中島花野のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「人を依存症にするのは、快楽じゃないよ。
心身の痛みや、それぞれが感じている生きづらさが原因で依存症になっていくの」
アルコール依存症の母親をもつ柳岡千明は、退院後の母親が入所する施設「セゾン・サンカンシオン」へ見学に行く。そこは、様々な依存症に苦しむ女性たちが共同生活を行いながら、回復に向けて歩んでいくための場所だった。迷惑を掛けられてきた母親に嫌悪感を抱く千明だが、施設で同じくアルコール依存症を患っているパピコとの出会いから、母親との関係を見つめなおしていく――。
☆最高!最高!最高!☆読み終えた後、興奮してなかなか寝つけなかった。目を瞑るとシーンが瞼の裏に浮かんできて、自分のココロがグ -
Posted by ブクログ
祖父やひいばあちゃんとのつながりから戦争について考えていく子どもたちの物語。
リョウタは祖父から戦争体験を聞き、戦争で亡くなった祖父の兄の足跡を辿りながら戦争を自分とつながりあるものとして捉えていく。レイは戦争で亡くしたはずの息子を探し続けるひいばあちゃんを支えたいと思っている。
レイのひいばあちゃんを接点に、リョウタとレイが戦争への関心を共有し、つながっていくところがよかった。恋が芽生えている様子もあって、甘酸っぱくて素敵。子どもたちには、こんなふうに自分の中の大切な気持ちを共有できる人と恋をしていってほしいな、と思ったりもした。
リョウタがうそをつく場面が、やはりいちばん印象深い場面