真鍋昌平のレビュー一覧
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楽園くんの続き。オシャレで街の人気ものになろうとして金の亡者に堕ちていくというとこはいつものパターン。クスリの密売に手を出し悲惨なことになっていく。相変わらずのリアリティ。湯船に沈めて鼻だけ出して、水をポタポタ落としていくという拷問もこわい。このシリーズどの拷問も怖いです。
あまりに悲惨ということで最後は救いを持ってきてるがあまり救われた気にならない。
『「見た目」の時代、ファッションの街で成り上がろうとする「オサレ・ヴィクティム」。経済力も人脈も何もない若者は、借金とクスリの密売で、この街に「楽園」を求めたが…!?物語の中で使われた、「オサレ皇帝(エンペラー)」というファッションリーダーを -
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外国人が「東京」という街の景色として想像するのは、東京タワーや、雷門や、六本木ヒルズみたいなものかもしれないけれど、それらはよそ行きの顔で、東京のほんの表面的な部分を表しているに過ぎない。
現代の東京の風景を、一番リアルに表現している作品は、この「ウシジマくん」だと思う。話しのところどころに挟まれる街の姿は、路地裏や、街の外れの、人の気配が消えた景色が多い。それは寒々しいまでに空虚で、余計な装飾がまったくないからこそ、美しく思える。
「楽園くん」シリーズは、この巻で完結。
もはや、ストーリーよりも、独特の空気感を楽しみに読んでいる作品になっている。現実味は薄いんだけれど、とてもスタイリッシ -
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楽園くん編はしばられて浴槽にしずめらている中田という少年と、それを見下ろすウシジマのカットからはじまる。この巻から構成がかわり、時間軸は錯綜していく。中田は渋谷をふらふらしている10代の若者で、ファッション誌の読者モデル。オサレ皇帝のG10を崇拝し、じぶんもいつかかれのようになりたいとねがう。ラブホテルでバイトしつつ、高い服や靴を買うためにフリマで購入した100円のシャツを法外な値段で転売したりもしていた。同居人のキミノリはそんな中田にあきれながらもなにかと世話をやく。やはりG10にあこがれる田舎者こと田川ジュンヤやおなじ読モのパピコなどもからみ、かれらの空虚な生がえがかれる。「ここままじゃ終
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原宿を舞台にした新章がスタート。このマンガは、やっぱりすごい。
フィクションであることはわかっていても、何か、どうしようもなく暗く寂しい闇を突きつけられているような気分になる。それでいて、ユーモラスな雰囲気の中に希望を見せられたりもする。
今回の章は、推理小説風に、時系列を変えて最初に謎を提示するような構成になっていて、キミノリがどう絡んでくるのか、続きがものすごく気になる。読み返した時、話しの冒頭の部分で、コマの端っこに、布に包まれた弁当箱がさりげなく描かれているのに気づいて、ストーリーをいきあたりばったりで作っているのではなくて、最初にきっちりと固めた上で描き始めているんだと思った。
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今回の巻もスゴかった。相変わらず、街の風景がいい。
このマンガは、1巻〜2巻あたりの最初の頃は1話完結型でページ数も短かったので、インパクトを重視したような内容が多く、あまり一つのテーマについて深く掘り下げるという感じではなかった。
けれど、途中から、一巻では収まらないぐらいの長篇がメインになってきて、そうなってきてから、登場人物一人一人に至るまでのバックグラウンドが細かく設定されるようになって、格段に面白くなっている。
物語は、予想通りには決して終わらない。コミュニケーション不全が基調となったようなちょっと暗めの世界観で、理不尽な出来事も色々とあるのだけれど、その中にあっても救いを感じるの