佐藤眞一のレビュー一覧
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ケアとコントロール
介護という行為そのものに内包されざるを得ないような「コントロール」→拘束・虐待へと
介護される側は、介護者への返報(ケアの気持ちに対するお礼)ができない状況が続くと、ケアを受けることに心理的な負担が生じる(お礼もできない…という精神的な「借り」)。この負担感が苦痛に、そして自分に対する支配に(介護者にコントロールされている)と感じてしまうようになる。認知症の本人が自分の認識では、自分には非がない(その記憶がない)のに、責められる、という感情的支配に屈する、介護者に服従せざるを得ない
一方介護者は、相手からの返報が期待できないことから「報われない」行為と感じ、愛情や思いや -
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■認知症の周辺症状(BPSD)
・中核症状
(以下の認知機能の障害)
学習と記憶、言語、知覚・運動、複雑性注意、遂行(実行)機能、社会的認知
・行動症状
多動・徘徊、暴言・暴力、無為・無反応、不潔行為、異食、性的逸脱、介護拒否
・心理症状
抑うつ症状、自発性の低下、不安・焦燥、幻覚、妄想
■物盗られ妄想の心理的な原因は、「自己防衛」。
■記憶
├長期記憶┬非陳述記憶┬プライミング記憶
│ │ └手続的記憶
├短期記憶┴陳述記憶─┬意味記憶
│ └エピソード記憶
└感覚記憶
その他─展望記憶、自伝的記憶
・陳述記憶とは体験したことを言葉に表せ -
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施設介護編。妻がグループホームにお世話になっており
2日に一回の面会を続けている。職員さんともよく話すし、同じユニットの入居者さんたちとも言葉を交わす。ホームの運営推進会議にも参加させてもらっている。
一年を越えてそんな暮らしをしているといろいろなことが見えてきて、考えたことをホーム長さんとLINEで交わすことも多い。
本書はピタッと来る。介護という大変な仕事を続けている人たちを大きく頼りながら、施設の改善や認知症への理解を少しずつでも共有することの重要性がわかる。
作者の小島さんが国のやり方に吠える(笑)のは痛快だし同感だ。自分も同行する。 -
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4年前に読んだ「マンガ認知症」(ニコ・ニコルソン/佐藤眞一)の続きとして出された「マンガ認知症【施設介護編】」が発売されたので、読んでみました。
前作と同様に、ニコさんのおばあさま(愛称:婆ル)の介護を題材に、ニコさんのわかりやすい漫画と、専門家による丁寧な情報を、ぎゅっとまとめた読みやすい本でした。漫画だけじゃない、専門家の話だけじゃない。その両方があることが重要!(ほんとにわかりやすい)。
前作では、認知症になった婆ルを在宅で介護し、最終的には、「そろそろ介護施設を選択肢に入れてみましょう」というところで終わっていたんですが、今作では、その「介護施設」について詳しく書かれていました。
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新書なのにマンガ!?
そしてたった2年で13刷!!?
さらに認知症というテーマに惹かれて手に取った。
結論。一家に一冊、絶対あるべき…!!!
本書は認知症について、認知症の人はなんでこんなことをするの?それに対して周りはどう対処すればいいの?…などといった疑問や認知症のメカニズムについて分かりやすくまとめられた一冊。
しかもマンガを担当しているニコ・ニコルソンさん(通称ニコルさん)と認知症研究者であり本書の解説パートを執筆されている佐藤先生は2人とも認知症の方の介護経験者。
マンガパートでは、ニコルさん・主な介護者である母ルさん、介護される側で認知症の婆ルさんの日常生活に佐藤先生が訪問して -
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認知症とは脳の萎縮による脳の機能障害、脳の損傷なのだ、ということが最初に提示される。脳はその部位によってそれぞれ司っている役割が異なり、認知症も委縮が始まる部位によってその症状が異なってくる。こういう初歩的なことを知っているだけでも認知症になってしまった人に対する心構えに余裕がもてる。ひと昔まえに認知症が痴呆症と呼ばれたこともあり、つい先日まで、あるいはついさっきまでふつうの言動や行動をしていた人が異常な振る舞いをすることで、正直われわれは怖いのだったが、こうして冷静に脳の機能の一部が壊れているだけと知ることで、認知症の人もその一部を除けばいままでと変わらないその人自身なのだと思うことができる
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ネタバレ久しぶりに実用書として手元に置いておきたい本に出合えました。
ここまで深く認知症の人のことを考えたことはなかったので、頭をガーンと殴られたような感覚でした。
認知症にも種類があり、また、同じ種類であっても人によって出現の仕方、行動パターンも違い、10人いたら10通りの認知症があるとは知っていましたが、当人たちの孤独、不安がとても伝わってくるようでした。
私たちは、一般的に、認知症の症状を目にしても「困った行動だ」「何度も言ってるのに」という自分目線で見てしまいがちになりますが、反対に当人にとっては、どのような状況に置かれてそのような行動をとっているのか、ということが例を挙げながら詳しく解説 -
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U-NEXT
満腹になる機関が衰えるため、異食なモノでも食べてしまう。
対策→他のものを食べるのを勧める。または弄便や異食がでできたら施設での介護を勧めてもよい。身内に支援してもらうのはプライドが許せない人もいるからだ。
⚪︎認知症の人の行動でも何かしらの意味や目的があって行動を行う、違う視点での見方が大事。
⚪︎認知症ではない人は大雑把に言うと現在、未来を生きている、一方認知症の人は、過去を生きているから、夫の所に帰らなくちゃと思う。今の家は知らないから。
⚪︎見当識障害や記憶障害で時間や場所も家族の顔もわからなくなっていく。
⚪︎考えていることがわからない
→心の理念が壊れる。思