小林多喜二のレビュー一覧
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[ 内容 ]
日本中で『蟹工船』が読まれているという光景を、いったい何人の人が予想しただろうか。
小林多喜二の描いた世界なんて、すでに遠い昔話だと、誰もが思っていた。
が、現代日本の若い人たちは、リアルを感じながら読んでいるのだという。
本書では、なかなか一般の目にふれることのない小説・評論・戯曲を集めた。
『蟹工船』ではじめて多喜二と出会った人は、ぜひ他の作品にも目を向けてほしい。
どれも濃厚な味と匂いのある作品ばかりである。
登場人物たちが、歪みきった社会との闘いに人生を燃焼させる姿は感動的だ。
そして、この作品が昔話ではなくなってきた日本の行く末に、不安をおぼえる。
[ 目次 ]
失業 -
Posted by ブクログ
小林多喜二の「蟹工船」はあまりにも有名な小説です。ですが、読んだ事がなく、また興味も持てませんでしたが、ふとした時に「読みたいなぁ!」と衝動的に思って、購入しました。
蟹工船は蟹を捕まえて処理する船の中での出来事に関するお話ですが、リアリティがありすぎて、読むに耐えないくらいでした。
なんだかこちらもその場にいるような気がして、異臭とか、漂ってきそうな気分でした。
力強い文体に惹かれました。
一九二八・三・一五も、特高に暴行されるお話ですが、小林多喜二も共産党だったため、やられました。
その経験に基づいてかかれたものでしょうか……。
あまり詳しくはないので、分かりません。
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Posted by ブクログ
はじめてプロレタリア文学というものを読んだ。当時の時代と現代では、労働環境の充実さなどが全く異なるので、当たり前だが共感できる部分は少ない。この本は共感ではなく、当時の民主化を辿る日本の社会運動とその背景とはどういうものだったのか、1920年代の共産主義ブームとはどういうものだったのかを把握するための勉強のために読むべきだ。
「蟹工船」目当てで読んだが、この話は「主人公」としての視点がなく、いわゆる神視点の俯瞰的な描き方をしている、というのもあり、非常に読みづらくわかりづらかった。その点、「党生活者」にはきちんと主人公がいて読みやすく、また弾圧を恐れながらも日陰で運動に尽力する共産主義者たち -
Posted by ブクログ
船にくっついているタイヤってなかなか過酷だと思う。蟹工船にもきっとくっ付いている、側面にだらしなくぶら下がっているあのタイヤのことです。海の陽射しをもろに浴び、しょっぱい海水に揉まれ、いつ他の剛体との間に挟まれるのかと、ビクビクしている。
なんと可哀想なのか、いや、別にそうでもない。別にタイヤに人権があると思っていないから、こき使っても良心は痛まない。
労働者の権利が重んじられていなかった時代、人というのは搾取の対象だった。その悲惨をリアリティもって記している。この構図が生まれたのは搾取対象が持つ苦痛への無理解によるものだったと思う。
この目線で見れば、この自分とタイヤの関係というのは、 -
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ストライキがテーマの2編からなる本書。カニ漁は現在でも借金で首が回らなくなった人たちの末路なんかで冗談に取り上げられるほどの過酷な労働環境が本書を読んで伺えます。しかし、美味しい蜜を吸えるのは常に一定の人物のみ。労働者は18時間以上、あくせく働けど、見返りなんて雀の涙ほどしかなく、それに加え、労働環境は最低で、劣悪な環境の寝床と極僅かな食事しかありません。上に逆らえば、ただ肉体的懲罰が待っているという、江戸時代の遠島を思う様なものばかり。次第に労働者の中でフラストレーションは募り、いずれそれは爆発し、…。今でいうブラック企業への報復のパイオニア的な話なのだと読んでて思いました。
党生活者も -
Posted by ブクログ
古本屋で、目につき購入しました。お恥ずかしい話ですが、小林多喜二さんは学生時代の歴史の教科書にボールドで記載されていた人という程度の知識しかなく、読み始めました。
政治的なことは、あまりよくわからないのですが、100年ほど前の日本では、共産主義的な考えがこれほどまでにタブーだったということが、よく理解できました(小林多喜二さんの末路についても、少し調べたのですが、むごい最後を迎えていて衝撃を受けました。)。
文章としては、古いこともあり、読みづらさもあったのですが、なんとか我慢して最後まで読みました。
共産主義は資本主義のアンチテーゼ的な位置付けかと思うのですが、小林多喜二さん達が戦った -
Posted by ブクログ
小林多喜二文学忌、多喜二忌
大正末期から昭和初期にかけて文学を階級闘争の手段とするプロレタリア文学が生まれた
プロレタリア文学の代表作
蟹工船が、1929年の作品で作家として認められ
党生活者は、1933年小林多喜二没後発表
特高の取り調べの拷問で亡くなっている
「蟹工船」
北洋の蟹工船の労働者たちの劣悪な労働環境
資本家からの圧力
その底辺の生活者が自発的に支配へ抵抗を始める
前半はホラーであろうか、サスペンスであろうかという船内の劣悪で残忍な様子
そこから立ちあがろうとする労働者
なぜか2008年に蟹工船ブームがあったとのこと
保存していた文庫本の出版年からすると
高校生の時読んだ -
Posted by ブクログ
・1か月にわたる長期出張中に、家族に会えない寂しさから、これって遠洋漁業漁師と変わらないじゃん、と思い手に取った1冊。前からずっと読みたかった。
・内容は、昔の本の字体でそこまで入り込めなかったが、蟹工船は極めて過酷な労働環境、資本主義の極みであることを感じ取った。
・とはいえ、その過酷な環境の中で、頼れるのは己の健康・肉体であり、どのような環境においても、結局頼れるのは自分しかいないということを、立場・時空が違えど感じた。もちろんより良い環境を選んで働くことは大切なのだが。
・駐在の取りやめ、組織のとしての意思決定力不足等、目の前の仕事・組織が嫌になり逃げることを考えていたが、もちろんそれは