S・A・コスビーのレビュー一覧

  • 黒き荒野の果て

    Posted by ブクログ

    頬に哀しみを刻めが面白かったので、読みました。今作も過激でハードなアクションたっぷりのクライムサスペンス。終わり方も良かった。

    0
    2024年10月27日
  • 頬に哀しみを刻め

    Posted by ブクログ

    「アメリカ」の善悪、美醜、正邪、愛憎 等の全てをぶち込んだような小説。「アメリカ」が書いたような、「アメリカ」だからこそ書けたような、救いようのない分断と…愛の物語。

    0
    2024年10月09日
  • 黒き荒野の果て

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ボーレガードは車の修理工場の経営者であり、凄腕の運転技術を持つドライバーでもある。
    生活は厳しい。
    同業者に客は奪われ、子どもたちはお金がかかる年頃だ。
    このままでは取引先への支払いもできず、破産に追い込まれそうな状況で、一攫千金の仕事が舞い込む。
    ストーリーはシンプル。
    だが、読ませる。理由は登場人物たちが、欲望に満ちた、正直な人間の姿として描かれているからだろう。
    ボーレガードは父親の残像に縛られ、社会的にも真っ当な能力があるにも関わらず、犯罪に手を染める。
    なぜなら「金」が必要だからだ。
    このままでは修理工場は倒産し、子どもたちに良い教育を受けさせてやれない。
    では、どうして犯罪なのか?

    0
    2024年09月23日
  • 黒き荒野の果て

    Posted by ブクログ

    久々に骨太なハードボイルを堪能。
    メインストーリーはありがちな設定だが、主人公のキャラが深く描きこまれていて、生い立ちからくる父親へのトラウマ(ここが少し冗長)、その反面としての現家族への強い想いをベースに、男同士の友情、裏切りがフィルムノワールのように濃厚に描かれている。

    バイオレンスシーンもあって、どこかエルモア・レナードやデニス・ルヘインを思わせるような切なさも漂う。
    歯切れのよい文章が実にうまく、暗いトーンの比喩や暗喩も見事でラストまでじっくりと楽しめる。

    0
    2024年08月29日
  • 頬に哀しみを刻め

    Posted by ブクログ

    元ギャングで出所後は真っ当な商売で幸せだ家庭を築いていたアイク、そして典型的レッドネックのバディ・リー、この二人がバディを組んで復讐のために大暴れする。アメリカ南部を舞台にしたとても痛快な物語だが、ここにLGBTがかかわってくるのがややこしく、秀逸である。3.8

    0
    2024年08月17日
  • すべての罪は血を流す

    Posted by ブクログ

    相変わらずの勢いで、今回も一気読み。宗教色&地域性強め。アメリカの一部地域でブラックとして生きる過酷さを思い知りました。あまりにひどい事件が次々と訪れて滅入ります。タイタスの新しい人生が幸せであるよう祈らずにいられません。前半なかなか登場しなかった弟、いいやつじゃん、と思えましたね。

    0
    2024年07月24日
  • すべての罪は血を流す

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ・あらすじ
    アメリカヴァージニア州が舞台。
    未だ人種差別が色濃く残る南部の田舎町チャロン郡で保安官をしている元FBI捜査官タイタス。
    ある日高校で銃撃事件が起こる。
    加害者の黒人男性はその場で射殺されるが、被害者の携帯電話にあったSDカードから加害者と被害者、そして狼のマスクを被った男たちが黒人の少年少女達を拷問殺害しているスナッフフィルムが発見される。

    ・感想
    流石のコスビー、面白くってあっという間に読み終わってしまった。
    1970〜80年代の話なのかと思いきや2000年代が舞台ということで少し驚いた。
    南部の人種差別というのはここまで根深いものなんだと些細な描写で実感させられた。
    私はア

    0
    2024年07月15日
  • すべての罪は血を流す

    Posted by ブクログ

    S・A・コスビーが描く物語の主人公はやっぱりカッコいい

    本作の主人公はヴァージニア州の群保安官タイタス

    タイタスは就任一周年の記念日にショッキングな銃撃事件に巻き込まれる
    そして、そこから凄惨な殺人事件が続いていく

    連続殺人事件だけではなく、南部の人種差別問題も大きくのしかかってくる
    奴隷制が廃止されているこの地でも今だに差別意識は残っており、白人至上主義も勢力を伸ばしている

    タイタスは保安官であり黒人であるという二重の制約を受けながら難しい捜査に臨んでいく


    そんなタイタスの一番の武器は信じる気持ち

    「おれは怖くない。心配はしているけど、怖くはない。犯人を必ず捕まえることがわかっ

    0
    2024年07月11日
  • 頬に哀しみを刻め

    Posted by ブクログ

    このミス一位で気になったので、手に入れて読んでみた。
    同姓同士の結婚をした息子さんが、何者かに銃撃され殺されてしまった後、2人の父親(アイクとバディ•リーが手を組んで犯人を見つけ復讐を目論む話。
    父親達は、息子が同性愛者であることを受け入れきれず
    、生前息子とまともに向き合えなかったことを後悔していて、読んでいてやるせなさがつたわってきました。
    アイクもバディ•リーも元囚人で、やること考えることアウトロー。
    ギャング達はそんな2人を老人としかみていなく、酷い返り討ちにされてしまいます。
    2人とも人を殺すことに読んでいて気持ちいいくらい躊躇がありません。
    「ジョン・ウィック」程スマートではないけ

    0
    2024年06月25日
  • すべての罪は血を流す

    Posted by ブクログ

    人種差別が色濃く残るアメリカ南部での猟期殺人。新たな殺人が次々と見つかり、黒人保安官の苦悩を感じながら進んでいく。
    次々と傑作を打ち立てていくコスビーに次への期待も更に高まる。

    0
    2024年06月23日
  • 頬に哀しみを刻め

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    タンパーでギャングの頭を潰すシーンで引き返せないことが確定し、徐々にヒリヒリとしていく展開が面白かった。

    0
    2024年06月23日
  • 頬に哀しみを刻め

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    3.5くらい。

    映画「アメリカン・フィクション」で揶揄された黒人が書いた小説ってこんななのかな、と感じた。
    でも、そういうのが今求められてて読まれているのかもしれない。

    コテコテのB級感。昔はワルだった男が家族のために復讐する。コテコテ。
    そこに黒人差別やLGBTQが絡んでくる。

    読むのに時間かかったけど、読めて良かった。

    0
    2024年06月15日
  • すべての罪は血を流す

    Posted by ブクログ

    一切容赦のないグロ描写、緊迫感のある展開、まるで海外ドラマを見ているかのような満足感‼︎

    近年、日本でも田舎での閉塞感や近所問題について話題に上がることが多いが、本作の舞台であるヴァージア州チャロン郡はその比ではない。
    黒人差別が根深く残る地域で黒人初の保安官として暮らす主人公タイタスは、様々な人々に囲まれながらも冷静沈着で良きリーダーとして働く一方で誰にも話していない秘密に対して罪悪感を抱えて生きており、今回の猟奇的な事件を追っていく中で少しずつ心が蝕まれていくことになる。

    タイタスに救いはあるのか、次は誰が殺されてしまうのかとヒリつきながら読んでいたが、非常に満足のいく結末だった。

    0
    2024年06月15日
  • すべての罪は血を流す

    Posted by ブクログ

    ヴァージニア州の高校で教師が銃撃され、容疑者の黒人青年が白人保安官補に射殺された。人種対立の残る町に衝撃が走るなか、元FBI捜査官の黒人保安官タイタスは捜査を開始する。容疑者は銃を捨てるよう説得するタイタスに奇妙な言葉を残していたのだ。「先生の携帯を見て」と。被害者の携帯電話を探ると、そこには彼と“狼”のマスクを被った男たちによる残忍な殺人が記録されていた――。

    ややキツイ描写もあるが、抜群のリーダビリティ。

    0
    2024年06月05日
  • すべての罪は血を流す

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    黒人保安官が主人公で、殺人事件を捜査する中でまだまだ人種差別が色濃く残る南部で苦悩する物語、渋くて良かった。

    主人公は母親が死んでから神を信じなくなったにも関わらず、セリフや地の文でも聖書からの引用がそこら中に挟み込まれる。
    このやり取りがカッコイイです。
    否定しているのにほぼ暗記してるし、間違いを指摘してやり込める会話劇も新鮮で楽しい。
    キリスト教圏の会話ってほんとにこんな感じなのかな、だとしたらかっこよすぎる。
    犯人との聖書引用問答も印象に残った。

    前作はアクション映画みたいだったけど、今回はサスペンス寄りかな。
    面白いし、アクションの迫力、登場人物たちとのやり取りのスリリングさはある

    0
    2024年06月03日
  • 黒き荒野の果て

    Posted by ブクログ

    裏社会から足を洗って家族を守るよき父親であろうとする元走り屋が主人公。
    カーチェイスシーンを文章だけでこんなに魅力的に描ききるのは凄い。手に汗握り引き込まれた。

    0
    2024年05月31日
  • 黒き荒野の果て

    Posted by ブクログ

     主人公は、犯罪に絡む逃走を請け負う元プロフェッショナル・ドライバーで、今は堅気の自動車修理工場の経営者だ。経営は苦しく、昔の仲間から持ち込まれた宝石店強盗の仕事に絡めとられていく。強盗に入った宝石店が組織暴力と関連があったことから、主人公は泥沼のような悪と暴力にはまっていく。


     主人公の父親から続く暴力性が立ち切れず、彼の子供まで悪の素養に魅入られたように染まる。一見、暴力の世界から縁が切れたように見えたが、暴力の血は濃く、きっかけさえあれば見る間に増殖していく。

     主人公の苦悩や暴力のリアリティが群を抜き、物語に引き込まれる。主人公が運転する車のように、スピード感をもったまま終盤を迎

    0
    2024年05月19日
  • 黒き荒野の果て

    Posted by ブクログ

    先日読んだ『頬に哀しみを刻め』があまりに良かったので、その興奮が冷めないうちに前作の『黒き荒野の果て』に手を出した。期待通り、とても良かった。

    作品の根底に流れるものは『頬に哀しみを刻め』と変わらない。主人公バグことボーレガード・モンタージュは、『頬に〜』の主人公アイクと同じく過去に犯罪を犯した黒人男性で、裏社会の「走り屋」のようなことをしていた。現在は中古車修理工場を営み、問題を抱えつつも、家族を愛している。しかし、抱えていた問題が徐々に大きくなり、大金が必要となったボーレガードは、かつての裏社会の仕事に復帰する。仕事を持ちかけてきた相手が信用のおけない男だとわかっていても、選択の余地はな

    0
    2024年05月18日
  • 黒き荒野の果て

    Posted by ブクログ

    まるで映画ワイルドスピードを観ているような犯罪カーチェイスエンターテイメント。
    古き良きアメリカ1970年代マッスルカーが出てきて、やはりこの時代の車はかっこいい。
    ダスター、シェベル乗りたい。

    0
    2024年04月01日
  • 黒き荒野の果て

    Posted by ブクログ

    「V8!V8!」
    『マッドマックス怒りのデスロード』をご存知でしょうか。映画内では車のエンジンが神格化しており、それを崇めるボーイズ達が叫んでるのですが本書を読んでいて中盤からずっとこの声が頭に響いておりました。
    読書に集中したい時は大抵クラシックかオペラを垂れ流しているのですが(音があった方が集中出来るようです)今回ばかりはこれはあかん!とワイルドスピードのサントラを流してました。

    お世話になっている1Q8401さんに『頬に哀しみを刻め』を読んだならこっちもかっこいいおじ様が出るよと教えて頂き、かっこいいおじ様は見ているだけで眼福なので拝読。

    タイトルと表紙から黒人さんの悲哀がまた書かれ

    0
    2024年01月29日