能田優のレビュー一覧

  • スパイたちの遺灰

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    しがない准教授が元MI6の大物スカーレット・キングから手記を見せられる。そこには冷戦期の驚くべき事実。しかし彼女は殺されてしまった。MI5の仕業か。

    面白いなんてもんじゃなかった。昔何があったのかも、現在のことも、そして複雑な仕掛け、プロット全てが完璧で興奮しながら読んだ。

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    2025年10月30日
  • サリー・ダイヤモンドの数奇な人生

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    一気読みでした
    過去と現在が交互に書かれて
    謎が解き明かされていく
    続きが気になって眠れませんでした
    嘘をつき続ける人生と嘘がつけない人生
    どちらも虐待によるもの
    とてもおぞましく、苦しい内容でしたが
    引き込まれてしまいました

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    2025年10月25日
  • スパイたちの遺灰

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    超★5 元スパイから託された歴史の裏を書いた手記… とろとろ濃密度のスパイ小説 #スパイたちの遺灰

    ■あらすじ
    マックス・アーチャーは諜報の歴史を研究している学者、彼のもとにスカーレット・キングと名乗る女性から連絡が来る。彼女は高齢であるものの、かつては国外の諜報機関MI6のエージェント。長きにわたる活動の手記を出版するためにマックスへ依頼する。彼は秘密を暴露する違法行為と分かっているが、報酬と名声に目がくらみ苦慮するのだった… 一方、国内の諜報機関であるMI5では、長官代理のソールが二人の行動に目を付け始めていた。

    ■きっと読みたくなるレビュー
    おもろい!超★5

    ぐいぐい惹きつけるス

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    2025年09月13日
  • スパイたちの遺灰

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    これまで読んできたスパイものが可愛く思えるくらい骨太。素晴らしい読書体験でした。始まり、と言ってたけどマックスはどうなるのか、読後の余韻も見事です。スカーレット、素敵!と思ったけどこんな人生、胃がいくつあっても足りませんね。

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    2025年09月08日
  • スパイたちの遺灰

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    650ページ近い大作だが、大満足の中、あっという間に読み終えた。ロンドンの諜報史の研究者のマックスと、伝説の女性スパイのスカーレットが主人公。物語は過去と現在、2人や当時関わった主に諜報機関の人の視点で描かれるが、ストーリーに一貫性があるので、難なく読み進めた。人の裏の裏を見通す諜報活動にゾクゾクした。実在の人物がいて、検索しながら読んだのでより深く感じた。最後、題名にも及んでて良かった。

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    2025年09月05日
  • スパイたちの遺灰

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    現代と過去を行き来しながら話が進んでいくスパイ小説。
    段々と主人公がスパイの世界に巻き込まれていく現代編とアクション的な派手さはないけれど表舞台に出ないスパイらしい展開が続く過去編のどちらも楽しめた。
    ディーヴァーが推薦してるとあったので「そういうことかな」と思いながら読んだら終盤の怒涛の展開が楽しかった。
    少し煙に巻かれた部分がある気はするけれどタイトル回収もお見事。

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    2025年08月24日
  • スパイたちの遺灰

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    カーチェイスとかドンパチ的な軽い娯楽小説かと思いきや、違った!思いがけずガッツリ読書した感を得られて満足度が高い。この作家さんの他の作品も読みたい。翻訳が読みやすかった。誤植がチラホラ。

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    2025年08月10日
  • スパイたちの遺灰

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    ネタバレ

    mi6とか5ってなに?くらいの自分でも楽しめた。007みたいなの?って思ったらぜんぜん違った(笑)スパイのことをよく知らなくても分かるようになってて、読みやすかった〜



    主人公、スカーレット、他の人達の視点へ次々変わるけど、物語を見失うことがない。
    道筋が丁寧なのでいったり来たりでも混乱しなかったのが嬉しい。

    最近の海外ドラマにかなり近い語り口にも感じる。短い期間で展開を次々発展させて飽きることがない。
    そしてスパイものらしくドンパチが1回もないのに感動!ここぞという所で必殺がくるのが恐ろしかった。



    実際にあった事件なんかが絡んできてるみたい。
    勉強不足で全然分からなかったけど、こ

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    2025年08月03日
  • サリー・ダイヤモンドの数奇な人生

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    ネタバレ

    面白かった。
    父親は冗談で「ゴミに出して燃やしてくれ」って言ってたけどサリーに冗談は通じないと理解してたはずなので、まあなんかちょっとおかしくなってたのかな。死期もちゃんとわかってたわけだし。
    無神論者だったと思うけど、それでも遺体を燃やすのに抵抗のある文化圏だと思うので、悔悟の念だったのかなと想像する。

    サリーの育ての両親二人の力関係も後からわかるの面白い。

    ピーターがsというイニシャルで送ってきたのは、神の息子のsonで?
    まだ父親に縛られてるよっていう暗示かな。

    その父親もその母親から父親の役割を担わされたとあるので、実母×実息子の関係があったのかな。だから大人の女性がダメになった

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    2025年03月31日
  • サリー・ダイヤモンドの数奇な人生

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    人生に前向きになれるフレーズが多々あるし主人公サリーと周囲の人々も魅力的で楽しめた。
    「他者とどう関わるか」についての話という側面もあって自分の普段の言動についても考えさせられた。
    胸糞描写もあるけれど物語上必要な内容だし、それを理由にこの作品に触れないのは勿体ない。

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    2024年12月09日
  • サリー・ダイヤモンドの数奇な人生

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    ★5 壮絶な過去に向き合う女性、人間の可能性と成長に痺れる傑作 #サリー・ダイヤモンドの数奇な人生

    ■あらすじ
    アイルランドの田舎町、変わり者のサリー・ダイヤモンドは義父と二人で静かに暮らしていた。ある日彼女は義父が病気で亡くなっているのに気づく。生前自らが亡くなってしまったら焼却炉で焼いてくれと言っていたのを思い出し、そのまま遺体を焼却してしまったのだ。

    警察からは温情をいただくことになったが、マスコミから注目の的にされてしまう。人とコミュニケーションをとるのが苦手な彼女は、これからひとりで生きていくことは可能なのか… そして彼女は義父から遺された手紙を読み、衝撃の事実を知る。

    ■きっ

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    2024年11月09日
  • サリー・ダイヤモンドの数奇な人生

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    父が死んだらゴミに出してくれと言っていたので、父が死んだ後焼却炉で燃やしたサリーのちょっと信じがたいけど、リアルな人生。

    ストーリー展開、人物造形、意外性、読みやすさ、全てにおいて完璧な小説だった。グロテスクではあるけれど、それを上回る面白さ。

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    2024年10月11日
  • サリー・ダイヤモンドの数奇な人生

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    町外れで世間から隔絶された状態で過ごしていた42才のサリーは、父親の病死で遺言通りに焼却炉で遺体を焼いてしまう。と言う突拍子なく始まるミステリーは彼女の来歴を遡りながら、少しずつ社会性を取り戻して行く様子を描いていく。並行して、ある意味監禁状態のピーターの生活も記され、不穏な先行きに目が離せなかった。
    読んでいてとても辛く、特に42才に設定されたヒロイン像が哀しかった。読後感もどんよりとした気分が抜けなかった。

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    2024年10月08日
  • サリー・ダイヤモンドの数奇な人生

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    ネタバレ

    始まってすぐに亡くなった養父をゴミ袋に入れ焼却炉で火葬する。このスピード感がずっと続く。
    過保護に育てられてきたサリーの人生がここから動き出す。
    彼女の壮絶な過去を少しずつ明らかにしつつ、自分をコントロールしようと奮闘するサリーの日々が恐ろしいくらい面白い。
    が、この小説はあらすじでは明かされていない事件が、終わりまでずっと展開するけど、この描写が無理な人は読むのは無理かもしれない。
    ルームという映画が近い話になると思う。
    この映画を一緒に見ようとした友達は始まってすぐに見るのをやめて退席した。

    登場時のサリーは42歳、この年齢でこの設定は珍しい。
    読んでいると彼女に肩入れしたくなるが、感情

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    2024年09月05日
  • テロリストとは呼ばせない

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    1作目に引き続き善悪の境が分からなくなるようなハードな物語ながら、だがしかし現代社会をテーマにしたらこう描かざるを得ないよなっていう絶妙なバランスを保っている。今作は一人称語りの視点を2人にしているが、ムスリムのコミュニティの同胞を救いたいジェイ、白人の家族と幸せな人生を送りたい元テロリストのイミーの視点は、ムスリムが一方的な被害者ではないことを共通して語っていて、非常にバランスよく誠実な描き方だと感じた。
    最後はクリフハンガーかつ救いのない終わり方で、続編が気になるところ。はやく出版されますように。

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    2023年06月02日
  • テロリストとは呼ばせない

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     ジェイ・カシーム三部作の二作目ということである。前作のラストは異様であった。本作はそれを継いで始まる。ぼくは前作で、町の移民である若者ジェイが悪を倒すために国家的組織に利用される構図を、『傷だらけの天使』のヒーロー修とアキラの兄弟に例えてしまったのだが、それは本作でもあまり変わぬ印象のまま。

     『傷だらけの天使』という稀代のTVドラマをかつて青春真っただ中で体感したぼくには、木暮修たちは純情なコアの部分を持ちながら青春を精いっぱい生きる若者たちであるにも関わらず、東京という大都市に蠢く大人たちの欲望や駆け引きに否応なく利用されてしまう悲しき天使たちとして描かれていた。等身大のヒーローならま

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    2022年12月21日
  • ロスト・アイデンティティ

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    主人公はイギリス生まれのパキスタン人。ムスリムでありながら、麻薬の売人、酒も飲む、と言う設定。イギリスの組織に計略的にスパイの仲間入りをさせられる。始めは主語は一人称だが、ある時から主語が変わっていき、それと共に物語のスピード感も増す。ジハードの話?と懸念する必要はなかった。訳が上手くて、明治維新の時の戦いとかにも置き換えられそう。最後はびっくり‼️それって英国の差金かとも思った。悲しい物語。

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    2022年10月29日
  • ロスト・アイデンティティ

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    ネタバレ

    敬虔、とはいえないムスリムでありドラッグの売人でもある主人公がMI5にスカウトされて、イスラム過激派のグループに潜入する。
    なぜ彼がスカウトされ、なぜスムーズにグループに招き入れられたのか?一つのパズルがきちっと嵌り、ストーリーがしっかりと動き出す。
    根底にあるイスラムの物語の上に、主人公の軽妙さや周囲の人間との結びつきが描かれ、スピーディーな展開で面白い。
    主人公はチャチな悪党かと思いきや、母や友達を大事に思い、正義感をもった人物で本当に魅力的。
    翻訳が素晴らしい。


    が!ラスト!嫌な予感はしてたけど。
    これは一体どうなるの…?
    ここで終わるっていうことは、そういうことなんだろうけど、でも

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    2022年07月11日
  • ロスト・アイデンティティ

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    普段読まないタイプのの内容。
    とても、ハイテンポで読みやすかった。
    ムスリムについて知識はあまりない私でも分かりやすく、そして、宗教について考えさせられた。

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    2022年05月03日
  • ロスト・アイデンティティ

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     イギリス在住の作者クラム・ラーマンはパキスタンはカラチ生まれ。一歳で英国移住、ロンドン育ちの現在はIT企業会社役員、という珍しい肩書の新人作家だ。本書は、作者お馴染みの、ロンドン西部の移民率が高い自治区にあるハウンズロウに育ったムスリムの青年たちの日常からスタートする。

     主人公のジェイ・カシームは麻薬の売人だが、友人の一人は警察官、もう一人はテロリストキャンプにまで参加する民族主義者。再婚相手ができたばかりの母は冒頭からカタールに引っ越ししてしまい、父なし子のジェイは、初めての独り立ちを迎える。

     本書はそうした環境下で、青春小説、成長小説としての基盤を持ちながら、大枠ではイスラム・テ

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    2022年04月30日