菱木晃子のレビュー一覧
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カッレ、エヴァロッタ、アンデッシュの3人は白バラ軍として赤バラ軍のシックステンたち3人と「聖像」をめぐる戦争をしていた。6人ともこのバラ戦争が気に入って、夏の間の定番の遊びとなっていた。ある夜、古城で赤バラと対決した帰り道、白バラ軍は怪しい車を目撃する。「名探偵」として事件を解決したことのあるカッレたちがその車を見張っていると、なんと悪党たちは有名な科学者とその息子のラスムスを誘拐しようとしていた!
手に汗握る誘拐犯との攻防!カッレたちは無事に悪党たちを出し抜いて人質を救出できるのか、ハラハラしながら最後まで目が離せない物語。スウェーデンの国民的作家リンドグレーンの大人気探偵小説の新訳。 -
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あー、これまたあらためてすばらしい。子どものころさんざん読んであこがれたけど、今回は大人目線で。
事件は、1巻の宝石泥棒から殺人へと深刻さを増し、3人の直面する危機もさらに大きくなる。
そして、前回は現行犯逮捕だったのが、今回は、容疑者として逮捕→否認→動かぬ証拠を突きつけられて自白、というステップを踏んでおり、そのすべての過程にカッレたち(+赤バラ軍の友達)ががっつりからんでいる。聖像さまも。
カッレたちが全身全霊で遊び、その遊びが事件を解く鍵につながる。これがおもしろくないわけがありましょうか。しかも今回は、敵方の赤バラ軍とも協力しあっているところがいいんだよね。シックステンの愛犬ベッポをみんなで探しにいくところとかも、ほろっとさせる。(ただし、ヒ素以前に犬にチョコレートはそもそもあかん)
あと、カッレたちもシックステンたちも、家は金持だったり貧乏だったりいろいろ。たとえば赤バラ軍ベンカの父さんは医者だし、ヨンテは貧しい人たちの多い〈おんぼろ丘〉に住んでいる。カッレの盟友アンデッシュのうちは父親が横暴で、アンデッシュはしょっちゅうなぐられている。そんな背景もさらりと描きつつ、でも子どもたちがまったく気にせず同等に遊びくるってるのがすごくいい(笑)
平澤朋子さんの挿絵は、とにかくかわいい。エヴァロッタの愛らしさときたら(でも賢そうだし、強そう)。ちゃんと服も着かえるしね。あと、カッレはいつもぴったりサイズのこざっぱりした服を着ているけど、アンデッシュはお下がりか、または大きくなっても着られるだぶだぶの服を与えられて、袖口やズボンの裾を折りあげてるのもリアル。そういう細かい描き込みで、リアリティが増してるんだろうな。 -
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40年ぶりに読んだ
小さな引き出しのいっぱいあるキャビネットや、床でこねて作るクッキーがなつかしい~。あれ、すごくうらやましかった。
子どものころ、わたしはピッピになりたかったわけじゃなかった。隣にピッピが住んでるトミーとアニカがうらやましかった。
ふたりともどちらかといえば「おりこうさん」。自分がまさに「おりこうさん」タイプで、そこから抜けられないことも感じていて、それが一種のフクザツな劣等感のようなものにもなってた。でも、ピッピは、いつもきちんとした格好をしてまじめに学校に通うトミーとアニカとも、心の底から楽しんであそんでくれるし、思いがけないプレゼントで驚かせたりもする。
するとアニカたちもいつの間にか、服をどろどろにして帰るので、母親からピッピの家に行くときは一番いい服を着て行くことを禁じられられる(笑)。「おりこうさん」の範疇から外れることはないけど、いつの間にか少しづつピッピのほうへ近づいていく。
そこらへんがすごくよかったなあと。痛快無比な女の子を描きながら、おとなしい、おりこうな子どもたちへもたっぷり愛を注いでくれるリンドグレーンが好きです。
あ、あと、わたしはもちろん大塚勇三訳で育ったのだけど、この菱木さんの新訳もめっちゃいい。読みやすいし、ぜんぜん違和感がない。ニイマンの挿絵もいいし、こぶりな本の形もいいし、しっかり売れてシリーズぜんぶちゃんと出てほしいです。 -
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ネタバレ昔に書かれた話なので、導入部分がある。おもしろくなるまで頑張って読んでほしい話。
最近の本はいきなり本題に入ったり、導入で掴みにかかる話が増えている気がする。昔の話は導入でおだやかな(?)日常を延々描くので、最近の話を読み慣れるととっつきにくいかもしれない。これもタイパなのかな?
主人公カッレくんは、名探偵に憧れる14歳の少年です。自身も名探偵らしい行動をしようと、日々気になる事があると、よく観察し、メモしています。仲良しのエヴァロッタやアンデッシュには、時々冷やかされることもありますが、毎日楽しく遊んでいます。そんなある日、エヴァロッタの家に母親のいとこだという男、エイナルがやってきます。感じが悪くブラブラしているエイナルをカッレたちはよく思っていません。ところが、ある夜カッレは部屋からこっそり抜け出すエイナルを見かけ、後をつけていくことにします。エイナルは、何を隠しているのでしょうか?
何もないはずの田舎町で起こる事件をカッレくんが見事に推理していきます。当然ピンチにも陥ります。ハラハラドキドキのストーリーです。
原爆実験の話が出てきて、スェーデンでもニュースになっていたことに驚いた。 -
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ネタバレ最近クマのニュースが多いので考えさせられる。
あと、もののけ姫っぽい(いや、もののけ姫がニルスっぽかったってこと?)
人間が山の中に造った製鉄所のせいで、生活が困難になる熊。おそらく熊だけじゃないと思う。
食べない代わりに製鉄所を燃やしてくるよう熊から脅されるニルス。
ニルスとしては鉄がいかに人間にとって重要か分かっているし、職人達の技術にも尊敬の念を持っているどころか、製鉄所の炎を美しいとさえ感じているのが、ものすごく人間的で興味深い。
逆に人間が動物の生息地を奪ったことも頭にはあるし、動物の命についても尊重できるようになったニルス。
相反する気持ちで悩んでいる成長した姿にホッとするも、熊達はその後どうしただろうか…と辛くなる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ父親の生き方に違和感を覚えつつも、それが正しいと信じて生きてきた息子は、家を継いで懸命にやってきた。
子どもの頃飼っていた馬(すでに年老いている)と再会したり、父親のせいで孤児となった子ども達と対峙したことで、心が大きく揺さぶられ苦しむ。
青年が親から解き放たれ、自分自身を確立するお話。
とはいえ、父親のしてきたことも、その時代の中では簡単に否定できるものでもなかったのかもしれない。
いつの時代も、親子間の大きなテーマなのだろう。
タイトルにもなり、前説にまである“風の魔女”。はっきりと存在を示すのは2ヶ所しか無いが、巻末の解説を読んで唸らされる!物語のあちこちに、魔女はちゃんといた!