中村和彦のレビュー一覧
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人口減少に伴う人材不足減少を考えると、私たちがトリュ得る対策としては、多様な働き方を許容し、潜在的な労働力として働いてくれる可能性のある人の労働参加を進めていくことです。
組織開発のサンステップとして、見える化、ガチ対話、未来づくり、のサイクルが回り続ける必要がある。
マクレガーの考え方として、人は本来怠け者で仕事をしたがらないために、強制や命令は必要であると言うx理論と、人は適切な条件のもとでは主体的、かつ創造的に仕事をすると言う理論があります。動機付け要因を高めるためには、合理論の人間観によるマネジメントが必要だということがわかっています。
プロジェクトの規模が大きくなり、仕事の細分化が進んでいたにもかかわらず、コミュニケーションは希薄で、目標が共有されることなく、曖昧なままスタートしたケースも多かったと聞いています。各自が勝手に進めてしまった結果、手取りが多くなるなど、無駄が多く、チームが力合わせてやっていくと言う状況ではなかったようです。
ダニエルの提唱する成功の循環モデルでは、関係の質、思考の質、行動の質、結果の質、のサイクルを回し続ける必要がある。 -
Posted by ブクログ
外部のコンサルによらず組織内で課題意識を持った人がはじめるという意味で、組織開発の「はじめ方」の本。
事例が中心で、いわゆるザ・組織開発というものではないのもあるが、そこも含めて、こんな感じだよねというリアリティを感じる本であった。
個人的には、「組織開発の探究」でガチ対話が組織開発の出発点という議論がどうも違和感があったのだが、この本での「はじめ方」は、まず「関係の質」を高めるということが出発点になっているようで、そちらの方が自分の経験知に近い感覚があった。
ガチ対話をやるとしても、その前にそれをやれるだけの相互信頼感、「心理的安全性」が必要だと思うし、現実を関係者で理解するために「ガチ対話」というプロセスを必ずしも通らなくてもいいんじゃないかと思っている。
この本でも、最初のダイアローグのテーマは、問題というよりはポジティヴなトピックを選んだ方がいいということが書いてあって、私もそれに賛成だ。
著者は、「構造化された組織開発」と「構造化されていない組織開発」があるとして、この本では、「構造化されていない組織開発」であるとしている。が、この表現はやや違和感があって、要するに社内外の専門家が入ってやる組織開発と 社内の志がある人がやる組織開発ということではないかと思う。
で、私は、圧倒的に後者の方が重要だと思っている。仮に専門家を入れるとしても、日常は社内の志のある人が中心となって活動しているということが、成功の前提だと思う。それは「構造」があるか、どうかの問題ではないと思う。
多分、「組織開発の探究」で暗黙の前提になっているのは、社内外のコンサルがある組織の組織開発をはじめる時の課題の共有の必要事項として「ガチ対話」なのではないかと思った。
あと、この本では、組織開発と人材開発の連動ということも強調されていて、この点については、「組織開発の探究」でも触れらていて、私もその通りだと思う。
ただ、私は、もう一つ、業務との連動ということもとても大事だと思っていて、この本では、その辺りについては「タスク・プロセス」と「メンテナンス・プロセス」ということで触れらていると思うのだが、本での記述は、「メンテナンス・プロセス」が中心となっている。
その辺りは、この本は組織開発の話しで、業務は職場によって違うからここではあまり触れられてないということなのだろうか?著者たちはあくまでもこの本は「はじめ方」なので、その辺りははじめ方の次にあるステップという位置付けなのかな?
でも、その辺りこそ外部の人ではなく、内部で業務をしている人たちが専門家であるわけで、そのあたりが次のステップというより、最初から連動しているべきだとも思うところだ。逆にいうと、その連動性が最初から意図として伝わっていないと、組織開発の取り組み自体が、「この忙しい時に、なんでこんな話をしているのだ?」という反感につながってしまうように思う。
などなど、いろいろ考えてしまった。
が、そういうことも含めて、組織開発にある程度の知識がある人も読んでみる価値のある本だと思う。 -
Posted by ブクログ
『マンガでやさしくわかる組織開発』で参考文献として挙げられ、新書版で読みやすいだろうと思い続けて読んでみました。後で気が付きましたが、著者が同じなんですね。
こちらは『マンガでやさしくわかる~』よりももう少し詳細について記述があります。使われている言葉も(もちろんそれぞれに説明はありますが)「X理論・Y理論」「学習する組織」「マネジリアルグリッド」といった、ビジネス書では出てくる専門的な言葉が使われています。
ただ、当然ながら「当事者自らが主体的に自分の組織を良くすることを目指す」といった組織開発の根本的な部分は同じですので、すっと入っていけるように思います。
チームを率いる人や、メンバーに主体的に仕事をしてほしい、といったことを考えているマネージャーやリーダーは得られるものが多い本になるでしょう。 -
Posted by ブクログ
組織には二つの側面がある。ハードな側面とソフトな側面がそれ。ハードな側面は部門・部署、制度・規律、職務内容と手順などの明文化されたもの。一方、ソフトな側面は、意識・モチベーション、コミュニケーション、信頼関係・影響関係など可視化されていない心理的側面。
ハードな側面のほうはバブル崩壊後に大規模な変革が行われて今に至るそう。一方、ソフトな側面のほうは軽視している経営者が多いのではないか、とある。でも、このソフトな側面は重要なのです、というのが本書の出だしなのでした。
組織開発とは、大きく、このハード面とソフト面を変革して、より合理的に利益を得ていけるようにすることと、働く人たちがより無駄なストレスなく活き活きと働くことができるようにすることを推し進めていくものです。
組織開発はアメリカで1950年代終盤に生まれた概念で、1960年代には日本にも入ってきています。ただ、日本では人事異動の際に組織開発に携わっていた人たちが、うまく次の担当者へと引き継ぎができない構造になっていて、そのノウハウは早くも70年代には失われていったそうです。しかしながら、近年再注目されてきていて、本家アメリカでは70年間の歴史の中で受け継がれ発展してきた分野でありますから、アメリカに学ぶ形でまた日本も再導入しようという先駆けのひとりなのが、著者なのでした。著者はアメリカでプログラムを受けており、その知見をこうしてもたらしてくれているのです。
マネジメント観には「X理論」と「Y理論」と呼ばれるものがあるといいます。「X理論」を持つマネージャーは、人は生まれつき仕事が嫌いで、したがって人には監督と命令が必要とします。そして、目標に達成無い場合は罰則を与えるべきだとします。一方、「Y理論」を持つマネージャーは、人は自ら実現したい目標のために自己統制を発揮し、個人と企業の目標が一致すれば、人は自発的に自分の能力を高め、創意工夫をし、自発的に行動すると考えます。
「X理論」のマネージャーは指示命令的で、その結果、部下は受動的になりやすくなります。「Y理論」のマネージャーは部下に適切な目標と責任を与え、部下の力を引き出すような関わりをし、その結果、部下は主体的になっていきます。
著者は、現代日本が抱える問題として、本書刊行当時(2015年)に50代以上の上司が上意下達で育ってきた人たちであるため、「X理論」の考え方を持つ人が多いことを挙げています。現在の現場の社員などは、主体的に考えて動くことが必要とされているのに、上司は自らの「X理論」に基づいてふるまうことで、若い社員の主体性が育むことを阻んでいることを指摘しているのでした。
どんなチームや職場、組織を作っていきたいかといったことには、経営層や上司のマネジメント観が密接に関係してきますから、若い社員の成長や働きがいなどのためには、上層部の意識の変化が必須ということになります。
昨今さまざまな本が出ている「コーチング」や「ファシリテーション」といった手法にしてみても、組織を活発にするものなのは間違いないものだととしたって、その手法を行使する者のマネジメント観が「X理論」であるならば、あまり意味をなさなくなるというようなことも書いてありましたし、なるほどそうなだろうな、と納得がいきました。
「コンテント」と「プロセス」という言葉が出てきます。「コンテント」とは、WHATの側面で、つまりは何が話されていて、何が取り組まれているかという、話題・課題・仕事の内容的な側面になります。一方、「プロセス」はHOWの側面で、関係的過程、つまり「いま、どのような気持ちか」「どのように参加しているか」「どうのようにコミュニケーションがなされているか」「どのように課題や仕事が進められているか」「どのように決められているか」「お互いの間にどのような影響があるか」といったところを見ていきます。「プロセス」は人間関係的な部分に踏み込む視点だと言えると思います。だからこそ、企業の風土や現場の空気のマイナス面に光を当てることができ、言語化し意識化を進めることでそれまでマイナスだったところをゼロに戻す努力をしていくことができるようになる。
他方、ゼロからプラスに転じていく手法もあります。AI(アプリシェイティブ・インクワイアリー:真価の探求)がそれにあたるもので、組織や個人の潜在力・強みに着目し、それらがさらに発揮される未来を描いてアプローチしていく、という道筋をたどります。
他にもさまざまな手法を、紙幅の関係かとは思いますが、その骨子とでもいうべきところを手短に説明していくような体裁で、組織開発というジャンルに触れられる仕組みになっています。これって、職場のハラスメントを無くすための根本的アプローチになっているので、経営層のみならず人事担当者などもまずこれらを知っておき、それから自分の内にインストールするかのようになじませていくと、その企業・会社の発展ひいては社員や職員の活気やパフォーマンス向上に繋がっていくのだと思います。そしてそれらを経て、企業イメージ向上があとからついてくるものだと思われます。
最後に、「マネジアル・グリッド」という言葉と考え方を付記します。グリッドというくらいですから座標でその職場環境の様子をあらわします。「1.9型 社交クライブ型(人や関係性を重視する)」「9.1型 専制型(業績最優先で人の関係性は考えない)」「1.1型 伝達型/消極型(業績も人との関係も最低限)」「5.5型 妥協・中間型(業績と人との関係の両立は無理なので両者のバランスをとるあり方)」。また、「9.9型 理想型(業績と人の両立。組織目標と個人目標の統合)」という本当にかつては理想とされたタイプがあるのですが、まず組織開発で組織のソフトな側面を改革していくことによって、達成が見えてくるものだと思われます。本書でも、この理想型を目指すことの大切さが説かれています。
というところですが、たとえば実践してみたとすると、非協力的な従業員などが絶対にでてきますよね。目に浮かびますからねえ。でもそこに負けずに、ぐいぐいと、働きやすくて働きがいのある職場にするために、この組織開発、それもソフトな側面についての開発は、どこの組織や会社でもやっていってほしいなあと願うところなのでした。 -
Posted by ブクログ
個に焦点をあてた人材育成で組織を活性化するには限界がある。だからこそ、ではどうしたら組織は活性化できるのか、組織開発(OD)のこれまでの歴史や国内外の動向、理論と具体的事例から、コンパクトにわかりやすく俯瞰した良書です。
これまで組織開発の関連書籍は数多く出版されていますが、海外に偏っていて日本での適用可能性がわからなかったり、一手法の説明に特化していて組織開発全体をザックリ把握することがなかなか難しかったので、TグループからAIまで網羅した本書は組織開発の入り口あるいは復習に、とても役に立つと感じます。
企業経営者、人事部門関係者、組織を扱うコンサルタントにオススメです。