あらすじ
アンソニー・ホロヴィッツ絶賛!
「圧倒的なキャラクターが誕生した」
引きこもりで“変わり者”のサリー。
父亡き後、外の世界で教えられたのは社交辞令と、恐ろしい出生の秘密――
世界29カ国で刊行! 予測不能ミステリー
町外れで父と孤立して暮らす“変わり者”サリーは6歳までの記憶がない。
ある日父が病気で亡くなり、言いつけどおりに家の裏の焼却炉で遺体を焼いたところ、警察が駆けつけ大騒ぎになってしまう(何かまずかったようだ)。
マスコミが殺到するなか、赤い帽子を被って葬儀を終えたサリーは父が遺した手紙を開く。
そこには人とかかわるようにという願いとともに、ある凄惨な事件の記録が記されていた――。
『パブリッシャーズ・ウィークリー』誌が選ぶベストミステリー&スリラー2023!
米Amazonベストブック2023(ミステリー、スリラー&サスペンス部門)トップ20選出!
本国アイルランドで9週連続1位!
「サリーが真相を探るにつれ、衝撃と感動がもたらされる。そして胸が張り裂けるのに、底なしに笑える」
ハーラン・コーベン(作家)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
一気読みでした
過去と現在が交互に書かれて
謎が解き明かされていく
続きが気になって眠れませんでした
嘘をつき続ける人生と嘘がつけない人生
どちらも虐待によるもの
とてもおぞましく、苦しい内容でしたが
引き込まれてしまいました
Posted by ブクログ
面白かった。
父親は冗談で「ゴミに出して燃やしてくれ」って言ってたけどサリーに冗談は通じないと理解してたはずなので、まあなんかちょっとおかしくなってたのかな。死期もちゃんとわかってたわけだし。
無神論者だったと思うけど、それでも遺体を燃やすのに抵抗のある文化圏だと思うので、悔悟の念だったのかなと想像する。
サリーの育ての両親二人の力関係も後からわかるの面白い。
ピーターがsというイニシャルで送ってきたのは、神の息子のsonで?
まだ父親に縛られてるよっていう暗示かな。
その父親もその母親から父親の役割を担わされたとあるので、実母×実息子の関係があったのかな。だから大人の女性がダメになった。少女=コントロール出来る存在に惹かれるという図式。子供が息子なら自分のようには遭わせないぞという気持ちで強くしたかったのかもしれない。
ピーターは少女ではなくリンダのような女性をこれからターゲットにするんだろう。連鎖やば。
ピーターの娘は血縁に縛られずに成功していくぜ!というオチで良かった。子供に罪は無い。
サリーのほうはお金を渡してしまい失敗して終わるけど、それでも友人関係は残りそうなのが良かった。
それでも生きていくしなかい。
Posted by ブクログ
人生に前向きになれるフレーズが多々あるし主人公サリーと周囲の人々も魅力的で楽しめた。
「他者とどう関わるか」についての話という側面もあって自分の普段の言動についても考えさせられた。
胸糞描写もあるけれど物語上必要な内容だし、それを理由にこの作品に触れないのは勿体ない。
Posted by ブクログ
★5 壮絶な過去に向き合う女性、人間の可能性と成長に痺れる傑作 #サリー・ダイヤモンドの数奇な人生
■あらすじ
アイルランドの田舎町、変わり者のサリー・ダイヤモンドは義父と二人で静かに暮らしていた。ある日彼女は義父が病気で亡くなっているのに気づく。生前自らが亡くなってしまったら焼却炉で焼いてくれと言っていたのを思い出し、そのまま遺体を焼却してしまったのだ。
警察からは温情をいただくことになったが、マスコミから注目の的にされてしまう。人とコミュニケーションをとるのが苦手な彼女は、これからひとりで生きていくことは可能なのか… そして彼女は義父から遺された手紙を読み、衝撃の事実を知る。
■きっと読みたくなるレビュー
許せない。
他人を傷つけることを許容してしまうと、どんな結果が待ち受けているのか。不幸とはこうやって生まれるという教訓を魂に焼き付けられます。
そしてもうひとつ。人間の可能性、戦うことの意義を教えてくれる素晴らしい作品でもあります。
本書は大きく二人の視点で物語が進行していく。一つ目は変わり者のサリーが過去と向き合っていく現在の視点。二つ目はサリーの出生と関する者の過去の視点です。
サリーは幼い頃の記憶がなく、できる限り人と接触せずに生きてきた。もちろんそれには悲しい理由がある。本来頭がよく音楽の才能に溢れるにも関わらず、その結果自閉症気味になり、人とコミュニケーションが取れなくなってしまった。
しかし彼女はどんなに辛い事実を知っても、自分自身に立ち向かって戦い続けた。よく聞き、よく学び、自身の価値観を信じ、誇りを忘れずに胸を張って生き続けた。知恵と勇気を振り絞り、周りの人たちを信じる優しい心を持つことで、全てをやり直していくんです。すごい…
昨今、経済的なことを理由で犯罪に手を染めてしまう若者がいっぱいいます。卑劣な境遇に生れ落ちてしまうこともあるでしょう。でもこのサリーの生き様を見て感じてほしい、諦めるな。
一方もうひとり、過去の視点での物語… サリーに関係する人物が出てきますが、カッと目を開いて読んで欲しい。他人に甘え、自分に負ける人間はどうなるのか。
生きるってこういうことだったと思い出されてくれる傑作だと思います。ただ心臓が抉られる物語です、覚悟して読みましょう。
■私とこの本の対話
以前息子が不登校になってしまいました、登校時に吐き気が止まらなくなってしまったんです。
彼から悩みを聞き、学校にも相談し、病院にも行きましたが改善がされない。これ以上追い込んでしまうことで更なる悪化を恐れた私は、ひとまずゆっくり休むことを提言したのです。しかしどれだけ休養しても、不登校は解決されませんでした…
その後彼は、勉強の壁にぶつかっていたことを自分なりに認め、塾に通い始めるようになりました。すると学校への登校も再開し、自分らしく学園生活を送れるようになったのです。
やっぱり問題から遠ざけても何も解決しないんですよ(もちろん人それぞれ個性があると思うけどさ)。あらためて戦うことの重要さを教えてくれた、私にとって大切な一冊になりました。
Posted by ブクログ
父が死んだらゴミに出してくれと言っていたので、父が死んだ後焼却炉で燃やしたサリーのちょっと信じがたいけど、リアルな人生。
ストーリー展開、人物造形、意外性、読みやすさ、全てにおいて完璧な小説だった。グロテスクではあるけれど、それを上回る面白さ。
Posted by ブクログ
町外れで世間から隔絶された状態で過ごしていた42才のサリーは、父親の病死で遺言通りに焼却炉で遺体を焼いてしまう。と言う突拍子なく始まるミステリーは彼女の来歴を遡りながら、少しずつ社会性を取り戻して行く様子を描いていく。並行して、ある意味監禁状態のピーターの生活も記され、不穏な先行きに目が離せなかった。
読んでいてとても辛く、特に42才に設定されたヒロイン像が哀しかった。読後感もどんよりとした気分が抜けなかった。
Posted by ブクログ
始まってすぐに亡くなった養父をゴミ袋に入れ焼却炉で火葬する。このスピード感がずっと続く。
過保護に育てられてきたサリーの人生がここから動き出す。
彼女の壮絶な過去を少しずつ明らかにしつつ、自分をコントロールしようと奮闘するサリーの日々が恐ろしいくらい面白い。
が、この小説はあらすじでは明かされていない事件が、終わりまでずっと展開するけど、この描写が無理な人は読むのは無理かもしれない。
ルームという映画が近い話になると思う。
この映画を一緒に見ようとした友達は始まってすぐに見るのをやめて退席した。
登場時のサリーは42歳、この年齢でこの設定は珍しい。
読んでいると彼女に肩入れしたくなるが、感情移入をさせないような行動を起こし、不安にさせてくる。
トビーが警察に勝手に送られる場面、終盤のクリスティン叔母さんへ怒る場面なんかサリーが本当に恐ろしく思える。
町に住むキャラクターもみんな印象的、すごく暖かく優しい人たちばかり。
彼らとの交流がやっと実を結んでサリーの生活が幸せと呼べるものになりかけては無情にも崩れる。
この話でハッピーエンドにならないってまじかよ!ささやかすぎる希望のような話で終わるけどこれでは読んでいる自分が救われないw
サリーの物語はまだ途中なのに放り出されたような気分。
今年読んだ中で1、2を争う面白さだった。
Posted by ブクログ
サリーが養父の死んだ後その死体を焼却炉で焼いたことから始まる物語が、サリーの特異なキャラクターでもってどんどん展開していく。過去の壮絶な母親の人生と実父のおぞましい性癖、虐げられ虐待される描写には吐き気がした。途中から加わる兄の人生も悲惨であり、それがまた連鎖していくような未来が怖い。
Posted by ブクログ
翻訳とは思えないほどの読みやすさは何故なんだろうか。内容はとにかく辛過ぎる。ささやかな光しかないけど生きるというのはそういうことなんだろうなと思う、けどやっぱりきついな。同じような題材の「部屋」は同じように辛いけど、とても好きで何度も読んでいるんだけど。被害者が救われなさ過ぎる
Posted by ブクログ
ミステリー性は薄いけど、ストーリーの展開がテンポ良く、意外性もあり、イッキ読みした。結構残酷でショッキングな内容のため、読み進めるのに心が痛む描写も多い。それでも何故か作品に引き込まれた。サリーが前向きな人生を送れるように応援したくなる。
Posted by ブクログ
主人公が死んだ父を焼却炉で焼くショッキングな冒頭から紡がれていくサリーの数奇な人生は読みごたえが抜群で、サリー本人の癖がありながらも魅力的な人物像も良かった一方で女性蔑視や差別主義者、犯罪者親子などの胸糞要素が受け入れられず特に最後の二人にはもっと悲惨な目に(凄絶な殺され方とか)あって欲しかった。
Posted by ブクログ
この物語はトラウマの話だと思った。
異常な親の影響を受けたサリーとピーター。
人と繋がるために自分を変えていこうとひたむきに努力するサリーに希望があってほしい。そして自分を変えようとしないピーターは同じ過ちを起こしていく。
このような深刻なトラウマでなくても親による心の傷を受けて育った人には響くストーリーだと思う。
サリーもピーターも血縁を求めたけどアマンダも含めて残念だけどそれがいいとは限らない。
Posted by ブクログ
「死んだらゴミといっしょに出してくれ!」そう言っていた養父が亡くなり、実際に養父をごみ袋に入れて焼いてしまったサリー…
そしてそのことを隠すこともなく、「自分で焼いた!」と話すサリーには情緒の欠陥があり、変わり者と呼ばれている
物語はそんなサリーが自分の過去を知り、自分を変えていこうとするパートと、彼女の過去に関わる重要な人物の視点で語られるパートで進んでいく
そして徐々に明かされていく二人の過去はあまりにショッキングで…
ダークで悲惨で、決していい読後感というわけではないが、作品はとても読みやすく、サリーのキャラクターのせいか最後までほぼ一気読みだった
Posted by ブクログ
凄惨な過去のトラウマから情緒が不安定なまま成人した主人公サリーが、養父の死去を機に社会生活に馴染もうと奮闘する一人称の物語だが、途中から別の登場人物による一人称のパートが始まり、交互に語られていく。
誘拐・監禁・洗脳・虐待のシーンはかなり痛ましい。
謎解き要素が薄いため「推理小説」ではなく「犯罪小説」というところ。
サリーの近隣住民に善人が多いのが救い。
Posted by ブクログ
面白かったです。
冒頭はサリーの物語から始まりますが、途中からピーターの物語も始まり、その後は交互に展開。
ピーターのパートが気になりすぎて、サリーのパートを飛ばし、先にピーターのパートを読んでしまいました。その後、改めて、サリーのパートも含め、落ち着いて読んでいきました。
そして読み終わり。…え…?ここで終わり?
とびっくり。
でも、そうか、その後は読者に委ねるのかと。
ピーターはともかく、サリーには少しでも、明るい未来が待っていて欲しい。
例えば、コナーの母親が、少しでもコナーに良く接していれば、こんなにもたくさんの人々に影響を及ぼす事はなかったのではないか。たった1人の悪行がこんなにも人の人生を狂わすなんて。
人生で経験した、様々なことは、人の性格や考え方にあらゆる影響を与えるが、自分を客観視する力を持ち、少しでも良い方向へ向かう事が出来たら良いなと思いました。
Posted by ブクログ
1日で読破。非常にテンポ良く、二部からはどうなるんだろう、と釘付け。しかし、ラストで放り出されたような気も。あれだけ丁寧にサリーを描いてきたのに、あとは想像にお任せ、にしちゃうのは反則だよーと叫びたくなりました。それだけのめり込んだってことです。中盤の描写、痛々しい限り。こういう性癖は受け継がれるものなんですね。恐ろしい、、。
Posted by ブクログ
四十二歳のサリー・ダイヤモンドは養父のトムとほぼ引きこもりの生活をしていたけれど、トムが亡くなったことで状況が変わる。トムの書き残したものによってサリーは自分の出自を知っていく。そこには残酷な日々と失われた人生が描かれていた。虐待を受けトラウマを克服していくことの過酷さ、上手く人と話せない、関われない苛立ちが物語にずっと流れている。サリーの個性的な造形だけに頼らない作品でとても好感が持てた。
Posted by ブクログ
CL 2025.8.18-2025.8.21
幼少期に過酷な経験をして、その後も適切に養育されなかったために"常識"がわからないサリー。
亡くなった養父をゴミ焼却炉で焼いたために大騒動となる。そこからサリーの壮絶な過去が明らかになり、一方で元々サリーが持っていた才能や豊かな情緒が解き放たれてどんどん魅力的になっていく。
並行して語られるピーターの過去からの物語はあまりにも異常で読み進めるのが苦しいほど。
全て丸くおさまるハッピーエンドではなく、かなりの不穏さを残したままのラストもどう捉えればいいのか困惑するけれど、これからのサリーが幸せになってほしいと切に願う。
Posted by ブクログ
ジャック・ケッチャムの「隣の家の少女」のような描写がなかなかショッキング。
でも洋書苦手人間の私ですが洋書だってことを忘れてしまうくらい読みやすくて助かりました。
昔の洋書みたいな翻訳だったら500ページ超えのこの小説は無理だった、、、
サリーはアラフィフ?で人間あそこまで変われないと思うし素敵な人だなと。
養父は毒親だったかもしれんがピーターのほうが何倍も気の毒で可哀想よ。
一方、最後のあの子は同じ境遇でもキラキラしていて尚更気の毒で…
サリーが変わっていく様子に前向きなメッセージの小説かと思ったら最後は意外。でも周りに心配してくれる人がいるってことはやっぱりサリーの根底はいい人ってことになるんだよねー。
そして最後の2人の新しい叔父って??????
Posted by ブクログ
★3.5
異常な環境で育ったためか、それとも遺伝だからか、ピーターが段々と理解できない人間になっていく様が恐ろしい。主人公はサリーだけれど、裏の主人公であるピーターがより印象に残る。
どんな人間であれ、自分を肯定して愛情を注いでくれた親を100%否定することは難しい。相手に非難と指摘をされると腹も立つ。どうしようもない、心の葛藤が読んでいて苦しい。監禁された女性たちの壮絶な生き方も苦しかった。
文章は読みやすいのに、読みづらかった。年内に読み終えるつもりだったのに。