ポール・ブルームの作品一覧
「ポール・ブルーム」の「反共感論」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「ポール・ブルーム」の「反共感論」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
相手の感情をミラーリングした情動的共感。
一般に「共感」というものは絶対的に善であるとされているが、
本書では冒頭にあげた「情動的共感」が、ある局面、具体的には道徳的判断などにおいては悪しき作用をもたらすというショッキングな主張が展開される。
目の前で困っている子供と、遠くアフリカで生死さえ確かではない何万人もの子供。
論理的・倫理的にはどちらに手を差し伸べるべきか。
感情・共感をもってするとどのように判断するだほうか。
さらに突き詰め、共感が破滅的な悲劇をもたらすこともある。
また、不幸は共感を欠くところからのみ生まれるのか。
サイコパスは共感を欠く点が有害なのか。
共感以外の方法で、道
Posted by ブクログ
刺激的な論考。久しぶりに夜更かしして読み続けた。それぐらい脳を活性化させる内容。
共感は道徳性の中心的要素ではない。それどころか複雑な現実社会においては、共感がネガテイブに作用することが多い。ブルームの議論はなかなか周到で、いくつもの反論を想定しつつ、それに応えて自己の主張を裏付けていく。
共感のネガティブな側面として、スポットライト効果、数的感覚の欠如はお馴染みだが、
「他者の感情を自分も感じること」で他者の苦痛にとらわれてしまい、長期的な援助が困難になることや、収容所の隣に住む人が処刑される囚人を助けるのではなく、どこか遠くで行われることを望む例などは興味深い。
また、共感は怒りなどの情動