S・A・コスビーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一作目『黒き荒野の果てに』もパンチ力があったが、『頬に哀しみを刻め』は文句なしの凄玉だった。白人と黒人の双方とも息子を殺された父親というダブル主人公。しかも息子たちの関係はホモセクシュアルであったという、社会的受難を二重三重に受けた中年二人が、人種の壁を乗り越え協力して犯罪者であり差別主義者である連中と闘ってゆくあまりに胸アツの作品であった。毎年一作ペースで、今年も例によって一作、そして毎度のことながらテーマは人種間の軋轢、差別、そしてそれが起こす犯罪である。しかし、本書は一つの犯罪だけではなかった。読者は、ある街の過去にまで遡る犯罪の犠牲者たちの堆積、そして現在も起こる山のような人種差別の
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Posted by ブクログ
XのTLで見かけて気になったので読んでみました。
思っていたのと違っていた。笑
ジャンルとしてはハードボイルドになるかと思います。
暴力シーンが苦手な方は厳しい気がします。
(結構な頻度で出てくるからね)
ストーリーに目新しさはそんなにないのですが、同性(男)同士の夫婦(カップルって言ったほうがいいのか?表現が困る)が何者かに殺害されたところからストーリーは始まります。
彼らの父親二人が手を組んで復習するべく犯人を捜す、というもの。
被害者がゲイの夫婦、というところが今どきっぽいです。
LGBT、人種差別、親子関係、裏社会と重いテーマが何重にも重なっています。それだけのテーマを扱っているの -
Posted by ブクログ
ネタバレこのミス海外編の1位ということで読んでみました。
息子を殺された二人の父親の復讐のお話ですが、LGBTへの差別が大きく関わっています。
基本的にはマッチョなアメリカの復讐劇ですが、そこにLGBTを含む様々な差別がベースになっているところが今風かなと思いました。
竹蔵が感じたのは、日本ではありえないくらいの警察の捜査のずさんさかな。
LGBT夫婦であった息子たちが生前は理解できなかった父親たちの懺悔の思いが何度も出てきますが、もし息子たちが殺されなかったら息子たちとの関係は断絶したままだったはずで、そういった想いが何度も何度も語られるのがちょっと???ということが評価があまりよくない理由です。あ -
Posted by ブクログ
アメリカでミステリー賞を数多く獲得し、日本でも話題のS・Aコスビーの最新作である。
結婚して夫婦になった二人のLGBTの息子達が突然銃撃され惨殺される。
黒人と白人の彼らの父親が衝撃と絶望のなかで、事件を解明し犯人を探し報復する話である。二人は息子達への生前の暴挙やLGBTへの無理解や差別を後悔し罪滅ぼしで命懸けの復讐をする。
息子はかつての恋人(女性)が大物政治家の二代目と付き合い、性癖と異常な権力欲を知り別れさせようとするが、二代目は大事な選挙中のため露見を恐れて、凶悪な犯罪組織を使って関係者を抹殺すべく夫婦を殺害した。
冷酷な組織の暴力や殺人の描写はフィクションとはいえどぎつく、LG