あらすじ
犯罪史や解剖学に没頭する十三歳の少女エイヴァはある夜、家を抜けだし向かった小動物の死骸置場で、級友の少年ミッキーの遺体を発見する。その夜から少年ばかりを狙う拉致殺害事件が発生。どの被害者にも咬み痕があり、傍には仔犬の死骸が。折しも町では獣ともつかぬ怪物が目撃され……。八〇年代初頭のバーミンガムで、家庭環境に悩む多感な少女が猟奇殺人事件に挑む驚愕のデビュー作!(解説・大矢博子)
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Posted by ブクログ
題名と帯が、凄く興味をそそる。
事件から解決に至るまで、とてつもなく切なく痛い。
から、こんな言い方が合っているのかは疑問だけれど、面白かった。翻訳も、とても読みやすい。
登場人物が少しややこしくて、あれ?これ誰だっけ?となる事もしばしば。
でも、時や場面が行ったり来たりという事も無くて、時系列通りに進んでいく流れは読みやすくて、置いていかれる事も無い。
たった7ヵ月程に起こった出来事、とは思えない程に色々な事が起こって、色々な思いが交差して、13歳のエイヴァにとって、これがいい成長に繋がる事を願わずにいられなかった。それほどに、主人公エイヴァは、色々な意味で危なっかしい。
『三つ子の魂百まで』という諺があるけれど、本当に動物は幼い頃に形成されているんだな、と。
その後の人生での経験だったり、思考や思想は肉づけに過ぎないんだな、と感じた。
決して良いとは言えない家庭環境と周りの大人たち、対称的に警察関係の大人たちが皆いい人だったのが印象的だし、救いだった。
Posted by ブクログ
聡明な少女が連続猟奇殺人事件に挑む
テーマがテーマなだけに、死体の腐敗や損壊の描写がエグく、やや読む人を選ぶかもしれない。
少年が狙われる連続猟奇殺人事件を巡る物語。舞台は80年代のイギリス、バーミンガム。複数の人物の視点から描かれる重厚なミステリーだ。600ページ以上ある。
メインの視点は犯罪史や解剖学に詳しい少女・エイヴァ。匿名で提供される彼女の知識や情報には警察も舌を巻く。
二番手は善良な刑事のデライエ。エイヴァを信頼し、また市民と良好な関係を築くのがうまく、事件の情報を集めていく。
とにかく邦題がかっこいい。センスにあふれている。動物が鍵となる本作だが、邦題はエイヴァのパーソナリティに焦点を当てている。
子どもが活躍する物語ということで、ワクワクしながら読める。
エイヴァは特殊な興味や知識を持つ少女だが、友人のジョンの前以外では死骸への興味を表に出さないので、異物扱いされることは基本的にない。自身の身の振り方を考えている聡明な少女だ。
それでも、家族との関係や殺人事件への恐怖などに神経をすり減らしているところは年相応の子どもである。
一方のデライエは、子どもが凶悪な事件の真相に首を突っ込むことの危険性をよく理解している。いくら聡明なエイヴァといえど、力のない少女だ。
それ故に、物語が大きく動く終盤の緊迫感はとてもハラハラする。
少年の死体に添えられた犬の死骸。死体に残された噛み跡や、謎の生き物の目撃情報。地域に暮らす小児性愛者。ある事件の現場の所有者である認知症の老人。そして読者にだけ明かされる、ある人物の行動の不審さ。
本作では、様々な情報が渦巻く複雑な事件が丁寧に描かれていると思う。
Posted by ブクログ
冒頭から不穏な感じで惹きつけられます。早々に犯人がわかる設定、むしろわかるようにしているのかな、と。犯人がどうしてああなったのか描写するのがメインだったような。映像にしちゃえば荒唐無稽、CG満載B級チックですが、そうなった背景があるのだと文章で説明することで重みが生まれたように思います。こうした作品でいつも思うことですが、家庭環境が酷すぎると子どもは逃避せざるを得ません。エイヴァの知識が光りますが、あれほどクレバーになったのは彼女の持ち前の聡明さもさることながら家庭環境がそうさせたのでしょう。それを思うと悲しくなります。犯人もそう。非常にヘビーな場面が多々登場し、この邦題は可愛すぎるのでは、と思いましたね。エイヴァにまた会いたいけれど、これ以上重い事件に遭遇させるのも辛いです。
Posted by ブクログ
うーん。素直に面白いとは言えない。
作品名に惹かれて読んでは見たものの、そういう感じか…とちょっと残念だった。
猟奇的な方面にしつつ、なんとも色々振り切らず…
面白くないわけではないのだけれど、あまり満足感は得られなかったかな…。
Posted by ブクログ
やたらと賢い主人公エイヴァと、物分かりが良く優しい警察が不思議な形で協力しながら事件を解決する。事件の残虐描写は苦手だったし、犯人もわりとすぐ分かってしまうのだが、内容は少し現実離れしつつも興味深い。
エイヴァのキャラクターも良いし、何より読みやすかったので、次回作に期待したい。