直島翔のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「テミスの不確かな法廷」続編。1作目の感想を以下のように書いた。
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『直島作品のこれまでの最高傑作と言っておこう。ADHD・ASDの裁判官(特例判事補)の活躍を描く、今までにないひと味違ったリーガル小説。法曹関係者が読むと違和感ある箇所はあると思うが、そんなことは気にならないぐらいよく練られたプロットと、ADHD・ASDの特性が事細かに綴られていて、その特性ゆえに苦労しつつ、その特性を活かして事件を解決していく様がとっても新鮮かつ快い。安堂清春主人公でもう一冊書いてもらいたい。できればシリーズにもしてほし -
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安堂はASDの症状と闘いながら裁判官をやっている。ふわふわと注意力がほかごとに気を取られたり、勝手に思考が過去の記憶の中に入っていってしまったり、手足が不随意運動してしまったり、味覚がおかしいので味のないものが食べられなかったりで、割と社会生活に齟齬が生じている。特に裁判中に注意力が削がれてしまったり、変な動きをしているのは気になっている。
第1話
当たり屋が激昂してタクシー運転手を殴りつけた裁判で、被告人が全面否認になった。その上弁護人と話をしないのだ。理由が不明だし、それでは事件が進まない。
第2話
自宅で夫を殺した女性。全面自供に至っているものの、なんだかずっと笑顔でおかしい。他に犯 -
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すごくわかりやすく、地に足のついた検察小説だった!
柚月裕子さんの佐方弁護士(ヤメ検)シリーズを想起させた。ぜひシリーズ化してほしいと思った。
主人公の区検検事、久我も、どこか脱力した雰囲気ながら、被疑者の「割り」に定評があるように熱意があって、思慮深く魅力的な人間。高校生の娘との関係に悩んでいるのも、リアルで面白い。
一方、後輩の新人検事、倉沢も、空回りするほどの熱意と、新人が故のシャープな正義を持っていて、これからの成長を楽しみに感じさせる。
地道な捜査を進める巡査、有村との相性もよく、とてもいいコンビ(カップル?)だった。
警察の捜査では、「思い込み」が大事なのかもしれないとする久我 -
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続編。
任官8年目の裁判官・安堂清春は、ASDとADHDの診断を受け、自身も発達障害を自覚し悩みながらも日々裁判を向き合っている。
今回も7千万円を盗み起訴された女性銀行員や飼い犬殺害事件も普通では見逃してしまうようなかすかな違和感をキャッチし、直接現場に赴きその不自然な隠された何かを見つける。
その2つの真相を明らかにしながら、殺人の濡れ衣を着せられたと再審請求を訴えている男の事件で、再審裁判で証人として出廷した検察ナンバー3の位置にいる安堂の父との場面は、法廷ミステリを存分に堪能できた。
現在ドラマ化されNHKで見ているが、松山ケンイチが安堂の特性を見事に演じていて見応えがある。
今 -
Posted by ブクログ
幼い頃に発達障害と診断され、生きづらさを抱えながらも、主治医のアドバイスを受けて自身の特性と向き合ってきた任官7年目の裁判官・安堂清春がさまざまな事件に挑み、人との関わりの中で成長していく姿が描かれる。
自閉スペクトラム症のスペクトラムとは、連続体という意味だ。診断された人たちは多種多様な特性、いろいろな濃度を持っている。診断を受けたことがない人たちのグレーゾーンと呼ばれる縁側も広い。
主人公の安堂はASD(人の気持ちを読み取るのが苦手)でありADHD(衝動性がじっとしていることを許さない注意欠如多動症)の症状もある。
文章で読むと非常に難しいし全てを理解することはできないけど、物語の中 -
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3編の中編から成る構成。死者との会話により現実の隠された姿を探究するドクター。一見この探偵ごっこは、死者と会話してしまうアメリカ帰りのおかしなドクターが主役。彼のせいで、読み手の感情移入むつかしく、誰もおそらくなかなか好きとなれない。だけれどもこの性向は読み進めるとその理由が語られ納得出来ます。
リアルな社会をじっくり観察して、その問題点を見据えながら書かれたこの推理小説については作家にリスペクトを感じます。実際警察医は存在するものの数少ない。それは待遇その他問題があるからと思われる。変死にしても欧米と比して解剖率が著しく低い日本。だからか間違う恐れのある自白証拠に頼ってしまうのではな