朝比奈蓉子のレビュー一覧
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二人の女の子の友情と成長の物語
夏休みに出された宿題は「自分の苦手なものを克服すること」だった。ミヒロは克服したいことを「本間リサさん」に、リサは「ありのままの自分を受け入れること」に決めて、用紙を提出したーー。お互いが、少しずつ大切な存在となっていく様子に心が温かくなる作品です。2人の視点が交互に入れ替わりながら物語が進むところも面白いよ。
「一番の苦手は、本間リサだ。
気になるけど、近寄りにくい。」
先生は、二人をつなぐ存在であるミヒロのおじいちゃんが大好きです! 言葉一つ一つに深みと優しさが感じられます。
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いちばん好きな登場人物は、ミヒロのおじいちゃん。言葉がけ一つ一つに深みと優しさがあり、この物語全体に安心感を与える大切な存在。二人をつなぐきっかけも作る。
おじいちゃんの家でともに過ごし、友情を深めていくリサとミヒロたちの様子を読みながら、リサにこんな居場所ができてよかったなあと、すごくうれしかった。 -
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アレルギーの湿疹にイライラしていたぼくは、転校生の江本くんのめがねを友達と投げ合い壊してしまい、そのせいで江本くんは骨折してしまう。ひとり病院に行ったぼくに江本くんは「リベンジする」と宣言するのだった。
衝撃的なタイトルに主人公はいじめる側だと知り、重い話なのではないかと少し尻込みしました。しかしいざ読んでみると、軽やかな文体に誘われるように読み進めていったのです。
もちろん内容的には重いものを含んでいます。その時はちょっといらついてたから、ちょっとしたからかいのつもりだったこと。それが相手をけがする原因を作ってしまったこと。クラス全体がそのことを隠そうとしたこと。自責の念から江本くんの元に行こうとするも、誰も同行しようとしなかったこと。それらはぼくの心に重くのしかかります。
しかしそれに対する江本くんは、実に軽やかにぼくに対して「リベンジ」を宣言してあれこれと用事を言いつけるのです。そこで始まるふたりの奇妙な関係。
結果として江本くんとぼくのふたりは、時間を共有することが増えます。そのためぼくは学校では見られなかった江本くんの様々な姿を見ることになります。そして時間を共有することは体験を共有すること。ペットのバニラの誤飲事件、トイレに閉じ込められる事件などを通じてふたりの関係性が変わっていく様が書かれます。
そして垣間見える江本くんの家庭の事情。
それらを通じてぼくにとっての江本くんの存在意味は変わっていき、江本くんの気持ちも変わっていきます。そして江本くんの「リベンジ」の行く末は?
重い話にも目を背けず、それでいながら小学生男子の奇妙な関係性を軽やかに描き切った読み応えのある一冊です。 -
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ネタバレ雨続きで、クラスも僕(沢田直人)も苛ついていた。10日ほど前に転入してきた江本は、太っていて、とろくて、分厚いメガネをかけていて、なんだか女っぽいので、影でオネエと言われていた。その江本がぶつかって、僕のペンケースが落ち、大切な鉛筆キャップが壊れてしまった。僕は江本のメガネをクラスのみんなと投げ合った。江本は這いつくばって泣いて「やめてよ」と言った。偶然 教室に入ってきた女子に踏まれて、メガネは割れた。
江本は帰り道で歩道を踏み外して足を骨折、入院した。
先生がクラスのみんなに問いただした時、みんなで口裏を合わせてウソをついた。江本が女の子のスカートをのぞこうとして、転んで、メガネが飛んだところに、そしてメガネが割れた・・・というウソ。
僕は息苦しくなった。あやまろう。
しかし、一緒になってメガネを投げていた山下と橋口はそう思わなかった。
僕は一人で病院に行った。そこで、江本は思いがけない事を言った。
「きみたちは、うまく先生をだましたつもりでも、ぼくはそんなことで、引きさがるつもりはないからね。必ずリベンジするよ」と。
そして、僕は江本の言いなりに、パシリのようになった。・・・
江本はどんなリベンジを計画しているのか。
それは実行されるのか。
江本にはむかつくが、江本の事を知っていくようになる。
ラストは江本も、沢田もかっこいい。男子の友情物語。 -
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二人の子供のすれ違いと成長の物語
この物語は、ミヒロとリサの双方の視点が交互に切り替わります。
リサが気になって仲良くなりたいミヒロと、自分を守るために周囲とのかかわりを避けたいリサの間の、すれ違いや変化が描かれます。
児童文学らしい、シンプルながらも優しくて前向きな物語です。
ミヒロの頑張りや、周囲の人とのふれあいによってリサの心が開かれる過程が描かれており、優しく胸を打たれます。
それにしても、夏休みの宿題として「苦手なことを一つ克服する」という指示は…。
意義は理解できますが、子供にしてみればハードルが高く感じますね。
昔の私なら何をテーマにしただろう。「字をきれいに書く」とかかな? 克服しようとしたことがないから、今もできない笑