あらすじ
ぼくたちがめがねを割ったせいで、けがをした江本。病院にあやまりにいったぼくに、江本はいった。 「きみたちは、うまく先生をだましたつもりでも、ぼくはそんなことで引きさがるつもりはないからね。必ずリベンジするよ」 その日から、ぼくと江本の奇妙な関係がはじまり、少しずつ、ぼくは江本のことがわかりはじめた──。新学期、みんなの前に立った江本が言った言葉とは? 気まずいできごとではじまった、二人の長い時間。仕返しよりも大事なことってなんだろう。 少し変わった友情の物語。
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Posted by ブクログ
いじめっ子といじめられっ子の友情。
すべてのいじめの人間関係がこんな風だったらいいのに。
やり直すことはできるんだよと教えてくれる。
何より相手をよく知ることで、友情は生まれる。
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アレルギーの湿疹にイライラしていたぼくは、転校生の江本くんのめがねを友達と投げ合い壊してしまい、そのせいで江本くんは骨折してしまう。ひとり病院に行ったぼくに江本くんは「リベンジする」と宣言するのだった。
衝撃的なタイトルに主人公はいじめる側だと知り、重い話なのではないかと少し尻込みしました。しかしいざ読んでみると、軽やかな文体に誘われるように読み進めていったのです。
もちろん内容的には重いものを含んでいます。その時はちょっといらついてたから、ちょっとしたからかいのつもりだったこと。それが相手をけがする原因を作ってしまったこと。クラス全体がそのことを隠そうとしたこと。自責の念から江本くんの元に行こうとするも、誰も同行しようとしなかったこと。それらはぼくの心に重くのしかかります。
しかしそれに対する江本くんは、実に軽やかにぼくに対して「リベンジ」を宣言してあれこれと用事を言いつけるのです。そこで始まるふたりの奇妙な関係。
結果として江本くんとぼくのふたりは、時間を共有することが増えます。そのためぼくは学校では見られなかった江本くんの様々な姿を見ることになります。そして時間を共有することは体験を共有すること。ペットのバニラの誤飲事件、トイレに閉じ込められる事件などを通じてふたりの関係性が変わっていく様が書かれます。
そして垣間見える江本くんの家庭の事情。
それらを通じてぼくにとっての江本くんの存在意味は変わっていき、江本くんの気持ちも変わっていきます。そして江本くんの「リベンジ」の行く末は?
重い話にも目を背けず、それでいながら小学生男子の奇妙な関係性を軽やかに描き切った読み応えのある一冊です。
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転校してきたばかりの江本のめがねを割ってしまった。しかもそれを本人のせいにして。その日の帰り道、江本は転んで骨折し入院した。病院にあやまりに行ったぼくに、江本は言った。「必ずリベンジする」 その日からいやいや江本のパシリのようなことをしているうちに、ぼくは江本の意外な一面を知る。そして二人の間に微妙なつながりができはじめて…。
なんだか自然で、ほんとうにここにいる子どもたちの話という感じ。大感動!ではないけれどちょっとホロリとしてしまう。で、ちょっとあったかいわけよ。
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雨続きで、クラスも僕(沢田直人)も苛ついていた。10日ほど前に転入してきた江本は、太っていて、とろくて、分厚いメガネをかけていて、なんだか女っぽいので、影でオネエと言われていた。その江本がぶつかって、僕のペンケースが落ち、大切な鉛筆キャップが壊れてしまった。僕は江本のメガネをクラスのみんなと投げ合った。江本は這いつくばって泣いて「やめてよ」と言った。偶然 教室に入ってきた女子に踏まれて、メガネは割れた。
江本は帰り道で歩道を踏み外して足を骨折、入院した。
先生がクラスのみんなに問いただした時、みんなで口裏を合わせてウソをついた。江本が女の子のスカートをのぞこうとして、転んで、メガネが飛んだところに、そしてメガネが割れた・・・というウソ。
僕は息苦しくなった。あやまろう。
しかし、一緒になってメガネを投げていた山下と橋口はそう思わなかった。
僕は一人で病院に行った。そこで、江本は思いがけない事を言った。
「きみたちは、うまく先生をだましたつもりでも、ぼくはそんなことで、引きさがるつもりはないからね。必ずリベンジするよ」と。
そして、僕は江本の言いなりに、パシリのようになった。・・・
江本はどんなリベンジを計画しているのか。
それは実行されるのか。
江本にはむかつくが、江本の事を知っていくようになる。
ラストは江本も、沢田もかっこいい。男子の友情物語。
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タイトルがすごく効いてる!
ザラリとした始まりからどんどん話に引き込まれた。
友だちとか親友とかっていう定義なんて関係なくて、相手を思いやることができたら、もう友だちなんだなぁ。
この話、好きだな。
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沢田は山下と橋口一緒に江本の眼鏡を奪って、キャッチボール?みたいな事をしていた。途中で沢田は江本の眼鏡を落としてしまった。そこに、林さんが走ってきて、その眼鏡を割ってしまい、そのせいで江本は帰りに、段差で転んで、骨折してしまった。
沢田は江本の病院に見舞いに行った。
(えらい!)
それからは、沢田は江本の病院によく見舞いにいくようになった。
そして、解決へと向かっていく…………。
(イジメはやっぱりいけないよな~。これからは、イジメられている人がいたら、助けてあげよう!)
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子供の本を何気なく手に取って読み始め、気になって最後まで。
いじめがテーマの子供向けの内容だけど、最後は明るくいい形の終わり方。いじめのきっかけって確かにこういう感じなんだろうと思うけど、なかなかこの本のようにいい方向に向けるのが難しい。
罪悪感でもやもやした時に行動する勇気とか、いじめに直接関わってなくても注意や報告する勇気とか、こういう本が助けになればいいなと。
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最初のメガネをほうりあうシーンは気持ちがざわついたけど、すぐに切り替わり、読み進めることができた。
初めはびくびくで江本のいうことを聞いていたけど、だんだん彼のことを理解するようになり、友情と気づかないまま、心が近づいていくのがいい。
江本の父さんもよかったあた。
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蒸し暑い梅雨の季節、アレルギーが出てむしゃくしゃしていた僕は、腹いせに最近転校してきた江本のメガネを友だちとキャッチボールのように投げ合った。そして、メガネを受け損なって…
タイトルと物語の始まり方からして、「どうやってこの物語は終わるんだろう?」心配になったんですが、見事に完結していました。「相手のことをわかろう、知ろうとする」ということが物語の背後から伝わってきます。そして、自分自身から逃げないこと、許すこと。ただひとりだけ、あまり描かれなかった登場人物が気になりますが…それもまた、作者の意図なのかな?何はともあれ、子どもの強さと優しさを見た物語でした。
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イライラしていてつい意地悪してしまう事ってある、調子に乗って、ひっこみがつかなくなってしまう事ってある。それを認めて挽回しようともがく主人公。それは分かる。
が、いじめられる側の少年に今ひとつ感情移入できなかったなあ。
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インパクトのあるタイトルに惹かれて手に取りましたが、
意外とありきたりな設定と展開でした。
もう少し「いじめられっ子のリベンジ」らしい話を期待していたのですが…。
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ちょっと太めの転校生江本は、オネエっぽい。雨でなんとなく皆が鬱々としていた時、江本のメガネを皆でふざけあい、結果割ってしまった。強度のメガネをかけていなかった江本は、道路の段差で転んで骨折してしまう。
なぜ江本のメガネが割れたのか。質問する担任に、クラスのみんなは自然と江本のせいにしてしまう。メガネを割ってしまったこと、それが原因で骨折してしまったことに、ぼく・沢田は責任を感じお見舞いに行く。
一人個室にいた江本は「リベンジする」と言い放つ。そこから、主人公と江本の不思議な関係が始まる。
小学生のイジメ。よくある今時の児童文学。全体の三分の二くらいまでは、なんかこれヤダッタカモと思って読んでいたのだが、本当に最後のところはホッとできて、良かった。
挿絵のさわやかさで、だいぶ救われている。挿絵なかったら、結構暗かったかも(考えすぎ??)