坂本貴志のレビュー一覧
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■職業能力の構造図
┌─基礎力┬┬対人能力
│ │├対自己能力
│ │└対課題能力
能力┤ ├処理力
│ └論理的思考力
├専門力┬専門知識
│ └専門技術
└その他┬体力
└気力
■能力低下の主因は体力・気力の低下。人によっては処理力や論理的思考力も下がると感じる。一方で対人能力屋台自己能力は向上し続ける。
■仕事に対する価値観
・他者への貢献
人の役に立てること、社会の役に立つこと、仕事において自身の責任を果たすこと、会社の成長に貢献すること。
・生活との調和
無理なく仕事ができること、仕事をする場が快適であること、自分自身が望んだ生活をできること、幸せな家庭生活を実現すること、職業が安定して将来に不安のないところで働くこと、効率よく対価を得ること、毎日働くことで生活のリズムがつくこと、気の合う仲間と一緒にいること
・仕事からの体験
わくわくするような体験をすること、様々な人と交流する機会があること、色々な種類の活動をすること、新しいことを発見したり発展させたり考え出したりすること
・能力の発揮
自分自身の専門性を高めること、自分の能力を活かせる仕事をすること
・体を動かすこと
仕事において身体を使って活動すること、一生懸命に身体を使って仕事をすること
・高い収入や栄誉
昇進できること、高い収入を得ること、大きな意思決定ができるような権限権威を持つこと
■定年後の豊かな仕事として、比較的多くの人が共通して言及していた事項
・健康的な生活リズムに資する仕事
・無理のない仕事
・利害関係のない人たちと緩やかに繋がる仕事
■高齢期の収入の基盤になるのは公的年金給付である。年金の給付見込額が少ない場合や、定年後に一定の給与を稼ぐことができる場合、年金の受給開始年齢を繰り下げてその給付額を増やすことも検討していかなければならない。
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日本経済を語る時、一般にはマクロ経済における金融政策や財政規律と企業や労働者の生産性の低さに焦点が当てられるが、いずれについても確固たるエビデンスが示されず政策が悪い、無駄な会議が多く生産性が低い等結果のみで語られている意見ばかりで、どのような経緯で30年以上日本経済が停滞しているかの核心に迫る意見を目にする機会がなかった。しかし本書では主に労働生産性の面からデータを示して、経済のどの部分に具体的な問題点があるかを指摘し、ネガティブ一辺倒ではなく、どのような未来像を描くべきかが書かれている。特に労働力の不足をAIやロボット等のテクノロジーで補うべき方法と課題については、身近な現場における丹念な取材により記載されていて体感的にも分かり易かった。地味で難しいテーマであるが、合理的で説得力がある説明がされており、日本経済の真の姿に迫る良書であった。
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Posted by ブクログ
ベストセラー「デフレの正体」と同じく、人口動態の影響が物価トレンドに影響を与える、という視点は共通するが、こちらは、「インフレの正体」と正反対の方向で分析しているので、とても興味深く読みました。
人手不足、賃金上昇のトレンドをいち早く分析した本ではないか。統計データに地方でのヒアリングも加えて、アベノミクスの金融緩和の効果よりも、人口減少の中での労働力の逼迫を主な要因とする立場。
人口減少は消費者の減少、総需要の減少になるという発想に対し、高齢者は介護・医療の需要が多い点から、需要過多になるメカニズムの見解や、労働時間の減少が、経済成長にマイナスに寄与しているという分析は、本書で知りました。
人口減少というと悲観的な将来がこれでもかと説明されるのかと思ってしまいます。しかし、例えば、労働力の余剰がDX等への投資を控えさせていたのであれば、著者が主張するように、イノベーションの加速を期待できるなど、希望も示唆する内容でした。 -
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統計を用いて論理的に説明されていたので非常に分かりやすかった。
人口減少社会に入り、労働者と企業の需給関係が変わって来ている、確かにどこも人手不足との話を聞く。すでに、女性や高齢者の労働参加率は他の先進国に比べて高いというのは知らなかった。とすれば、労働人口はこれ以上増えようがない。これから賃金は上昇傾向になるだろう。特にエッセンシャルワーカーが多い業種は、デジタルを用いた生産性の向上が不可欠。
筆者は外国人労働者を増やすことにはあまり賛成していなかったが、今の出生率からすると、人口は加速度的に減少していくので、個人的には外国人を増やす政策が必要と思われる。都市部はまだしも、地方から人がいなくなり、凋落してしまう。 -
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現代の定年後がデータを元にとてもわかりやすくまとめられている。
「定年なんて先のことで、その時に考えればいい」とか「なるようになるだろう」と思っていたけど、逆で、定年を考えることで今の仕事や働き方、生き方を考え直せると思った。
20代や30代でさえ、日々の変化に一喜一憂し、今をなんとか生きようとする。それは定年間近になっても同じで、再雇用されようか、パートで働こうか、でもプライドが、と考えることは多い。でも、この中にある事例やデータでは、勤めていた時よりも幸福であることが記されている。そんな働き方が若い頃からできると思うし、みなが幸せに働くことができれば国もハッピーになる。
『ほんとうの定年後』では、定年者のマインドチェンジと、「小さな仕事」に適切な対価(環境や賃金)を渡す社会構造が必要だと説かれていた。ぼくが思うに、一人一人のマインドセットをすることだと思う。定年後を考えるのみならず、安さを求めた先や、自己理解や社会理解のないままに選択をすることを考えなければならない。みなが考える前提の民主主義を発揮するのか、もしくはまた別のシステムを構築するのか…。とても考えさせられる一冊でした。 -
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統計で考える働き方の未来
著者:坂本貴志
2020年10月10日第一刷発行
名著。現在から今後の日本の最大の社会課題として少子高齢化を設定。そこから生まれる年金はじめとした諸問題の解決策は定年退職後の高齢者が、各種の現場労働を担うことと。
現状の社会福祉制度の中で、高齢者が年金を貰いすぎている事で、世代間の仕送り型モデル(現役世代→高齢者)に限界が来ていると指摘。高齢者が消費する分を自ら稼ぎ出すようになればこの問題は綺麗に解決すると。発行は2020年なのだが、直近の税制改革の議論の先を行った論点になっている。
政府機関の統計数値やリクルートワークス研究所の議論が下敷きになっており、説得力高い。各種の統計数値の変化だけではなく、その裏側にある個人個人の心情や考え方の変化に焦点を当てている。将来的に実質的な引退時期が70歳過ぎまで延長され、企業引退後もゆるゆると働き続けることになるから、いわゆる悠々自適な黄金の15年は現在の現役世代にはやって来ない。それをすでに日本社会は織り込み始めている。