母の友のレビュー一覧
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ようやく借りることができました。まずは気になったコーナーから。
川内倫子さんの写真「十月の光」
この連載を見るようになって実感できたことの一つに、晴れていなくても光は存在しているんだという、よくよく考えてみれば当たり前なことなんだけれども、そのお陰で見ることができた、曇り空の中に浮かぶ気球の、規則性と偶然性の狭間で生み出されたような配置には、今月号のテーマとも合致しそうな美を感じられた。
サントーシマ香さんの「ヨガでみつめる私の時間」
屋外でする「ヤシの木/ゆれるヤシの木のポーズ」が開放的で気持ち良さそうに思われる中、私が印象に残ったのは彼女の文章の中の『誰も傷つけずに、ただ生きて -
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今号の特集は「だれのためのルール?」で、読む前はあまり興味が無かったのですが、読んでみると、ルールがもたらす、それぞれの人生への大きな影響には決して喜ばざるものも多く、かといって、ルールはルールだからと納得せざるを得ないのか? そんなことを考えるきっかけになりました。
まずは法哲学者、住吉雅美さんの「ルールはなんのためにある?」の、タイトルの答えは『人が集団で生きていくため』であり、その種類は明文化されたものから、されていないものまで様々で、特に後者になると、ある文化の中に昔からある「慣習」や、人はかく生きるべしと説く「道徳」、人と人の関係でやってはいけないことを説く「倫理」と、この辺 -
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まずは、気になったコーナーから。
川内倫子さんの写真「七月の光」
花火といえば、真っ暗な夜にこそ映える印象があるけれども、ここでの夕暮れから夜に変わろうとしている淡い空の花火は、なんだか柔らかくて優しい光の花のようであった。
小幡彩貴さんの「キンダースツェーネン」
今回は、ひっそりとした夜の海岸で、ふと空を見上げての母の一言をきっかけとして、寝る前に思わず巡らせてしまった、娘の想像力旺盛な様が、却って不安を呼び込んでしまう、そのあどけなさが切ない。
「読んであげるお話のページ」は、読んであげなくても、子どもから進んでどんどん絵を追いかけたくなるような仕掛けが楽しくて、斉藤俊行さん -
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まずは気になった連載をいくつか。
「読んであげるお話のページ」は、みやこしあきこさんとの対談も記憶に新しい、阿部結さんの「おかあさんのうみ」で、阿部さんの絵本読むのは初めてでしたが、対談でも仰っていた、子どもに迎合しない雰囲気を彼女の絵に感じられて、その飾らないありのままの佇まいが、却って、子どもの活き活きとした姿をリアルに映し出しているようでありながら、お話がまた、不思議な感覚の中に少し切なさが漂うといった、現実ではまず体験できないような夢のあることを、絵本で体験できた素晴らしさを改めて教えてくれて、これを読み聞かせされた子どもは、はたしてどう感じるのか、とても気になる。
「えほ -
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犬山紙子のエッセイが一番印象に残った。
大好きな友人を脳内に召喚し、1人で戦わない。
会ったことのない作家でも、心が軽くなるような言葉を紡ぐ人はどんどん召喚して、自分の心をガードする手法。「その手があったか!」と妙に納得した。
たとえ自分にとって都合よく解釈していただけで、ホントはその作家はどんな人かわかんないとしても、自分の心を守るのが一番大事。
柴田愛子の答える「きょうだいに関する育児の悩みQ&A」が文字量多くてもすーっと入ってきた。
長田杏奈のエッセイも納得感あり。
美容系の広告が、頼んでもないのにどんどん視界に入ってくる世の中。自分の変化や不調につけこんでくる商売に冷静に対応しない -
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「母の友」は、この号から新年度となったことで、新しい連載もいくつか始まり、まずはそれらを紹介していきます。
サントーシマ香さんの
「ヨガでみつめる私の時間」
こころや体に溜まった緊張を解きほぐし、気分をリフレッシュさせてくれる、やさしいヨガの紹介、初回は「ガス抜きのポーズ」で、やり方はとてもシンプルながら、消化器官を刺激し、抱っこやおんぶで重くなった腰を楽にするとともに、腹式呼吸を使って自己調整力を育む練習にもなるそうです。
絵本作家の元気のもと
「下を向いて歩こう」
絵本作家の方に『元気のもと』を伺う初回は、まるやまあやこさんで、タイトルからも感じられた視点を変えることによる逆転 -
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特集のタイトル、「なんで忘れちゃうんだろう?」を見ると、年齢的に不安に感じられる点もあったものの、内容は忘れることだけではなく、記憶や記録についても様々な角度から取り上げており、『記憶は人間の財産』や『日記はやさしい』、『子どもとの日々の存在』など、各コーナーのタイトルだけで興味を惹かれるような多彩さが、この雑誌の良いところだと、改めて実感させてくれます。
その中でも私が気になったのは、著書に『脳科学者の母が認知症になる』がある脳科学者、恩蔵絢子さんの「忘れる、忘れない、脳の話」であり、単純に脳そのものの仕組みが興味深い。
例えば、脳はお豆腐みたいにぶよぶよしていて、頭蓋骨の中にある -
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特集 「きょうだいとか、ひとりっことか」
子育てに関する悩み相談や、お金にまつわる不安に、きょうだいを描いた本の紹介と、色んなコーナーがある中で、私が印象的だったのが、Q&Aの一つ、『ついつい「大きいんだから」と上の子に我慢させてしまいます』で、『「あなたは大きいんだから」と言われても、子どもにしてみたら、「同じ子どもなのに、なんで自分ばかり? 差別だ!」って思うはず』に、「へえ、そうなんだ」と思ってしまった。
しかし、この後の文章を見たとき、なるほどと思えた点として、『子どもに「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」という役割期待を押し付けるのではなく、親がその子自身を見て比較評価をしないことが大 -
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川内倫子さんの写真「一月の光」
私が読み始めて初めて見た人の存在する写真は、雪景色の中、ソリを引き上げているその後ろ姿の横に映る影によって、光の存在を認識出来て、その僅かながらも確かに存在する様には、まるで、その人の気持ちを鼓舞しているようにも思われた心強さであった。
特集「笑っていきましょう」
見返しに書かれた、哲学者アルフォンス・デーケンの『にもかかわらず笑うこと』の大切さを、改めて実感いたしました。
大平哲也さん「笑いと体の不思議」
笑いの効能として、運動、リラックス(笑った後は自然と心身ともにゆるむ)、ストレス解消など、こんなにたくさんあるんだなと驚き、中でもリラックス効果 -
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まずは、気になったコーナーから。
川内倫子さんの写真、「十二月の光」
その冬枯れの木々を、どこか朝靄がかかったように取り巻く光には、まるで優しさを見出せる温かさがあって、月毎に異なる光って、あるんだなあと、改めて実感させられた。
「絵本作家対談 多田多恵子×堀川理万子(前編)
まつぼっくりがつないだ二人」
「海のアトリエ」の堀川さんの登場に嬉しい私は、その絵の描き方、『子どもたちにも伝わるようにデフォルメして描いているんだけれども、植物学的に矛盾がでない程度に要所をちゃんと押さえている』や、『あえて絵をちょっと非対称に描くことで、生きている感じが出せる気がする』に、感銘を受け、その常 -
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まずは、気になったコーナーから。
小幡彩貴さんの「kinderszene(キンダースツェーネン)」
秋の切ない雰囲気は、感受性豊かな子どもには、また違った感覚なのかもと思わせる、おじいちゃんの寄り添い方も素敵な一場面。
長田杏奈さんの「私のきれいは私が決める」
「今日も暑いですね」ぐらいの感覚で、「おいくつですか?」と尋ねられる長田さんって、凄い世界にいるんだなと思いながらも、『エイジズム(年齢差別)』についてのお話は印象に残り、その『若く見える』ことが共通の褒め言葉とされるのは、『若さの美徳を信じて疑わず、加齢に対して否定的な価値観が根強いから』に、なるほどと思い、しかも、他の差別 -
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まずは、気になったコーナーを。
川内倫子さんの写真、「八月の光」
最初、どこに光がと思ったのだが、たまたま本書の森田真生さんのコーナー、「かずをはぐくむ」の中に、『昼間の晴れた空が青いのは、太陽の光が大気の分子にあたって散乱しているから』とあり、光の存在というのは、太陽から直接放たれるだけではなく、違った姿で見せてくれることを今更ながら知ることが出来たのが、私には新鮮だった。
小幡彩貴さんの「Kinderszenen(キンダースツェーネン)」
電車の窓から時折見える、保育園の子どもたちが手を振る光景に何かを感じるのは、分かるような気がして、清々しいはずなのに何故か胸を熱くさせるのは、 -
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あの号の話にて、
園に通う意義を「失った友達をとりかえす」ためと書きます。かつて子どもは道ばたなどで勝手に遊び、遊びながら友だち同士で無意識に「教え」合っていた。それが子どもの育ちにつながっていた。しかしもう町には遊ぶ場所がなく、子どもが子どもに教えるような「教育」はおとなには出来ない。だから園という子どもが集まり自由に遊べる場を設けるのだ。1969年のこの言葉現代を生きる私たちにも響くなあと、感じました。
子どもならではの学びって大きいですよね。
大人になってからでは経験できないことたくさん園で学んで感じてほしいなあと改めて思いました。 -
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「放っておかないで、自分の心身」
東洋医学の話、生理の話、サントーシマ香のヨガ
自分いたわるって、大事…。
食事は忙しいと手を抜きがちだけど、それじゃダメなんだよな〜というのを最近の健康診断結果で痛感している…。
サントーシマ香のヨガは、ちょっとしたスキマ時間や、子どもを寝かしつけているときにもできそう。
小林エリカ、森田真生、小川たまかのエッセイは考えていきたい内容。
本の紹介にでていた「ちょっと踊ったりすぐにかけだす」は読んでみたい。ちょうど仕事で顧客満足度のことを考えていて、「自分がこの家に生まれたいか?」という顧客満足度のくだりに目が止まった。
自分の子どもたちにとって「この親で満 -
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7月号の特集は『自然にふれる喜び』。
まずは若菜晃子さんの、「ときには ひとりで公園へ」で、ここでの公園に於ける自然から得られる喜びは知っていたが、それをすることの意味合いとして、『同じ場所で同じことばかりしていると、どうしても煮詰まってきてしまう』や、『まったく違う世界にふれることで、本来の自分を取り戻して、また元の生活に戻れる』に肯けるものがあり、具体的に何をしようとか決めなくても、ちょっとした気分転換として行くだけでも、結構違うと思います。
また、若菜さんと似通った考え方だと思われたものに、星野道夫+星野直子「もうひとつの時間」があり、それは、当時星野さんの住むアラスカにやって -
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見返しに書かれている、「母の友」の読者アンケートの九割の方は女性であり、今号の特集の「自分の心身(からだ)」の「自分の」は、「女性の」という意味を強めにこめて使っているが、ぜひ、「母」の「友」であってほしい存在、男性にも読んでいただけたらと思っている、この姿勢を私はとても嬉しく思う。
川内倫子さんの写真、「六月の光」
今回は、蜘蛛の巣に張り付いた、まるで規則性があるような芸術的な丸い水滴の向こうに、ほのかに浮かび上がる光たちに、撮り方次第で、こんなに光の見え方や表情が変化することに驚き。
小幡彩貴さんの「Kinderszenen」
その止むことのない雨音だけが聞こえる静謐さに於いて、言葉 -
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2023年3月号から読み始めた私にとって、今号で早くも表紙がリニューアルされている事に、やや戸惑いを感じたものの、字数を出来るだけ少なくした、シンプルなデザインと、サーモンピンクの淡く優しい色合いに加えて、『母の友』の文字の、ゆるく温かいデザインも印象的な中、紙質も高級感ある滑らないものに変わっており、表紙ひとつで、これだけの拘りを見せている点に、創刊70周年記念の意気込みを感じられました。
そして、表紙の裏の見返しには、編集部の更なる意気込みとして、『読者のみなさん、性を問わず、たくさんの方々と一緒に「母」の重みを解き放っていけたら』と書かれており、そこには、2022年の日本のジェンダーギ