ジョージ・ソーンダーズのレビュー一覧

  • 十二月の十日

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    「訳者あとがき」で岸本佐知子さんが、「描かれるのはたいてい八方ふさがりの現実で、その現実をなんとかしようとあがく人物たちのドタバタがどうしようもない悲哀と笑いを誘い、最後には彼らへのいとおしさに、不思議としんみりさせられる」とあるが、まさにその通りの読後感の話が多い。様々な奇想も面白い。

    バッドエンド寄りの話も多く(てかほぼそう)、それもいいんだけど、ハッピー寄りの結末を迎えた話にはすごくグッときてしまった。
    「もしも誰かが最後の最後に壊れてしまって、ひどいことを言ったりやったり、他人の世話に、それもすごいレベルで世話にならなきゃならなくなったとして、それがなんだ?なんぼのものだ?」「そこに

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    2025年05月24日
  • 短くて恐ろしいフィルの時代

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    テレビ番組で取り上げられていて気になり読みました。

    国民が一度に一人しか住めない「内ホーナー」と巨大な「外ホーナー」の争いが描かれています。

    描かれているキャラクターがロボット(?)たちなのか、想像しているだけで楽しい本でした。

    アニメ化されてもいいなぁと思う1冊でした。

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    2025年03月02日
  • 十二月の十日

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    どの短編も、なんだか妄想の世界を彷徨っているようななんともいえない展開、結末
    なかでも「センブリカ•ガール日記」はなかなか
    感動あり、教訓ありでふむふむよんでいたが
    途中から
    なんてこと!とぞわぞわした
    そんなこととは知らずに『SG』ってなに?
    と、何度も検索してしまった

    世の中の不条理と、人間の強さ、愛情の深さ

    読み始めは、少し重苦しさを感じていたが読み進めるほどに虜になっていく自分が怖い

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    2025年02月18日
  • 短くて恐ろしいフィルの時代

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    独裁者の誕生と破滅、人と国の破壊を描いた寓話。玩具のようなロボットのようなキャラクターが住む国のお話、絵をイメージすればユーモラスなはずなのに、読むのがしんどくて参った。国土を削られ、財産を奪われ、生き残るすべがどんどんなくなっていく。きつい。独裁者の方もどんどん脳が壊れてまともじやなくなっていって、こちらもきつい。

    きついきついばかり言っているけど、ほんとに、ユーモアがユーモアに見えないくらいしんどかった。どこかで「抱腹絶倒」と紹介されていたけど、うそでしょ?ってくらい全然笑えなかった…

    ディストピアものは若いうち、あと平和な時代に読んだ方がいいと痛感。今はリアルの世界が過酷すぎる。あと

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    2025年02月13日
  • 十二月の十日

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    ダメ人間が、色々な事に巻き込まれて巻き込まれて巻き込まれて、何も解決できず、特に成長もしない、大好物な物語が多く編んでありました。
    サイコーです!

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    2025年02月05日
  • 短くて恐ろしいフィルの時代

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    人ひとりしか居られない程小さな国、内ホーナー国
    それを取り囲む外ホーナー国
    内ホーナー国民は7人おり、両国の境、外ホーナー国内の一時滞在エリアで常に6人が入国を待っている
    国民の姿形は無機物と生物のツギハギ
    この奇妙で童話のような世界観で語られるのは国同士・人同士の争い
    きっかけは外ホーナー人であるフィルによる内ホーナー国批判の演説
    フィルの演説は力強く煽動的であるのだが、興味深いのは、脳が外れてしまった時に為されることが多い、ということ
    本書は2011年に刊行されているが、フィルの語りにはドナルド・トランプ氏であったり、小泉進次郎氏であったり、多くの政治家の姿が重なる…
    この物語は政治家批判

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    2025年01月24日
  • 人生で大切なたったひとつのこと

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    人生を振り返ったときに最も後悔していること。
    40年ほどの人生の中でも、後悔はあるなぁ。
    でも確かに、失敗はぜんぜん気にならない。素直になれば良かったなとか、とにかく自分を信じれば良かったなとか。
    この本で得たことを実践していきたいと思った。

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    2024年11月17日
  • 短くて恐ろしいフィルの時代

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    星新一を思い出した!
    やり取りは軽快で可愛いけど、話は重くて悲しい。もうちょい楽しい場面も多かったらよかった。

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    2024年10月27日
  • 短くて恐ろしいフィルの時代

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    独裁者が誕生する様子や、同調圧力に流される集団心理などが、ブラックユーモアで語られる寓意に満ちたディストピア小説。

    国民が、一度に一人しか住めない極小国と、その周囲を取り囲む大国の物語。ある日、大国の国境警備員が巡回中に、小国からの侵犯を発見。騒動を大国の論理を押し付けて収めたのは、たまたま近くのカフェにいた中年男のフィル。この男、脳がはずれて地面に転がるたびに熱狂的な演説を繰り返し、次第に民衆を魅了していきます。対して、この男が独善的な要求を小国に突き付けるたびに、小国は疲弊していき……という話。

    脳がはずれると書くと、面喰らいますが、そもそも登場人物たちが荒唐無稽・奇妙奇天烈な容姿なた

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    2024年09月07日
  • 人生で大切なたったひとつのこと

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    野心には終わりがない。
    その言葉が1番刺さった。

    自分でも痛感している。
    仕事の目標を達成し、年収も目標達成し
    そしたらまた次の目標だ。

    “成功とは登っていくにつれ目の前で高くなり続ける山のようなこと。”
    本当にそうだ。終わりがない、きりがない。

    だから優しくLovingであることが人生においては幸福をもたらす。そう言われているように思えた。

    人生で大切なことは簡単なようでできていない、優しくあることである。

    そう言われてる。それが後悔のない人生なのだ。

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    2024年07月28日
  • 人生で大切なたったひとつのこと

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    ▼メモ
    ・P20:わたしが人生でもっとも後悔しているのは、「やさしさがたりなかった」ということです。

    ・P22:簡単そうに見えて、実践するのは本当に難しいのですが、「もっとやさしいひとになること」を、人生の目標のひとつにしてみてはどうでしょう。

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    2024年06月04日
  • 人生で大切なたったひとつのこと

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    外山滋比古さんのあとがきにあるように、一度読み、散歩に行って帰ってもう一度読みました。今すぐ始めなければならないことって確かにあります。とても短いですが、豊かな滋味がありました。

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    2024年04月29日
  • 十二月の十日

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    どの短編も、登場人物が(設定も)常軌を逸しています。心情的に寄り添うのがとても難しくて、戸惑いながら読み続けました。が、最後まで読んで、なぜか晴れやかな気持ちになっています。私みたいなポンコツも、生きてていいんだ…的な。まだ頑張れそうです、私。

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    2024年01月12日
  • 短くて恐ろしいフィルの時代

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    短くて恐ろしくて、滑稽で物悲しい。
    国のあり方はファンタジー、登場人物の外見は不思議。でも、内側を突き詰めれば私達と同じに思えるのが空恐ろしく。
    面白いけれど笑って済ませられない、人間とモンスターの物語でした。

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    2023年09月29日
  • 短くて恐ろしいフィルの時代

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    フィルの暴力的な独裁が本当に辛かった…
    けどタイトルに『短くて〜』と入っていたのでなんとか読めた!
    ほんとロシアのウクライナ侵攻とだぶって見えたね…
    デウス・エクス・マキナ的な事が起こらないかな〜。

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    2022年10月02日
  • 短くて恐ろしいフィルの時代

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    2022年、ある政治家が、別の政治家の弁舌の巧みさをヒトラーのようだと発言し、研究者や政治家、マスコミを中心に論争が巻き起こっている。
    また、あるテレビ番組で、ヒトラーとなぞらえることはヘイトスピーチだと語った研究者に対し、批判が殺到した。研究者の所属する大学は彼を解雇しろという抗議の声が上がった。
    どれも、SNSという小さな国の中で。

    読むにつれて、上記の事象を考えずにはいられなかった。

    「この本は、世界を過度に単純化し、〈他者〉とみなしたものを根絶やしにしたがる人間のエゴにまつわる物語なのです。」
    (p.153,訳者あとがきから著者の言葉)

    フィルはヒトラーであり、我々自身でもある。

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    2022年02月09日
  • 短くて恐ろしいフィルの時代

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    奇妙で滑稽で面白い。
    所謂風刺的な寓話なのだけれど、とにかく突拍子もない設定とキャラクターに引き込まれてしまう。魅力的で演説巧みな独裁者に傾倒してしまう単純な大衆、他者を冷酷に切り捨ててしまう集団心理。テーマとしてはメジャーと思うけれど、この物語のような表現は常人では思いつかないだろう。
    物語の序盤で語られる、主人公フィルの脳が「ラック」に固定されていてときどきそれが「滑り落ち」長引くと「おかしくなる」という設定にまずやられた。さすが岸本さんの訳本、期待を裏切らない。大好きだ。
    何も構えずただ物語を楽しむだけで充分だと思う。

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    2021年12月15日
  • 短くて恐ろしいフィルの時代

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    ネタバレ

    面白おかしく読み始めるも、徐々に感じる戸惑いと慄き
    内ホーマー人への圧制が「人間的」な要素がないだけに、より浮き彫りになる容易さへの恐怖
    知らぬ間に根付く差別意識、忍び寄る独裁
    頭の片隅ではわかっていても、なんとなく甘んじて受け入れていると、どんな未来が待っているのか

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    2021年10月11日
  • 短くて恐ろしいフィルの時代

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    「何かを風刺しているんだろうな〜」というお伽話風小説。最後に大ケラー国よりも外側にある国が内側の国に対して同じように統治を始めるとか、新しい15人の国で同じようなことが繰り返されるとか、そういうお約束のオチを期待してしまったのだがなかったので、肩透かしなのか、逆に新鮮なのか、評価に困った。

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    2025年11月23日
  • 十二月の十日

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    不思議な魅力たっぷりの短編集。
    報われない人々の様々な日常がそこにはありました。もちろんフィクションなんだけど、ここに書かれている主人公たちの心情、それが今の世の中だよなぁなんて妙に納得させられます。
    いい本に出会えたな、と感じる短編集でした。

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    2025年11月05日