あらすじ
広島に住む小学校5年生のリョウタ。同居する祖父から、原爆で亡くなった祖父の兄ミノルの話を聞く。平和学習で資料館に行き、戦争は怖い、二度と繰り返してはいけないと思っていた一方、どこか遠い昔の出来事のようにも感じていた。しかし、祖父の話から興味を持ったリョウタは、亡き大おじミノルの足跡をたどろうと思う。 リョウタが憧れる女子バレー部のキャプテン、レイは共働きの両親にかわり育ててくれた曾祖母のことが好きだった。原爆で子どもをなくしている祖母は、時おり記憶がまだらになり、我が子を捜し始める。近所の子どもたちからも変人扱いされている曾祖母の姿を見るのは辛く、なんとか彼女を救いたいと思うレイだが――。 平和のために、今、私たちは何ができるのだろう――すべての人が幸せに生きられる世界へ、祈りをこめた物語。
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#平和学習
あとがきを読んで、著者がこの物語を長い時間をかけて大事に大事につくりあげたんだということがわかった。うそをつく場面はグッときます。我が子を、家族を戦争で失うということは受け止め難い事実です。戦争反対。核兵器反対。
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広島に暮らす少年と少女。それぞれの、原爆体験を持つおじいさんおばあさんの体験を通して、被曝体験当事者のことを想う物語。
作者のお母さんの体験が元になっているとのことで、熱い想いが伝わってくる。
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原簿で家族を失った心の痛みはいつまでも消えないということに改めて「戦争をする意味」ということを考えさせられる本。なぜ戦争になるのか、有史以来途切れることがない中、今平和な日本に生まれたことのありがたみを感じるとともに自分が何をするのかを考えてしまう。
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リョウタと一緒に
広島の街を巡った気分になった。
遠い昔に行った原爆資料館のことを思い出す。
今年の夏に、もう一度行ってみようか。
戦争、原爆。ほんの数十年前に日本で起こっていた紛れもない現実に、思いを巡らせるきっかけをくれた良い本でした。
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あの日から60年経っても、違うカタチで苦しむ人がいることに涙が溢れてきました。
認知症の家族がいるせいでしょうか。
必要なうそが沢山あります。
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戦争で息子を亡くしたタヅさん。その息子の友達のミノルはリョウタの祖父のお兄さん。二人とも広島の原爆で亡くなったのだが、リョウタは祖父から当時の話を聞き、ミノルの足跡をたどってみることにした。記憶が曖昧になり息子を探し歩き行方不明になったタヅさんにリョウタはうそをついた。すごくやさしいうそをついた。ちなみに作中にでてくるミドリ先生は作者のお母さんがモデルだそうですが実体験も含めて戦争の恐ろしさと悲しさ、現代と過去、そして淡い恋心がうまくまとまった良書だと思いました。
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あの戦争を私は何も知らないに等しい。広島や長崎、沖縄の人たちは今も背負っている。子供たちも小学生の頃から教えられているのに。原爆ドームも行かなければと思いながら行けていない。知ろうとすることから始めなければ。
この本は中味もわからずタイトルで手にとった。
ついたうそは優しいうそ。リョウタのウソに胸が熱くなった。この本に出会えて良かった。
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2024年読書感想文高学年課題本
現代も続いている戦争の傷跡を小学生の目を通して映し出している。
広島、長崎、第五福竜丸と日本が受けた放射能の被害はしっかり後世に伝えていかなければいけない、とこの年になって思います。
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平和学習を通して原爆について学ぶが、それ以外にはないかもしれません。
私自身もそうですし、子どもたちもそうかもしれません。本書は、被爆した人の家族の思いをシゲルさん、タヅさんから知ることができます。お話を通して、戦争を忘れてはいけないと改めて考えることができる一冊だと思いました。
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原爆で亡くなった息子を、今でも探し続けるタヅさん。リョウタとタヅさんの河原での会話は、涙なしには読めなかった。
周りに戦争体験のある大人がいる人は、いまやかなり少ないと思う。だからこそ、こういった本から、間接的にでも体験者の記憶や感情を読む経験はとても貴重だ。
今も世界からなくならない戦争という理不尽なものが、巻き込まれた人たちに何を遺していくのかということを、目を背けてしまいたくなるけれども後世に伝えていかなければならないと改めて思う。
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広島の原爆にまつわる記憶をおじいちゃん達に聞く話、かな。彼の地には行ったことがあるし記念館にも入った(昔なのであまり記憶はない)けど、街路樹が世界各国から送られてきた話は知らなかった。また行くことがあればそこも見てみたいなと思う。
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祖父やひいばあちゃんとのつながりから戦争について考えていく子どもたちの物語。
リョウタは祖父から戦争体験を聞き、戦争で亡くなった祖父の兄の足跡を辿りながら戦争を自分とつながりあるものとして捉えていく。レイは戦争で亡くしたはずの息子を探し続けるひいばあちゃんを支えたいと思っている。
レイのひいばあちゃんを接点に、リョウタとレイが戦争への関心を共有し、つながっていくところがよかった。恋が芽生えている様子もあって、甘酸っぱくて素敵。子どもたちには、こんなふうに自分の中の大切な気持ちを共有できる人と恋をしていってほしいな、と思ったりもした。
リョウタがうそをつく場面が、やはりいちばん印象深い場面。咄嗟に出た、温かいうそだと思う。レイも「共犯」になったこともよかった。2人の力で、おばあちゃんを救うことができて、レイも報われてうれしい。
だから、表紙のリョータの眼差しが冷たいかんじで残念。もう少し温かいかんじにしてもよいのではと思う。表紙からイメージする「ぼくはうそをついた」という言葉のイメージが、実際とだいぶちがう。
リョウタもレイも、身近な人を接点に戦争を自分のこととして捉え始めているのだけれど、逆にいえばそれができないと、平和学習ってなかなか難しそうだなー。
その意味でも、こうした物語の登場人物に心を寄せながら通戦争について感じたり、考えたりしていくのはいいなと思った。作中のミドリ先生が、作者の母がモデルだというあとがきなどを読むと、ぐっと戦争が身近なものになる。
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令和6年読書感想文高学年の部課題図書。
原爆が関係する話で5年生のぼくの「うそ」がなんなのかを考えながら読む。
シゲルじいちゃんの話の遺品袋のところなど涙が止まらない。それを聞いて、主人公が当時のことを知ろうと行動にうつすところがいい。5年の教科書の「たずね人」に似ている。
年代が少し合わないので、大人になるのかと思ったが敢えての設定だった。
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2024年読書感想文課題図書·高学年
小五のりょうたは夏休み。最近同居を始めたおじいちゃんと過ごすことが多い。釣りを教えてもらったり、野菜を育てたりするうちに、おじいちゃんがここ広島の地で原爆を体験した話を聞く。
そして、りょうたのバレーボールチームは弱いけど、他の強いチームの選手レイ(美人)のおばあちゃんを知る。
回りにさけられ、バカにされるようなレイのおばあちゃんの行動には昔のつらい思い出が関係していた。
原爆の追体験と、りょうたの心の成長、レイへのあわい恋心が読みどころです。
レイとの恋愛模様がもう少し後を引く感じで描写されていればもっと好みだったかも。あ、課題図書ですよね。すみません。でも、ライバルまで出てきているのになんかもったいない。昔を探して探検というか、追体験のたびに出るりょうたに拍手。
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5年から。2024読書感想文高学年。5年生のリョウタは、おじいさんから兄のミノルさんが原爆で亡くなった時のことを聞く。そして、先輩のレイさんのおばあさんには、原爆で失くした息子さんがいることを知る。消えない戦争の傷痕と人々の苦しい想いを考えるため、原爆資料館や周辺を当時を想像しながら歩き回るリョウタ。戦争を後世に伝えていくことと、痛みが少しでも癒えることを願う一冊。
作者の母親が太平洋戦争の終戦の年に教員であり、その話を元に描かれているそうです。街の様子や学校の様子が分かるお話。
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原爆は主人公のリョウタにとって遠い時代の話だが、祖父の語る話を聞いて自分なりに受け止めようとする姿に希望を感じた。
作者の過去作『ぼくがバイオリンを弾く理由』の登場人物も関わってくるが、どちらも独立したストーリーなので先にこちらを読んでも構わない。
広島出身の作者にとって原爆の話は継承しなければならないテーマなのかもしれないが、押しつけがましさがないので今の小学生が読んでも素直に共感できると思う。
夏休みの読書感想文にぴったりな本
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思いやりの詰まったうそ。
広島を舞台に原爆を書く、
広島で息子を亡くした認知症のおばあさん、息子になりたい女の孫、
ちょっとなあ、
悪くないんだけど、ちょっと無理やりって気がしたのが読後感としてもう一つ、すっきりしない。
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広島の被爆体験の惨さをリョウタの曾祖父が今の子にも伝わるように、オブラートに包んで教えてくれた。
レイの曾祖母の息子が被爆死し、遺体も骨も見つかっていない。時間が停止したまま帰りを待ち、探し続ける様に胸が詰まった。
リョウタがそんな彼女(レイの曾祖母)についた嘘には、リョウタの優しさを感じた。もしかしたら彼女(レイの曾祖母)は嘘だと気づいていたのではないか?
深い悲しみに、戦後60年たった今も癒されていないんだと、勝手に想像した。
作者のお母さんの体験をもとに、長い期間をかけて作られた、事実を基にした物語(ノンフィクションではない)。
ロシアが原爆を脅しに使っているなか、人類は進歩しているのか?無駄な争いはなくならないのか?疑問が大きくなった。
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認知症のおばあちゃんをきっかけに小6の男のこと、中1の女の子が交流を深める。
戦争に興味を持つことって難しい。周りの強制で見学したり、体験したりはあまり意味はない。けど、心のどこかには残っていて、それがいつか自主的に知りたい時に息を吹き返してくれるといいよね。
女の子については深く語られないけど、髪ベリーショートにするところで、中1らしい内面的な葛藤を表現しているのだろう。
戦争について、正直自分も全く当事者意識がない。そして現実世界はどんどん戦争が起きてる。戦争は仕方がない。選択肢の一つという認識すら感じられる今日。
戦争から遠く離れてしまったからこそ、戦争に向かっているのではないか。
情報が溢れるからこそ、なんとなく発言が強い人の、自分が信じたいと思うことに引っ張られてしまうようなそんな危機感。多くの子が、この本を、通して、戦争について、すこしでも現実味を感じられたらいいなと思った。
同時に、広島の具体的な地名が多く、馴染みない自分にとってはイメージしにくいところもあった。
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被爆間接体験が核になって、小学生の男の子がひいおじいちゃんと触れ合う中で平和への願いを綴る作品
小学生の読書感想文課題図書になる理由はここ
面白いかと言われると難しいな
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読書感想文コンクール5,6年生の課題図書。
シゲルじいちゃんの戦争体験を孫のリョウタに伝えるシーン、グロ過ぎずぼかし過ぎず、高学年の子どもが読むにはちょうど良い表現と感じた。リョウタとレイのそれぞれが祖父母を大切に思う気持ち、リョウタのついた優しい嘘が、胸の奥にじんわりとした温かさを残してくれた。
戦争や原爆の歴史を子どもに知って欲しい。でもリアル過ぎたり激しい描写はまだちょっと早いかも…と思っていたので、そんな意味での良本に出会えたと思う。息子と広島を訪れたくなった。