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Posted by ブクログ
読めば、優しくなれる本ではないか。認知症の人に対してだけでなく、すべての人に対して、である。
本書においては、認知症とはどういうものか、認知症の人には世界がどのように見えていて、何が起きているのか?ということから、我々の目には奇異に映ったり、つい突き放してしまう、所謂「問題行動」の背景や、その行動に至る心の内、どのように接したら良いか?を解説する。
読み通して、認知症とは、とにかく、孤独に追い込まれてしまいがちな、怖く、また、気の毒な病気なのだなと感じた。自分だけが違う世界に放り込まれてしまったような怖さである。
特効薬もない現状では、本書のように、介護者や周りの人たちが認知症を理解し、相手の状況を考慮し、心情を想像し、工夫してコミュニケーションに取り組み、共に生きていくことが一番の支えなのであろう。
冒頭に、認知症の人に対してだけでなく、と書いたが、様々のことを知ったうえで、相手の心情を想像しながら、共に生きていくこと。これは例えば障害を持つ人、子供を持つ人、老若男女、どの人に対しても重要なことである。過度で悪い意味の「個人主義」(自分さえ良ければオールオッケー)とでもいうべきものが蔓延している現代においては、相手に対する想像力、また、その想像力を働かせるためのバックグラウンド(教養)が特に重要な意味を持ってくると感じる。
読書体験というのは、そういう、自分の知らない世界に生きる相手に対する想像力、そして教養を培ってくれるものである。
本書を読んで、実にいい読書体験ができたと感じる。
Posted by ブクログ
本文より抜粋。
認知症になれば、運転に適さなくなります。しかし、長年運転してきた人にとって、車は単なる移動手段ではありません。社会人になって、初めて買った車。その車に恋人を乗せて行ったドライブ。失意の中、一人車を走らせた夜の道。子どもができて、家族で遠出をしたときのこと。さまざまな思い出が、車には詰まっています。(中略)車を運転できなくなるとは、自由を失うことであり、幸せの象徴を失うことでもある。
老いとは、プライドとの闘いです。老いて弱っていく情けない自分と、人生の荒波を乗り越えて生き抜いてきた誇り高い自分。2つの自分の間で揺れ動き、引き裂かれそうになって、必死に闘っているのです。
認知症の人と介護する人は、一緒にいるのに違う世界、違う現実を生きています。認知の違いがズレを生むのですが、このズレが、認知症の人のアイデンティティを崩壊させ、孤独にしていきます。
(・物忘れなんてしない!あんたが財布を盗った!
・ここは私の家!私が責任を持って回してきた!
・こんな人たちと一緒に住むなんて!
→周囲から批判されたり、指図されたりする。多勢に無勢でそのズレによる溝は埋まらず、患者の描くアイデンティティが崩れてしまう)
かんそー。
認知症の人の世界を尊重すること。
そして彼らが何も自発的にできないと思うのではなく、まずは笑顔で接することから始めよう。それに同調して楽しくなってくれるから。そうすれば「認知症になった。これから私はどうなるの?」「上手く会話が出来ない」「この人は誰?」「ここはどこ?」という底知れない不安が少し、溶けてくれる。喜びの顔だけは、表情から心がわかりにくくなった脳にもちゃんと伝わるから。不安を取り除く、それが寄り添いの前提になるとわかった。
とても不安なんだよな、孤独なんだよな。
ちゃんと認知症の人たちが何をされたら嫌なのか、どうされたら嬉しいのかを学ぶ。「周囲」がそれを理解しようと努力する。まずは笑うこと。これならすぐにできる。でも続けることは難しいかもしれない。それでも、楽しいと感じる心を、人間は受け継いできたし、彼らが私たちにプレゼントくれたのだから、今度はこちらが笑って、彼らが笑ってくれるのなら、素敵だと私は思う。
本文はもっと具体的な、事例に基づく説得力のある文章です。私のかんそーのような思想を爆発させたものではない(悪しからずご了承)。認知症に寄り添うための、温かく的確な知識が載せられています。是非、読んでみてください。
Posted by ブクログ
私は高齢者の方が多く住む町で接客業をしていますが、たまに認知症の方が何度も来店し何度も同じことを尋ねてくるので仕事が進まないことがありました。しかし、この本を読んで認知症の人とそうでない人の見る世界が違うことが分かってよかったです。
私たちから見ると何度も来店しているのでイライラしてしまい突き放すような言葉を言ってしまいますが、認知症の方から見れば何度も来店したことも尋ねていることも全て忘れてしまっているので店員にキツイ言葉をかけられていることを理解できず混乱し怒ってしまったのかなと思いました。
私たちができることは認知症の方と店員の間だけで解決するのではなく、地域のサポートセンターなど専門知識のある方たちと連携して助け合わないといけないのかな思います。
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ビジネス・実用
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