中村和彦のレビュー一覧

  • 「組織開発」を推進し、成果を上げる マネジャーによる職場づくり 理論と実践

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    就職氷河期の厳しい競争を乗り越えて入社し、バブル経済崩壊後の業績の立て直しのために成果を上げることを求められ、成果によって評価され昇格した人たちがいざマネージャーになってみたら、いつの間にか働き方に対する社会の価値観が大きく変わってしまい、それに対して苦労しているマネージャー層に向けた1冊。

    問題の本質は、これまでは「会社人間の男性正社員」という同質性が高いメンバーでチームや職場が構成されていたのに対し、今は多様性が求められる時代であることに起因していると思いますが、その点に対して真摯に向き合っており、テレワーク時代におけるマネジメントに関する考え方など、まさに2024年現代に必要なマネジメント理論を学べる一冊だと思いました☆どちらかと言うとJTCのホワイト企業向けの本なので職場によっては合致しない気もしますが、個人的にはおススメ!!
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    ・相手は利己的に自分を利用しないだろう、何か問題が起こっても自分をおとしめないだろう(逆に助けてくれるだろう)、という期待がある関係性が信頼関係という訳です。
    ・協働とは、同じ目標の達成に向けて、ともに責任を担いながら取り組んでいくこと、ともいえます。
    ・上司が部下を「お前の責任だ」と叱責したなら、協働とはいえません。目的の達成に向けてともに責任を担っていない(他人事になっている)からです。
    ・たとえば、マネジャーまたはメンバーの誰かが「このままではいけない」と声に出し、変化を避けるメンバーと向き合うと、変化が必要という人と変化を避けたいという人の間の違いが浮き彫りになり、「混乱期」に移行します。こうした“揺らぎ”がグループの発達には必要なのです。
    ・人は自分なりの意味を作り上げているのです。そのため、情報の内容を共有するだけではなく、その意味を共有することも重要なのです。単に情報の内容を伝えただけでは、その意味は共有されません。

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    2024年02月24日
  • いちばんやさしい「組織開発」のはじめ方

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    やさしくて読みやすい。
    合理性一辺倒で組織を運用するとメンバーのコミュニケーションに明らかな弊害が出る。そんな悩みをゆっくりほどいてくれた。
    意図的に価値のある雑談、気持ちの受け止め、やりとりのキャッチボールをお互いが尊重しながらできるのか。
    まずはここを始められれば、うまくできると信じて粘り強く行えばきっと組織は良くなるはず。。
    できることから、少しずつ、周りを巻き込んで、実践しようと思います。

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    2023年12月12日
  • マンガでやさしくわかる組織開発

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    2年ほど前からずっと本棚に入っていましたが、ようやく手にすることができました。

    組織開発とは、簡単に言えば「職場でのチームワークや共同性を高めるためのアプローチ」ですが、技術やスキルといったものではなく、いわゆる人間関係や価値観の違いといった対人関係的な問題について対応していく、といったほうが強いです。

    この本では「人間的側面で起こっている問題を書き出す【見える化】」→「根本的な問題を対話によって突き詰めて共有する【ガチ対話】」→「あるべき姿を目指してどう対処するかを合意し実行する【未来づくり】」の3つに分ける手法が描かれています。

    取り扱うのが人の心といったセンシティブなものなので実践の難易度は高いのですが、今後チームとしての成果を出すマネージャーとしては必須のスキルであるように思いました。

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    2023年12月03日
  • 「組織開発」を推進し、成果を上げる マネジャーによる職場づくり 理論と実践

    購入済み

    わかりやすくてじんわり胸に響く

    組織開発をマネージャーの立場で実践する上で必要なポイントがまとまっていた。
    特に実際にやるための参考になるやり方や、セルフリフレクションで振り返るための問が用意されているのが良かった。
    私はまだマネージャーではないが、マネージャーになるために、また今支えるためにできることを考えながら読めた。
    組織の状態やその変化の過程が学術的にはどうまとめられているか、わかりやすくまとまっていた。組織開発のことを説明するフレームとして使える情報が多かった。色々なところで活用できる良書だと感じた。

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    2022年12月17日
  • 「組織開発」を推進し、成果を上げる マネジャーによる職場づくり 理論と実践

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    読み進めながら、セルフリフレクションをがポイントにはいり、今の理解を文字や言葉にして進めていけます。

    そのため、学びを実務に結びつけることができます。

    特に4章のチームや職場レベルの関わりでは、サーベイのフィードバックのやり方の具体的な内容やチームの強みに焦点をあてる進め方についての勘所が書かれており、とても参考になりました。

    1時間くらいで読み返して、何度も反復することで、学びがより実践になるのだと思います。

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    2021年10月11日
  • 組織開発の探究―――理論に学び、実践に活かす

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    組織開発とはなにか、そしてこれまでどのような歴史を経て発展(あるいは衰退)してきたのか…背景となる哲学や心理学の系譜も踏まえながら、組織開発についてかなり欲張って一冊の本にまとめられているなという印象。分厚いが、厚みだけではない重厚さ、組織開発が扱う領域の広さと深さを感じられる本書。組織開発について学びたい、実践したいならまず読むべき本。

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    2021年08月01日
  • マンガでやさしくわかる組織開発

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    以前会社の風土改善の研修でやったことがまさにここに描かれていたことであることに気がついたのが収穫。その時はコロナでだいぶ停滞してしまったことが今更ながら悔やまれる。

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    2021年03月01日
  • マンガでやさしくわかる組織開発

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    恥ずかしながら、人事コンサルという仕事をやっていながらも説明がしにくく困っていた「組織開発」について自分の中で色々腑に落ちてかなりスッキリした。
    マンガのストーリーも含めてイメージが湧きやすく、考え方もまとまっていてとてもわかり易いと感じた。認識が漏れていた・ずれていたと感じたところもあるので今後に生かしていきたい。

    「適応課題」になかなか向き合えていない会社・組織が大半かもしれないと考えてながら読んだ。

    求め過ぎだとわかりつつも、上司や経営者のマインドセットを変える要素まで具体的にイメージが湧くところまであればとも思ってしまったのは正直なところであるが、それを差し引いても、何度も読みたいと感じた。

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    2019年08月21日
  • 組織開発の探究―――理論に学び、実践に活かす

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    組織開発において、実践者として手法やテクニックではなく、その背景や思想を理解したうえでマインドセットを持つことの大事さがヒシヒシとわかる本。
    人材開発と組織開発の第一人者同士の共著というのもあって、隣接する分野のつながりも理解しやすく書かれている。思想や理論を読んだ後に実践編の具体例を読むと、冒頭に書かれていた風呂敷のニュアンスがよくわかった。その組織に合う形に落ち着くまでコツコツ対話を重ねて、その流れを積み重ねるのが重要だと胸に刻みます。

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    2019年02月15日
  • 組織開発の探究―――理論に学び、実践に活かす

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    「組織開発の探求」というタイトルだけど、内容的には、「組織開発の歴史」という感じの内容が大部分だな。

    これが、でも実に目から鱗がポロポロと落ちまくる内容。

    なんとなく、こんなもんだろうと思っていたことが、どういう哲学、心理学的な背景をもちつつ、また世の中の状況とか、企業環境とか、経営学の流れともシンクロしながら、発展、変化してきたかがとてもクリアにわかる。

    それは、単に知的に「組織開発」の歴史が理解できてスッキリした以上のものがある。

    自分がこれまで、なんとなくそういうものだと思ってやってきた「作法」が、先達のどういう志や思想、知恵、努力の積み重ねの上に成立してきたものかが、わかって、感謝しかない。

    やっぱ、一つひとつのことをなぜそうするのかを深く「探求」したうえで、やっていこうという思いをもった。

    そういう意味では、まさに「探求」の本だな。

    そうしたオリジナルな知恵・ツールを尊重すると同時に、本に書いてあることをそのまま現場に持ち込むことの危険性も言及してある。わたしはどちらかというと、「あえて」本に書いてある通り、あまりアレンジせずに一度やってみて、どうなるかを見てみる、というやり方をやっている。つまり、日本とか、会社の状況を「忖度」しすぎると、もともとのツールのパワーが落ちてしまう気がしているから。。。

    でも、今後、もうちょっとこの辺の応用は柔軟にしないとな。。。。

    あと、組織開発は、人間的なソフトな側面にフォーカスするものではあるけど、経済的なハードな側面との関係にも意識を向ける必要も書いてあって、ここは全くそうだと思うな。

    全体と部分、ハードとソフト、定量と定性、まさにインテグラルに捉えて、どう進めていくかを考える必要があると思う。

    それにしても、この本の日本の状況に関する議論とか、ケースを読んで、アメリカの状況との差に暗い気持ちになり、さらに自分の状況とを比較して、最後は、暗澹たる気持ちに落ち込んでしまった。

    というのは、個人的な問題で、この本は、本当にすばらしい。

    組織開発に関心のある人、全ての必読書だな。

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    2018年11月12日
  • 入門 組織開発~活き活きと働ける職場をつくる~

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    組織開発という語を見かける機会が最近また増えてきたものの、ぼんやりとしたイメージしか持ってなかったので、きちんとした理解を深める為に本書を読みました。著者はこの分野の第一人者で、入門書らしくこれまでの歴史、根底にある基本的な考え方や価値観、実践されている手法を通り一遍説明しており、ODの入門書としてふさわしい内容となっております。ただし、実例にはちょっと簡単にしか触れておらず、進め方の例が参考になったのでもう少し色々なケースの紹介が欲しいところですが、そもそも広く浅く概要するので詳しくはネットなどで調べて欲しいという指示があり良心的だなとは思います。実際に組織開発に取り組む機会が増えそうなので、また何かの時に振り返って戻りたい一冊です。

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    2018年08月08日
  • 入門 組織開発~活き活きと働ける職場をつくる~

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    2年くらい途中まで読んで、放置状態でしたが、改めて最初から読み直し。

    組織開発について、コンパクトにまとまってます。

    Y理論の観点を持てるかどうかがキーですね。
    本当にYだけでうまくいくとは思えない自分がいる限り、なかなか組織開発の実践者になるのは難しそうです。

    上になればなるほど、それで事足りるのは、結局、ミドルが最も多様な価値観の持ち主に直接かつ密な接点があるからか。

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    2018年06月28日
  • 入門 組織開発~活き活きと働ける職場をつくる~

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    組織開発というのは、考え方であると同時にスキルでもある。考え方を身につけておかなければならないのだけれども、何かを実現するためには、そのためのスキルが必須という意味。
    組織開発を人に教えられる専門家、すなわち、考え方もスキルも身につけている人は日本には少ないのだと思うが、中村先生はその数少ない専門家のお一人。

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    2016年11月03日
  • 入門 組織開発~活き活きと働ける職場をつくる~

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    良書、再読
    個人、グループ、グループ間、組織全体
    ・戦略的な諸問題
    ・人材マネジメントの諸問題
    ・技術構造的な諸問題
    ・ヒューマンプロセスの諸問題

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    2016年05月05日
  • 入門 組織開発~活き活きと働ける職場をつくる~

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    組織開発の入門書として、最適な一冊。分かりやすく、QCやダイバーシティなどの概念整理もされていて、かなり参考になった。

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    2015年08月05日
  • 入門 組織開発~活き活きと働ける職場をつくる~

    Posted by ブクログ

    組織開発の全体感がぎゅぎゅっとコンパクトにまとまった本。入門書としてはとても良いと思います(多分数時間で読める)。途中、具体的な事例もあってイメージがしやすかったです。
    具体的な企業の例がコラムとかでももっとあると、よりわかりやすかったかも、と思いました。

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    2026年02月01日
  • 対話型組織開発――その理論的系譜と実践

    Posted by ブクログ

    訳者まえがき
    用語解説
    序文 対話型OD――過去・現在・未来
    第I部 序論および概要
    第1章 対話型ODのマインドセット
    対話型ODのマインドセットの主要な前提
    1.現実と関係性は社会的に構成される
    2.組織は意味を形成するシステムである
    3.広い意味における言葉が重要である
    4.変革を起こすには会話を変えなければならない
    5.統一性を求める前に、違いを明らかにするための参加型の探求と積極的な関与の仕組みを構築する
    6.グループと組織は絶え間なく自己組織化する
    7.転換的な変革は、計画的というよりも、より創発的である
    8.コンサルタントはプロセスの一部になる。プロセスから離れてはならない

     要するに、対話型ODのマインドセットが前提とするのは、グループや組織とは、ナラティブ、ストーリー、イメージ、シンボル、ならびに対話を通して絶え間なく創出され、維持され、変革されながら、自己組織化する、社会的に構成された現実であるという考えだ。実践者やコンサルタントの役割は、転換的な変革の実現につながる新しい語られ方と考え方の育成、維持、 そして促進を支援することである。この役割は、一般的に、現状の相互作用をより多様性のあるものにすること、話題の焦点を問題点から可能性に移すような生成的な質問をすること、さまざまな会話が起こるようなコンテナあるいは場を作ること、そして、有益な成果につながる関わりを促進すること、 によって果たされる。
     対話型ODの実践者は、解釈主義の観点から意味を形成するプロセスについて考え、探究を助長し、会話がどのように社会的現実を作るのかに注目し、 連続的な創発のプロセスとしての組織の変革を促進する。このような考え方は、組織とは科学的に研究されるべき対象であるとする診断型ODのマインドセットと対照的である。診断型のマインドセットでは、正確な診断を実施すること、会話は客観的現実(事実)を伝えるものだと確信すること、さらに変革は期間限定的なものであり、計画とコントロールが可能なものと考えること、という捉え方をする。

    第2章 対話型ODの実践
    ミーティングやイベントの設計と運営において重視すること
    ①問題に関わる当事者に関与してもらう方法
    ②全体的な問題に関わる話し合いに人々が積極的に関与するよう促す方法
    ③自分たちの会話が可能性を制限したり広げたりする状況に対して、人々が常に敏感でいられるよう支援する方法
    ④ イベントで形成されるネットワーク、アイデア、エネルギーが、イベント後も確実に維持され強化されるようにする方法

    戦略的プロセス設計の必要条件
    ・不安感
    ・運営コミッティ
    ・多元的なエントリー・プロセス
    ・適用の環境

    本章のまとめ
     最後にはっきりさせておきたいのは、対話型ODは単によい対話を促進させることに留まらないということである。実践者、マネジャー、およびコンサルタントの中には、対話型ODの看板を掲げながら、厳密にそのマインドセットにしたがって仕事をしているとは言えない人々もいるだろう。
     そのような人々が本章を読むと、私たちが対話型ODの実践を説明する際に、「対話」の実践、話し合いの構成の仕方、参加者が互いの話に耳を傾けるように彼らと協力すること、参加者が安心して会話を共有できるようにすること、積極的に相互作用を促進すること、などにほとんど触れていないことに気づいて戸惑うかもしれない。
     たしかに、コミュニケーションのスキルが向上すれば話し合いも上達するだろう。だが、対話型ODは人々やプロセスをありのままに受け入れる手法であり、相互作用の「正しい」方法について多くの先入観を持ちすぎないほうがよいと私たちは考えている。ODコンサルタントには高度なコミュニケーション能力が必要だが、対話型ODの目的は彼らのスキルを参加者に複製させることではない (第9章で示すケースのように、スポンサーがそのように希望する場合はその限りではない)。
     生産的な成果に直結する相互作用を設計または促進する方法には特定のモデルやプロセスが想定されるだろう。だが、対話型ODのマインドセットには、人々がどのように会話するべきかの特定のモデルやアイデア、または、 「対話」を完成するための正しいグループプロセスは含まれないと私たちは考える。加えて、そのような基準に照らして、人々とグループを暗黙的に評価するようなこともしない。むしろ、対話型ODのマインドセットは、会話の方法、組織化のプロセス、変革をリードしたりフォローしたりする方法を試行錯誤しながら促進することで、参加者の今のニーズと文脈に最も適したものが立ち現れてくると考える。
     対話型ODの実践は、3つの基本的な変革プロセス(創発、ナラティブ、生成)に焦点づけながら、大きな変革が求められる深刻なジレンマと適応を要する課題に対処するために、参加者に本来備わっている知恵とモチベーションをうまく用いて進められるのである。


    第II部 対話型ODの理論的基盤
    第3章 社会構成主義者による表象としての知識への挑戦
    社会構成主義の柱
    ・意味は社会的相互作用を通して創出される
    ・何が善か/正しいか/真実かは、社会的合意によって決まる
    ・社会構成においては言語と相互作用が最も重要である
    ・知識と行動は繋がっている

    本章のまとめ
     本章では、再表現としての知識を重視する、啓蒙主義の流れをくむ基本的な前提を説明してきた。再表現とは、知識を得る当人とは離れて存在する客観的世界があるかのように考えて、世界の側面について発見したことを他者に提示することである。このような考え方は、今でも組織研究の分野において使われている。社会構成主義者は啓蒙主義の伝統に異論を唱え、私たちが現実として捉える世界は、自分たちが他者との交流によって創出しているものだと提案する。私たちが一般常識として受け入れているものは、実際は継続的に絶え間なく構築されているものだと考えるのである。この考え方は、 組織変革と組織開発に対する私たちのアプローチに大きな影響を及ぼしている。
    「現実」として当たり前に受け入れているものの多くが、実はコミュニティの関係性の中で構築されているのだと明確に理解するのは難しいかもしれない。私たちが世界を構築する方法と、世界が「正常」なものを私たちに提示する方法は、社会的な関係性を基盤としている。このことは、私たちがコミュニケーションを取りながら自分たちの生きる世界を構築していることを意味しており、コミュニケーションの重要性をより一層強調する。語ることによって世界は生まれるのである。
     社会構成主義者の思想は、イノベーションをもたらす大きな潜在力を持っている。また、社会構成主義の思想は、新しい語られ方のありようを導入することによって、世界を構成し再構成することができると主張する、対話型 OD の前提と実践に大きく貢献している。新しい声、これまでとは違うメタファー、斬新な言葉づかいなどを取り入れることによって、私たちは伝統的なものごとの認識の仕方に対抗し、新しい意味の世界と可能性を手に入れることができるのである。


    第4章 ディスコースと対話型OD
    組織ディスコースの重要な概念
    ・ディスコース:その作成、普及、利用という関連する行為に伴って、アイデアや思考を具体的に表現する、相互に関連する「テキスト」の集まり
    ・テキスト:内容や主題の意味を伝えるすべてのもの(言葉、シンボル、絵や図表、 ジェスチャーなど)
    ・文脈:テキストが組み込まれた、時間的、歴史的、文化的、社会的状況。すべてのテキストは、潜在的に、他のテキストの文脈である
    ・ナラティブ:一連のアイデアや事象を意味のあるストーリーラインに結びつける、主題や問題に重点をおいた、口頭による語り (文書による記述)
    ・会話:2人以上の人々の間の相互作用や交流の一部として、時間的にもレトリック的にも相互に関連する一連のテキストの作成、普及、解釈

    本章のまとめ
     本章での議論により、ディスコースを重視するアプローチが、対話型OD の理論と実践にどのように役立つかを示すことができれば本望である。本章では、多くの重要な構成概念、特に、社会的現実を構成する会話の連続として組織を概念化することによって、組織の安定と変革がどのように創出されるかが明らかになり、さらに、変革プロセスの内容と成果にどのように影響を及ぼすのかが明らかになるということを提案している。
     ディスコースのレベルと様式の多様性、権力と政治的プロセスを伴う変革のナラティブの構成、および、そのようなナラティブが会話を通して伝達され実行に移されるプロセスは、対話型の変革アプローチにおいて根本的に重要である。それに加えて、多様な意見、表に出てこない意見、代替的なディスコースなどを効果的に取り入れて、新しいナラティブ、思考方法、行動などが生まれるように働きかけることも大切だ。時間とともに変化するディスコースの再帰的、反復的、継続的性質は、組織の変革そのものの本質を理解するために重要な意味を持ち、伝統的な解凍-変化-再凍結による、計画的変革の手法とは異なる方法の有効性を示唆している。最後に、組織のメンバーとともにディスコースを重視する現実を共創していく対話型OD実践者の役割と、彼らが内省をしながら実践に臨むことの重要性は、対話型の理論や実践、倫理の中核的な側面であることを忘れてはならない。


    第5章 生成的イメージ
    大事なのは・・・・・・誰も見たことがないものが見えるようになることではなく、皆に見えているものについて、誰も考えないようなことを考えることである。
    ――エルヴィン・シュレーディンガー

     新しい行動につながるような新規性のある表現や洞察を生み出したいという暗黙の願いは、すべての対話型ODのアプローチに見られる中心的テーマである。ところが、新規性はどこから生じるのかという、基本的だが重要な問題が注目されることはほとんどない。たいていの人は対話がうまく行われれば、対話そのものが新しいアイデアにつながると考えるだろう。しかし、 実際はまったく異なる。
     本章では、新規性を生み出す1つの手段に目を向ける。その手段である生成的イメージは、それまでとは違う新しい概念とメタファーの世界を示し、 それによって私たちの今の話し方、暗黙の了解、および可能性と理想についての考え方を変える。変革を最も強力に推し進めるのは新しいアイデアであり、これは新規性のある表現、つまり、新しい言葉やフレーズの中に見つかることが多い。「新しい言葉は、議論の地面にまかれた新鮮な種のようなものだ」 (Wittgenstein, 1980, p.2)
     最近の50年間で生成的イメージを最も象徴するものの1つとして挙げられるのは、「持続可能な開発」だろう。この言葉が現れるまで、環境活動家と実業界のリーダーが互いに意見を交わすことはほとんどなかった。環境保護主義者は、社会活動家として小規模な団体を作って活動するばかりでほとんど影響力を持たなかった。そして彼らは、すべての実業家は宇宙船地球号を破滅へと導く精神錯乱者だと考えていた。その一方で実業家たちは、環境保護主義者があらゆる技術的進歩を阻止することで頭がいっぱいの「エコナッツ」(熱狂的な環境保護論者)や「ラッダイト」(技術革新反対論者)であると考えていた。たとえば、1987年の初めの頃に筆者の1人は、「こんな環境がどうのこうのという問題はすぐに丸く収まるよ」と、世界有数の林業関係企業の将来計画担当副社長がスキー場のリフト待ちの行列で、臆面もなく話していたのを耳にした。
     ところが、その年の終わりごろになって、国連のブルントラント・レポートが「持続可能な開発」という言葉を初めて使用すると、変革の波が瞬く間に世界を覆っていった。ある日を境に、実業家、政治家、そして環境保護論者が共通のテーマに向き合うことになったのである。長年にわたって「私たちの言うことを聞け」と叫んでいた人々が、環境団体の方を向いて「話はわかりました。それで、どうすればいいのですか」と言い始めた。変化の速度があまりにも速く、破壊的とも言えるほどの勢いがあった。そのため、カナダでグリーンピースを立ち上げた組織は、役員や委員になって活動にお墨付きを与えてほしいという要請に、どのように対応するかを巡って内紛が起こり、あやうく組織が内部から崩壊してしまうところだった。この生成的イメージがどれほど大きな変化をもたらし、今もどれほどの影響を与え続けているかは注目に値する。もっとも、持続可能な開発という言葉が何を意味するかの一般的な定義はまだ定まっていない。本章で説明するように、意味の曖昧さは、生成的イメージに必要な要素なのである。
     生成的能力という言葉と、生成的探究や生成的ダイアログの概念は、この 10年間で広く普及したが、生成的イメージの概念について書かれたものはほとんど見当たらない。対話型の変革プロセスに関する一部の論文が、生成的イメージは対話型ODによる変革を実践するための重要な手段であると説明しているのみである (Barrett and Cooperrider, 1990; Bushe, 2010, 2013a; Bushe and Kassam, 2005; Srivastva and Barrett, 1988)。生成的イメージのアイデアはメタファーのそれに似ているが、すべての生成的イメージがメタファーというわけではなく、また、すべてのメタファーが生成的というわけでもない。本章では、生成的イメージというアイデアの本質について考え、組織開発に適用された例を紹介し、対話型OD実践者がこのアイデアをどのように用いることが可能かを提案する。

     その後、大都市の学区を対象に実施された8つのアプリシエイティブ・インクワイアリーの事例では、転換的変化が生じた4つの学区の変革プロセスと、変化が生じなかった4つの学区を比較した結果、前者では新しい生成的アイデアが出現していたが、後者では出現していなかったというのが主な相違点だった(Bushe, 2010)。さらにこの研究で明らかになったのは、転換的変革のプロセスが生じた例はすべて、重要事項として広く認識された問題に積極的に取り組んでいたのに対して、それ以外のプロセスではそのような取り組みは行われていなかったということであった。このような結果を受けて、 ブッシュは、広く認識された、変革に動機づけされるような関心がない場合、 人々は転換的変革に必要な労力を費やさないだろうと主張し、また、AIは問題解決の手法ではなく、生成的能力を通して問題に取り組む手法であることを提示した。

    対話型ODにおける生成的イメージの活用
    1.リーダーや設計チームと協力して、変革プロセスの指針となる生成的イメージを創出すること
    1)変革のスポンサーとなる人々が関心を寄せている中核的テーマを把握する
    2)変革プロセスに関与するべき人々の関心とエネルギーを把握する
    3)探究の焦点を、それまで誰も思いつかなかったような形で設定する
    2.人々が現状を理解するのに用いているメタファーに注目し、別のメタファーを試みる
    3.生成的イメージを生み出すために、これまで疑問視されてきていない、二者択一の考え方、ボラリティ(対極性)、パラドックス(逆説)について考えてみる
    4.生成的イメージが生まれて、それがすべての人々に理解される機会が増えるように、対話型プロセスを設計する

    本章のまとめ
     生成的な変革プロセスは、人々に物事に対する既存の見方を見直すための新たな視点を提供する、新しいイメージとアイデアを生み出し、それによって説得力のある、意思決定と行動の新たな選択肢が創出される。生成的な変革プロセスは、人々が変革への提案を生み出し、これに従って行動していくうえでの触媒として機能する。そのため、変革の取り組みの一部は、人々と組織の生成的能力を高めることに焦点づけることが可能である。新しいアイデアとイメージを生み出すための人々の能力とモチベーションを高めることに注力するのである。また、プロセスそのものの生成的能力に注目することも必要だ。つまり変革プロセスが、共同の生成的イメージの創出と活用を、 どの程度促進するかという側面に目を向けるのである。
     対話型ODは、それ自体が生成的イメージである。対話型ODは、従来の診断型の変革アプローチには限界を感じていた、ODコンサルタントや変革を志向する他分野の専門家たちから共感を得ている。彼らは、自分たちが実践している活動について説明や議論をするための、あるいは、実践対象となるコミュニティを見つけるための共通言語を以前は持っていなかったのである。本書で示されるように、対話型ODは新しい理論と手法を生み出している。探究の領域はますますその守備範囲と重要性を広げつつあり、対話型の道を進むことを選んだ私たちを待っているのである。


    第6章 複雑性、自己組織化、創発
    ・参加型マネジメントは、より実りの多い、より多様性が豊かな、そして活気の満ちた組織を実現する
    ・関係性は、機能する構造を形成するための鍵となる要素である。私たちは、 粒子を見るのか、それとも波動を見るのか。物理学者は、観察される対象とそこから明らかになるものを決定するための鍵となる要因は関係性だという。 粒子は、他との関係を持たずに単独で存在しているのではない。言い換えれば、存在物の間にある目に見えないつながりが、全体を理解するために必要不可欠だということだ。このような目に見えない力が、空間と挙動を形作るのである。
     この考え方が、組織のビジョンのようなアイデアにどのような意味合いを与えるか考えてみよう。ビジョンは一直線で描かれた道の先にある目的地というよりは、むしろ、波のようにあらゆるものを覆い、周囲を巻き込んでいくような動きをするものである。ビジョン、価値観、倫理観が組織に浸透すると、その組織に接する人々は、何らかの影響を受ける。ウィートリーが提唱したのは、飛躍する組織を作ろうとするならば、規則や手順に沿って運営される組織を設計するのではなく、まず価値観や倫理観に基づく明確な目的と理念をを設定するべきだということである。
    ・情報は問題を体系化する
    ・確固たる基準枠を持つ自立性と自己準拠が、一貫性と継続性を生じさせる

    本章のまとめ
     ニュートン的世界観は、その矛盾が科学者たちの追究によって露わにされたことによって揺るがされている。その科学者たちがお互いの研究を見出し、 その成果をわかちあう中で、有効なパターンと顕著な特徴が浮かび上がってきた。分化のプロセスが始まり、カオス、複雑性、自己組織化、創発、その他たくさんの新しい言葉が定義され、新しい世界観をもたらした。
     カオスから私たちが学んだのは、複雑な行動が、単純なルールに従う個々の主体の相互作用を通して引き起こされるということだ。さらに、初期条件が大きな意味を持つ。複雑性とは、一応安定を保っているだけの状態、平衡から遠く離れた、秩序とカオスの間に動的な緊張がある状態である。自己組織化は、複雑系の多様な主体がお互いの間で、そして、周りの環境との間で相互作用するときに自発的に生じる。創発はこのような相互作用の本質を見るためのレンズを提供する。焦点づけるのは、新規性、つまり元の構成部分とは異なる、新しく発生した性質である。
     この新しく出現した複雑性科学がもたらす世界観の変化は、私たちに適応する能力、予期しない事象に対応する能力、唯一の真の自己を確立する能力を求める。私たちは他者や環境と相互に作用する中で、他者も同様の能力を発揮できるように働きかけ、やがて新規性とイノベーションを出現させるのである。


    第7章 「関わりの複雑反応プロセス」として組織を理解する
    本章のまとめ
     再帰的な思考ができるOD実践者は、クライアントとともに活動し、彼らが自分たちの組織内における役割をより深く理解し、グループのコミュニケーションをより活発で親密なものにすることで、より意義のある意味を創出できるよう支援する。このような活動が単純化されて、規則や手順になってしまってはならない。より流動的で複雑な会話を発達させるためには、 リーダーやマネジャーが将来の成果にとらわれて、計画や問題解決を急ぐような組織のパターンが広まるのを阻止しなくてはならない。そのために必要なのは、組織の人々がこれまでどのような行動を取ってきたのかを物語るナラティブを調査し、彼らの行動の歴史と行動の理由に対する理解を深めることである。そのようにして生まれた会話を通して、グループのメンバーは、 今の立場から過去を検証し、今の立場から将来について考えるためのより多様で堅実な方法を見出しつつ、自分たちの現状をよりよく理解できるようになる。
     再帰的な方法はナラティブを重視する。リーダーやマネジャーに勧めるのは、今自分たちが直面している厄介な事象について簡単に説明する文章を書き、それについてグループで話し合うことである(この種のアプローチについては第16章を参照)。人々はこのような活動を通して、自らの考えを深め、現状に関してより深い洞察を得るようになる。
     ここで認識しておかなくてはならないのは、組織に属するすべての人々と同様に、ODコンサルタントもまた、自分たちの活動がどのような結果をもたらすのかを事前に確認できないという、不確実で予測不可能な状況下で仕事に取り組まなければならないことである。ODの実践を必要とするような複雑な状況にありがちな不確実性に直面すると、実践の結果がどうなるかについて事前に特定するのは、不可能とまでは言わなくとも、非常に難しいということがわかってくる。先が読めない世界では、ODの専門家たちも、コンサルティングの対象となるクライアントと同じく、自分たちの実践的判断力に頼る以外に方法がない。だが、自らの実践活動について再帰的に探究することによって、有益な成果を得ることができるだろう。


    第8章 協働的探究としてのコンサルティング
    本章のまとめ
     対話型ODの枠組みの中でコンサルティングを実践する場合、すべての活動はクライアントとの協働作業である。コンサルティングの仕事は会話を通して実践され、会話とは他者との協力により成り立つ行為であるため、協働しないという選択肢はありえない。ODコンサルタントの実践の重点は「とのように協働関係を築くか」から、「共通の目的を達成するために、どのように他者と会話を共創するか、そして、学習を促進する会話にどのようにいざない、進めていくか」という側面に移行している。
     協働的コンサルティングを実践するための対話的アプローチは、3つの重要な前提を基盤としている。1つめの前提は、協働的コンサルティングを協働的な探究の一形式と捉えることである。協働的な探究は対話を用いて、問題点の明確化、行動とその行動への内省を生じさせるプロセスの設計、自らの経験を省みること、将来に向けてするべきことの決定などに取り組む活動である。その中で用いられるのは、共同ミッションの設定、共同設計、共同内省、共同アクションのための会話である。
     2つめの前提は、特定の問題や課題に焦点を合わせるための会話の設計は、 始まる前に行うことも、進行中の会話の流れの中で行うことも可能だということだ。設計によって結果が決まるというような単純な因果関係は想定されないが、特定の方法で会話を構成すれば、共通の目的を達成する可能性が高まると仮定できる。
     3つめは、対話型ODの視点に立つ場合、ODの価値観にしたがって会話にいざない、設計することが重要だということである。そのような価値観に含まれるのは、肯定、関係性、生成的能力、創造性、対話の概念である。
     組織における協働的な探究と学習を重視し、新しい洞察、考え方、行動を可能にする会話の共創は、科学的行為ではなく、芸術的行為である。真の芸術家と同様に、素晴らしい作品 (会話の内容)を作り上げるためには、インスピレーション(対話型の価値観)、適切な道具(設計としての会話)、原材料(会話の構造と進め方)が必要だ。しかし、協働的コンサルティングそのものに特定して考えるならば、素晴らしい作品は単に芸術家一人の意欲があるだけでは完成されない。コンサルタントと彼らとともに仕事をする人々が、ともに実践を進める中で、彼らが共有する価値観から生まれる力によって完成される共同作品なのである。対話型ODのコンサルタントがこれらの価値観を他者との会話の中で実現するとき、人々と協働する関係が築かれ、生成的な会話が生まれる可能性が高まるのである。


    第III部 対話型ODの実践
    第9章 変革を可能にするもの
    本章のまとめ
     本章では、組織が絶えず活動し、変化の過程に置かれているときに、人々が自ら仕事へのアプローチを変えるために、ODコンサルタントはどのように関わるかについて論じた。1つの事例をあげ、組織における変化を促進するために、ODコンサルタントが少なくとも3つのレベルのスキルを身につける必要があることを明らかにした。そのうちの2つは、プロセスの計画で組み入れられる、さまざまなアクティビティに関して統一性のあるナラティブを構築するスキルと、対話型ミーティングを立案・運営するスキルである。 さらに重要な3つめのスキルとして、ODコンサルタントの自己への気づきと内省のスキルも指摘した。そのようなスキルを備えたコンサルタントが舞台の上で対話に臨んだときにこそ、人々はそのプロセスに積極的に関与するべきかどうかを判断するからである。特に緊張や曖昧さが内在する状況においては、コンサルタントの自己への気づきと内省のスキルが試されることとなる。
     以上の理論および実践に関する解説とあわせて、本章ではある組織でどのように変革が実現されたかを紹介した。プロジェクトの参加者による語りを引用しながら、参加者にアクションを促した要因について論じた。これらの要因から、プロフェッショナルな人々のグループにおける変革のプロセスのファシリテーションを行う際に、コンサルタントに求められることの全体像が見えてくるだろう。これらの要因は単独では作用しないし、あらゆる変革のプロセスに典型的な要因というわけでもない。しかし、対話型OD実践者が関与するすべての変革のプロセスにとって、有効かつ信頼できる要因である。

    第10章 対話型ODにおけるエントリー、レディネス、契約
    本章のまとめ
     本章のまとめとして、「出発点」に格別な注意を払うことを読者の皆さんにアドバイスしたい。コンサルティングの出発点は、プロセス全体のトーンを決める音叉[楽器の音合わせに使う道具]となるからである。対話の精神に基づいた、平等かつ共創的なスタンスでエントリーと契約に臨めば、独自のトーンがやがて明らかになり、プロセスに新たな空気を吹き込んでくれるだろう。
     レディネスの把握と醸成、エントリー、契約というフェーズは、その後の一連の取り組みのための単なる「準備」ではない。これらのフェーズはまさに対話が「生まれる場」であり、その後のあらゆる取り組みに大きな影響を及ぼす。そのために以下を推奨する。これらのフェーズで長々とした説明をしないで、このフェーズをモデルとして使うこと。対話型の人間かつ対話型 OD実践者としてのありようのよい例となること。そして、自分たちがともに携わっていく取り組みを反映するような、新しいことを用いていくこと。


    第11章 対話型OD における変容的学習
    結論とまとめ
     本章では、対話型ODと変容的学習理論の関連性、ならびに、変容的学習の理論と実践を活用していかに対話型ODの実践を発展させることができるかを論じた。主なポイントは表11.2 (次頁)にまとめている。
     本章で筆者は、よくあるファシリテーション戦略およびグループ戦略を別の視点から用いることによって、変容的学習を促進する方法を明らかにしょうと努めた。「変化だけでは足りない。必要なのは転換だ!」と切実に願うクライアントに対し、対話型ODの実践者が変容的学習理論の知識を用いながら、明確な道筋を示すのを支援するのが本章の目的である。
     筆者は前著において、クライアントの複雑性やレディネス・レベルに基づいて診断型OD、対話型OD、あるいは、両者の混合型ODのいずれかを実践する際の枠組みについて論じた (Gilpin-Jackson, 2013)。その中で筆者は、 レディネスの高さが対話型ODの成功の中心となることを示唆した。変容的学習を対話型ODに適用し、不足しているレディネスを醸成するには、変容のプロセスの初期段階において、クライアントの情緒面を支援することが重要である。
     本章は、変容のプロセスをたどるクライアント・システムと対話型OD実践者が、いかにして自分と向き合い、発展を遂げるべきかを明らかにしている。対話を通じた考え方、あり方、アクションの変容的学習は、個人とグループの両方のレベルで行われなければならない。2つのレベルでこれを実践できて初めて、組織全体での転換的な変革が成果として達成できるのである。


    第12章 探究を組み立てる
     コンサルティングやティーチングの豊富な経験を積んできたコンサルタントならば、優れた質問に大きな力が秘められていることを知っているはずだ。探究(inquiry)[訳注1]は継続的な学習を助け、人々が価値観や願望、ジレンマを共有できる「場」へといざなってくれる。 」へといざなってくれる。これを私たちは「探究の場」 と呼ぶとよいと考えている。ともに発見しようとすることが信頼関係やコミットメントを育む場である。そのような探究の場に参加した人々は、既知の事実を単に共有するのではなく、ともに学んで新たな理解を生み出し、新たな未来のメタファーとイメージを創出して、前進のための戦略を策定できる。

    5つの探究タイプ
    探究のタイプ/探究の目的/問いの例

    情報共有的
    情報を引き出し、コモン・グラウンドを生み出す
    1. なぜ変革が必要なのか?
    2. 何を生み出したいか?
    3. 現状と望ましい未来を、どのようなメタファーで言い表すか?

    肯定的
    「最良の状態」を明らかにし、その実現に向けて何ができるかを探る
    1. 私たちの独自性は何か?
    2. 最良の成果を上げている状態を、どのようなメタファーで言い表すか?
    3.1人ひとりの個性を、協働的な取り組みの成功にどのように活用できるか?

    批判的
    今の現実と変革の必要性に関する、体系的な理解を促す
    1. 変革の必要性を示唆する出来事は起こっているか? それはどのような出来事か?
    2. 変革に寄与し得る行動パターンはどのようなものか?
    3. 変革が不可能だと思うのは、どのような側面か?

    生成的
    創造的な思考と組織化の新たなアプローチを後押しする
    1. 最大の機会は何か? どうすればその機会を生かせるか?
    2. 機会を生かすために、新たにどのようなメタファーやイメージを創り出せるか?
    3. 新たにどのような対話を始めれば、積極的な関与を実現できるか?

    戰略的
    進むべき道筋と、取るべきアクションを定める
    1. 望ましい未来に向けて、どのように前進することが可能か?
    2. どのようなシナリオを想定しておく必要があるか?
    3. 変革を後押しするような状況を、いかにして創り出せるか?


     生成的探究を後押しするような問いとしては、以下のようなものが考えられる。
    ・私たちの目的を踏まえて考えたとき、組織の未来を左右するようなことは業界内で生まれているか?
    ・今すぐ目を向け、創造的エネルギーを注ぎ込む必要があるのは何か?
    ・どのような問いが、組織の運営と相互関係のあり方のイメージを導き出すか?
    ・私たちが発見する必要がある、私たちの潜在力は何か?
    ・望ましい未来の実現を後押しするような新たなアプローチがあるとしたら、それはどのようなものか?
    ・わが社にとって最大の機会は何か。それを最もよい形で現実のものとするには、どうすればよいか?
    ・それらの機会を現実のものとするために、どんな新たなメタファーやイメージを作り出すことができるか?
    ・興奮と新たな思考、アクションへとつながる新たな可能性を生み出すために、今日からどのような会話を始めることができるか?
    ・私たちの変革力が高まるように、個人やみんなの才能をどのように引き出せるか?
    ・私たちがまだ尋ねていない問いは何か?

     今の現実と可能性のギャップを明らかにするような問いとしては、次のようなものが考えられる。
    ・今私たちが見ているもので見落としているものは何か。私たちが見ていないものは何か?
    ・望ましい変革に向けて前進するための私たちの力は何か?
    ・私たちの潜在力を最大限に活かすのを妨げる、または制限するものは何か?
    ・私たちが前進するような、創造力と革新力をどのように改善できるか?

    第13章 コンテナをホストし、ホールドする
    本章のまとめ
     対話型ODの実践において、コンテナを創り、ホストし、維持する能力は不可欠である。コンサルティングの実践で中核的なこの能力は、繊細かつ重要なものだ。うまくホストされたコンテナは、見識の豊かさと創造性をもたらし、グループが集合的な知を身につけるのを助けてくれる。対話型ODにおいては集合的な意味の生成が、成果という観点から極めて重要なため、コンテナをホストする能力がチームにとって非常に重要な意義を持つのである。 適切にホストされなければ、コンテナはたちまち恐れや命令、コントロールを基盤としたものになってしまう。そのようなコンテナ内でのプロセスからは、対話型ODの目的や実践を損なうような成果しか生まれないのだ。


    第14章 「彼ら」から「私たち」へ
    本章のまとめ
     スポンサーが単なるコンサルティングではなく、マルチグループ・ダイアログへの積極的関与を通じた新たな戦略づくりや、複雑な課題の改善、集合的なパフォーマンスの向上といったことを望んでいる場合、その組織は、継続的な学習と全ステークホルダーによる積極的関与に向けて前進していると言える。このようなダイアログには、何か違うものが生まれるのではないかという期待がつきものだ。マルチグループ・ダイアログの実践に当たってリーダーは、複数のグループにダイアログへの参加を一回呼びかけた後に、 命令を下してコントロールする関わり方に戻り、新たな組織のあり方を考えないという姿勢であってはならない。マルチグループ・ダイアログを終えた後、それらの全グループによる組織への積極的関与をリーダーが推進しなければ、参加者の間に否定的な態度が生まれ、組織内でサポートを得ることはできなくなるだろう。
     対話のプロセスにさまざまなグループの積極的関与を促すことを、軽々しく考えないほうがよい。ちょっと試してみたいという程度の気持ちで、あるいは、組織が解決できずにいる問題の特効薬になるという実践者とスポンサーの思い込みだけで、マルチグループ・ダイアログに挑戦してはならない。
     さまざまなメリット (エコシステムの全体像を捉えられる、イノベーションを実現し得る生成的イメージを生み出せる、不可能を可能にする組織へと転換できるなど)を考えれば、マルチグループ・ダイアログは挑戦するに値するプロセスだが、本書に記述されている慎重な準備を怠ってはならないのである。


    第15章 変革の強化
    バランスのよい変革のための4つの役割
    役割/目的/重要なアクション/課題

    センサー (感知者)
    警告灯となって、 システム内で起こっていることを評価する。
    異なる視点を浮き彫りにし、葛藤を可視化して、人々の関与を促す。
    特定の変革を断定的に唱道することはない。多様な視点を考慮せずにすぐに前進したい人からは歓迎されにくい。

    フレーム・ セッター (枠組み設定者)
    アイデンティティ、 方向性、および他者への指針を確立する。
    幅広い視野と戦略的な視点を備える。
    ポジショニングや境界の設定を支援する。
    リーダーだけに限定せず、 誰でも担えるようにする役割。この役割が優勢になると、人々のニーズやモチベーションが軽視される恐れがある。

    スタビライザー (安定者)
    秩序と構造を維持する。過去にうまくいった事柄に注目するよう促す。
    計画と構造の策定を支援し、信頼性の高い、一貫性のある価値の提供を助ける。
    システムのバランスや安定性の大切さを軽視しがちなイノベーターからは、過去に固執し過ぎではないかと批判を受ける恐れがある。

    イノベーター (革新者)
    変革のためのインスピレーションやエネルギーを対話にもたらし、組織の前進を後押しする。
    アイデアを提示し、 リスクを取り、システムに新しいことを探究するよう促す。
    他の役割とのバランスを無視した、まるで見当違いのアイデアを提示することがある。プロセスの達成に向けた持久力に欠ける場合がある。


    本章のまとめ
     対話型の変革プロセスは、常に変化し続ける世界に対して組織が備えるための支えとなる。人生における変化と同様、ビジネス環境の絶え間ない変化に対応するためには、組織は自発性と柔軟性、そして、ゲームをリードし続ける能力を身につけていなければならない。対話型の変革プロセスは、即興性や創発性、流れ、試行という形で、絶えず変化する世界を形成するあらゆる有機的要素を活用できたときにこそ、その成果を発揮する。トップダウン・アプローチの変革と異なり、対話型アプローチの変革はアイデアを持った誰もが参加して、変革のための新たなモデルを提案したり、他者へのフィードバックを提供したりできるのである。
     本章では、3段階モデル(モデルづくり、醸成、埋め込み)を用いて対話型の変革を考察し、対話イベント終了後にさまざまな機会を強化する方法を詳述した。組織が変革の種をまき、肥料を与え、新たなモデルを育むための手法も紹介した。モデルづくりの段階ではスポンサーが、自己組織化のプロセスに積極的に参加し、新たな何かを試そうとする人々を支援し、彼らがリスクを取り、課題のために行動するのを奨励することが必要である。このような種をまく際には、成果を上げることではなく、何かを試みることを重視する必要がある。続く醸成の段階では、イノベーションの小さな芽や望ましい変革を目に見える形にすることで、スポンサーはいつ、どこで肥料を与えるかを知っていく。さらに埋め込みの段階では、他のリーダーの支援を受けながら、スポンサーが組織全体に変革を組み込んでいく。そうすることで、複雑性や反応性、適応性が増していく変革を、構造とプロセスによって支援することが可能となる。
     ODコンサルタントは、対話型の変革を力強く導くことができる。適切なスポンサーシップの構築、デザイン・チームの結成、さまざまな対話イベントを含めた戦略的なデザインの策定、多様な見方の統合、探究の組み立て、 コンテナのホストといった役割に加えて、ODコンサルタントは対話型の変革プロセスにおいて生まれるエネルギーとアイデアを強化する戦略を駆使し、優れたアイデアを組織の新しい現実に転換させる必要がある。そのために ODコンサルタントは、小さな勝利や成功した試行、勢いを得たアイデア、 驚くべき成果、想定外の好ましい成果を活かす必要がある。また、構造とプロセスを組織に組み込むのを支援し、対話イベントから生まれた変化をスポンサーが見守って鼓舞することができるように、構造やプロセスを組み込むのをODコンサルタントが支援することも必要だろう。
     シャインが本書の序文で述べているように、対話型アプローチの変革プロセスに必要なツールや行動様式、指向性は、60年以上も前から存在する。 にもかかわらず、現在このアプローチを意識的かつ意図的に応用している組織はごくわずかである。これは、我々がまだ20世紀初期の科学的なマネジメント理論に基づいたリーダーシップ・スタイルから抜け出せていないことの証ではないだろうか。だがそのようなマネジメント・アプローチは、シンプルかつ機械的な組織構造にしか、もはや通用しない。
     組織がネットワーク化されるに従い、日々直面する課題は一層複雑化し、 厄介になっていく。また、今日の創造的な人々は、職場とビジネスを共創することを強く希望している。こうした環境で必要なのは、誰もが参加でき、 誰でも招くことができる、柔軟な組織の枠組みである。OD実践者が対話型の思考を組織に組み込むのは、決して容易ではないだろう。道理や合理性は往々にして、潜在意識下のプレッシャーや不安に駆逐されてしまうものだからだ。
     未来がどうなるかはわからないが、1つだけ明白なことがある。変革について私たちが今学んでいることも、変化し続けているということである。未来の社会では、組織はもっとオープンに、対話と協働を通じて変革を実践し、 対処する新しい方法を探究していることだろう。これが、21世紀のネットワーク経済における適応を要する課題への、唯一の答えではないだろうか。

    第16章 対話型ODパラダイムによるコーチング
    第17章 対話型プロセス・コンサルテーション
    第IV部 結論―今後に向けて
    謝辞
    訳者あとがき
    職場マネジメントへの示唆――第三のインパクト
     最後に、日本企業における職場のマネジメントへの示唆について考えたい。
     具体的には、組織内で語られているナラティヴが変わることの重要性、そして、マネジャーのマインドセットを見直すことの重要性という2つの側面から考えていく。
     まず、組織内のナラティブが変わることについてである。組織の中には、 多くの人々が会話の中で用いている語られ方がある。働き方改革の例を挙げると、これまでの支配的な語られ方は、「22時まで仕事をするのは当たり前」、 「17時に退社するのは憚られる」というようなものであったと考えられる。
     しかし、働き方改革が叫ばれ、会社が残業時間を減らすことに本気に取り組むようになった結果、「仕事は効率的に進めて17時に仕事を終える」、「残業は避けて、定時退社が望ましい」、「長々と仕事をするより、短時間で効率的に仕事をすることが重要だ」という、別の語られ方に変化してきている。
     だが、多くの企業が働き方改革の施策として、20時になったら会社の電気を消す、残業の上限枠を減らすといったルールや仕組みを設けることで対処している。そのようなハードな側面の変革だけではなく、組織内で語られる会話が変わること(ソフトな側面の変革)の重要性を、対話型ODは示唆している。対話型ODでは、組織の中での語られ方が変わること、組織の日常における会話の言葉が変わることが、本質的な変化だと捉えている。
    「残業を減らせと上から言うなら仕事も減らしてくれ。これ以上個人で対応するのは無理」という不平不満が語られる会話から、「職場のみんなで協働して仕事を効率化し、活き活きと仕事をしよう」と語られる会話へ変わること。「仕事は辛いものでストレスがあるのは当たり前」という発言から、「仕事はしんどいこともあるけど、協働してやり遂げる達成感も味わえる」という発言に変化していくこと。
     そのような会話の変化は、マインドセットや関係性の変化から生まれ、マインドセットや関係性のさらなる変化を促進する。社会構成主義を端的に表した表現である、「言葉は世界を創る (Words create world)」ならぬ「言葉は職場を創る」、「言葉は組織を創る」のである。
     次に、マネジャーのマインドセットを見直すことの重要性について述べたい。「訳者まえがき」でも触れたように、日本企業のマネジャーの中には、 入社時から経験してきた「指示命令型マネジメント」を信奉して実施し続けている人が大勢いる。指示命令型マネジメントは、取り扱う業務が「技術的な問題」(解くべき問題とその解き方がわかっていて、専門家によって技術的に解決できる問題。ロナルド・ハイフェッツ氏が提唱)であり、マネジャーが解決策を知っている場合は機能する。
     しかし、時代とともにマネジャーの役割も変化しているのではないだろうか。凄まじい技術の発展、業務内容の複雑化に伴い、マネジャーよりも部下の方が、業務内容に精通している場合が多い。にもかかわらず、指示命令型のマネジメントにこだわり、業務内容や部下の取り組みを知ろうとせず、数値目標の達成のみを指示し、達成できなかった場合に叱咤激励を繰り返す。 この関わり方を続けている限り、部下との協働関係は構築されず、マネジャーに対する不信感が高まることになるだろう。
     加えて、マネジャーの役割とともに問題の質も変化しているようだ。
     VUCAの時代(不安定で、不確実で、複雑で、不明確な時代)と言われる現在、 私たちは多くの局面で「適応を要する課題」 (これまでの経験や技術では解決できない問題。自らの価値観や考え方、行動を見直して、自らを新しい環境に適応させる必要がある課題)に直面している。既存の解決策では対応できない場合、上司と部下たちがチームとして対話を行い、自らの見方や前提を見直し、新しい見方や前提、発想やアイデアを創発していく必要がある。
     このような「チームとしての創発」を可能とするには、マネジャーがもつマインドセットの変化が必要となる。指示命令型のマネジメント観では、マネジャーは自らの役割を、指示命令によって成果をコントロールすることだと認識していた。一方で、対話型ODが示唆するのは、マネジャーが対話型 ODのマインドセットをもつことの重要性、すなわち、マネジャーが成果のコントロールを手放して、チームによる探究と創発という生成的能力を高め、 潜在力発揮と自己組織化を促進することの重要性である。
     さらに言えば、上司と部下の関係自体が「適応を要する課題」だといえる。 マネジメントそのものが課題の一部であり、新しい部下や新しいチームに適応し協働するためのマネジメントのあり方について、対話を通して探究しつづけることが要求されている。

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    2025年10月18日
  • 入門 組織開発~活き活きと働ける職場をつくる~

    Posted by ブクログ

    組織の二つの側面
     さて、組織には、「ハードな側面」と「ソフトな側面」の二つの顔があります。
     組織のハードな側面とは、形があるものや明文化されたもののことで、組織の部門や部署などの組織構造や組織デザイン、制度や規則、職務内容や仕事の決められた手順、戦略や理念などを指します。先ほどのホテルの例であれば、部署や仕事がどのように分けられているか、各スタッフの業務内容は何か、給与や昇格の制度、就業規則、ホテルの将来に向けた戦略や、ホテルの理念などです。これらは明文化・可視化され、公式的に定められているものです。
     一方、組織のソフトな側面とは、人に関するさまざまな要素、たとえば人の意識やモチベーション、人々の思い込みや前提、コミュニケーションの仕方、協働性や信頼関係、お互いの影響関係やリーダーシップ、組織の文化や風土など、刻々と変化するものを指します。ホテルの例でいえば、各スタッフの仕事へのやる気、スタッフ同士がどのように協働しているか、異なる部署間の連携などです。これらは明文化・可視化されておらず、人や関係性といった心理的な側面です。
     組織開発の先駆者で著名な研究者であるダグラス・マグレガーは、自らの著書のタイトルを『企業の人間的側面(The human side of enterprise)』としました。マグレガーの言葉を用いれば、組織のソフトな側面とは、組織の「人間的側面」ということになります。マグレガーは、組織における人間的側面が重要なマネジメント課題であると主張しています。
     組織のハードな側面だけでなく、ソフトな側面(マグレガーの言う、組織の人間的側面)に働きかけ、その変革に取り組むアプローチが組織開発です。ここでは、組織開発そのものについて検討する前に、組織を機能させていくための捉え方、すなわち、組織のマネジメント課題について詳しく検討していきましょう。


    組織の六つのマネジメント課題
     組織のマネジメント課題には、次の六つが大切だと私は考えています。それは、「目的・戦略」「構造」「業務の手順・技術」「制度(施策)」「人(タレン卜)」「関係性」です(図1)。
     まず、「目的・戦略」(以下「戦略」)は、その組織は何のためにあるのか、そして、組織が将来どのようになっていくのかを明確にし、浸透させるという課題です。
     企業であれば、その企業の目的や理念は何で、どのような製品やサービスをどのような市場に提供し、いかに将来にわたって優位性を確保していくのかを明確にしていくことです。環境の変化やグローバルな競争が激しい現在、戦略は特に重要なマネジメント課題になっています。
    「構造」は、仕事をどのように分け、部門や部署をどのように構成しているか、人々をどのように配置し、役割を割り当てているか、という組織デザイン(組織設計)に関わるマネジメント課題です。
    「業務の手順・技術」は、仕事や業務をどのように手順化するか、仕事の仕方や手順をどのように明確にし、共有するか、効率化していくためにどのように技術を使っていくか(IT化、オートメーション化)、業務プロセスをどのように改善していくか、という課題です。
    「制度(施策)」(以下「制度」)は、人材マネジメントに関するものが中心で、人々のモチベーションを高め、それぞれのキャリアを発展させるために、どのような制度を構築し、施策を実施していくか、という課題です。評価制度や報酬制度、目標による管理やキャリア開発、メンタルヘルスの施策などが具体的な取り組みとして含まれてきます。
     ここに挙げた「戦略」「構造」「業務の手順や技術」「制度」は一度決定されると明文化されて形ができ、変更しない限りは形が変わらないので、組織のハードな側面のマネジメント課題といえます。
     一方、図1の下に位置する「人(タレント)」と「関係性」はソフトな側面といえます。「人(タレント)」(以下「人」)は、個人の能力、スキル、リーダーシップ、意識やモチベーション、感情や満足度などです。「タレント」とは人の能力や才能のことを指します。
     最近では、才能や能力がある人材を採用し、その力量を高め、リーダーとして養成していく仕組みは「タレント・マネジメント」と呼ばれています。人(個人)がもつ力を引き出し、活き活きと仕事ができるように働きかけていくことは、組織における重要なマネジメント課題です。
     そして、同じくソフトな側面である「関係性」にはさまざまなレベルがあります。部署内のレベルとしては、コミュニケーションの仕方、お互いの協働性やチームワーク、リーダーシップのありよう、などがあります。部署間や部門間のレベルとしては、他部署・他部門とのコミュニケーションや連携、組織全体のレベルとしては、組織の文化や風土が挙げられます。
     
     ここまで、組織の六つのマネジメント課題について見てきました。ここで押さえておきたいのは、組織のハードな側面とソフトな側面、その両方が重要な経営課題だということです。「組織は人なり」といわれるように、「人」や「関係性」という人間的側面の重要性については、多くの経営者は気づいています。しかし、人間的側面のマネジメントこそ最重要課題だと捉え、それに投資して継続的に働きかけている経営者は少ないのではないでしょうか。


     最近、会議を短くすることを推奨する企業が多く、その傾向も個業化に拍車をかけています。もちろん、会議やミーティングを長く行えばよいというものではありません。しかし、会議やミーティングという対面の場で、同時性コミュニケーションを行うことでしか生まれないものが三つあります。それは、創造的思考、②チーム学習、③将来のビジョンや目標の合意、です。
     ①の創造的思考は複数の人々と対話することで生まれます。1人で考えても思いつかないような斬新なアイデアは、多くの人とともに自由な雰囲気の中で対話することを通して生まれることが多々あります。
     創造的思考が生まれるコミュニケーションを阻害する一つの要因は、マネージャーのスタイルです。指示伝達型のマネージャーは、自分が考えたアイデアを会議でメンバーに伝え、それを実行するように指示します。この形のコミュニケーションでは、マネージャーのアイデアを超える考えは生まれず、部下は創造的なアイデアを自ら考えるよりも、マネージャーの意向に沿う姿勢になっていきます。
     世の中が安定していて、作れば売れた大量生産の時代であれば、経験豊かなマネージャーが最も正しい答えをもてたので、指示伝達型のスタイルも有効でした。しかし、現代は不安定要素や変化が大きく、競争が激しい時代です。したがって、マネージャーさえも経験したことがない環境や状況に置かれていることになります。マネージャーが正しい答えをもっているとは限らず、部下とともに思考し、他社との競争で優位に立てるような、創造的で斬新なアイデアを生み出す会議やミーティングが必要とされています。
     ②のチーム学習は、マネージャーやメンバーがチームとして学んでいくことです。仕事上の内容や課題について学ぶとともに、業務の進め方や仕事の仕方、会議やミーティングの進め方やお互いのコミュニケーションの仕方(創造的思考をするためにはどのように話し合えばよいかを含めて)を学んでいきます。つまり、会議やミーティングの場が学習の場になっていくわけです。ちなみに、話されている内容(仕事上の内容や課題)について学ぶことは「シングルループ学習」、その内容を話す過程で仕事の仕方や話し合いの進め方を学ぶことは「ダブルループ学習」と呼ばれています。このようなチーム学習は、報告型のコミュニケーションでは起こらず、双発的な対話がなされる場で起こります。
     ③の将来のビジョンや目標の合意については、前提の説明が必要です。まず、多くの会議やミーティングでは、短期的視点から目の前のこと(特に結果や数値とその対策)について話されることが多く、長期的視点から組織について語られること(特に戦略実行、人材育成、強い組織をつくるための関係構築など)は少ないと私は考えています。
     特に、多忙化し、効率性が求められ、会議やミーティングの時間を短くしようとすればするほど、短期的視点から問題対処について話されることが多くなります。そして、将来のビジョンや目標は、前述したように、上から数値目標の形で伝達されることが多く、部下だけではなく、リーダーさえも将来のビジョンや目標を意味づけし、腹落ちさせることが難しいという現状があると私は考えています。
     しかし、職場のメンバーが個業化せず、団体戦として協働していくには共通のビジョンや目標が必要で、しかも、共通の目標が意味づけられ腹落ちしていることが重要です。共通の目標について話し合い、可能ならばともに目指す目標を自分たちで決定することを通して(もちろん、上から降りてきた数値目標を無視するわけではなく、その数値目標の達成と矛盾しない方向で、何を優先するか、どのように行動していくかという共通の目標を自分たちで合意していくことで)、共通の目標を達成することへの内発的動機づけが高まり、ともに協働するチームになっていくことが可能となります。そして、このような共通のビジョンや目標を合意するためには、メンバー全員での対面のコミュニケーションの場が必要となります。


    組織開発の定義と目的
     組織開発の定義にはさまざまなものがありますが、基本的には、組織開発は「組織のプロセスに気づき、よくしていく取り組み」といえます。多くの定義で共通しているのは、
    ・行動科学の理論や手法を用いること
    ・組織の効果性や健全性を高めていくこと
    ・組織のプロセスに対して計画的な働きかけをする取り組みであること
     という点です。
     私が最も気に入っている、組織開発らしさが込められた定義はウォリックのものです。彼は、「組織開発とは、組織の健全さ(health)、効果性(effectiveness)、自己革新力(self-renewing capabilities) を高めるために、組織を理解し、発展させ、変革していく、計画的で協働的な過程である」(筆者訳)と定義しました。
     この定義に基づきながら、次に組織開発の特徴を考えていきます。
     組織開発の目的は「組織の健全さ、効果性を高める」こととされています。この「効果性」「健全さ」を高めるという表現は他の研究者による定義でも頻繁に使われています。組織の効果性は、組織の目標に到達する力、組織の構成員やチームの潜在力を発揮できること、環境の変化に適応し対処できることを指しています。また、組織の健全さは、仕事生活の質、お互いの関係性の質、権力の最適なバランス、ワークモチベーションの高さなどの、極端に表現すると組織内の人々の「幸せ度」と関連しています。
     そして、組織開発の目的としてウォリックが挙げているのが、組織の自己革新力を養うことです。これは、組織が絶えず学習し続け、外部コンサルタントの支援がなくても、自らが変革に取り組み続ける力をもつことを意味しています。


    根底にある四つの価値観
     組織開発は「価値観ベースの実践」といわれています。これは他の組織変革のアプローチと組織開発が異なる点です。マーシャクは、組織開発の根底にある価値観として、①人間尊重の価値観、②民主的な価値観、③クライアント(当事者)中心の価値観、④社会的・エコロジカル的システム志向性、を挙げました。これらを順に見ていきましょう。
     ①人間尊重の価値観(ヒューマニスティックな価値観)とは、人間は基本的に善であり、適切な場さえ与えられれば、自律的かつ主体的にその人がもつ力を発揮すると捉えることを重視する考え方です。ということは、前述したように、マクレガーが提唱したX理論(人間は本来怠け者で仕事をしたがらないという人間観や持論)とY理論(人間は自己実現のために行動し主体的に仕事をするという人間観や持論)のどちらをベースにしているのかといえば、Y理論の考え方になります。
     ②民主的な価値観(デモクラティックな価値観)とは、ものごとを進めて決定するには、それに関連する、できる限り多くの人が参加し関与した方が決定の質が高まり、関与した人々やお互いの関係性にとっても効果的である、と捉える考え方です。たとえば、組織や部門で戦略を立案する時などは、可能な限り多くの人の意見を聞くとともに、立案の過程に参加し関与できることを組織開発では重視します。
     ③クライアント(当事者)中心の価値観とは、これまで述べてきたように、組織の当事者が現状と変革にオーナーシップをもつこと、つまり、当事者意識の高まりと主体的に変革に取り組むことを重視します。
     ④社会的・エコロジカル的システム志向性とは、組織開発が目指すところは、組織内の視点だけで語れるものではなく、より広いシステムである社会や環境レベルを考慮する必要がある、と捉える考え方です。つまり、組織開発の結果、社会や環境、そして世界に悪影響が生じることは避ける必要があるという発想です。
     OD実践者は「チェンジ・エージェント(変革推進体)」と呼ばれます。これは初期のTグループ(人間関係のトレーニング方法、「T」はトレーニングの略)で重視された発想で、その後の組織開発の発展の中で受け継がれていきました。すなわち、ヒューマニスティックで民主的な組織や社会になっていくことを目指し、OD実践者がチェンジ・エージェントになっていくという考え方です。


    組織に起きやすい四つの諸問題
     第1章で、組織におけるマネジメント課題として、「目的・戦略」「構造」「業務の手順・技術」「制度」「人」「関係性」の六つを挙げました。これは、組織開発の手法を四つに分類した、カミングス&ウォーリーのタイプ分けを参考にしながら、私が細分化したものです。ここでは、カミングス&ウォーリーの用語を紹介しながら、さらに詳しく述べていきます。
     カミングス&ウォーリーは、組織に起きやすい諸問題として次の四つを挙げました。
    ①戦略的な諸問題
    ②技術・構造的な諸問題
    ③人材マネジメントの諸問題
    ④ヒューマンプロセスの諸問題
     です。
     ①の戦略的な諸問題とは、現代の競合的な環境の中で、将来どのような製品やサービスをどのような市場に提供していき、どのように優位に立っていくか、というものです。
     ②の技術・構造的な諸問題とは、仕事をどのように分け(部署や部門などの組織構造の構成)、部署間をどのように調整するか、仕事をどのように進めるか(仕事の仕方や従業員の関与による改善)という、組織構造と業務プロセスに関することです。
     ③の人材マネジメントの諸問題とは、人々のモチベーションを高めるためにどのように目標を設定するか、どのように報酬を与えるか、どのように人々のキャリアを発達させるか、というものです。
     ④のヒューマンプロセスの諸問題とは、既に先に述べたように、組織内の人と人との間で起こるプロセス、たとえば、コミュニケーション、意思決定、リーダーシップ、関わり方、風土や文化などを指します。


    日常でいかに実践するか
     ここまで、組織開発で用いられる手法について述べてきました。しかし、ある手法や取り組みを大々的に実施するだけが組織開発ではありません。自分の部署をよくしていくためには、計画的に実施される大きな取り組み以上に、日常での組織開発的な関わりが大切になってきます。組織開発の基本は「プロセスに気づき、働きかけ、よくすること」です。これは日常の部下や同僚とのコミュニケーションや、会議などで行うことが可能です。
     たとえば、会議を始める際に、チェックインとして「今日の会議に入っていく、今の気持ち」を一巡してわかちあう、会議の途中で、進め方やコミュニケーションの様子を確認するために、「今の進め方で気になっていることは?」と尋ねるプロセス・チェックをしてみる、などがいい例です。日頃のこのような関わりが実は重要で、このようなプロセスに目を向ける関わりを積み重ねることが、プロセス・ロスが少なく、効果的で健全な部署、部門、組織をつくっていく鍵となると思います。すなわち、日常での実践が組織の体質改善につながって目を向けていきます。
     ただ、ここで注意が必要なのは、チェックインやプロセス・チェックをすれば職場がよくなる、という、単純なものではないということです。
     先に、ドゥアブル(行動内容)とデリバラブル(提供価値)という視点について触れましたが、日常で実践する組織開発的な関わりについても、「チェックインを会議前に毎回しています」というドゥアブル(何をしているか)、という視点以上に、どのような職場にしていきたいか、そのためにあなたは何をもたらしたいか、というデリバラブルの視点が大切になってきます。
     組織開発での究極的な問いは、「あなたはどのような職場や組織をつくりたいのか?」、さらに絞り込むと、「あなたはどのような関係性が育まれている職場や組織をつくりたいか?」ということだと私は考えています。
     1人ひとりが活き活きとし、働く幸せを感じる職場をつくりたいと願うならば、そのような価値を提供できるように日々の関わりを自ら実践すること、これが組織開発の基本であり、最も重要で本質的なことだと考えます。


    その後、Aさんは次の質問をしていきました。
    「この営業所で、うまくいっていると感じているのはどんなところですか?」
    「この営業所で、問題だなぁと感じているところや改善が必要だなぁと感じているのはどんなところですか?」
    「営業担当者の間の連携やコミュニケーションの様子についてどんなふうに感じていますか?」
    「事務担当者の間の連携やコミュニケーションの様子についてどんなふうに感じていますか?」
    「営業担当者と事務担当者の間の連携やコミュニケーション、関係性についてどのように感じていますか?」


    開放領域が広がることの重要性
     職場の中で日頃からお互いにプロセスを共有することができれば、開放領域も広い状態が維持できます。しかし、お互いの間に起こっているネガティブな影響関係は、伝えると関係が壊れるのではないかという不安から、自分の中で収めてしまうか、伝えやすい仲間に愚痴をこぼすことで対処することが多くなります。
     その結果、当事者に伝わらず、関係が改善されずに、同じ行動パターンが繰り返されることになります。このようなプロセスが改善されるためには、安全な場で、プロセスを共有するための対話が必要になります。
     データ・フィードバックは、OD実践者から現状についてのデータがフィードバックされることで、自分自身が感じているプロセスを開示するきっかけとなります。そして、フィードバック・ミーティングの中で、日頃感じていたプロセスを自分の言葉で開示し、それが共有されることで、職場内や組織内のプロセスに気づいていく(開放の領域が広がっていく)という機能があります。
     第1章で述べたように、個業化が進んでいる現代の職場は、開放の領域が以前に比べて狭くなっています。開放の領域が狭いと、お互いがわかっていないことにより、個々人が悪い方に推測して、さらに関係が悪化することも多くなります。チームとして協働していくためには、そして、ストレスが少ない職場にしていくためには、開放の領域が広がることが鍵となります。


     グループ間の対立や葛藤は、相手に対する不信感や不満から生まれます。また、社会心理学で「内集団びいき」と呼ばれる、自分が所属している集団に対してはひいきをして高めに評価し、他の集団に対しては厳しめに見て低く評価するという現象があります。
     不信感や不満がある他のグループに対しては、さまざまな推測や否定的な解釈をしてしまいがちで、それによって相手のグループに対する誤解や曲解が増えて、心理的な対立や葛藤がさらに大きくなっていくことがあります。つまり、心理的な過程によってグループ間の対立や葛藤が形成されるといえます。
     そのような関係を改善するには、お互いの見方を共有して誤解に気づくこと、共通の目標を見出して(合意して)部分最適から全体最適を目指すことが鍵となります。

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    2025年05月23日
  • いちばんやさしい「組織開発」のはじめ方

    Posted by ブクログ

    組織開発をする際に、文字どおりに最初に支障・壁になる「はじめ方」についての本。
    その「はじめ方」は、ダニエル・キムの好循環モデルにおける「関係の質」の高め方と定義して説明し、中小企業・大企業・公共といった多様な組織における事例も紹介してくれている本。
    事例紹介の後に、関係の質を4つのステップに分けたうえで、事例からのポイントになる部分を抜きだし、再度解説してくれている。
    組織開発をはじめるとは、計画的なもの以外にこういうやり方があるのかとか、こういうはじめ方でもいいんだと思わせてくれる本。

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    2024年11月02日
  • 組織開発の探究―――理論に学び、実践に活かす

    Posted by ブクログ

    この本を読んで明日にでも組織開発ができる、という本ではない。懇切丁寧にわかりやすい言葉で組織開発とは何か、を説明してくれている。少し小難しい組織開発入門書といったところ。哲学的思想から連なる組織開発の歴史は単純に面白く読める。

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    2024年07月06日