中島花野のレビュー一覧

  • セゾン・サンカンシオン

    Posted by ブクログ

    岡本歌織さんの装丁から。なんらかの依存性を抱えた人たちが暮らすセゾンサンカンシオン。三寒四温の言葉どおり、依存性との戦いは一歩ずつ。ぐっとくる小説だった。

    0
    2022年03月08日
  • セゾン・サンカンシオン

    Posted by ブクログ

    根気が必要と分かっていても

    あまりにもその道のりが長く

    本人も家族も疲弊していくのは

    仕方がない・・・と思えるほど



    作中の皆も

    道半ば

    終わりなき道のりの長さに

    本人が一番絶望するな



    でも三寒四温というのは

    とても ぴったりなタイトルですね

    寒さに震えていても

    少しづつ 春が近づいていく

    0
    2021年12月06日
  • セゾン・サンカンシオン

    Posted by ブクログ

    アルコール、ギャンブル、薬物、万引き‥‥様々な依存症を抱える女性たちが共同で暮らしながら社会復帰を目指す場所「セゾン・サンカンシオン」。
    そこで暮らす女たちがここに行き着くまでの経緯、依存を断ち切れず苦しむ今、そしてこれからへの小さな希望、彼女らが失ったものと彼女らを支え、または突き放す家族らの姿を描く5つの連作短編。

    そして、章の合間に挟まれる一見関係なさそうなごく普通の家族の日常。ほんのちょっとした経緯で依存症に陥り家族が崩壊していく姿を見る時、依存症が決して特別なものではなく私たちの日常と地続きのところにある病なのだと認識させられる。

    「だらしないから」「弱いから」「自己責任」と切り捨てる世間。依存症は並行して精神的な病も患うことが多く、意志の力だけで断ち切れるものではないというが、繰り返す依存、嘘、裏切りを目の当たりにした家族の苦悩も理解できる。

    それでも、「依存症の根源にあるのは、寂しさなんじゃないかな」という言葉が胸に響く。快楽のためではなく、それなしでは生き延びることができなかった。人間って脆い。だけど、そうやってでも生きようとしてきたなら、きっと立ち直って生き直してて欲しい。

    ラストの、主人公の空っぽの身体を満たしてくれたのが、お酒ではなく他人の温もりだったというくだりは泣けた。
    厳しい現実を描きながら、ほんの少しの光を用意したそれぞれの短編は読後も爽やか。読んでよかった作品でした。

    0
    2021年05月08日
  • 佐藤の告白

    Posted by ブクログ

    完全に収まることも、逆に完全に溢れることもない、いわば表面張力の悪意がうっすらと漂う教室で日々生活を送っていたかつての私(というか、もしかすると大人になって過ごす今でも)が気付かなければならなかったのは、当人らが話されなければ分かりっこない誰かと誰かの関係性をエンタメ的に消費してしまう、届くことない過干渉のその幼稚さだったなと振り返りながら思った。小説の中で佐藤の視点が書かれないのも、だからとても意味のある構成だったと思います。

    0
    2026年08月01日
  • 佐藤の告白

    Posted by ブクログ

    面白かった。
    オレンジ文庫、大変結構な作品に当たる
    挿絵がないラノベ的な立ち位置らしいし、
    たしかに若年層ターゲットの作品も多い
    本作も中学校の中での出来事が描かれている。
    重く、深く、浅く(笑)、
    インマチュアな個体が集まる中学校の難しさというか、
    ストラグルする半子供を
    大人や社会がややこしくしているような、
    そんな感じで、大人として胸が痛くなる良作である。
    表題の通り
    佐藤という男子中学生が告白した、という噂により
    いじめ状の動きがおきる。
    小説はグランドホテル形式で、
    佐藤のことが好きな女子生徒”ひなの”の告白、
    そして、担任教師の告白、
    佐藤母の告白、鈴木の告白、
    そしてエピローグで再び”ひなの”視点となる。
    タイトルは『佐藤の告白』だが、佐藤がメインになる章はない。
    そこが、おもしろくもあり、
    ちょっと佐藤視点が読みたかったな、と思うところもあり。
    やはり、自分の年齢その他の所為もあるが、
    母とオカジュンの告白が面白かった。
    佐藤母の母親が個人的な地雷人物で、非常に嫌な気分になるが
    ほんとにチラッと出てくるだけなので、大丈夫。
    しかし、この佐藤母の母タイプは最近よく出てくる鉄板タイプやねぇ
    存外、Gのように多くて、被害を受けている人も多いということかもしれない。
    そしてなにより、
    ちらほらと見えてくる、佐藤自身のキャラクターがすばらしく、
    物語全体をいい感じに締めている。
    佐藤母自身もとてもすばらしいキャラなのだが
    佐藤母よ、佐藤はいい子に育ってるぞ、と
    キャラに向かって語りかけたくなった。
    後味よかった。

    0
    2026年06月30日
  • セゾン・サンカンシオン

    Posted by ブクログ

    様々な依存症から立ち直るための女性達が暮らす「セゾン・サンカンシオン」。
    ここの生活指導員の女性の半生を絡めながら、ここに暮らす依存症の女性達が描かれていく。
    アルコール、万引き、覚せい剤、普通に生活していたら依存症に陥らないだろうと思っていたが、深い穴は誰の目の前にも大きく口を空けているように感じた。
    家族が迷惑をかけられた、と言うけれど、実は家族の行動が引き金だったりする。
    お酒に逃げ込まなくてはヤッてられない毎日があるのだろう。
    読んでいるだけで苦しくなった。
    依存症の人はまた元の生活に戻りたいわけではない、努力している。でもちょっとした揺らぎが過去に引き戻してしまうことも。
    依存症の底知れない怖さをひしひしと感じた。
    ここまで生きてきて、色んなことがあったけど、何かに逃げ込むまでではなかった人生に感謝しなくっちゃね。

    0
    2026年06月29日
  • セゾン・サンカンシオン

    Posted by ブクログ

    世に多数ある依存症について患者本人と家族の様子を語った連作短編でした。厳しい日々が語られる中で、それらは病気であり、誰もが患者になり得て、もしそうなったとしても適切に治療を行える、そういった趣旨の物語りだったのかと思います。私としてはストーリーの上がり下がりがないようにも感じてしまったところがありましたが、そこがノンフィクション的なリアルさも感じさせて面白かったです。星3つといたしました。

    0
    2025年12月01日
  • ぼくはうそをついた

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    思いやりの詰まったうそ。
    広島を舞台に原爆を書く、
    広島で息子を亡くした認知症のおばあさん、息子になりたい女の孫、
    ちょっとなあ、
    悪くないんだけど、ちょっと無理やりって気がしたのが読後感としてもう一つ、すっきりしない。

    0
    2025年10月12日
  • ぼくはうそをついた

    Posted by ブクログ

    広島の被爆体験の惨さをリョウタの曾祖父が今の子にも伝わるように、オブラートに包んで教えてくれた。

    レイの曾祖母の息子が被爆死し、遺体も骨も見つかっていない。時間が停止したまま帰りを待ち、探し続ける様に胸が詰まった。

    リョウタがそんな彼女(レイの曾祖母)についた嘘には、リョウタの優しさを感じた。もしかしたら彼女(レイの曾祖母)は嘘だと気づいていたのではないか?
    深い悲しみに、戦後60年たった今も癒されていないんだと、勝手に想像した。

    作者のお母さんの体験をもとに、長い期間をかけて作られた、事実を基にした物語(ノンフィクションではない)。

    ロシアが原爆を脅しに使っているなか、人類は進歩しているのか?無駄な争いはなくならないのか?疑問が大きくなった。

    0
    2024年12月17日
  • ぼくはうそをついた

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    認知症のおばあちゃんをきっかけに小6の男のこと、中1の女の子が交流を深める。
    戦争に興味を持つことって難しい。周りの強制で見学したり、体験したりはあまり意味はない。けど、心のどこかには残っていて、それがいつか自主的に知りたい時に息を吹き返してくれるといいよね。
    女の子については深く語られないけど、髪ベリーショートにするところで、中1らしい内面的な葛藤を表現しているのだろう。
    戦争について、正直自分も全く当事者意識がない。そして現実世界はどんどん戦争が起きてる。戦争は仕方がない。選択肢の一つという認識すら感じられる今日。
    戦争から遠く離れてしまったからこそ、戦争に向かっているのではないか。
    情報が溢れるからこそ、なんとなく発言が強い人の、自分が信じたいと思うことに引っ張られてしまうようなそんな危機感。多くの子が、この本を、通して、戦争について、すこしでも現実味を感じられたらいいなと思った。
    同時に、広島の具体的な地名が多く、馴染みない自分にとってはイメージしにくいところもあった。

    0
    2024年09月14日
  • ぼくはうそをついた

    Posted by ブクログ

    被爆間接体験が核になって、小学生の男の子がひいおじいちゃんと触れ合う中で平和への願いを綴る作品
    小学生の読書感想文課題図書になる理由はここ
    面白いかと言われると難しいな

    0
    2024年09月05日
  • ぼくはうそをついた

    Posted by ブクログ

    読書感想文コンクール5,6年生の課題図書。

    シゲルじいちゃんの戦争体験を孫のリョウタに伝えるシーン、グロ過ぎずぼかし過ぎず、高学年の子どもが読むにはちょうど良い表現と感じた。リョウタとレイのそれぞれが祖父母を大切に思う気持ち、リョウタのついた優しい嘘が、胸の奥にじんわりとした温かさを残してくれた。

    戦争や原爆の歴史を子どもに知って欲しい。でもリアル過ぎたり激しい描写はまだちょっと早いかも…と思っていたので、そんな意味での良本に出会えたと思う。息子と広島を訪れたくなった。

    0
    2024年08月13日
  • ぼくはうそをついた

    Posted by ブクログ

    優しい嘘を積み重ねて。タヅさんは救われたのだろうか。こういう作品を読むともう一度ちゃんと原爆資料館に行きたくなる。

    0
    2024年08月01日
  • フェミニスト紫式部の生活と意見 ~現代用語で読み解く「源氏物語」~

    Posted by ブクログ

    源氏物語を、現在の女性の視点で解説する。

    いや、実に面白い。
    作者がそこまで考えてたのかと思うところはあるが、人物描写が真に迫ってるんだ。それを、当時の社会環境も踏まえ、あくまで、現在の女性の視点で語る。

    型どおり、通り一遍じゃないんだね。「女性の」心の描き方が。
    男性は、型通りだが。
    だがそこに「現実的でないある意味理想的な」男性キャラを配置することで、女性を浮き彫りにする。

    なるほど、最古だけでなく、現代でも十分に人を魅了する小説なんだ。

    作者、男性批判も含めてはいるが、この本のタイトル、マイナスだと思うな。別段、紫式部はフェミ的なことは、言ってないと思うし、この本に関していえば、作者自身もそれが趣旨ではないだろう。

    0
    2023年11月08日
  • セゾン・サンカンシオン

    Posted by ブクログ

    色々な依存症の民間回復施設、セゾン・サンカンシオン。
    アルコール、万引き、ギャンブル、覚せい剤、様々な依存症の人とその家族が描かれていて、読んでいてずっと苦しい。
    依存症は病で意志やモラルでどうにかなるものではない。
    アルコール依存症の人が再飲酒するのは病の症状であって、風邪をひいた時に咳や鼻水を出すなと言われても出来ないことと同じなのだそう。
    「人を依存症にするのは、快楽じゃないよ。心身の痛みや、それぞれが感じている生きづらさが原因で依存症になっていくの」という言葉に、何も言えなくなる。

    本人の辛さ、そして周りにいる家族の辛さ、それが痛いほどに伝わってくるので、読んでいるのが辛くて、最後まで読んで、もう二度と手に取りたくないと思ってしまった。
    そこまで感じさせるので、きっと問題を訴える力のある作品なのだと思います。
    なんとか自分の感想を絞り出すとすると…
    依存症の人が、自分の人生を取り戻していけるように、寂しくない場所があるといいなと思う。そして、それが家族である必要はないと思う。

    0
    2022年05月01日