小林多喜二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
北海道出身として読んでおかねばならない気がしたので、買っておいた本。読んでみた。
まず、この本を読むまで赤とかプロレタリアとか知識も興味もなかった。
「蟹工船」は北海道人ならなんとなく読み進めることが出来るレベルの強い方言が強烈な作品だと思う。主人公のいない作品、というのも面白い構造だなと思う。
「党生活者」は当時の共産党の組員(?)たちがどんな風に生活しているかを覗き見るような作品であったと思う。
どちらも、現代の日本からは考えられない「闘争」が描かれている。日本の近代史年表を読むくらいならこの作品等を読んでいた方がよほど当時の情景がありありと目に浮かぶ気がする。
極限状態の生活の中でも -
Posted by ブクログ
「代表の9人は、銃剣を擬されたまま駆逐艦に護送されてしまった。それは、一枚の新聞紙が燃えてしまうのを見ているよりも他愛なかった。ーーーー簡単に、片付いてしまった。」
民主主義が当たり前になった現代では、寧ろ社会主義/共産主義という言葉そのものに若干のアレルギーを感じてしまう。しかしこの作品を読み、日本の民主化への戦いが如何に困難な道を辿って来たかということを微小だが知る事ができた。
1920年代の民主主義はあくまで支配階級の時代であり、現代のような富のbroadな配分には微塵の配慮も無かった。この時代に生まれていたなら、自分も間違いなく搾取される側の人間として酷使され、マルクス•レーニン思 -
Posted by ブクログ
「航船」でなく「工船」としている点でこの航海は「航海法」のグレーゾーンと認識され、出稼ぎ労働者(船員)たちが人権なしの奴隷のような扱いを受けていたという。そんな悪しき閉じた世界が世界人権宣言が出されて20年近くも経った昭和40年代まであったというのも驚きだ(作品設定では昭和初期となっている)。
人権宣言のような秩序が生まれても、こういう「閉じた世界(権力に一般人が抗えない特別な空間)」にまでルールが浸透するには何十年もの歳月を必要とするのがわかる。でもこのような「秩序の枠組み」は時間はかかれど、ひとりひとりが望む限り着実に浸透していく。そして現代はインターネットも存在する。浸透速度は上がると -
Posted by ブクログ
メモ
・独特な言い回しに苦戦
・資本主義と帝国主義の関係
・赤化が歴史で習ったようなマクロなレベルでなく、一人一人の労働者から見たミクロなレベルで描かれている(教科書で学ぶのとはやっぱりちがう)
・はじめは、皆同じように不満を抱いているのに、資本家に対して何も行動を起こせず、過酷な労働環境を受け入れ、病を抱えていく労働者たちに対してもどかしさを感じた。しかし、そのように思うのは私自身が「資本主義」と「社会主義」という枠組みを当然あり得るものとして認識、学習しているから。当時の労働者たちにはその知識が欠けていた。学びの大切さはここにあるなと。(→選択決定のプロセスに大きな影響)
また、不満