おさつのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
やばい、子供(中高生くらい?)用の本だと思って軽い気持ちで読み始めたら、だいぶすごい。これは(自分みたいに)本屋大賞などが好きな人は読んでみても良いのではないでしょうか。しかも、すぐ読めますし。
杉森くんを殺したいヒロは、捕まってから動機をきちんと伝えられるよう、その理由を順番に考えていきます。「杉森くんはずいぶん乱暴な嫌なヤツなのかな」と思いながら読み進めていくうちに、感じる違和感。徐々に真の理由は、ヒロ自身の心の問題の解決のために必要なのだと分かってきて、胸がギュッとなりました。
未だに周りの人にどこまで素を出すのがちょうど良いのか不安な私は、普段、大人の仮面をつけて無難にやり過ごして生 -
Posted by ブクログ
ふわーっと読めて、さらっと大事なことが書かれている。
他人軸で生きている時って、自分では他人軸になっているなんて気付けない。よくある話なのだけれど、よくある話だからこそ気付くチャンスがないから、ある意味一番危険だと思う。
たとえばパワハラを受けているとか、暴力を受けているとか、明らかな事実があれば周囲が気付いて助言ができるが(その人が受け入れるかは別として)、日常に馴染んでしまっている小さな抑制、抑圧ほど、目には見えないから他人も本人もスルーしがち。
そのまま一生を終えてしまうこともあるけれど、気付いて人生に変化がもたらされる時は、結局人との出会いと自分で“気付くこと“であると感じた。
ずー -
Posted by ブクログ
自分を大切にして、自分らしく生きること。女性にとっては特に難しいことなのかも。主人公の依里、その周りの人々を見ると、そう思ってしまう。
私も周囲から求められている役回りを、知らず知らずのうちに演じてしまうことがあるなと。
婚約者直樹の死をきっかけに、自分の生き方を見つめ直す依里を自然と応援したくなる物語だった。
そして、要所要所に盛り込まれている「寝具の選び方」や「快眠のコツ」がとても参考になった。
読んでいるうちに寝具専門店で、自分に合った枕を買いたくなってウズウズしてしまって…
近々、見に行ってみよう。
好みの本だったけど直樹の死に関する部分だけは、やっぱり納得いかず不完全燃焼。
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Posted by ブクログ
高級寝具店の内情や商品など新しい世界が見れて楽しかった。ムートンシーツいいなぁ。
男女平等社会とはいえど、給与の男女差や偏見、たまに職場の異性から受けるじめっとした嫌な気持ち、そういったものは改善されているが全くゼロになったわけではない。共感しつつ、現実社会が本と同様にそうであることに対してもやっとしてしまった。
あと、相手がモラハラだとか悪いわけではないが、誰といても保てるだけの自分というのがなくて近しくなった相手の言うことを聞くようになってしまうというのも共感した。
ただ楽しかった、だけで終わるなく、自分のことも周りのことも考えてしまう物語だった。 -
Posted by ブクログ
第62回野間児童文芸賞 受賞作品
『杉森くんを殺す』
タイトルがあまりにも強烈。なのに、表紙絵はとってもかわいい。何だろうこのギャップ。
読み始めると、漫画みたいスイスイ読める。だからといって内容が軽いわけではない。文章がおもしろい。高校生の心情がよく伝わってくる。例えば、男子と女子の距離感の表現。
“わたしの中学では、男子と女子のあいだにはマリアナ海溝くらい深い溝が存在していて、おなじクラスでもめったにしゃべったりしなかったから。”
まさに自分の中学時代が、この表現にドンピシャだったのでビックリ!
主人公のヒロは、高校1年生。親友だった女の子(呼び名が杉森くん)を自死で亡くしている -
Posted by ブクログ
婚約中の彼を事故で喪い、しかも彼が年上の既婚女性と共にいたということで眠れなくなった女性が、デパートの寝具売場で働くことになります。
読んでいくうちに、自分に合った枕、マットレス、掛布団って、熟睡するために大切なんだなと改めて思いました。著者が以前寝具店店員だったこともあって、寝具の選択はその人の頭の大きさや体型などと関わりがあることなど、詳しく書かれていました。
小説では、わかりやすいセクハラとパワハラ、そしてわかりにくいモラハラについても書かれていました。人を愛することは、その人の気に入るようにすることではないと気づかされました。
悲しみと共に過ごし、語り合い、向き合い、そして自分を -
Posted by ブクログ
ネタバレ引き込まれて2日で読み終えた。辛くをも大好きな人に出会えて、大切にしてもらえたと主人公依里が深く思うシーンがよかった。亡くなった婚約者と住んでいた部屋で、亡霊のように婚約者が出てくる描写がなんかリアルで切ない。だんだん、婚約者が亡くなった時の様子が分かっていく構成が面白く、状況が分かった時は悲しかった…かつ結局本当のところの真相は分からないまま、それでも一緒に死ぬなら自分がよかったと依里が言うところは悲しい。自分だったら立ち直れない。
寝具店で一生懸命働く姿もよい。最後、モラハラ云々でてくるのはなんか違和感があったけれど、全体的に静かで、描写が綺麗で、悲しいんだけど悲しくなりすぎないところが良 -
Posted by ブクログ
ネタバレなくして感想が書けないような内容なので、人に勧めたいが説明が難しい。
なんか生きづらくない?と思ってる人は共感できるはずなので特にお勧めします。
ジャンルとしては、若者の心の成長を描いたヤングアダルト向け小説である。
しかし、上から目線などは一切なく、どこかすっとぼけているような、ページをめくるごとに心の海に潜水していくような、楽しさと怖さが入り混じった感覚に陥る。
とはいえ「楽しい」が7割くらいなので肩の力を抜いて読んでほしい。重いテーマを軽口で語りきったところが本当に素晴らしい。
おさつさんの究極的に可愛いイラストも、世界観とよくマッチしている。
主人公の周りの友人たちとの会話