岡本健のレビュー一覧
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これは面白い!
ゾンビというエンタメフィクションを軸に脳科学と社会学それぞれの見地から、現代社会の息苦しさを紐解きながら、幸福とは何かということを考えさせてくれる。
対談形式であるがそれがとても楽しそうで、著者と年代が近いこともあり、一緒にテーブルについて、話に参加したくなるような本でした。
脳は案外サボり癖があり一方で刺激を求めることは、色んな本で読んだことがあるけど、それをsns選挙活動や、炎上と絡めて考えたことは、恥ずかしながらあまりなかった。点と点が結ばれる感覚があり、本書でも取り上げられたクリスティの「春にして君と離れ」の描写と図らずもリンクしていたことが嬉しかった。
学術書では全然 -
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Posted by ブクログ
冒頭に「見積りとはプロジェクト計画」とあり、全編通してこのコンセプトが貫かれている。
見積りに必要な要素が網羅的に書かれているので、誰も教えてくれる先輩がいないような環境で、見積書を作ったり、RFPへの提案書を提出したりしないといけない状況に、仮になったとしたらこの書籍を読み込んで書かれている通りに資料を作れば、それなりの形にはなると思う。
しかし現実的にそのような場面があるのかどうかは疑問があり、大抵の場合はある程度の経験を積んだシステムエンジニアが、社内で上司の指導を受けながら見積書や提案書を作るのではなかろうか。そうするとこの書籍に書かれている、見積りの周辺の知識は経験知で賄えてしまい、 -
Posted by ブクログ
自分のPRの手段として最近よく目にするようになったのでVTuberとは何かを知るために繙いてみた.起源は1995年だそうだが、当時は全く気づていなかった.インターネットの使用率が1997年の0.2%から2002年の57.8%に急上昇し、YouTube日本語版が2007.6.19にスタートし、日本が得意としていたアニメが合流してきた由.歴史については何となく知っていたが、本書は岩波書店らしく、第III部で理論的な考察を加えている.配信者の立場、受け取る側の態度など、哲学的、現象学的、美学的等の議論は全て理解することはできなかったが、このようなアプローチがなされていることは素晴らしいと感じた.ジャ
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購入済み
「よう俺」と言いたくなる学術書
1章のVTuberの歴史から、Ⅲ部における配信者とVモデルとの各種関係論に至るまで興味深い内容が盛沢山だった。
殊に印象深いのは、先生方自らが視聴者であることを前面に押し出して分析をしている点。注釈に角巻わためさんのアーカイブが並んだり、冒頭から紫咲シオンさん語りしたりと、まさに「よう俺」と言いたくなるような書き口にクスリとした。
ところで自分は大手からVTuber(以下、大手V)に触れたが、今はとある登録者数の少ない個人VTuber(以下、個人V)も推している。この過程で感じた「VTuberと視聴者の関係性」について本書とも絡めて記述する。
11章富山先生の記述に、コメントや応援に -
Posted by ブクログ
全3部構成の、VTuberに関する歴史・研究を取りまとめた大著。
VTuberはこれまでのキャラクターコンテンツと何が違うのか。
どこに魅力があり、人はなぜそれに惹かれるのか。
そんな潜在的な疑問が言語化されており、至極納得できた。
・ネット上に存在して、リアルタイムで同じ時を生きているという感覚を感じさせてくれることこそ、他のキャラクターコンテンツと異なるVTuberならではの新しい魅力
・「創作的ルックス」と「滲み出る本人性」とのギャップ、コントラスト、バランスがVTuberの本質かつ魅力
1部はVTuberの歴史、2部は今を取り巻く環境についての調査研究が述べられている。
論文調の -
Posted by ブクログ
ネタバレ<目次>
はじめに
第1章 アニメ聖地巡礼
第2章 コンテンツツーリズムへの展開
第3章 観光資源を生む「創造性」
第4章 現実、情報、虚構空間への巡礼
第5章 観光「資産」化への道
第6章 巡礼ビジネスに必要なこと
対談 村山慶輔×岡本健
<内容>
今、アニメの世界がこんなになっていることを知らなかった。また海外からこんなに熱く思われているなんて…。日本人はこんなに足元を見ていないことにも。また「らき☆すた」で埼玉県の鷲宮が有名になっていることは知っていたが、著者の言うように、その陰には地域の人のちょっとの気づきとかなりの努力が重なっていたのだ。そういう意味で言うと、私の好 -
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ネタバレ幸せの定義について考えさせられた本。
今までは自分の中で「幸福=たくさんの選択肢を持てている状態」としていた。例えば、貧しくてそれしか食べられない人と、あらゆる選択肢の中から食べたくてそれを食べている人、後者の方が幸福度が高い,子供を作るか否か,マイホームを持てるか等選択肢が広がるから結婚もした。
作中の“わたしたち人間には、「飽きる」という感覚がありますよね。どんなに満足していても、目新しいことがないと、もうそれは苦痛でしかないんです。例えば、食うに困らず、愛する人と一緒にいて、子どもにも恵まれて、何不自由ない暮らしをし、誰と比べても自分のほうが圧倒的優位です。•・・・・それで本当に幸せです -