グレゴリー・ケズナジャットのレビュー一覧

  • 鴨川ランナー

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    「きみ」という二人称で書かれた文体は、日本語の一人称に当てはめられない主人公を表しているとも思ったし、主人公が受けているような、他者からの「この人はこう(留学生)(観光客)(日本語がわからない人)だろう」という決めつけの視線を読者が主人公に向けているようにも思った。

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    2025年08月31日
  • トラジェクトリー

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    新作、待っていました。
    そして、再び芥川賞候補で。

    今作のタイトルは英語。
    やはり、テーマは日本と海外に住むという視点。
    著者だからの独特の感性が、日本語で気負いなく綴られている。

    2編目「汽水」、小泉八雲が登場するとは・・・
    蒸し暑いこの夏に読むにはピッタリ。

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    2025年08月18日
  • トラジェクトリー

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    文學界2025年6月号のものを読んだ。アメリカ人英語講師の日本でのモラトリアムとその視点を通した平坦な(退屈な)日本の日々。作品内では日記を含めたカワムラさん的なものが日本の象徴なんだろう。

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    2025年07月18日
  • トラジェクトリー

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    芥川賞候補作
    読みながら、不思議と諸行無常が浮かぶ
    読みやすいし共感もできる
    主人公が、自分の祖先が相当変わり者で人間嫌いと考察するところは笑った
    たしかにその通り
    自分の居場所を異国の地でなんとなく探している、母国に帰るのもしっくりこないみたいなモラトリアムをけっこう湿っぽく描いてる

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    2025年07月06日
  • 鴨川ランナー

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    外国の人から見た日本、特に閉鎖的な京都(南丹市、京都市内)の人間関係がつぶさに書かれててとても興味深い。外国から来て日本に馴染もうとする方と、周りと外見が違う人への畏怖と、乏しい語学力のため意思疎通を放棄してしまう日本人のどちらの気持ちもわかる。そして筆者の公正な書き方でその日本人に対してもそこまで嫌悪感を感じない。

    とにかく筆者の日本語、古典文学への造詣が深く凄みを感じる。最初は「きみは〜」から始まる文体がラスト近くになると極端に少なくなるので、あえてこの文章表現を選び日本語の上達していく様子を暗に伝えているのがわかる。
    短編ニ編のうち、後編異口でも日本語と外国語の表現に極限まで悩まされた

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    2025年03月14日
  • 鴨川ランナー

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    著者の、ガイジンとしての疎外感や葛藤が織り込まれた小説。翻訳ではなく日本語で綴られているというのが新鮮。

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    2024年12月01日
  • 鴨川ランナー

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    二人称で描かれた硬質な文体に、筆者と思しき主人公が異郷の地に溶け合うことなくいつまでもストレンジャーであることの苛立ちがうかがい知れる。特に京都はわれわれ日本人でさえ他府県人であれば「よそ者」視されている感は否めない。この作品の視座にこれといった目新しさはなく、辛口なようだが外国人が日本語で書いた作品ということが新鮮なだけのように思える。

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    2024年09月17日
  • 鴨川ランナー

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    言語は本来コミュニケーションのためにあるけれど、この物語のなかで言語は上滑りして、お互いの仲立ちとはなってくれない。主人公のやるせなさが伝染して、ちょっとしょんぼりしてしまった。ていねいで静かな文章。
    非母語で書くとき、思考に変化はもたらされるのだろうか。

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    2023年11月05日
  • 開墾地

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    イラン人の養父との血縁に因らない関係に、「そして、バトンは渡された」を思い出した。でもこの物語の中心にあるのは家族ではなく、言語。飛び交う言葉とその言葉が纏うものから意識せずとも意味を読み取ってしまう母語と、意識しなければ音の連なりでしかなくなる言語のことが、繰り返し語られる。主人公にとって、母語は愛しかったり、優しかったりはせず、かえって自身を閉じ込めるものに感じていて、その感じ方が新鮮だった。
    訥々としたふたりのやりとりが、ちょっとせつなくて、おだやかで、気持ちよかった。
    蔓延る葛の葉、越境者のメタファーなんだろうか。

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    2023年11月05日
  • 鴨川ランナー

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    あとから習得した言葉を使って、ここまで書けるんだ!という感心もさることながら、小説として完成されたストーリーがすんなり入ってくる。京都は学生時代に通った場所でもあり、少しだけ懐かしみを覚えながら読んだ。

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    2023年06月12日
  • 開墾地

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    英語圏で育って日本語の世界で生活する著者
    アメリカに帰り、父親との暮らしの中で
    父親と従兄弟が話すペルシャ語を不思議な感じで
    聞いた子どもの頃を思い出す
    英語が十分に話せなくて、いろんな対応をされる父親
    そして、言葉の間で生きる自分
    祖国と言語、微妙な、そして繊細な表現

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    2023年05月07日
  • 鴨川ランナー

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    「僕」ではなく「君」という表現。外国人からみた日本。そういう捉え方、感じ方もあるのかと、新鮮ではあった。

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    2023年05月02日
  • 開墾地

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    これは何とも、想像以上に繊細な話だと感じさせられて、共に日本生まれの日本人である、両親に育てられた私には、その気持ちを推し量ることが、きっと出来ないであろうと痛感させられ、今回、フィクションとはいえ、こうしたケースも世界にはあるのだろうと窺い知ることが出来て、良かったと思う。

    本書の主人公「ラッセル・シーラージ」は、アメリカ生まれのアメリカ育ちで、彼が二歳の時、母親が、ペルシャ語を話す現在の父親と結婚したものの、七歳の時に母親が出て行ってしまい、それ以来、育ての父親と二人で暮らしてきたが、その後、日本の大学へ留学し、それから十年経過した現在、就職活動すべき時期にも関わらず、彼は生まれ故郷に帰

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    2023年04月25日
  • 開墾地

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    言語、世間、社会、家族
    自分たちを取り巻いているものに対して、かんがえながら読みました。

    物語に出てくる事象や事柄がまさにそれを想像させるようなものだと感じます。

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    2023年03月30日
  • 開墾地

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    イラン人の父親を持つラッセル。米国で生まれ日本で勉強している。ラッセルは父親が生活する米国サウスカロライナに渡り、そこで自分のアイデンティティと向き合うことになる。サウスカロライナの実家の周りには葛が自生し、庭や家を包み込もうとする。日本の家屋にも葛の蔓が壁を伝うが、ラッセルの実家では毎年焼き払わないと家が葛に侵食されてしまう。キリギリスは英語でkatydidなのに、葛は英語でもkudzuで通じる。日米の両方で生きるラッセルは、物の違いと同一性を感じたのだろう。そして自分のルーツに思いをはせる。私はこの作品を正しく読み解けたか分からない。表面をなぞっただけかもしれない。何かしら感じるものはあっ

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    2023年02月27日
  • 開墾地

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    芥川賞候補とも、葛が怪物化しているとも知らず。心の落ち着きどころ探し小説?
    家が燃えちゃうんじゃと心配に。

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    2023年02月13日
  • 開墾地

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    書籍出版前なので、群像2022年11月号で読む。
    イランからアメリカに移住してきた男の息子は、いま日本に留学している。

    休みに父親が暮らす南部の町に帰省してきた息子が、南部の開墾地で暮らす父親との生活で交わす会話と、感じたことを通じて、複雑な環境を描いている。
    これは作者の個人的な記憶による私小説的作品のようだ。

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    2022年12月26日
  • 鴨川ランナー

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    京都が舞台の作品と云うことで読んでみた。なかなか面白い観点。ただ、私は二人称の文章は疑問だな。一人称の方がすっきりする。それはともかく、日本における白人の受ける対応はなるほどねえと思わせるものがある。ただ、異国に暮らすとそのような話はどこでもあるもんだわ。私も海外に住んでる間、ステレオタイプの対応をたびたび受けたことがある

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    2022年05月01日
  • 鴨川ランナー

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    表題作よりもう一つの「異言」の方が良かった。
    表題作はまだ練習中といった印象を受けた。

    しかし、日本語で話しかけている外国人に、そんなに英語で返事するのか、日本人は。というか、外国人(欧米人ね、はっきり言って)に積極的に近づく人はそうなんだろうね。なんだか気の毒になってしまった。

    表題作もそうだが、「異言」は特に日本に来て日本語や日本人や日本文化に触れたいと思っているのに、阻まれてしまう孤独ややるせなさが伝わったし、(牧師を演じる主人公も、それを求める日本人も)滑稽である。ラストシーンは複雑な心境が、おかしみになっていて、これは客観的に描けているからだと思う。
    鴻巣友季子さんが誉めていたの

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    2022年04月27日