岡本健のレビュー一覧

  • ゾンビ化する社会 生きづらい時代をサバイブする

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    これは面白い!
    ゾンビというエンタメフィクションを軸に脳科学と社会学それぞれの見地から、現代社会の息苦しさを紐解きながら、幸福とは何かということを考えさせてくれる。
    対談形式であるがそれがとても楽しそうで、著者と年代が近いこともあり、一緒にテーブルについて、話に参加したくなるような本でした。
    脳は案外サボり癖があり一方で刺激を求めることは、色んな本で読んだことがあるけど、それをsns選挙活動や、炎上と絡めて考えたことは、恥ずかしながらあまりなかった。点と点が結ばれる感覚があり、本書でも取り上げられたクリスティの「春にして君と離れ」の描写と図らずもリンクしていたことが嬉しかった。
    学術書では全然

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    2025年09月26日
  • クリティカル・ワード ゲームスタディーズ

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    「クリティカルワードシリーズ」は、キーワードをテーマに豪華な執筆陣が評論する書籍。第1章「理論編」では、「ルール」「メディア」などを3人ずつの視点で比較し、読者が考えるきっかけを提供する構成が特徴。第2章では「アイテム」「学習」「ツーリズム」などを専門家が解説。ゲームは歴史が長く要素が多いが、研究が進みにくい中、本書を通じてゲームをより深く楽しむ知見を得られた。

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    2025年07月20日
  • VTuber学

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    VTuberを様々な視点から捉えて論じている本。
    以下のコンテンツを含んでいて、とにかく多角的でボリューミー。これ一冊で界隈の背景を掴めそうだ。

    ・VTuberの歴史
    ・社会的影響とビジネスモデル
    ・中の人から見たプロテウス効果(アバターの外見が当人の行動や知覚に影響を与える効果)
    ・配信技術
    ・コミュニケーションとしての特性
    ・イベントのレポート
    ・哲学的視点、VTuberとは何者か
    ・キーマンへのインタビュー

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    2025年03月23日
  • 大学で学ぶゾンビ学~人はなぜゾンビに惹かれるのか~

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    大学で学ぶゾンビ学~人はなぜゾンビに惹かれるのか~。岡本健先生の著書。ゾンビとはなにか、ゾンビの魅力はなにか、なんて考えたこともなかったけれど、ゾンビについて真剣に研究しているゾンビ学の研究員、研究者がいて、ゾンビ学の講義を受けたいと希望する生徒がたくさんいるなんて素敵なこと。研究、研究員、研究者というとどこか堅苦しく聞こえるけれど、研究は本来は自由に好きなものを選ぶもののはずだから。だれでも自由に研究していいし、好きなことを研究している人はだれでも研究員で研究者。

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    2020年09月26日
  • 図解まるわかり システム開発のための見積りのきほん

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    冒頭に「見積りとはプロジェクト計画」とあり、全編通してこのコンセプトが貫かれている。
    見積りに必要な要素が網羅的に書かれているので、誰も教えてくれる先輩がいないような環境で、見積書を作ったり、RFPへの提案書を提出したりしないといけない状況に、仮になったとしたらこの書籍を読み込んで書かれている通りに資料を作れば、それなりの形にはなると思う。
    しかし現実的にそのような場面があるのかどうかは疑問があり、大抵の場合はある程度の経験を積んだシステムエンジニアが、社内で上司の指導を受けながら見積書や提案書を作るのではなかろうか。そうするとこの書籍に書かれている、見積りの周辺の知識は経験知で賄えてしまい、

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    2025年12月04日
  • VTuber学

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    自分のPRの手段として最近よく目にするようになったのでVTuberとは何かを知るために繙いてみた.起源は1995年だそうだが、当時は全く気づていなかった.インターネットの使用率が1997年の0.2%から2002年の57.8%に急上昇し、YouTube日本語版が2007.6.19にスタートし、日本が得意としていたアニメが合流してきた由.歴史については何となく知っていたが、本書は岩波書店らしく、第III部で理論的な考察を加えている.配信者の立場、受け取る側の態度など、哲学的、現象学的、美学的等の議論は全て理解することはできなかったが、このようなアプローチがなされていることは素晴らしいと感じた.ジャ

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    2025年04月02日
  • VTuber学

    購入済み

    「よう俺」と言いたくなる学術書

     1章のVTuberの歴史から、Ⅲ部における配信者とVモデルとの各種関係論に至るまで興味深い内容が盛沢山だった。
     殊に印象深いのは、先生方自らが視聴者であることを前面に押し出して分析をしている点。注釈に角巻わためさんのアーカイブが並んだり、冒頭から紫咲シオンさん語りしたりと、まさに「よう俺」と言いたくなるような書き口にクスリとした。

     ところで自分は大手からVTuber(以下、大手V)に触れたが、今はとある登録者数の少ない個人VTuber(以下、個人V)も推している。この過程で感じた「VTuberと視聴者の関係性」について本書とも絡めて記述する。
     11章富山先生の記述に、コメントや応援に

    #深い #笑える #タメになる

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    2024年10月09日
  • VTuber学

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    全3部構成の、VTuberに関する歴史・研究を取りまとめた大著。

    VTuberはこれまでのキャラクターコンテンツと何が違うのか。
    どこに魅力があり、人はなぜそれに惹かれるのか。
    そんな潜在的な疑問が言語化されており、至極納得できた。

    ・ネット上に存在して、リアルタイムで同じ時を生きているという感覚を感じさせてくれることこそ、他のキャラクターコンテンツと異なるVTuberならではの新しい魅力
    ・「創作的ルックス」と「滲み出る本人性」とのギャップ、コントラスト、バランスがVTuberの本質かつ魅力

    1部はVTuberの歴史、2部は今を取り巻く環境についての調査研究が述べられている。
    論文調の

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    2024年10月07日
  • 大学で学ぶゾンビ学~人はなぜゾンビに惹かれるのか~

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    さらば青春の光の「さらばのこの本ダレが書いとんねん!」を観て俄然興味を惹かれ拝読。映画以外、アニメもゲームも全く興味ないのだが、広範囲にわたるゾンビ考察はとても興味深いもので、特に第五章「なぜ人々はゾンビに惹かれるのか」は秀逸だった。ゾンビに興味がなくても面白く読めると思う。

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    2024年05月30日
  • 巡礼ビジネス ポップカルチャーが観光資産になる時代

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    文字通り、巡礼ビジネスについて書いた一冊。

    今世紀に入ってから始まった印象だが、現在はさらに多様化していることがよくわかった。

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    2023年06月20日
  • 巡礼ビジネス ポップカルチャーが観光資産になる時代

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    ネタバレ

    アニメや漫画などのコンテンツを観光資源として活用するコンテンツツーリズムの活性化について、具体例や集客するための方法論を論じた本。

    ・アニメの聖地巡礼において商いの匂いを出してはいけない。ファンはそれを見抜き冷めてしまうから。→舞台の雰囲気を守ることが大切。

    ・地元住民の理解と協力を得るにはファンの誠実な姿勢が必要。(例えば、町のごみ拾いに参加するなど)

    ・観光は「差異」を売る産業。

    ・コンテンツツーリズムの根幹は「物語性」「テーマ性」

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    2022年09月08日
  • 巡礼ビジネス ポップカルチャーが観光資産になる時代

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    数年前にB級グルメによって、その街が注目
    され、町おこし的なムーブメントへつながっ
    ていくという動きがありました。

    この本では食べ物ではなく、アニメや映画
    の舞台となった街に、ファンが実際にその
    場所を訪れる動きを「観光ビジネス」とし
    てサポートしようと働きかけます。

    言って見れば「ポップカルチャービジネス」
    です。

    ここで重要なのは一昔前なら、アニメなど
    はサブカルチャーと言われていました。

    今は違います。立派な日本の文化の一つな
    のです。ポップカルチャーです。

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    2020年06月25日
  • 巡礼ビジネス ポップカルチャーが観光資産になる時代

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    アニメ聖地巡礼に限らず、地域の観光資産を生かして集客を図るさまざまな事例が紹介・解説されていました。観光、地域活性化に興味のある高校生にもおすすめです。

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    2020年05月11日
  • 巡礼ビジネス ポップカルチャーが観光資産になる時代

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    マンガの聖地巡礼について卒論を書く場合には必読の本であろう。それだけにまだ類書がないといえる。
     メディアリテラシーについては少しだけ書かれているので、マンガのメディアリテラシーを卒論にするためにはあまり役立ちはしないであろう。
     聖地巡礼のマンガがどの程度あるかということには役立つ。
     観光学という観点からは役に立つ1冊であろう。

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    2019年05月12日
  • 巡礼ビジネス ポップカルチャーが観光資産になる時代

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    ネタバレ

    <目次>
    はじめに
    第1章  アニメ聖地巡礼
    第2章  コンテンツツーリズムへの展開
    第3章  観光資源を生む「創造性」
    第4章  現実、情報、虚構空間への巡礼
    第5章  観光「資産」化への道
    第6章  巡礼ビジネスに必要なこと
    対談   村山慶輔×岡本健

    <内容>
    今、アニメの世界がこんなになっていることを知らなかった。また海外からこんなに熱く思われているなんて…。日本人はこんなに足元を見ていないことにも。また「らき☆すた」で埼玉県の鷲宮が有名になっていることは知っていたが、著者の言うように、その陰には地域の人のちょっとの気づきとかなりの努力が重なっていたのだ。そういう意味で言うと、私の好

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    2019年01月02日
  • 巡礼ビジネス ポップカルチャーが観光資産になる時代

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    観光(聖地巡礼)ビジネスのいろはが、豊富な事例とともに研究されている。具体例から構造的な理解まで明快に述べられており、ビジネスする側も、行く側も楽しめる内容

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    2018年12月31日
  • ゾンビ化する社会 生きづらい時代をサバイブする

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    ネタバレ

    幸せの定義について考えさせられた本。
    今までは自分の中で「幸福=たくさんの選択肢を持てている状態」としていた。例えば、貧しくてそれしか食べられない人と、あらゆる選択肢の中から食べたくてそれを食べている人、後者の方が幸福度が高い,子供を作るか否か,マイホームを持てるか等選択肢が広がるから結婚もした。
    作中の“わたしたち人間には、「飽きる」という感覚がありますよね。どんなに満足していても、目新しいことがないと、もうそれは苦痛でしかないんです。例えば、食うに困らず、愛する人と一緒にいて、子どもにも恵まれて、何不自由ない暮らしをし、誰と比べても自分のほうが圧倒的優位です。•・・・・それで本当に幸せです

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    2025年09月18日
  • ゾンビ化する社会 生きづらい時代をサバイブする

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     本書は様々な知識の豊富な二人が、ゾンビというテーマから派生して各々の「こうなんじゃないか」という推論を披露しあう。
     正直対談の内容自体は専門的な詳細を省いている風があり、結論もそこまで真新しいものではない。しかし、対談のテーマを批判的に考えながら読んでみるとそこそこ面白く読めた。
     知的な会話のキャッチボールを楽しむ、「ゆる言語学ラジオ」のような学問系ポッドキャストが好きな人にはおすすめできる。

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    2025年09月10日
  • クリティカル・ワード ゲームスタディーズ

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    「ゲームはゲームでしょ?」としか思ってない人の目をひとまず覚まさせてはくれる一冊。聞き馴染みのあるゲームタイトルやゲーム用語がまじめな文脈の中にぽんと飛び出してくるおかしみもあり読みやすい。ゲーム学が今後もっと栄え、一冊丸ごと著者一人のこういう本が出ればいいなと思う。第三部で取り上げられている前提書もなかなかおもしろそうだった。

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    2025年09月07日
  • ゾンビ化する社会 生きづらい時代をサバイブする

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    ★ゾンビ学は人間学

    著書は"ゾンビ"をテーマに現代社会を見つめ直す切っ掛けとなる内容です。
    "ゾンビ学"と聞き慣れない単語から始まりますが、ゾンビに共通している現代社会の闇がいくつもあることに気付かされます。
    惜しむは対談形式で最後まで続くので、「まとめ」がない点ですね。

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    2025年08月20日