母の友のレビュー一覧

  • 母の友2024年6月 特集「あなたの友がここにいる」

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    共通の趣味、共通の興味があると、友だちになりやすい。
    「『母の友』を読んでいる」という共通点で、文通ができるしくみがあったなんて。イタリアに住んでいる常松さんと、神奈川県在住の盛島さんが15年前に文通を通してお友達になった件が、とてもステキだと思った。

    移住したり、離婚したしても、何があっても困らないように資格を取り続けている方たちが登場してくるのも、シンプルに「すごいな」と思う。

    酒寄希望のエッセイで、「子どもの謎言葉は、大人が鼻歌を歌うのと同じ」という件に「なるほど!」と思った。私の息子はもうすぐ5歳だが、謎言葉が多い。他の本の感想にも書いたけど、「オーミンキントン」のブームが去らない。「コーミンキントン」「タスマキントン」という、派生系のキントンも登場している。
    どんなときに謎言葉を言うかなぁ。たしかに、機嫌がいいときに言ってるなぁ。あるいは、良い機嫌を取り戻したいときも。そう思うと、なんとも愛おしい。

    井戸川射子の『手』という連載ストーリーもよかった。
    意識しないと、人の手に触れる機会はあまりない。そんな中で、幼い子の手を握るということ。手の感触を覚えておくということ。プニプニが気持ちいいんだよなー。今のうちにたくさん触っておこう。

    2年間、積読にしていた。
    「心のセルフケア」に書かれている[相手が怒りをぶつけてきたら、恐れることも、不安になることもない]という内容は、もっと早く知りたかった。
    エツサジさんの「くの一ママ」のマンガも共感だらけだった。育児は初めてで知らないことばかりで、「なんでもカンタンにできるわけじゃないよ」というセリフに涙ぐんでしまった。ベビーカーに乗せていた赤ちゃんが、いつの間にか靴下を片方脱いでいる。しまったー!落としたー!という経験は、私も何度もある。エツサジさん、私も友だちになれそうな気がします…。

    母の友だけは毎月読む!って、やればよかったな…

    失敗だらけ、後悔だらけの毎日を生きている。
    夫に子どもたちを託して慌ただしく出勤してしまって、電車で感想を書いていて気づいた。
    今朝は子どもたちの手を触っていないなぁー、って。

    汗ばんでベタベタして少し気持ち悪いのだけど、帰りは手をつないで帰ろうと思う。

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    2026年08月18日
  • 母の友2025年3月 特集「『生きる』を探しに」

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    戦争中は生きるを大切にできない。どんどん亡くなっていく命。

    そして、戦争が終わったら 「はい!切り替えて〜〜!命大事に!!!日本を復興させるぜー!」みたいな急ハンドル。戸惑いましたね。まず「生きる」について考えさせられました。


    戦争を知らない世代の私(アラフォー)はそんな感じの一文で ハッとした。
    (かなり意訳してます!笑)

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    2026年04月15日
  • 母の友2025年3月 特集「『生きる』を探しに」

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     本誌の電子書籍版は表紙の画像があって、どちらで登録しようか迷ったものの、そこは紙の雑誌を読んだという拘りもあったので、こちらにしましたが、塩川いづみさんの表紙の絵は、「母の友」の72年間の歴史ともリンクしたものだっただけに残念です。

     ということで休刊前の最終号となりましたが、1961年からの4年間「母の友」の表紙を担当した宇野亞喜良さんの『描いたものが印刷に置き換わることで変容していくのが面白かった』や、梨木香歩さんの「わたしのストーリー」の『読み手がゆっくりと広場で憩う時間が持てる』例えに、紙の雑誌の魅力はあったのだと実感することで、本当にこれで良かったのだろうかという思いは正直残るものの、過去に掲載された言葉たちは(創刊編集長の松居直さんは、これをとても大切にされていた)、きっとこの先の未来に於いても必要とされる時が来るだろうと、私は思うので、ひとまず72年間お疲れ様でしたと書きたい。

     まあ最終号くらいは、ざっくりと私自身が思うことだけを書こうかなとも思ったのですが、やはりこれは掲載したいという気持ちもあってと、この中途半端感に私は生きていることを実感するのは、人がどうこう指摘するとかいうのをあまり気にしなくなったこともあるのかもしれない、私の『生きる』なのだろうということで、ご了承下さい。


     私自身「母の友」を読み始めたのは、ちょうど2年前で、きっかけは、今でもずっと気にかけて下さるブク友さんに影響されたので、別に本誌の昔からのファンとか、過去の連載陣を全て読み込んでいるという訳でもないのだけれど、それでも何冊か読んでみると、他の雑誌には無いような面白い視点が多いことに驚きと喜びを感じながら、更に大人になっても学ぶことはいっぱいあるのだなということに気付かされ、それ以降、ずっと読むようになる。

     また、そう感じたことの要因の一つに、これまで知らなかった素晴らしき執筆者たちとの出会いも私には重要で、本誌の最後の特集は「『生きる』を探しに」だけれども、既に連載のタイトルからして、その人自身のそれが表れているように思われたのが面白くて、それは、長田杏奈さんの『私のきれいは私が決める』に、コウケンテツさんの『やさしくいきましょう』、小林エリカさんの『母の冒険』に、小川たまかさんの『自由のほうへ行くために』と、見事に人それぞれで様変わりすることに、人の生き方に縛りなど無いことを教えてくれた。

     そして、更にそれを幅広く感じられたのが多彩な特集に於ける多彩な人選であり、それは児童問題や家庭環境問題に詳しい方だけに留まらず、作家、漫画家、エッセイスト、学者、写真家、イラストレーター等々、特集を読む度に誰かしらの考えにハッとさせられるのも、その多彩さにあるのではないかと、私は思うのである。

     例えば、本誌の最後の特集にしても、生きるということを実感するというのは、本当に様々なんだなということが分かり、理学博士の中村桂子さんの『わからないものとわかっているものを比べるなんて、人間が全てわかったつもりになっているような気がします』には、AIの存在が幅をきかせ始めた今の世の中に対する警鐘とも思われた、その一方で、漫画家の鶴谷香央理さんの甥っ子が、自転車を走らせながら外から大声を出して彼女に呼びかけつつ、そのまま去って行くだけの展開に、「ああ、毎日こうやって伝えたい気持ちが止まらないんだろうな」と、爽やかでほのぼのとした気持ちにさせられた、これも甥っ子にとっての『生きる』ということなのだろうと思う。

     そんな中で私が最も印象に残ったのは、絵本作家の五味太郎さんの言葉で、言葉遣いはやや悪く感じられるかもしれないが、だからこそ本音で話されていることも実感できた、そこには『好きに生きる』ことと『人の数だけ存在しそうな膨大な数の物語』との関係性を知ることで、別に全てに共感できなくたっていい、それが人なんだからという、人という存在の多彩さに垣間見えそうな人の奥深さを悟ることで、自分の奥深さの可能性もまだまだ追いかけて行きたい気持ちになることができたというか、その助けとなりそうなのが絵本や本といった『物語』にあるのではという、五味さんの視点に大きな共感を覚えた。

     その他にも、「読んであげるお話のページ」の店主があの方に見えてくる、粋な計らいがあったり、「中川李枝子」さんの追悼特集では、そのお人柄の良さを(天真爛漫さがあるのも素敵)、彼女の担当編集者だった井上博子さんの言葉で掲載されていたのが嬉しかった上に、極め付けは「母の友」連載著者のみなさんが『生きる』をテーマに選んだ、おすすめの本が紹介されていることで、これは読んでみようと思うものが多かった。


     最終号ではあったものの、連載の中ではそれだけに固執せず、寧ろ、普段通りの雰囲気だったことに救われた気持ちとなる。

     そして、未来への架け橋として、川内倫子さんの写真「三月の光」で明るく輝く、希望と可能性に満ちた存在、小幡彩貴さんの「Kinderszenen」の、ここで終わるわけではない美しくも切ない場面には、新たな出発という意味もありそうで、こうした繰り返しで、これからもきっと、人それぞれの『生きる』を模索していくのでしょう。

     72年間、ありがとうございました。
     またお会いできる日を楽しみにしております。

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    2025年03月02日
  • 母の友2025年3月 特集「『生きる』を探しに」

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    ネタバレ

    ・人間は「生きもの」です。わからないことに生きものであることの意味があるのです。

    ・生きものは手をかける、その関係性に意味がある存在です。手がかかるからこそ、かわいい愛しい存在なんです。

    ・世間が押しつけてくる「こうすべき」という物語から逃れて、自分の物語を生み出していくには、やはり力がいる。その力を鍛えるトレーニングというのが、絵本や本を読むということなんだろう。

    ・母が死んで空いた穴は、母の形をしているから、違う人でそれが埋まるわけはない。でも、その穴や周りを暖かい空気で優しく包み込むことはできて、夫と娘と友人がそうしてくれている。

    ・自分を育てるとき、強いちからとなるものに「憧れ」があると私は思っています。

    ・八つ当たりができる、謝れる、本音が言える関係が親子の間でも大事です。〜憧れると同時に、親が「生もの」だってわかってる。だから、つくろわずに、親も今の自分を生きていればいいんだと思います。

    ・カリブ海は小さな島々が集まっていて、潮の流れに身をゆだねていると、偶然何かに出会ったり出会わなかったりする。到達点があるわけではないまま、円環的に海にたゆたうこと自体を肯定する発想を、西洋の「弁証法」と対比して、ブラスウェイトは「弁”潮”法」と名づけました。

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    2025年02月18日
  • 母の友2025年2月 特集「子どもがおとなになった頃の社会」

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     4号連続の「さよなら特集」も残すところ、あと2回となった今回は、『子どもがおとなになった頃の社会』で、「編集部より」によると、日本の婚姻数は過去50年でほぼ半減しており、結婚そのものが問われる時代ともなっていることから、社会というのは常に変わり続けているのだということを改めて実感させられ、更に、この先の社会はどうなるのかに迫っている。


    「鼎談・未来はどうなる?」
    古賀及子×酒寄希望×三好愛
     それぞれの言葉で印象的だったものを掲載すると、古賀さんは『家族というよりチームっぽくなったなと感じる』、『AIには無い、人間の予定調和ではいかないところを大切にする』で、後者は『子どものきらめき』に擬えている点も肯けるものがあり、酒寄さんの「女性芸人に『ブス』って言うのがお笑いのお決まりとして成立していたけれど、今は一切許されなくなった」に嬉しくなり、三好さんの『一方的に助けるとか思いやるも大事だけど、その前に、自分とは違う気持ちが世の中にはたくさんある』にハッとさせられたのは、多様性本来の理想的なあり方とはなんなのだろうということを考えさせられたからであり、これについては、後の伊藤亜紗さんも似たような意見を書かれている。

    「気候変動」 榎本浩之
     人間でいうところの、高熱があるのかを確認するために『おでこを触る』行為が、地球温暖化では『北極』にあたる、そこでの現状に対する関心や、『温暖化を止める、ということは車のブレーキを踏むようなもので急には止められない』ことを認識した上で、好奇心の塊である子どもたちが未来への鍵であることを述べられていたが、知らない間に、どうにかなっていましたという風にはならないことだけは確かなのだと思う。

    「家族」 西野理子
     思っていた以上に家族という概念は、時代毎に様変わりしていたことや、実は『誰が家族か』ということに関して、現時点に於いても定義がないこと等、新たに知ることが多かった。

    「仕事」 勅使川原真衣
     「能力主義」社会について二つの大きな問題があることに加え、特定の能力だけが評価されることが本当に皆にとって平等なのか、その言葉の裏にあるものを考えることの大切さを教えてくれた。

    「夢の果ての世界」 石塚元太良
     地球の各地で撮影を続ける写真家の石塚さんが、『未来の風景を撮影しているような感覚』を抱いたのは、世界中の19世紀末のゴールドラッシュの史跡であり、何故、当時は「辺境」と呼ばれていた地域の風景にそれを感じたのかについて、今、私がいる場所にも様々な見えない過去の歴史が刻まれているように、おそらく今の風景も未来の風景も、繰り返しの過程で存在しているのだろうと思うと、石塚さんの『終わりなき人の欲望はこれからどこに向かうのでしょう』という言葉にも染みるものがあり、その写真を眺めていると、かつては夢を抱く人々が集まり栄えていた輝かしき軌跡と共に、今ではそれも塵となって消えてしまったのではないかといった寂しさも漂っているようで、思わず見入ってしまうものがあった。

    「コミュニケーション」 伊藤亜紗
     「本当に『人のため』になる、って実はすごくミラクルなこと」というのは、「『与える』側の視点ばかりで『受ける』側の視点が抜けてしまっていることが多い」ことを知った中で、奈良県生駒市の「まほうのだがしや チロル堂」の試みは、とても面白く感じられた。

    「メディア」 ドミニク・チェン
     生成AI的な「それっぽい答え」ではない、『拙くてもいいから自分の味がある言葉を交わせる場所』が必要であることに加え、ここでも多様性という真の意味合いとは何かを問い掛けており、『うちはこう、あなたたちはそう。お互い勝手にやりましょうということじゃないと思う』には、考えさせられるものがあった。

    「子どもに寄り添う現場から」
     若者の死因の第一位がダントツで自殺なこともあって、子ども食堂、ファミリーホーム、弁護士と、様々な現場から届けられた声には他人事でいられない心境となり、その寄り添い方は本当に最低限でいいのかや、間宮静香さんの弁護士としての志に、あらゆる子どもたちの未来を思う中で、大人の問題が子どもに派生していることから、大人への支援も同様に欠かせないことが、子どもの支援にとっても重要であることを知る。

     そして、「子どもの権利条約」の中では、『子どもが意見を表明する権利』が保障されていることによって、大人は子どもの意見を聞いた上で、最善の利益を考えなければならず、これは知らない方もいらっしゃるのではないかと思い、様々な境遇の子どもたちにとって救いとなるような道が開ければと、掲載いたしました。

    「未来マンガ」
     5人それぞれの持ち味が発揮されている中、ツルリンゴスターさんによる「今日 君がした事が」の、『世界はいつでも1人から始まって変わっていくんだよ』に爽やかな希望を感じられる中、しりあがり寿さんによる「明るく強くたくましく」の、2045年に生きる男性がご先祖への挨拶と称して、それを象ったサンドバッグを殴る姿には、今を生きる者として申し訳ない気持ちにさせられて、『なんでもかんでも問題後送りにしやがって』、『温暖化とか全世界が協力しなきゃならない時に』『戦争とか分断とか世界バラバラにしやがって』と、確かにその通りとしか言いようがないが、私も含め、今を生きる人達はそのままにしていていいのだろうか?

     その他に、金原由佳さんの「きっと支えになる映画」と、三宅香帆さんの「未来を感じる本」も、さよなら特集に掲載されており、興味のある方は本誌を読んでみて下さい。


     ここからは気になった連載を。

    長田杏奈さんの「私のきれいは私が決める」
     冬場の部屋や肌にとって好ましい湿度から一気にシフトチェンジする内容に、果たして『美容は余裕のあるときに楽しむオプションでしかないのか?』という問題が生じるが、決してそんなことはないということを、ある場所の支援の時に起こった事実を以て実感できた、その副題は『誰かのための潤い』。

     読んであげるお話のページは、酒井駒子さんの「びっくりした おかあさんねこ」で(私はいきなりの酒井さんの新作の登場にびっくりした)、内容としては絵本のショート版といった印象だけれども、ころころと様変わりする表情豊かなおかあさんねこや、愛らしい子猫たちを、場面毎に活き活きと描いていて、おそらくアクリルガッシュではないかと思うのだが、そののっぺりとした感触の画材を、これだけ優しく穏やかな雰囲気で色の選択と共に使い分けて描いた、おかあさんねこがすやすやと眠る始まりの場面が、特に印象的で癒される。

     「わたしのストーリー」は、今号、最終号と梨木香歩さんが担当し、今回はインターネットやメールのやり取り、それ以前はFAXの導入で、会わなくとも人とコミュニケーションを取る手段は様々ではあるものの、やはり圧倒的に情報量が違うのは・・・といった素晴らしさを、ご自身の体験談から書かれていたことに確かな説得力を感じられた。

    小林エリカさんの「母の冒険」
     コスパや効率性というのは、時に必要では無い時もあると実感し、それは自分の作品に於ける疑問点にしっかりと向き合いたい時に加えて、『子どもと生きるというのは、よけいなことの、連続である』に込められた思いというのは、まさに明るい未来に向けた眼差しとも感じられた、それぞれにとって大切な時間なのだと思う。

    もりやままなみさん、齋藤陽道さんの
    「ひょうひょう かあちゃん」
     親から見たら思いも寄らないような、子どもたちの世界との出会い方に、改めて子どもたちは世界のいろんなものとの出会いを求めていることを実感し、それは時に大人になると尻込みしてしまうような物事にも素敵な出会いがあって、人生の財産となるのかもしれないということを、私に教えてくれた。

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    2025年02月09日
  • 母の友2024年12月 特集「『母』のこれから」

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     2025年3月号をもって休刊することとなってしまった「母の友」が、この号から四号連続でお届けする「さよなら特集」は、本誌の過去の歴史を振り返りながら、あくまでも今を、未来を向いていく特別編というだけあって、その内容の濃さに加えて、本誌の連載メンバーもたくさん登場する豪華版となった、その第一弾のテーマは『母』である。


     まずは、「母性愛神話」の幻想を打ち破った心理学者の大日向雅美さんと、今号の連載では、来年日本が戦後八十年を迎える事に対して独自の視点から解釈されたのが印象的だった、小林エリカさんの対談より。

     ちなみに「母性愛神話」というのは、「すべての女性には『母性愛』があらかじめ備わっているから、子どもを産めば誰でも子育てができる、といった『思い込み』」で、1970年代頃は信じている人が多かったそうだが、大日向さんはその後に起こった「コインロッカーベビー事件」を通して、母親だけが責められて共同養育者の父親は一切出てこないことに疑問を感じたことがきっかけだったとか。

     私が読んだ印象として、一読しただけで明らかにおかしいと感じ、それは当時の父はこう、母はこうといった役割分担みたいなものがはっきりしていた時代背景もあったとは思うものの、この神話には母以前に一人の女性として、それぞれの個性が皆無であることに息苦しいものを感じられたし、何よりもこの神話自体が大きなプレッシャーとなったからこそ、コインロッカーベビー事件のような、誰にも相談できずに追い詰められた人が出てきたのではないかとも感じられた。

     しかし、そんな時代を経てきた中で、今という時代があることに対して、エリカさんの『たくさんの先輩たちのおかげで、何十年もかけて、少しずつ変わってきて、今があるのだと思う』と、大日向さんの「安易に胸をなでおろすことなく、むしろ、たえず、『あれ? ちょっとおかしくないか?』と感じる姿勢を大事にしていけたら」が印象に残り、更には、「社会の変化を考えるときは、『みんなが』だけではなく、『私が』どうしたいのか、『私の幸せ』を考えることも大切にしてほしい」という、大日向さんの言葉にハッとさせられて、社会の変化の始まりは、あくまでも一個人なのだということを実感する。

     そして、おかしいことをおかしいと感じるのに必要なことは、『知ること』『学ぶこと』に加えて、ただ知識を鵜呑みにするのではなくて、『自分自身で考える』ことが何よりも大切であることを知り、これはそうだよなと痛感し、「なんでこんな時代なんだよ」と、ただ嘆くばかりじゃなくて、「何故そう感じるのか?」から始まって、知識を得て考えて自分なりに答えを出してみたり、もしかしたら、こう感じているのは自分だけではないのかもしれないということが、その過程で分かったりと、ちょっとでも気になったことは自分の中に溜め込まないことも大切なのかもしれない、それは「母の友」の姿勢とも繋がった『子どもは大事、わたしも大事』ということの大切さなのだろうと思う。


     ここからは、「『母の友』72年の記事を振り返る」より。

    「母に求められるもの」
     『世のお母さん方の毎日はあまりにも忙しい』で始まる1953年の創刊号から、時代毎に様々な母の悩みと向き合ってきた本誌の記事を振り返っており、1961年1月号の「わたしはおかあさん車掌第一号」の、社内で初めて出産後も仕事を続けた方の手記や、1998年9月号の岸田今日子さんと佐野洋子さんの対談に於ける、佐野さんの『地のままのお母さんってないのよ。母親っていうのは役割だから、どうやったとしても、お母さんのふりなんだと思う』が印象的な中、『女性の社会進出が進むなど、一見、昔よりも自由になったかに見える母の姿は、子育ても仕事も家事もと、すべてを背負いすぎて追い詰められている』、そんな母の苦悩にも気付き、様々な特集で寄り添ってきた2000年代と、改めて本誌の存在意義を実感させてくれた。

    「父・夫」
     意外だったのは、1957年9月号の「父親のための特集」が『困った子ができれば母親の責任』『お金を稼ぐのが父親』等、“古い”考えの男性がまだまだ多いことに異を唱える内容であったことに、まだ私が生まれていない頃から既にこうした考え方も生まれていたということに、実は世の中のことを狭い視野でしか見ていなかったのだなという、私の方こそ思い込みの塊であったことを痛感させられた。

     そんな中で、父、夫の立ち位置も様々に変化していき、特に1982年10月号の「粗大ゴミ予備軍はかわいそう」(すごいタイトル)という女性の座談会に対して、それを受けた男性の座談会のタイトルが「そんな急に迫られても」と、やや弱気なものであることが印象的で、男性も身の回りのこと、家庭のことをできるようになった方がいい、そうじゃなければ「粗大ゴミ」と言われてしまうような時代もあったのだが、それに対してお互いに理解し合おうとする姿勢が垣間見えたとか。

     更に2015年6月号の「お父さんという生き物」では、創刊当時と比べれば、すっかり立場が弱くなり、家庭での様々な役割を求められるようになった父の悩みを紹介しているそうで、そこには手伝っても妻に叱られて新たなストレスを抱えるといった、母と共に父もいろいろあるのだということが分かる。


    「鼎談 女対女の戦いではない」
    小川たまか×長田杏奈×花田菜々子

     いずれも本誌の連載でお馴染みのお三方の鼎談では、『年長者に従うみたいな意識は減ったどころか、逆に軽んじられる時代になってきた』ことや、『有償労働と無償労働の時間を足すと、日本は女性の方が男性を上回っている上に睡眠時間は短い』が、そういうのを男性側は知らなくて『専業主婦は食っちゃ寝しているみたいなことを言う人がまだいる』こと等、問題点もある中で、女性同士の対立を防ぐにはどうすればいいのかということや、これからの女性について、『一人一人が教養を身に付けなければいけないと思う』『女は虐げられている立場なんだってだけでは発展しない』一方で、SNSの普及による利点も述べられていた点に、物の見方は一つでは無く様々であることと、それも教養の一環であることを教えてくれた。


    「見てきたものを教えて」 東直子
     東さん自身の子育て経験に基づいた率直な気持ちが胸に迫り、それは自分が子どもだったときにも上手くできないことによる不安や悲しみが多かったのに、何故、母になった瞬間、それを忘れて理想主義を掲げてしまうのかといった点から、『思い描いたようにことは運ばないのが常』であることを再実感された、それは母に対して今まで通りでいいんだよと言っているようにも思われた一方で、『人生は、その子のものである』という言葉も心に焼き付けられた、そんな彼女とお子さんとの思い出が浮かんでくるような五つの短歌からは、お子さんがひとり立ちする前に東さんが共有できた、たくさんの素晴らしいことへの喜びを感じ取ることができた。

    『君がいたから見つけられた花や雲、石や看板、虫とゆびさき』


     そして、見開きに描かれた小幡彩貴さんの花に囲まれた母と娘のイラストには、シンプルで飾らないメッセージがよく似合う。


     ここからは、「エッセイ 今と未来の『母』たちへ」から特に印象的だったものを。

    「母としての誕生日」 宮地尚子
     遠く離れて住む娘さんが二十九歳になる誕生日に、用事でかつて十年近く前に娘さんと別れた場所を通った時に蘇った当時の思い出と、今の宮地さんの心境とが交差することには、まるでそれが母と娘との繋がりでもあるように思われた、それは娘さんの誕生日が母のもう一つの誕生日であることと重なりながらも、その当時のことを、いつまでも鮮明に覚えている宮地さんの娘さんへの思いが、何よりも強く私の心に残った。

    「元気でいれば、それでいい」 村井理子
     『母として気の休まる日など、あまりなかったように思う』と書かれた村井さんが、『将来は良い大学に進学して、素晴らしい職場に就職し、幸せな人生を送ってほしいと考えた時期もあった』けれども、『今にして思えば、そんな夢はたいした意味もなかった』と振り返ったことには、十八年に及ぶ双子の男子の子育てで『子どもの未来を親が決めることはできない』ことを学んだからであり、それは日々ずっと見守ってきたことにより、少しずつ子どもたちの成長を実感できた喜びとも重なるようで、『無事育ってくれたこと』、まさにそれだけで充分なのだということが、そのまま母への賛辞なのかもしれないと、私には感じられたのであった。

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    2024年12月15日
  • 母の友2024年11月 特別企画「こどもに聞かせる一日一話」

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     特別企画の前に、「母の友」はなぜ創刊号(1953年9月号)で子どもが耳で聞く話を載せようとしたのか、それはまだテレビが普及していない時代に、子どもから「何かお話してよ」とせがまれる忙しい親御さんのお役に立ちたいという思いがあったことと、創刊編集長である松居直さんの言葉、『幼児にとって耳から聞く言葉の体験こそ、親と心をかよいあわせ、言葉のふしぎな力や働きを感じとる貴重な育ちの土台なのだと確信しました』から、『子どもとおとなの心をつなげたい』、そんな願いが込められていたことを知り、それは子どもにとって嬉しいのはもちろんのこと、親御さんにとっても、大切なお子さんとの貴重な楽しい時間を過ごすためのコミュニケーションツールとなり、だからこそ途中でこの企画が姿を消しても、また復活したのだと私は思っております。

     そんな子どももおとなも待ち望んでいた、年に1度の特別企画がついにやって来ました!!


    特別企画『こどもに聞かせる一日一話』

     というわけで、これ1冊でバラエティに豊んだお話が全部で30話入っていて、それぞれのお話は見開きの2ページ限定なので、その見開きだけを見ながら、子どもはじっくりと親御さんの声に耳を傾けることができるし(しかもそれぞれに個性的な絵もついている)、親御さんも2ページだけならばと手軽に取り組める、それを11月1日から11月30日まで毎日読み聞かせしたとしても、お話が全くかぶらない。これって凄くないですか?

     そんなお話たちに対する私の試みとして、宣言通り今年もやります、「30話ひと言レビュー」です。これが少しでも特別企画に興味を持って下さるきっかけになれば幸いです。


    1.トラの畑のフキノトウ
    文 黒﨑美穂 絵 鬼頭祈
     日本画とともに人情味あふれる展開。

    2.ふしぎなお誕生会
    文・絵 花山かずみ
     限定ならば、是非この幼稚園に入りたい。

    3.のりきりめいじん、のりのすけ
    文・絵 おくはらゆめ
     海苔がノリよく繋げるふたりの愛。

    4.迷子のチュン
    文 佐野由美子(三重県) 絵 ユカワアツコ
     子すずめにとってハサミが好印象に。

    5.石ころぼうやのぼうけん
    文 中村文 絵 松成真理子
     形が三角でもひとり立ちできたね。

    6.あまのじゃくのチッチ
    文 乗松葉子 絵 100%ORANGE
     あまのじゃくだって気持ちは伝えられる。

    7.朝寝坊したかった目覚まし時計
    文・絵 植垣歩子
     周りに目を向けて初めて知ることもある。

    8.おふろてがた
    文 いしだえつ子 絵 三好愛
     子どもならではの宝物をチケットに。

    9.ピーナッツ、さかだちする
    文 乾栄里子 絵 西村敏雄
     どこに行ってもありのままでいい。

    10.天から落ちてきた龍 宮古島の昔話
    再話 頭木弘樹 絵 伊野孝行
     龍と子どもの等しい関係性が温かい。

    11.虫のおきゃくさん
    文 安藤邦緒(岐阜県) 絵 得地直美
     虫の気持ちが分かると、こんなに繋がれる。

    12.コブマキガニのドリル
    文・絵 死後くん
     捨てる神あればなんとやら。

    13.たらいねこ
    文・絵 いぬんこ
     結構シリアスだけど、絵も含めてお気楽な雰囲気がいい。

    14.おきたい神様 ねむたい神様
    文 いちかわぴぃ(群馬県) 絵 鹿又きょうこ
     見事なコントラストがいろいろと染みる。

    15.プーケちゃんとアイスのうた
    文 向坂くじら 絵 コドモペーパー
     今できなくてもいい、という安心感。

    16.リンリンアイーと、お母さんの言葉
    文 温又柔 絵 ながしまひろみ
     生まれる前から今日まで続いてきた思いが築く言葉と絆。

    17.父さんギツネと母さんギツネのばけくらべ
    文・絵 藤重ヒカル
     さて、影の立役者は誰でしょう?

    18.たまねぎのおしろ
    文 くらささら 絵 佐々木未来
     カレー作りから思わぬ冒険に。

    19.きみどりいろのバラ
    文 津村記久子 絵 スケラッコ
     お母さんの子どもへの思いが、そのメッセージからよく分かる。

    20.ホタルとオオカミ
    文 神野紗希 絵 イケガミヨリユキ
     オオカミにとって確かに永遠に輝く光だった。

    21.おむすびきょうだいと大男
    文・絵 垂石眞子
     おむすび食べたくなります。

    22.サビンカとマクルカお話を書く
    文・絵 出久根育
     出久根さんの頭の中で描かれた奔放な飼い猫たちが可愛い。

    23.山の娘っこ 山形の昔話
    再話 八百板洋子 絵 辻川奈美
     擬人化したらその存在の儚さが分かるのかも。

    24.秋の日の森で
    文・絵 しんよんひ
     どんな状況でも、できることってある。

    25.ひみつのとんぼ
    文 くどうれいん 絵 nakaban
     とんぼが人の指に止まるのって、何かあると思うんだよね。

    26.アンちゃんとふしぎなちから
    文・絵 石田菜々子
     ちょっと不思議な絵に家族愛が独特。

    27.泣き虫のしんかんせん
    文 柴田聡子 絵 あけたらしろめ
     モノクロの絵だから想像できる臨場感。

    28.お菓子サーカス
    文・絵 堀川理万子
     このコラボ、ありそうでなかったなあ。

    29.ねこそば
    文 山崎ナオコーラ 絵 ちえちひろ
     皆に平等にやさしいお話はナオコーラさんならでは。

    30.アナグマさんの春の上着
    文 ふくしまはな(東京都) 絵 岡田千晶
     春を迎えるにあたって、この喜びは計り知れないものがある。


     そして、平山日菜さんのエッセイ。

    『ニューイングランドの落ち葉の季節に
    ~母・平山和子を見送って~』平山日菜

     その内容は、2022年10月に逝去された、絵本作家で彼女の母である平山和子さんが、ニューイングランドの彼女の家で過ごされた最期の日々で、その内容の事細かさには驚き、おそらく普段からお母さんのことをとても良く見ていたのだろうなということがよく分かる、その文体から滲み出てくるのは、母である和子さんがどのような思いで、これまでの人生を生きてきたのかを克明に伝えているからこそ、死を目の前にしても幸せな気持ちでいられる、そんなできることは全てやったのだという満たされた気持ちが、まるで私にも伝わってくるような、死は悲しいのだけれども、それだけではないものも感じられた、そんな不思議なエッセイであった。

     それと共に、そこに掲載されていた絵本『落ち葉』の和子さんの絵も印象深く、そのどこまでも精密に描ききった写実的な落ち葉の絵を見ていると、まるで人が塗ったような奇妙な色の組み合わせのものもあるのが興味深く、それらの色合いはまるで落ち葉それぞれの個性的な生き様のようにも思われてきて、そんな一つとして同じものは無いが、どれも惹きつけるものがある、そんなところに和子さんはきっと自分と重ね合わせるものもあったのではないかと思われた、それは日菜さんの言葉である、『母は感動するのが好きだった』が何よりもよく表しているようで、和子さんの絵本は単に写実的に描いただけではないのかもしれないと感じられたことから、私もそれらの作品を読みたくなった。

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    2024年11月10日
  • 母の友2023年9月 特集「母もみんなも息がしやすい世界」

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    人は柔らかくて弱い存在だから、息がしやすい場所をもちたい。(河合香織さんと阿比留久美さんの言葉より)
    私にとってのその場所は「母の友」になりつつある。

    小説を読むだけでは辿り着けない、
    様々な方々のエッセイと出会えるのがよい。

    この雑誌を読んでいると、
    息ができている感覚があって、
    「あ、私呼吸止まってたのか」となる。

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    2024年02月26日
  • 母の友2023年6月 特集「放っておかないで、自分の心身(からだ)」

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    心を亡くしたささくれた身体に生きた言葉が染み込んでくる。
    本書で執筆してくれている方々はみんな優しい。
    ほんとにほどよい距離感のともだちって感じ。
    自分の時間を取り戻すお伴。

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    2024年02月11日
  • 母の友2023年11月 特別企画「こどもに聞かせる一日一話」

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     特別企画の前に一つだけ。

    「絵本作家鼎談
    ガンバートル×ボロルマー×津田紀子(後編)
    違いから生まれる絵本の種」
     一年間のうち夏の間の二ヶ月はモンゴルに帰る、ガンバートルさんとボロルマーさんは、そこで日本とは全然異なる世界を再体感して、絵本からは離れた『生きる』ということを考えることで、また日本に来たときに絵本創作の新たな糧になることや、モンゴルでの絵本の印象がアート的な難しいものであることから、絵本は日本のような子どものために存在する楽しいものなんだということを、これから、もっと広めていきたいという思いに心を打たれました。


     そして特別企画、
    『こどもに聞かせる一日一話』です。

     私にとって初めてのこの企画、実際に見てみると、本当に30話入ってる! しかも見開き二ページずつとはいえ、絵もしっかりあり、お話の種類も作家もバラエティに富んでいて、これさえあれば、お子さんへの読み聞かせにも困らない優れものです。

     また読み聞かせについて、別に順番通りにすることはありませんし、続けていくうちに、子どもにとって、お気に入りのお話がそれぞれ異なってきそうなのも、面白いですし、大人が読んでも感銘を受けるものがあったりと、それぞれに楽しみが見出せる良さもあると感じました。

     そして、今回新たな試みとしまして、全30話それぞれの、ひと言レビューに挑戦したいと思います。
    短くスパッと切れ味の良いレビューが苦手な私にとって、どうなることやら(^_^;

     ちなみに作家の表記について、一人だけ書いてあるのは、文も絵もその人が担当しており、二人書いてあるのは、最初が文、その次が絵の担当です。
    また、作家名の後に都道府県の表記があるお話は、読者による投稿原稿になります。


    1.「かっぱのおもち」 乾栄里子 西村敏雄
     リズミカルな台詞に乗せられて、最後は前向きな気持ちになれたね。

    2.「ぼうし ぬぎません!」 まつださおり(京都府) 花山かずみ
     素朴な絵柄と女心の繊細さが見事に噛み合った。

    3.「ナッツとクリームパン」 ハトホタテ
     自らの望みを自らの特技で叶えられる嬉しさといったら。

    4.「やんちゃなともだち モンゴルのお話」
    イチンノロブ・ガンバートル バーサンスレン・ボロルマー 津田紀子訳
     そのやんちゃな気持ちも自分事で捉えると、きっと実感できるよ。

    5.「カエルのおじさん おおいそがし」 出久根育
     子だくさんのユーモラスな中に於いても変わらぬ家族愛の素晴らしさ。

    6.「ふわふわのところ」 鹿又広祐 鹿又きょうこ
     聞けばきっと眠りたくなる、詩的で夢見心地な文も素敵。

    7.「わにのカレーやさん」 くどうれいん 日隈みさき
     コックさんは日頃、こうしたジレンマと闘っているのかも!?

    8.「歌が大好きツバメちゃん」 杉田比呂美
     そのポップな絵も温かい、子どもの成長を見守る眼差し。

    9.「ばあさんのポップコーン」 死後くん
     ばあさんと鳩の噛み合わないやり取りが、可笑しくもグッとくる、それぞれのやさしさ。

    10.「こんちゅう会議」 垂石眞子
     昆虫の哀愁漂う愚痴を聞いている内に、その印象も変わる?

    11.「まさひろ君と水筒」 牧野伊三夫
     子どもの物への思いは、まるで動物たちへのそれに感じられた。

    12.「にぎやかなふすま」 長田結花
     どんな子どもにも素晴らしいところはあるということ。

    13.「パーティーにいかなくちゃ!」 柴田聡子 unpis
     ピザの具材をオシャレに着飾った表現も楽しい、ドタバタ劇。

    14.「魚母さん 宮古島の昔話」 頭木弘樹 再話
    伊野孝行
     見えないところで見守ってくれているのが、なおさら切ない。

    15.「ちいさいこえのエビ」 山崎ナオコーラ ちえちひろ
     どんな個性もその人を肯定してくれていることを、やさしく教えてくれる。

    16.「おばけのハンカチ」 乗松葉子 佐々木未来
     おばけにも色々いることから知る多様性。

    17.「タヌキのどろだんご」 藤重ヒカル
     こんな子ダヌキたちがいたって、いいよね。

    18.「つぎの、つぎ」 折坂悠太 しんよんひ
     次の次ではない、今、行動しなければならないときだってある。

    19.「まてまて カサ」 おくやまゆか
     黄色いカサが素敵な物に変わるのは、人のために行動することの素晴らしさの具現化。

    20.「ほしのこ じょーじぃ」 阿部結
     現実的な女の子にもしっかりと向き合える、ほしのこの人間性(?)がすごい。

    21.「おじいさんのピカピカおにぎり」 ねもときょうこ
     お腹がペコペコの時の塩おにぎりの美味しさに、思わず食べたくなる!?

    22.「おちば大会」 飯塚花(群馬県) 平野恵理子
     大切なのは順位付けではなく、皆それぞれに一等賞があるということ。

    23.「ひかりのしっぽ と かげのしっぽ」 志人 鬼頭祈
     日本画と幻想的な和の言葉遊びが紡ぎ出す、この世は光と闇が共存している。

    24.「たからさがし」 藤原あずみ(長野県) アヤ井アキコ
     郷土愛も素敵な、自然の恵みの素晴らしさ。

    25.「さいごの秋」 中村文 山口洋佑
     季節が終わることは、こんなに素晴らしくも儚いものであることを教えてくれた。

    26.「オオカミと森のむし風呂 リトアニアの昔話」
    八百坂洋子 再話 植垣歩子
     一見残酷なようでも、彼のしたことを思えば・・・。

    27.「大きな月の夜のこと」 森洋子
     月の魔力は、その絵とともに、素敵な発想の転換をもたらしてくれる。

    28.「風ばあさん」 林原玉枝 山村浩二
     その懐の深さに、共通したものを感じさせられた、風とおばあさん。

    29.「エナガさんの子育て」 中島京子 東郷なりさ
     エナガさんのそれは、人間にも通じるコミュニティが素晴らしい。

    30.「はなさか ゆたんぽ」 おのみつこ(埼玉県) 浜野史
     人も動物も皆温かい気持ちになって、幸せいっぱい。


     更に、大人にも特別企画が!

    大人が自分で読む小説
    「クイーン・トキコの大切な日」 古谷田奈月
     子どもの成長の過程に於いて、やがて訪れる、子どもの精神的自立と、母が子どもを想う気持ちとのギャップ感は、それぞれの個の存在が異なることから当然だとは思いながらも、やり切れなさもある、このもどかしさに対して、改めて向き合う為に大切なのは、母も一人の人間であることと同時に、相手の気持ちも立てることだと痛感し、それを上手い形でやり続ける大変さは、私には計り知れないものがあるが、少なくとも、これを読んで「ああ分かる!」と共感出来る方も、きっといるだろうと思わせた、ドライな感覚も生々しい、母への応援歌。

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    2023年11月25日
  • 母の友2023年8月 特集「いま、読みたい本」

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    色んな人の、本との関わり方をみられて面白かった。同じ本を繰り返し読む、読む時間がなくても積読を買い続けるなど。
    そして、なかなか本を読む時間がないという人も多く、親近感が湧いた。

    本を開いて初っ端の引用は、
    管啓次郎さんの『本は読めないものだから心配するな』でした。

    選書も興味深く、読みたい本がまた増えました。

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    2023年10月19日
  • 母の友2023年9月 特集「母もみんなも息がしやすい世界」

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    創刊70周年記念特集
    『母もみんなも息がしやすい世界』

     70周年記念ということで、様々な視点から眺めた内容に心が軽くなり、様々な見方を教えてくれた特集でした。


    長島有里枝さん×塩川いづみさん
    「ケアする人のケア、は」
     ケアと聞くだけで、とても難しい印象を持ったが、「ケアの学校」という展示で、長島さん本人が『いる』こと。ただそこにいるだけでもいいことに、ホッとするものを感じただけではなく、
    『自分がいい状態になることだけがケアではなくて、相互関係なんだ』という、私もいて、あなたもいるということの大切さを、改めて噛み締める。

    河合香織さんの
    「母は死ねない、のか。自由のほうへ」
     「ふつう」の呪いを解く鍵は、「母として」どうか? と考える前に『私として』どうか? を考えること。母であっても私は確実に存在している。
     そして、改めて見直したい
    『人ってもっと弱くて、やわらかい存在』。

    柚木沙弥郎さんの「新しい空気を吸うために」
     染色家、画家、絵本作家として、百歳の今も挑戦し続けている、柚木さんの言葉、
    『つらい思いは実は自分の中、内側にある』ということを認識すると、明らかに諦める、そうか、自分の中にあるのなら仕方ないな。そうすると、つらさの形が変わってくるということに、まだ完全に自分の物に出来ないもどかしさがあるものの、少し肩の荷が下りた気がした。

    阿比留久美さんの「母とみんなの居場所」
     日本で暮らす息苦しさの要因の一つ、『生き方の規範が強いこと』に肯けるものがあり、それは、今や世界で夫婦別姓が認められていない国は、日本だけという事実からも感じさせられた。

    森山至貴さんの
    「『子どもがかわいそう』母を閉じこめる『ずるい言葉』に立ち向かう」
     知らなかったから。悪気はなかったから。だから、人を傷つけていいのか? 知る努力の必要性を痛感させられながら、言葉の大切さも実感。
    『人を閉じこめるのも言葉ですが、人をつなげることができるのも言葉』
     それは、子の育ちを担うのは母だけではなく、その子と出会うみんなの責任であることにもつながっている。

    小原一真さんの「ウクライナの母たち。あるいは『友』であること」
    『属性の先にある、多様な一人一人の姿を想像することを諦めないこと。そのために、属性を超えたところで他者とつながりを保つことも大事』
     それは、ウクライナ北部に位置する、チェルノブイリ原発の取材を何度もするうちに、多くの友人が出来た、小原さんの「友達が戦争に直面することがあるなんて思ってもみなかった」という思いに感じ取れるものがあったからこそ、私の中にも、すっと入ってくるものがあり、ロマ民族のことも知ることが出来て良かったと思う。


     ここからは、気になったコーナーを。

    「読んであげるお話のページ」
     こちらも創刊70周年記念ということで、1963年6月号に掲載された、『ぐりとぐら』の元となった「たまご」が収録されており、大村(山脇)百合子さんの絵も、また違った魅力があって楽しめます。

    宇野碧さんの「わたしのストーリー」
     数年前まで、生理前になると理不尽なことで怒り、理不尽な行動を取ることがよくあった、宇野さんの、その当時の話だが、そこで見られたのは、たとえ本人の辛さは分からなくても、少しでも分かろうとする気持ちが行動に表れていた、夫と息子の姿勢に心打たれ、「アイスの実」も思わず泣き笑いしてしまいそうなくらい、感動的だった。

    小林エリカさんの「母の冒険」
     「で、いくら稼げるの?」という、この台詞だけで辛いものを感じさせるのは、自分のやりたいことを、その価値を、他人に決めつけられることの心苦しさや尊厳の問題でもあることもそうだが、そうした発想でしか、自らの価値を見出せない、発言者が最も苦しいということにも納得の思いであった。というか、見えるものだけで全てを決めつけるのは、もうやめようよ。人間は見えないものも心の拠り所にしているのだから。

    小川たまかさんの「自由のほうへ行くために」
     1980年生まれの小川さんは、所謂『氷河期世代』の女性であり、20代の新卒の頃には、政治家たちがこぞって『自己責任』を唱えていた時代だったそうで、その根拠の一つと思いたくはないが、

    『あの若者が他国で人質となって残酷な殺され方をしたのに、国内には悼むどころか当然の報いだという雰囲気すらあった』

    『これから社会に出る世代に向けて、国に“迷惑”をかけたらこうなるのだと思わせるのに、あれ以上のことがあっただろうか』

    なんて、当時も嫌な印象を持っていたが、改めて、また思い返すと言いようのない怒りが込み上げてきて、どう考えてみても、人質とされた方より、人質にした方が明らかに悪いと思うし、そもそも自己責任取る以前に、命落としてるんですよ。残された人達の気持ちとか想像出来ないのかなって、それが、たとえ私とは関係ない赤の他人だとしても、こういうのって凄く頭に来る。悔しくてならない。

     少し話が逸れたが、私が今回の小川さんの連載で勉強になったというか、人を知る上で大切だと思ったことが、他の世代の気持ちを知ることであり、それは、昨年、元首相を銃撃した男が1980年生まれで、その世代は連帯の方法を学ばず、社会運動にも心の距離があり、彼は個人の『自己責任』で、単独で行動したという件からも感じ取れて、勿論、犯罪はいけないことだとは思うが、もしかしたら、そこに至った過程の一つと知ることで、社会のあり方を考え直し、問い質すきっかけになるのかもしれない。そんな気付きが、私には大きかった。

     そして、小川さんの下の世代に対する思いは、気軽に連帯して、古い慣習を、意地悪な大人を、蹴っ飛ばしてほしいと願いながら、私にできるのは、下の世代を邪魔しないことぐらいだと思うこともあるといった言葉に、私は、小川さんも出来るのではなんて思ったりもしたが、やはり、その世代の焦燥感と諦観は、同世代でなければ実感として湧かないものもあるのだろうと感じたし、しかも小川さんは、愚痴っぽくてごめんと謝っており、それが私には、『点子ちゃんとアントン』を書いた、『エーリヒ・ケストナー』の真摯な願いを思い起こさせて、こうした時に、小川さんには何と声をかけてあげればいいのか、分からなくなってしまう。しかし、それでも考え続けてみることが大事なんだと思いたい。


     改めまして、「母の友」創刊70周年、おめでとうございます。

     私はまだまだ、今年から読み始めたひよっこですが、こうした様々な視点から、人を慮る気持ちを呼び起こさせてくれる雑誌の存在は、いつの世の中に於いても絶対に必要だと思うので、ぜひ、これからも長いこと続けていって、母も子どももみんなも、ほっとひと息つける居場所であることを願っております。

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    2023年09月17日
  • 母の友2023年7月 特集「自然にふれる喜び」

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    以前から読みたいリストに入れていた若菜晃子さんが特集されており、ますます惹かれました。
    さっそく三部作のエッセイを読みたい。

    星野道夫さんの記事も貴重で興味深かった。

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    2023年09月13日
  • 母の友2023年9月 特集「母もみんなも息がしやすい世界」

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    ネタバレ

    タイトルの『息がしやすい』という言葉が心に沁みます。
    息がしづらいと普段感じてるわけではないですが、日々を思い返してみるとそんな場面や思いがあったり、、、。
    普段私も考えている『ケアすること』についての対談(長島有里枝さん×塩川いづみさん)はとても興味深かったです。
    河合香織さんのお話も心に響きました。ふつうに頑張っている私たちを優しく労わるような言葉の数々。読んでいて少し泣きました著書の『母は死ねない』も読んでみたいです。
    その他の対談やお話も、気持ちを軽くしてくれるような文章が多かったです。読んでよかった。
    子供達と一緒に文章がない絵本も読んでみたいです。

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    2023年08月30日
  • 母の友2023年8月 特集「いま、読みたい本」

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    最高の一冊!読みたい本がたくさん見つかりました。大切にしたい言葉も。子供と一緒に絵本を読みたくなりました。

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    2023年08月09日
  • 母の友2023年3月 特集「守れているかな 子どもの権利」

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    子育てにおいて、根底にあって、むしろこれだけで良いんじゃないかと思えるほど大切なことが『子どもの権利』だと感じた。

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    2023年05月18日
  • 母の友2023年6月 特集「放っておかないで、自分の心身(からだ)」

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    生理や性教育、東洋医学、ヨガなど、興味があることがギュッと詰まっていました。
    特に小林エリカさんの母の冒険の文章には共感するところが沢山あり、読みながらうんうん!と頷いてしました。
    もう一度じっくり読み返して、ヨガや東洋医学に基づく簡単な料理にも挑戦してみたいなと思います!

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    2023年05月12日
  • 母の友2023年4月 特集「わたしを大事にするヒント」

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    創刊70年記念のリニューアル第1号。
    70年前の母たちも「あまりに忙しい」毎日を送っていたらしい。考えてみれば、電子レンジはないし、洗濯だって洗濯板。家事に育児に追われるわけだ…。

    現代は現代で「忙しい」ことに変わりはなくて、4月に育休から復職した私にとって「わたしを大事にするヒント」はめちゃくちゃ参考になった!

    「わたしを大事にする」のをいつの間にか「自分を取り戻す」という意味に感じながら読んでいた。
    母になる前の自分を取り戻す。仕事との両立はたしかに大変だけど、出産前から働いている会社に復帰して「おかえり!」と迎えてくれる同僚がいて、大事にしてもらえることに感謝だなぁーと思えた。

    いい香りのハンドクリームを部屋のあちこちにおいておく、というヒントがあったけど、ハンドクリームは小さな子どもに取られてしまうと厄介なんだよなぁー。

    いい香りのするお茶を冷めにくいカップにいれて、ちょこちょこ飲むのもいいかもな、なんて思ったりしている。

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    2023年05月11日
  • 母の友2023年3月 特集「守れているかな 子どもの権利」

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    これだけ、一冊の雑誌をこと細かく読んだのは、生まれて初めてかもしれない(そもそも毎月コンスタントに発売する雑誌を私は買わないので)。

    それくらい内容は、多種多様に富んでいながらも共通点があって、考えさせられる事が多く、とても充実した読書になりました。111108さん、ありがとうございます(^^)

    そんなわけで、「母の友」、初めて読みました。
    こんな素晴らしい雑誌があったのですね。
    まずは何と言っても、表紙に書かれている

    『子どもは大事、わたしも大事』

    これ、いい言葉だなあと思って、もしかしたら、今の世の中でこうした思いを抱いてはいけないのではなんて、感じている方もいらっしゃるのかもと思うと、こうした表記ひとつだけでも、とても大きな勇気を貰えますよね。

    早速、見返しを見ると、あっ、工藤直子さんだ。
    なんでも、十五年間に渡って、「こどものひろば」の選者を担当されていたとの事で、途中にある、「これからも たのしみ たのしみ!」において、亀村五郎さんから選者をバトンタッチする話を聞いたときの、ピョンと飛び上がったエピソード、彼女らしい天真爛漫さだなと感じました。

    次に印象的だったのは、植物観察家の鈴木純さんのコーナーで、あれっ? これどこかで見たことあるなと思ったら・・以前読んだ『まちの植物のせかい』と同じ方だと気付いて、しかも、写真と台詞で紹介する構成も一緒だし、これは何か得した気分♪それから、「オオイヌノフグリ」。これは庭で見たことあると思い、早速見つけたのはいいが、私の視力では雌しべまで細かく見ることが出来ず、ルーペ買わないといけないな。


    そして特集は、『守れているかな 子どもの権利』で、これが私にはとても考えさせられる事が多く、私自身も救われた気持ちになれた事は、これからを生きていく上で、とても大きな励みになったと実感しております。

    弁護士の間宮静香さんによると、まずは概念を理解することが大事ということで、それは

    『子どもは、親とは独立した別の人格である』

    ということであり、そこには、親は子どもの将来ばかり心配しがちだが、今を生きる権利が子どもにはあることや(子どもの力を信じることが大事)、自分では気付かずに親の欲望を叶えようと頑張っていて、そのことに親も気付いていない、いびつな状態等が(『コントロール欲求』といって、子どもに良かれと思って先回りするのはほとんど自分の為だそうです)、該当します。

    しかし、そもそも私は、「子どもの権利条約」なるものも知らなくて(日本は1994年に批准)、その中でも特に重要なのが、『子どもの意見表明権の保障』と、『子どもの最善の利益』であり、前者は、親や教師に意見を言っても良いということで、後者は、大人は子どもにとって最も良いことを考えるということで、それらには、親は自分に権力があるということを自覚することが大切であるとの事だが、これは、もっと広く知られるべき大切なことだと感じまして、私の学生時代には思いつきもしないというか、そもそも、あり得ないことだと勝手に解釈していたのがね・・ま、今となってはいいんだけどさ(そもそもまだ批准してなかった)。それでも、これからの人達には是非知っておいて欲しいし、子どもらしく健やかに生きていけるように願いたい。

    また、子どもの権利を知っていると、育児が楽になるということも書かれており、これは何をすべきか指針が明確だからだと思われます。

    それから、もう一つ重要な事は、

    『家庭や学校以外に、もう一つ子どもに居場所を作ること』

    だそうで、これは、親からも学校からも離れて、その子がありのままでいられるような場所が必要で、学校の問題は、ときに親に大きな動揺を与えてしまうこともあるからだそうです。なるほど、そう言われてみると、確かに私も高校早退した時、そういう場所が欲しいと思ったこともあったな(実際に公園とか行ってました)。

    更に、私の過去の体験にも該当したことの一つに、『子どもにレッテル貼りをすること』があり、子どもは自分で変わっていく力があるのに、そうすると
    、そこから身動きが取れなくなってしまうそうで、その結果、『親の不安が子どもの未来の可能性を奪ってしまう』ことにもなりかねず、これは、親が子どもの変化や成長を待てないことが原因だそうです。

    それともう一つ、気になった事は、親が不満を言わなければ子どもは気にしていないことが多いのに、親の言葉を聞いて、子どもは不安になるということには、私も心当たりがあり、何か大人の中での決めつけた事と、私の気持ちが一致していない感じというか、そもそも私の事、信用してないんでしょ? と感じることは多かったですね。まあ、とはいっても、全ての事が該当するとは思いませんし、そこには、親の言葉の選択や伝え方と子ども自身の性格もあるとは思います。

    そして、そんな中から様々な形で発生する悩みや、問題自体は、必ずしも結論を出すことにこだわる必要はなく、一緒に考えた手応え自体が子どもの財産になるそうで、これは私も嬉しいだろうなと思いました。


    ここからは、その後のコーナーで印象的だったことを書いていきます。

    ツルリンゴスターさんの「うまくやりたいとは思いつつ」の、『子どもの話は夫婦で共有していいか、本人に確認してからする』には、子どもの事、とても親身に思ってくれていて、良いと思った!

    「山脇百合子さんと母の友」は、60年にわたり「母の友」と関わってきた、彼女の『自然な謙虚さ』や、姉の中川李枝子さんの、『百合子の絵は人柄そのままかもしれない』が印象的。

    沖永良部島の昔話、「山の神とこども」は、試されているような感じがどうもと思いつつ、どんな状況においても、自分を持ち続けることの大切さ(プラス人の好さ)を教えてくれて、これは読み聞かせした時の子どもの反応が楽しそうな作品なので、お子さんがいらっしゃる方は是非。

    まるやまあやこさんの「絵本作家の自由帳」、素敵!
    星の光とタンポポの種が同じくらいの神々しさに思われるし、あるいは、星の光を取り入れているから、キリンが心地良く寝られるような綿毛の布団になってるのかなとも感じさせる、これが自由帳なのだから、やはりプロは凄い。

    「絵本のひみつ」は、表紙の「きんぎょが にげた」の五味太郎さん。初めて、こどものとも単行本シリーズに於いて、背表紙を白一色ではなく、緑色にしたそうで、その固定観念から軽く逸脱できる発想力と子どもを思う気持ちは、絵本作家さんなのだなと。

    岡田千晶さんの絵も嬉しかった、「園の子どもたち」の勝浦いづみさん。一歳児クラスの子どもたちは、言葉無き世界から、言葉を通して意思疎通する世界へと歩みを進めていくって、もう一歳児からなんだって、私には改めて新鮮な情報だった。

    「かずをはぐくむ」の森田真生さん。夫の出張のように、妻にも定期的に『旅』に出かけてもらうことで、互いに支え合う喜びを分かち合えることが、ともに生きていく上での支えだったことに加えて、自分が誰かの役に立てていると感じることの喜びを知ったことには、旦那さんも辛かったんだなと。でも、こうしたコミュニケーションから始まる新しい発想は大事にしたい。

    「Books」で紹介されていた「ふたりたち」の、『自分はひとりだなあ、という人が、さみしくならないような本を作りたかった』を読み、思わず涙腺が緩くなりそうに。読もう。


    「この一年、この言葉」より

    東直子さんのエッセイ、「一緒に生きる 親子の風景」より。
    『子育ては実は本能ではなく、理性と知性でコントロールするものです』に心動かされた。
    本能でできるもんだと思い込むとうまくいかない、確かに説得力のあるお言葉だと感じ、これに救われた子育て中の方も多いのでは。

    東畑開人さんの「幼い子と共に生きるヒント」より。
    『誰かが「それは苦しかったね」と言ってくれるから、ああ、自分は苦しい目にあっていたんだと感じられる。「自己肯定感」というのも本来はそういうものです』には、目から鱗の思いだし、おそらく、とても救われた気持ちになる。

    ryuchellさんの「気になるみんなの24時間」より。
    『お互いの肩書きとか性別とかを見て判断するのではなく、目の前のその人を見ることが大切だなって思います。でも、例えそれがうまくいかなくても、その人のせいじゃない。それって、社会の植え付けだと思うんです』。こういうこと言ってくれる人が、もっと増えてくれればいいのになって思う。

    本田秀夫さんの「幼い子と共に生きるヒント」より。
    『私は発達障害とは、病気というよりも、単に少数派である、ということだと思っています。障害が生まれるのは、多数派に合わせようと無理をしたときなんですよ。もしその子がその子の個性のままで生きていけるのであれば、それは発達“障害”とは言えないのではないかと私は思っています』
    こうした気持ちを私も持ち続けていたいと思う。


    最後に「編集だより」にて。
    「母の友」と「こどものとも」の創刊編集長であられた、松居直さんは、戦争中に三人の兄を亡くし、学校では『男の子はお国のために死ぬものだ』とずっと教えられていたが、戦争は終わって、生きることになったけれど、その方法を習ったことがないから困ってしまい、『生きるってどういうこと?』が松居さんの生涯のテーマとなり、その思いは、創刊したそれぞれの本にも投影していたことを知り、それらを通して、『生きるということをみなさんとともに考えたい』という気持ちがあったから、こうして2022年で創刊70周年を迎えた「母の友」も、これだけ長く愛読され続けてきたんだなと実感し、更に、

    『生きることは平和と関係がある。戦争とは関係がありません』

    のお言葉は、決して忘れることなく、一生考え続けるべきテーマだと感じ、これからも「母の友」を読み続けようと、心に誓いました。

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    2023年04月21日
  • 母の友2023年2月 特集「これからどうなる? 子どもとお金」

    Posted by ブクログ

    特集は『子どもとお金』
    私は現金を使わないし、家計簿も面倒で続かない…。子どもにお金の大切さを上手に教えられる気がしない。

    2023年2月号である。気づけば、新しいデザインのお札が出る前の発行である。と言っても、私はほとんど現金を使わないので、新しいデザインのお札はまだ財布に入っていない。当然、子どもにお金を見せる機会は「わざわざ作らない限り訪れない」レベル。
    私の子どもが通う保育園では、年長になると「お買い物体験」をやるらしい。仮想通貨のごっこ遊びではない。本物のお金を持ち、スーパーで本当に買い物をするのだという。まさに「はじめてのおつかい」状態。さてさて、どうなることやら。

    小林エリカのエッセイで〈私のような軟弱な人間でも、ユーモアをもってして明るく気軽に抵抗できる会話練習帳みたいなものがあったらいいのに〉と書いてあったのが「それ、私も欲しい!」と思った。
    〈相手が思わず笑ってしまって、それからふっと気づけるようなやつ〉
    夫と過ごすなかで、こういう1冊があったら本当に欲しいと日々思う。どなたか「これはどうでしょう?」という本をご存知だったら教えて欲しい。

    死後くんのエッセイも、諏訪部順一が書いていた『ひとまねこざる』の黄色い帽子のおじさんの話もよかった。

    一般の方からの投書コーナーで「やりかけが積まれていく」ことに共感した。
    ハイハイしながら桜の葉やサルスベリの花をつまんで見せてきてくれた娘の姿を見て、枕草子のうつくしきものの情景を思い浮かべる方がステキすぎた。

    牛乳パックで作る〈ハンペルマン〉
    これ、絶対うちの子どもたち好きなヤツ!
    かわいいし、おもしろそう。雨が続く時期になったら作って遊びたい。

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    2025年05月27日