小林多喜二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
日本中で『蟹工船』が読まれているという光景を、いったい何人の人が予想しただろうか。
小林多喜二の描いた世界なんて、すでに遠い昔話だと、誰もが思っていた。
が、現代日本の若い人たちは、リアルを感じながら読んでいるのだという。
本書では、なかなか一般の目にふれることのない小説・評論・戯曲を集めた。
『蟹工船』ではじめて多喜二と出会った人は、ぜひ他の作品にも目を向けてほしい。
どれも濃厚な味と匂いのある作品ばかりである。
登場人物たちが、歪みきった社会との闘いに人生を燃焼させる姿は感動的だ。
そして、この作品が昔話ではなくなってきた日本の行く末に、不安をおぼえる。
[ 目次 ]
失業貨車
残されるもの
銀行の話
オルグ
飴玉闘争
宗教の「急所」は何処にあるか
地区の人々
小説作法
山本巡査
疵
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
小林多喜二の「蟹工船」はあまりにも有名な小説です。ですが、読んだ事がなく、また興味も持てませんでしたが、ふとした時に「読みたいなぁ!」と衝動的に思って、購入しました。
蟹工船は蟹を捕まえて処理する船の中での出来事に関するお話ですが、リアリティがありすぎて、読むに耐えないくらいでした。
なんだかこちらもその場にいるような気がして、異臭とか、漂ってきそうな気分でした。
力強い文体に惹かれました。
一九二八・三・一五も、特高に暴行されるお話ですが、小林多喜二も共産党だったため、やられました。
その経験に基づいてかかれたものでしょうか……。
あまり詳しくはないので、分かりません。
いずれにせよ、この頃は言論の自由なんてあってもなかった時代でしたね。
今の日本は言論の自由が保障されており、理不尽な暴力はされなくなってきた平和な時代なので、
「平和だなぁ」
と思わずにいられません。
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Posted by ブクログ
ネタバレ蟹工船ってこういう話だったのか…
過酷な労働環境で資本家に搾取される労働者が描かれる。船の上で働かされ、酷い扱いを受け、体を壊し、時には死ぬ者も。
時化でロシアに漂流した際に社会主義/共産主義/プロレタリアの思想を受ける所が印象的だった。こうやって新しい思想が広まるんだみたいな。あんな酷い環境で搾取されていたら赤化もするか。
いつ資本家側に反旗を翻すのか期待しながら読んだ。労働者の権利を掴むために立ちあがろうとする過程が作品を通して丁寧に描かれていた。文句を言いつつも上に楯突くなんてと思っていた漁夫達も、仲間が死に自分がいつ死ぬか分からない状態になってやっと状況を変えようと動き始め、皆んなが団結したら雇い主なんて怖くないと一歩踏み出せたのが良かった。
最後、駆逐艦がきた時は何とも言えない気持ちになった。 -
Posted by ブクログ
はじめてプロレタリア文学というものを読んだ。当時の時代と現代では、労働環境の充実さなどが全く異なるので、当たり前だが共感できる部分は少ない。この本は共感ではなく、当時の民主化を辿る日本の社会運動とその背景とはどういうものだったのか、1920年代の共産主義ブームとはどういうものだったのかを把握するための勉強のために読むべきだ。
「蟹工船」目当てで読んだが、この話は「主人公」としての視点がなく、いわゆる神視点の俯瞰的な描き方をしている、というのもあり、非常に読みづらくわかりづらかった。その点、「党生活者」にはきちんと主人公がいて読みやすく、また弾圧を恐れながらも日陰で運動に尽力する共産主義者たちの緊迫感、社会に対する闘争感は読み応えがあった。
「党生活者」の方が個人的に読みやすくて好きだったが、結末は「蟹工船」と似たような感じで、「まだ目的は達成してなく、何回か失敗してるけど、俺たちは決して挫けないのだ!」的な結末を見て、ああこれがプロレタリア文学かと感じた。 -
Posted by ブクログ
船にくっついているタイヤってなかなか過酷だと思う。蟹工船にもきっとくっ付いている、側面にだらしなくぶら下がっているあのタイヤのことです。海の陽射しをもろに浴び、しょっぱい海水に揉まれ、いつ他の剛体との間に挟まれるのかと、ビクビクしている。
なんと可哀想なのか、いや、別にそうでもない。別にタイヤに人権があると思っていないから、こき使っても良心は痛まない。
労働者の権利が重んじられていなかった時代、人というのは搾取の対象だった。その悲惨をリアリティもって記している。この構図が生まれたのは搾取対象が持つ苦痛への無理解によるものだったと思う。
この目線で見れば、この自分とタイヤの関係というのは、この本における資本家と労働者の関係に似ていると思う。
違うのは、タイヤは自分から悲惨さを訴える事が無い点。蟹工船では労働者が自ら状況を変えた。今回、タイヤという極端な例で例えたけど、自ら悲惨さを発信出来ない主体はたくさんある。そうした主体と使役する側の歪な関係は残る。
使役する側、それが理解を示す事で未然に救われるモノがたくさんある、そんな平等を訴えた本だったし、いつの時代になっても、対象が変わったとしても、普遍的に追い求められるテーマだと思った。
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Posted by ブクログ
ストライキがテーマの2編からなる本書。カニ漁は現在でも借金で首が回らなくなった人たちの末路なんかで冗談に取り上げられるほどの過酷な労働環境が本書を読んで伺えます。しかし、美味しい蜜を吸えるのは常に一定の人物のみ。労働者は18時間以上、あくせく働けど、見返りなんて雀の涙ほどしかなく、それに加え、労働環境は最低で、劣悪な環境の寝床と極僅かな食事しかありません。上に逆らえば、ただ肉体的懲罰が待っているという、江戸時代の遠島を思う様なものばかり。次第に労働者の中でフラストレーションは募り、いずれそれは爆発し、…。今でいうブラック企業への報復のパイオニア的な話なのだと読んでて思いました。
党生活者も、蟹工船と似通うテーマで話が進んでいるように思いました。この様な風潮が当時は御法度?だったのでしょうか。命がけでストを決行しているような情景が目に浮かびました。 -
Posted by ブクログ
古本屋で、目につき購入しました。お恥ずかしい話ですが、小林多喜二さんは学生時代の歴史の教科書にボールドで記載されていた人という程度の知識しかなく、読み始めました。
政治的なことは、あまりよくわからないのですが、100年ほど前の日本では、共産主義的な考えがこれほどまでにタブーだったということが、よく理解できました(小林多喜二さんの末路についても、少し調べたのですが、むごい最後を迎えていて衝撃を受けました。)。
文章としては、古いこともあり、読みづらさもあったのですが、なんとか我慢して最後まで読みました。
共産主義は資本主義のアンチテーゼ的な位置付けかと思うのですが、小林多喜二さん達が戦った結果、見事に止揚し、労働者にも権利がある現代社会が築かれていったのではないかと感じさせられました。先人達に敬意を払いながら、私は今日も資本主義社会で戦っていきます。 -
Posted by ブクログ
小林多喜二文学忌、多喜二忌
大正末期から昭和初期にかけて文学を階級闘争の手段とするプロレタリア文学が生まれた
プロレタリア文学の代表作
蟹工船が、1929年の作品で作家として認められ
党生活者は、1933年小林多喜二没後発表
特高の取り調べの拷問で亡くなっている
「蟹工船」
北洋の蟹工船の労働者たちの劣悪な労働環境
資本家からの圧力
その底辺の生活者が自発的に支配へ抵抗を始める
前半はホラーであろうか、サスペンスであろうかという船内の劣悪で残忍な様子
そこから立ちあがろうとする労働者
なぜか2008年に蟹工船ブームがあったとのこと
保存していた文庫本の出版年からすると
高校生の時読んだらしい
「党員生活」
29歳で亡くなった作者の遺作
前編終わりで締められている
実践的革命運動と創作の融合
軍需品工場内に党組織を作る
潜伏生活が生々しく 死後「中央公論」掲載
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Posted by ブクログ
・1か月にわたる長期出張中に、家族に会えない寂しさから、これって遠洋漁業漁師と変わらないじゃん、と思い手に取った1冊。前からずっと読みたかった。
・内容は、昔の本の字体でそこまで入り込めなかったが、蟹工船は極めて過酷な労働環境、資本主義の極みであることを感じ取った。
・とはいえ、その過酷な環境の中で、頼れるのは己の健康・肉体であり、どのような環境においても、結局頼れるのは自分しかいないということを、立場・時空が違えど感じた。もちろんより良い環境を選んで働くことは大切なのだが。
・駐在の取りやめ、組織のとしての意思決定力不足等、目の前の仕事・組織が嫌になり逃げることを考えていたが、もちろんそれは大切だが、どこの環境でも自分の実力が頼りになるので、自分を鍛えないとなと考え直した。