ジョージ・ソーンダーズのレビュー一覧
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「人生で大切なたったひとつのこと」
“Congratulations,by the way George Saunders”
著者 ジョージ・ソーンダーズ
訳者 外山滋比古・佐藤由紀
こちらは、著者のジョージ・ソーンダーズ氏が2013年5月11日、自ら教授を務めるニューヨーク州の名門校シラキュー...続きを読むPosted by ブクログ -
NHK「理想的本箱」、「戦争が近づいた時に読みたい本」の回で初めて知り、今日ようやく読むことができた。
中編程度の長さで、文章も決して難しくなく、児童文学のような雰囲気もあるので、活字に慣れていない人でも読みやすいのではないだろうか。
登場人物たちは機械の部品や植物、触手などで出来ている不思議な...続きを読むPosted by ブクログ -
横からぽっと現れた口の達者な人物によってあっという間に国が乗っ取られ、逆らう者を手にかける様子が恐ろしかった。登場人物が人間ではなく、色んなパーツのより合わせで動いているため生々しさは少ないはずだけれど、ある日突然権力者の決定によって殺されてしまうことに変わりはないのだった。
言葉を利用して鼓舞し、...続きを読むPosted by ブクログ -
示唆に富んだ話だった
独裁者と言われる人がモデルかなと思うと同時に、もっと身近な問題としても捉えられる気がした
1人の横暴な人に逆らえない状況や、正しい人を正しいと言えずに自分を正当化してしまう所など自戒の念を込めてありがちだと思ったPosted by ブクログ -
理想的本箱の紹介を受けて。おとぎ話。表現されている登場者は、人と同じ。人に例えると残虐といえる行為をするため、理屈をつけて正当化。おとぎ話のようなので客観的に見ることができる。自分のまわりの人に似た光景も見られるし、自分もそうなんだとの自戒にもなる。Posted by ブクログ
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めちゃくちゃおもしろかった。
・疑心暗鬼から虐殺までの過程
・悪の陳腐さについて
・悪事は属人として押し着せられ構造的には何も反省されない
・そして繰り返す(多分)
という示唆深ポイントばかりだった。
何かにむすびつけずにフラットに読むのもアリ。
鈴木久美さんの装丁も素敵。Posted by ブクログ -
なんだかとてもタイムリーでとても考えさせられる、それでいてとてもとてもユーモラスなお話だった。
特定の誰かをモデルにしたわけでなく、独裁者の最大公約数として描かれる「フィル」。
だから、あの人にも見えるし、あの人にも見える。
いつの時代も、いや、誰の中にも存在する「フィル」の影。
巧妙な演説で...続きを読むPosted by ブクログ -
壊れたおとぎ話のような世界観がおもしろかったです。登場人物のセリフの言い回しや描写の仕方にユーモアがあって、クスッとしてしまうところもあります。
しかし、俯瞰的に見ると自分も含め、人間というのは、本作に出てくるキャラクターたちのように、滑稽な生き物だと気付かされます。
自分と違うものを蔑んで憎ん...続きを読むPosted by ブクログ -
面白かった!
寓話にしてはごちゃごちゃした印象は受けるけれども、ナチスを思い浮かべて読んだ。あとがきだか解説でのトランプの話も確かに当てはまる。誰か特定の人物ではなく寄せ集めたイメージで書かれているみたいだが、ナチスにもトランプにも当てはまるということは、進歩しないのか、それが本質なのか、単に繰り...続きを読むPosted by ブクログ -
▼メモ
・P20:わたしが人生でもっとも後悔しているのは、「やさしさがたりなかった」ということです。
・P22:簡単そうに見えて、実践するのは本当に難しいのですが、「もっとやさしいひとになること」を、人生の目標のひとつにしてみてはどうでしょう。Posted by ブクログ -
外山滋比古さんのあとがきにあるように、一度読み、散歩に行って帰ってもう一度読みました。今すぐ始めなければならないことって確かにあります。とても短いですが、豊かな滋味がありました。Posted by ブクログ
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どの短編も、登場人物が(設定も)常軌を逸しています。心情的に寄り添うのがとても難しくて、戸惑いながら読み続けました。が、最後まで読んで、なぜか晴れやかな気持ちになっています。私みたいなポンコツも、生きてていいんだ…的な。まだ頑張れそうです、私。Posted by ブクログ
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短くて恐ろしくて、滑稽で物悲しい。
国のあり方はファンタジー、登場人物の外見は不思議。でも、内側を突き詰めれば私達と同じに思えるのが空恐ろしく。
面白いけれど笑って済ませられない、人間とモンスターの物語でした。Posted by ブクログ -
フィルの暴力的な独裁が本当に辛かった…
けどタイトルに『短くて〜』と入っていたのでなんとか読めた!
ほんとロシアのウクライナ侵攻とだぶって見えたね…
デウス・エクス・マキナ的な事が起こらないかな〜。Posted by ブクログ -
2022年、ある政治家が、別の政治家の弁舌の巧みさをヒトラーのようだと発言し、研究者や政治家、マスコミを中心に論争が巻き起こっている。
また、あるテレビ番組で、ヒトラーとなぞらえることはヘイトスピーチだと語った研究者に対し、批判が殺到した。研究者の所属する大学は彼を解雇しろという抗議の声が上がった。...続きを読むPosted by ブクログ -
奇妙で滑稽で面白い。
所謂風刺的な寓話なのだけれど、とにかく突拍子もない設定とキャラクターに引き込まれてしまう。魅力的で演説巧みな独裁者に傾倒してしまう単純な大衆、他者を冷酷に切り捨ててしまう集団心理。テーマとしてはメジャーと思うけれど、この物語のような表現は常人では思いつかないだろう。
物語の序盤...続きを読むPosted by ブクログ -
面白おかしく読み始めるも、徐々に感じる戸惑いと慄き
内ホーマー人への圧制が「人間的」な要素がないだけに、より浮き彫りになる容易さへの恐怖
知らぬ間に根付く差別意識、忍び寄る独裁
頭の片隅ではわかっていても、なんとなく甘んじて受け入れていると、どんな未来が待っているのかPosted by ブクログ -
異質のものを排除したいと考えるエゴ、同意見のものこそ正義とする集団心理。寓話要素が強いから後味は軽いものだけど、結構なテーマですよね。読みやすかったPosted by ブクログ