直島翔のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
すごくわかりやすく、地に足のついた検察小説だった!
柚月裕子さんの佐方弁護士(ヤメ検)シリーズを想起させた。ぜひシリーズ化してほしいと思った。
主人公の区検検事、久我も、どこか脱力した雰囲気ながら、被疑者の「割り」に定評があるように熱意があって、思慮深く魅力的な人間。高校生の娘との関係に悩んでいるのも、リアルで面白い。
一方、後輩の新人検事、倉沢も、空回りするほどの熱意と、新人が故のシャープな正義を持っていて、これからの成長を楽しみに感じさせる。
地道な捜査を進める巡査、有村との相性もよく、とてもいいコンビ(カップル?)だった。
警察の捜査では、「思い込み」が大事なのかもしれないとする久我 -
Posted by ブクログ
うだつが上がらない久我検事は若い2人、警察官の有村と部下の新人検事倉沢に影響を及ぼしていく。それは彼の事件への向き合い方が経験に基づいて緻密に取り調べを行い、検証していく姿を二人に見せていくからだ。倉沢は久我が出世では陽の目を見ていないが、現場では着実に仕事をしていることを理解していく。
そして単なる自殺ではと思われた事件の本当の犯人に辿り着く。それはとても悲しい結末だった。
主犯格の女がどうしてあれだけの悪に成長したかの背景はほとんど描かれていないが、久我を始め、倉沢、有村が今までどのように生きてきたのか、だからそう動くのかが納得する人物描写で描かれていて、事件だけでなく、人間模様も読み応 -
Posted by ブクログ
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異状死に隠された
謎を解き明かせ!
日本での異状死の解剖率は20%以下。
これでは重大犯罪が見逃されていないか?
死者を救えるのは警察医だけだーー。
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資格試験の勉強中で、
読書してる暇ないんですが、
読み始めちゃったら、
読み切るしかない。苦笑
ニューヨークから帰国した法医学者の幕旗。
死因を突き止めるために、死者と向き合う。
事件を追う刑事たちと、
幕旗たちの場面が交互になって物語が進みます。
どんでん返しとか、
すごい謎解きとかはないですが、
死 -
Posted by ブクログ
初読みの著者の名前「なおしましょう」に、かつてのミステリー作家・嵯峨潜「さがせん」(探せん)や嵯峨島昭「さがしましょう」(探しましょう)の遊び心を連想してしまった(笑)。果たして、意識した名前?
出世コースを外れ、東京地検浅草分室に勤務する検事久我周平。久我が指導官を務める新人検事倉沢ひとみ。刑事になることを希望する交番勤務巡査の有村誠司。
この三人が、高架鉄道から転落した男は自殺か他殺かと、捜査を始める。
元新聞記者らしく、法曹世界の旧弊な人間関係など、リアル感があり、3人のキャラクターは魅力的。
だが、検事が捜査する過程に納得感が得られなく、物語世界に入り込めないまま終わってしまった感。