菱木晃子のレビュー一覧
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ネタバレ今まで異国についてのホラを吹いていたピッピが,とうとう本当の異国である南の島へ行く。ノリは今までと変わらない。
やはり本巻でも児童の権利に対する見解がところどころに見られる。作者の書く敵(ここではそう表現する)は,作中では大抵ピッピに懲らしめられるわけであるが,現実社会では思いの外強大な存在であろう。ピッピの存在は児童にとっての安全安心そのものであり,一部のキャラクターはピッピをその点で信頼している。
そして終わりは突然にやってくる。言い出しっぺはトミーで,「おとなになんか,なりたくない」ということ。ピッピいわくおとなとは
「つまらない仕事を山ほどして,かっこ悪い服を着て,ウ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ“ニルスが出会った物語”シリーズ最終巻。
…なのにニルスは出てこない。
旅の途中でニルスが耳にした昔話。
巨人族がわざと荒れ地にして人間が踏み込めないようにしてきた土地。そこへやってきた人間の戦士に、難題をふっかけて追い払おうとする巨人の女房。
完璧とはいえないまでも、なんとかクリアしていく。そのおかげで荒れた大地が美しく力強くよみがえる。
国の始まりの神話。この場所はこんな風にして出来たんだよ~ってヤツ。
そういえば子どもが中等部でやった英語劇でも、アイルランドの巨人の話で、女将さんが賢かった(ウチの子が演じた)のを思い出した。
本編がラストへ向けてどうなっていくのかが解説に少し書かれ -
Posted by ブクログ
ネタバレガンの群れの隊長アッカと、アッカが育てたワシのゴルゴのお話。
ニルスの旅が始まる3年前のこと。
ガンはワシを「強盗」と呼びつつも、夏の間に過ごす谷では、両者は上手く共生していた。
そんな中親が戻ってこないワシのヒナを、ガンとして育てることにするアッカ。
とはいえ子育ての中でお互いの小さな違和感が、結果的に大きく隔てる原因となり、それぞれの道を行くことになる。
親子としての愛情と、譲ることのできないアイデンティティ。子どもが成長して自分を見極め出した時、まさにこういったすれ違いや別離は起きるもんだよね。
そこからが子が自分としての人生の選択をしていくことになる。
ケンカ別れみたいな2匹だけ -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作で熊に食べられる寸前だったけど、今作では人間に捕まっている。ピンチがピンチ過ぎて心臓に悪い。
ストックホルムでバイオリン弾きをしている老人が、故郷を思い憂いている。
この老人が、捕らえられたニルスを買って助けることになる(子どもの頃母親から聞かされていた“小人に親切にしなければいけない”という教えのため)。
そんな老人の前に突如現れる紳士、実は正体はいい意味でトンデモナイ人。紳士が老人にしたストックホルムの成り立ちのおとぎ話(人魚姫と、天女の羽衣が混ざったような話)も、正直言うと「で?」ってなっちゃう。
“ストックホルムのことも、誰でもが故郷だと思っていいんだよ”という考え方は、“三 -
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ニルスを子どもに紹介したいけど、本編はちょっとハードすぎて、こちらはどうかと思って読んでみました。本編のことは最初に小さな字でちらっとしかかかれていないので、ほとんど意識されないまま読まれることを前提としているようです。そう思うと、ちょっとニルスの立ち位置がわかりずらいかもしれませんが、まああまりその辺は気にしなくても子どもは大丈夫だと思います。ただ情景描写がとても美しい、と同時にかなり長く、長い描写に馴れない子は途中で放り出しそうな気がします。この描写をものともしない読者を育てたいのはやまやまなのですが・・・ 最後まで読めば余韻を残す、とても不思議なお話しです。
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