものは絶対的に善であるとされているが、
    本書では冒頭にあげた「情動的共感」が、ある局面、具体的には道徳的判断などにおいては悪しき作用をもたらすというショッキングな主張が展開される。

    目の前で困っている子供と、遠くアフリカで生死さえ確かではない何万人もの子供。
    論理的・倫理的にはどちらに手を差し伸べるべきか。
    感情・共感をもってするとどのように判断するだほうか。
    さらに突き詰め、共感が破滅的な悲劇をもたらすこともある。

    また、不幸は共感を欠くところからのみ生まれるのか。
    サイコパスは共感を欠く点が有害なのか。
    共感以外の方法で、道

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    2018年11月08日
  • 反共感論 社会はいか判断を誤るか

    Posted by ブクログ

    非常に重要。特にSNSで暴れたい人々は読んでおくべきだと思う。



    訳者の高橋先生はいつも偉い。他にも、この本で論じられてるような最近の主要な論者の翻訳もいろんな先生によってけっこうなされていて、ほんとうによい時代になったねえ。

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    2020年06月15日
  • 反共感論 社会はいか判断を誤るか

    Posted by ブクログ

    最初の部分はたしかに反共感論ではあったが、日本語の訳であり、情感に流されないという反感情論であったという気がする。

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    2018年12月10日
  • 反共感論 社会はいか判断を誤るか

    Posted by ブクログ

    刺激的な論考。久しぶりに夜更かしして読み続けた。それぐらい脳を活性化させる内容。
    共感は道徳性の中心的要素ではない。それどころか複雑な現実社会においては、共感がネガテイブに作用することが多い。ブルームの議論はなかなか周到で、いくつもの反論を想定しつつ、それに応えて自己の主張を裏付けていく。
    共感のネガティブな側面として、スポットライト効果、数的感覚の欠如はお馴染みだが、
    「他者の感情を自分も感じること」で他者の苦痛にとらわれてしまい、長期的な援助が困難になることや、収容所の隣に住む人が処刑される囚人を助けるのではなく、どこか遠くで行われることを望む例などは興味深い。
    また、共感は怒りなどの情動

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    2018年05月04日

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