イ・ランのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
やっと読み終わりましたー!
手に取ってから読むまでかなり時間がかかってしまいました。
GOATという雑誌はわたしが読書楽しい!ってなり始めの頃に創刊して、まだ色んな作家さんに出会えてない、出会いの場を作って貰えた雑誌でもありましたし、読書の楽しみも改めて教えてもらえました。
そんな姉妹雑誌が出ると聞き、即買いました。
meetsと名前にもある通り、作家さんたちが出会って色んな事が生まれたり、
とても興味深かったです。
韓国文学や、歴史、そして色んな世界に行ったかのような物語たち。異世界… 満足感たっぷりでした。
わたしは、旅とはつまり未知なるアリを見ることであるがとても、面白かったです。
文字の書き方がとても面白く、その背景まで見えた気がしました。
あとは異世界をのぞくとの2作も好きでした。
読むのも時間かかったんですが充実感たっぷりの時間を過ごせました。 -
Posted by ブクログ
イ・ランさんとは生い立ちも境遇もまるで違うのだけれど、その世界の捉え方はものすごく腑に落ちる。本作は最初から最後まで死に満ちていて、ほとんどの章で涙をこらえられない。
家父長制と男児選好思想に染まりきったイ一族の中にあって、「私は、自分の物語を世の中に示すことのできる狂女でよかった。だけどわたしだけではなく、お母さんの狂女の歴史もとても重要だから、広く世に知らせたい。」と言うランさん。そう、お母さんも本当にかわいそうなんだよ…。宗教に傾倒する理由が「聖書に出てくる唯一神=完全な父親像」で、宗教を持たないわたしでも深く納得してしまった。
お姉ちゃんの死も本当にやるせない。ランさんは、長女病と消尽死と称していたけれど、これにも深く納得。「もう何の借りもないよ、この世に。」
それでも本作はふしぎと悲愴感が薄く、かなしみもどこかあかるい。脳腫瘍が疑われ、日記に百回以上も「死にたい」と書いてきたランさんは喜ぶが、ふと口にした独り言は「惜しい……」。
ジュンイチからのメッセージ「ご飯をちゃんと食べて。ご飯を食べると力が出るでしょ」は、イ・ランさんの心ばえでもあり、読者からの祈りでもある。 -
Posted by ブクログ
吉田棒一「インフルエンズ」
吉田棒一、何となく知っていたけどえぐいっすね。こんなヘンテコな小節が許されるかよ!と怒鳴りながらめちゃくちゃ推してしまう、舞城王太郎、佐川恭一に続く奇人現るーーーーー
小田雅久仁「魑魅虫」
独特な語りと雰囲気はものすごく好きなのだけど、悪が集まり結局何が起こったのか、ニュアンスしか分からず……
冒頭、女性作家陣の全てのエッセイ、小説、ラフ画、対談、全て素晴らしかった。韓国に興味なくてもあっても、国を超えるとはどういうことは、戦争をするとはどういうことか、読み応えしかない。
全体的に、詩や短歌が挟まっていたり(どれも良い)、目を見張るような絵がページいっぱいに広がっていたり、捨てページのない文芸誌、堪能させて頂きました。
後ろ書きにも書いてあったように、電子書籍での配信などにもしっかり力を入れているようで、とても頼もしい。途中で滝口悠生がデータをどこに保存するか問題をしっかりとレポートしていてくれたのも、出版業界の現状が見れ、有益でした。出版したら是非皆さん献本しましょう -
Posted by ブクログ
「お姉ちゃんの長女病」が心に残った。
全編を通して出てくる家族という呪いに力尽き果てた姉が印象的だった。
姉にはどうしても大好きな家族が必要だったけど、必死に守ってきたその家族は姉のことを搾取することしか考えていなかった。
本当に誰も正しく愛する術を学ばなかったし、持たなかったんだなと思う。
著者の素直な言葉から、これまでつけられた無数の傷から回復しようともがく思いがよく伝わってきた。愛すべき友人たちがどんどん失われていく箇所も壮絶だった。
著者の人生に穏やかな日が1日でも多く訪れてくれることを願ってしまうような、祈ってしまうような本だった。 -
Posted by ブクログ
苦しい。けれど傷を見せてくれるように紡がれる言葉から目が離せない。私は幸運なことにとても死と暴力から遠い人生を今のところ歩んでいる。本当に大切な人を失ったことがまだなく、自分自身も一度も死にたいと思ったことがない。だからこそ、こうして身近な死をたくさん経験して、失いながらも生きる言葉にしてくれていることが本当にありがたい。
何より、「カッコの多い手紙」を読んで以降、ずっと猫のジュンイチのことが気がかりだった。
この本の目次を開いて、ジュンイチが先に眠ってしまったことを察して、まだ本文を一文字も読んでいないのに泣いた。最後の方の、恐らくジュンイチとの別れについて書かれているであろう箇所を読むのが怖かった。
だから、「確かな愛をありがとう」で“こんなに満たされた死にまた出会うことがあるだろうか”と綴られていたことにものすごく救われる想いだった。悲しいだけの喪失を予想していた自分が恥ずかしくなるくらい、ジュンイチは愛と誇りを背にその生涯から自由に去っていったし、ランさんもその愛をしっかり受け止めて、ジュンイチがいないけれどいる日々を今もしっかりと生きている。
これを書きながらまたボロボロ泣いてしまう。この本の187ページ以降はこの先何度読んでも泣くんだろうと思う。それでも、いつか来る愛する命との別れが本当に恐ろしくて耐え難い夜には何度でも開きたいと思う。何度でも私を救ってくれると思うし、言葉の通じない家族との時間をより一層かけがえのないものにしてくれる言葉たちだった。
しばらくはもうこの表紙を見ただけでも泣くかもしれない。
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Posted by ブクログ
イ・ランもいがらしみきおも好きな作家なのだが、まずはその組み合わせにびっくりした。
読み進めていくと、意外にも二人の共通点がとても多いことに驚かされる。とくに二人が家族の宗教から受けた影響や達観した人生観が色濃く出ているところは読みごたえがあった。
お互いにとても誠実にしたためられた往復書簡は読んでいて気持ちが良いし、まさに世代・性別・国境を超えて育まれた友情を感じた。
個人的には、『はちどり』のキム・ボラ監督が帯文を書いていたり、いがらしみきおから『哀しき獣』の話が出たり、イ・ランが教え子目線でイ・チャンドン監督のことを書いていたりするのも激熱だった。 -
Posted by ブクログ
はじめ、わ、横書き! とおどろいて、それから後書きにお母さんが寄稿していることでまたびっくり。
よみすすめていくと、けっこう母親との相克を題材にした作品がちょこちょこあるので(キョンヒ台風とか)それはきっとテーマのひとつなんだろうなと思い、そうなるとあとがきがまた、いっそう重く感じられたり(^_^;;
じつは、毎日、お風呂に入りながら一編ずつ読んでいたのだが、どこからでも読めるし、それぞれの作品の感触がちがって、全体としてとてもよかった。
表題作の「アヒル命名会議」は、大丈夫なの?と思うくらい神がひどい(笑) 神がこしらえたアヒル様生物を命名することになって、サタンがduckはいかがでしょう? というと、ラファエルら太鼓持ち一同からいっせいに総スカンをくらい、神からは「なにさまのつもりなんだ?」と言われる始末。で、ラファエルがdamnはいかがでしょう?と提案すると、おっ、いいねと決まってしまう。よりにもよって(笑) なんちゅー話だw
「手違いゾンビ」「韓国人の韓国の話」「おまえのすべての動きを認知せよ」(新手の詐欺?)「キョンヒ台風」あたりがおもしろかった。
そうそう、あとがきに母親が寄稿しているのがすごくめずらしいなとびっくりしたのと、「キョンヒ台風」など、強い母親に苦しめられる話がいくつかはいっていたので「んん??」と思っていたのだが、『マザリング 現代の母なる場所』(中村 佑子)にあるイ・ランのインタビューをちらっと読んだら、父がDVの人で母は暴力をふるわれていた人だったんだ。だから母に自分の物語を取りもどしてほしかったんだね……。