鴨崎暖炉のレビュー一覧
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ー 「だからあれはね、ちゃんとした科学的な根拠のある物理現象なの」
その言葉に夜月が目を丸くして、「そうだったんだ」と呟いた。
「ずっと幽霊の仕業だと思っていた」
幽霊の仕業だと思っていたのか。 ー
こういう何気ないやりとりが好き。
密室を愛する少年と少女の物語り。
タイトルの通り、尋常じゃないくらい密室殺人事件が起こる。
髪を束ねると数秒で密室の謎が解けるのが萌え要素。当然、トリックはトンデモ系が多いかな。
トンデモ度合いは、小島正樹や周木律を超えるかな。彼らをラノベタッチにした感じかな。
続編にも期待!
この手のミステリーなら、今村昌弘先生の次に楽しみだ! -
Posted by ブクログ
ネタバレ鴨崎暖炉のデビュー作。初読の作家。既刊3巻となったので、まずは一作目から。
最高裁の判例により密室が明かされない限り、無罪となる世界。過去にミステリ作家が実際に密室を作ったという、山奥のホテルを訪れた葛白と夜月は、密室殺人に巻き込まれる。また葛白はホテルで懐かしい同級生と再会し…
これでもかというほど密室トリックが堪能できる作品。若干のバカミス感があるトリックもあるが、ラストのトリックはなかなかの物。軽いタッチなのと、説明がわかりやすいため非常に読みやすい。
惜しいのは、一緒に訪れた年上の幼馴染。ストーリー上、巻き込まれるきっかけとなる存在が必要なのはわかるが、正直いなくても…と思うくら -
Posted by ブクログ
面白っっ!!
好き嫌いの分かれる作品だけどハマる人はとにかくハマる、そんな一冊だと思いました
作風も、トリックも
(軽いノリのキャラクター・文章、とんでもぶっとびトリック系、といった感じです)
シリーズ三作目、歴代タイトルを見てもらえればわかるように、巻を追うごとにタイトル内のトリック数が増えています
そしてこれだけの密室トリックを書いてきてなお、披露されるトリックのパワーは増しているんです
文中の一節からも作者の気持ちが伝わります
『つまり最高の密室トリックが八つ入った小説になる。そして、その時点で話の質は関係なくなる。何故なら最高のトリックが八つも入っている時点で、仮にストーリーがど -
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プロローグの時点で、文句なしの星5!
今まで読んだ本の中でもトップレベルに面白い導入である。名前が覚えやすいのも良かった。
解説にもある通り、遊びたっぷりの作品。エンタメ性、ゲーム性に軸足を置いた振り切った設定という言葉もまさにその通り。
イメージするのに体力は使うけれど、実際の現場を思い浮かべながら謎解明の描写を読んでいき、すとんと腑に落ちる瞬間が気持ちよくて癖になる。
ただ本当に、エンタメ性とゲーム性に振り切ったが故のライトノベル感のノリだけがどうしても残念に感じた…。でも、それを含めても面白かったので星5。
続編もあるから楽しみ〜! -
Posted by ブクログ
ネタバレ小説として読ませる、というよりもなんかメディアミックスを前提にした感じがしなくもない。悪い意味ではなく。そのあたりにラノベ感があるのかもと思う。設定自体はぶっ飛んでるのかもしれないけど、作中においてその設定自体はむしろ論理的でさえある。そしてそれは密室にとことんこだわるためのものなわけで、徹頭徹尾論理性のみを追求したと言えそう。
その分、なのかはわかんないけど、時々出てくる「私、気になります」などのおちゃらけがより際立つのかもしれない。
トリックとしての完成度がどうかという専門的な判断は下せないけど、それでもなるほどなるほどと感じ入った。ただ、例えば料理において作り方にこだわれば美味しくな -
購入済み
密室トリックのデパート
密室トリックが目白押し!
密室、密室、密室、密室、密室、密室。
密室好きにはたまらない密室ミステリィ!
多彩な密室のオンパレードで、最後まで飽きさせないとは、なんとも贅沢な一品です。
密室トリックの可能性について、前向きな姿勢が随所から感じられ、前途有望な作家さんとして今後の活躍に期待が持てます。
登場人物のミステリィに対する思いが、これまた魅力的で、キャラクターの掛け合いが楽しい。西尾維新先生の物語シリーズなどのノリが楽しめる人には刺さるはず。
ふと、駄洒落で人物名を憶える夜月を見て、剣崎比留子がパッと浮かび、『屍人荘の殺人』がお好きな作家さんなのかな? と思っておりましたら、解 -
Posted by ブクログ
ー 「だって、あなたがあの密室の謎を解かない限り、この物語は終わらないのだから」
そうだ、きっと僕たち二人の物語は終わらない。僕たちの密室を巡る物語は。
「良かったわ、あなたがあの日の約束を忘れてなくて」
今、部室の入口からこちらを覗いている蜜村は、どこか安堵したようにそう言った。 ー
大富豪が主催する絶海の孤島で繰り広げられる『密室トリックゲーム』中に実際に密室連続殺人事件が!
と、こすりにこすられたテーマでとにかく密室ずくし!
最高にイカれたトリックとあくまでフェアな描写。
叙述トリックは使ってないと力説するところも相変わらず変態的にこってる。
2作目も面白かったなぁ。 -
Posted by ブクログ
ー 三年前に蜜村が使ったトリックと、同じトリックが使われた密室に。かつて彼女が文芸部の部室で語った『究極のトリック』が使われた密室に。「私がお父さんを殺したの」―
一年前の夏の日に、彼女が僕に語った言葉。夏の茜色に染まった路地で、彼女から聞かされた言葉。そして僕はあの日から、彼女の残した密室の謎に執着した。まるで恋に落ちたように。あの日から僕の生活は、彼女の密室を中心に回り始めた。
思春期の男子が、中二病のラノベにハマるように。お気に入りのアイドルグループに執着するように。あるいは気鋭のミュージシャンに憧れ、ファッションや口調を真似るように。僕にとってはそれが、蜜村漆璃の密室だった。 すべ