鷹樹烏介のレビュー一覧
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鷹木烏介『警視庁公安外事四課 トクリュウ対策班』徳間文庫。
書き下ろし警察小説シリーズの第2弾。
前作の背景をしっかり踏襲し、現在の日本社会に於ける不法移民問題や外国人による犯罪、政治家や警察の腐敗、トクリュウによる犯罪などを巧く織り込んだ、前作を遥かに凌ぐ面白いストーリーになっている。
前半の語り手は、ウズガラーヤに情報という武器で立ち向かい、生命を狙われることになったジャーナリストの磐田隆で、後半の語り手は、警視庁公安部外事四課の刑事である多久彰人に変わる。磐田隆の役目は本作で終わり、もしも続編があるならば、次の主役は多久彰人ということなのだろう。
不法移民のウズガラーヤの一件で -
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鷹樹烏介『警視庁公安部外事四課 アンカーベイビー』徳間文庫。
迫真の警察小説。
『アンカーベイビー』……子供を盾にして移民を申請するという使い古された手口。知らぬ間に日本に東南アジアや中東諸国、中華圏から多くの人が流入し、犯罪行為や不動産の買収、企業の買収を行なっているのは事実である。
田舎では中華系企業が山野を太陽光発電施設に変え、都会や観光地では中華圏や東南アジアの富豪が不動産を買い漁る。中華圏の大企業は日本の技術を盗むために同意無きTBOを仕掛けて来る。
問題なのはこうしたことを野放しにして、移民を受け入れ、外国人に生活保護や国民健康保険を認める政府である。
経済記者の磐田は -
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鷹樹烏介『警視庁特任捜査官グール 公安のエス』宝島社文庫。
『互助会』シリーズ第2弾。
各国の諜報組織にテロ組織、国内の公安組織に、公安のS、警察の非合法組織『互助会』が入り乱れ、過激度が増すものの、ストーリーを追い難い作品になっている。もう少し単純明快な筋書きにして、大きな捻りを1つ入れるくらいが良いかなと思った。また、『互助会』や『死人』よりも『グール』という符丁を使った方がしっくり来る。
過去を一切抹消され、新たな身分を手にした警視庁特任捜査官の『死人』たちにより組織された警察の非公式組織『互助会』が新興イスラム過激派のバイオテロ組織『三日月の剣』と闘う。
ロシアで偶然発見された -
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鷹樹烏介『警視庁特任捜査官 グール』宝島社文庫。
通常の警察捜査では対応出来ない巨悪に対抗するために警察機構内部に作られた超法規的非公式組織『互助会』の活躍を描く新シリーズ第1弾。
予想外にハードな常識破りの警察小説だった。登場人物も個性的で、なかなか過去から逃れられない主人公の伊藤、破壊することに命を賭ける大男の黒澤、実は物凄い美形のコンピュータ・オタクの魔法使、 『互助会』を束ねる如月と一筋縄ではいかない連中ばかり。
『互助会』を構成するのは、様々な理由で殉職扱いとされ、家族や戸籍を失った特殊技能を持つ元警官たちで、彼らは『死人』と呼ばれる。『死人』の伊藤たちは常軌を逸した半グレ軍団 -
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鷹樹烏介『ファイアガード 新宿警察署特殊事案対策課』宝島社文庫。
『ガーディアン新宿警察署特殊事案対策課』の続編。サイコパスと呼ばれた元死刑囚の連続殺人犯があろうことか警察組織に所属し、陰惨で怪異な事件解決に挑むという異色の伝奇警察小説。
前作がなかなか面白く、続編を期待していたのだが、今回も面白い。
今回は江戸期に度々見舞われた大火から東京を防衛するために明治維新に造られた『火伏塚』が破壊される事件に元死刑囚の山本ら新宿警察署の特殊事案対策課のメンバーが命を賭けて挑む。
夢枕獏のサイコダイバー・シリーズ、荒俣宏のシム・フースイ・シリーズ、ジャック・カーリイのカーソン・ライダー・シリー