中島花野のレビュー一覧
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2024年読書感想文課題図書·高学年
小五のりょうたは夏休み。最近同居を始めたおじいちゃんと過ごすことが多い。釣りを教えてもらったり、野菜を育てたりするうちに、おじいちゃんがここ広島の地で原爆を体験した話を聞く。
そして、りょうたのバレーボールチームは弱いけど、他の強いチームの選手レイ(美人)のおばあちゃんを知る。
回りにさけられ、バカにされるようなレイのおばあちゃんの行動には昔のつらい思い出が関係していた。
原爆の追体験と、りょうたの心の成長、レイへのあわい恋心が読みどころです。
レイとの恋愛模様がもう少し後を引く感じで描写されていればもっと好みだったかも。あ、課題図書ですよね。すみません -
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ネタバレフェミニズム的な視点で源氏物語を読み解く。
源氏が紫の上や玉鬘に「教ふ」ことが多いこと、どれもキモいんだけど、それを「マンスプレイニング」でまとめるとなるほどなと思う。昔も今も、おっさんは若い女性に上から目線で教えたがるもの。
薫は誠実な男性の印象が強いけど、妻ではなく都合よく関係を結べる召人が結構いた、とか、大君の人形を作りたがって中君に引かれているとか、むっつりスケベ感が意外と強くて印象が変わった。浮舟は大君に似た人形として薫に愛され、主体性のない女性なんだけど、匂宮が戯れに渡した硯で書いた歌に無意識の本心が表れてしまったり、自殺未遂後に手習をして独詠歌を何首も詠み、そこで自分の言葉を獲得 -
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アルコール、ギャンブル、薬物、万引き‥‥様々な依存症を抱える女性たちが共同で暮らしながら社会復帰を目指す場所「セゾン・サンカンシオン」。
そこで暮らす女たちがここに行き着くまでの経緯、依存を断ち切れず苦しむ今、そしてこれからへの小さな希望、彼女らが失ったものと彼女らを支え、または突き放す家族らの姿を描く5つの連作短編。
そして、章の合間に挟まれる一見関係なさそうなごく普通の家族の日常。ほんのちょっとした経緯で依存症に陥り家族が崩壊していく姿を見る時、依存症が決して特別なものではなく私たちの日常と地続きのところにある病なのだと認識させられる。
「だらしないから」「弱いから」「自己責任」と切り -
Posted by ブクログ
広島の被爆体験の惨さをリョウタの曾祖父が今の子にも伝わるように、オブラートに包んで教えてくれた。
レイの曾祖母の息子が被爆死し、遺体も骨も見つかっていない。時間が停止したまま帰りを待ち、探し続ける様に胸が詰まった。
リョウタがそんな彼女(レイの曾祖母)についた嘘には、リョウタの優しさを感じた。もしかしたら彼女(レイの曾祖母)は嘘だと気づいていたのではないか?
深い悲しみに、戦後60年たった今も癒されていないんだと、勝手に想像した。
作者のお母さんの体験をもとに、長い期間をかけて作られた、事実を基にした物語(ノンフィクションではない)。
ロシアが原爆を脅しに使っているなか、人類は進歩して -
Posted by ブクログ
ネタバレ認知症のおばあちゃんをきっかけに小6の男のこと、中1の女の子が交流を深める。
戦争に興味を持つことって難しい。周りの強制で見学したり、体験したりはあまり意味はない。けど、心のどこかには残っていて、それがいつか自主的に知りたい時に息を吹き返してくれるといいよね。
女の子については深く語られないけど、髪ベリーショートにするところで、中1らしい内面的な葛藤を表現しているのだろう。
戦争について、正直自分も全く当事者意識がない。そして現実世界はどんどん戦争が起きてる。戦争は仕方がない。選択肢の一つという認識すら感じられる今日。
戦争から遠く離れてしまったからこそ、戦争に向かっているのではないか。
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